JPH07298991A - ステンレス製真空断熱容器の製造方法 - Google Patents

ステンレス製真空断熱容器の製造方法

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JPH07298991A
JPH07298991A JP11445094A JP11445094A JPH07298991A JP H07298991 A JPH07298991 A JP H07298991A JP 11445094 A JP11445094 A JP 11445094A JP 11445094 A JP11445094 A JP 11445094A JP H07298991 A JPH07298991 A JP H07298991A
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Sadami Tsujibayashi
定美 辻林
Kiyobumi Wakae
清文 若江
Naoki Nishiyama
直希 西山
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MORI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単かつ確実に製造することができ、しか
も、真空加熱処理による強度の低下が防止されると共
に、高価な不活性ガス等による急冷が不必要となり、か
つ、電力消費量も少ないステンレス製真空断熱容器の製
造方法の提供にある。 【構成】 外筒体2の一部に排気孔7を貫設して内外筒
体1,2の口部3を接合する。次に、排気孔7上乃至そ
の近傍にろう材14を配設した後、真空加熱処理炉8内に
て450 ℃以下でかつ10-2torr以下の真空加熱処理を行な
って空隙部4を真空排気する。その後、真空排気した状
態においてレーザ光Lをろう材14に照射してろう材14を
溶融させて排気孔7を閉塞する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステンレス製真空断熱容
器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空断熱容器の製造方法としては、例え
ば、特開昭63−158027号公報に記載されるいわゆるチッ
プ管方式、特公昭60−36766 号公報に記載されるいわゆ
る真空ろう付け方式、特公平2−61358 号公報に記載さ
れるいわゆるレーザ溶接方式等がある。
【0003】即ち、チップ管方式は、外筒体(外容器)
の底部にチップ管を設け、このチップ管を、真空排気手
段に連結し、この真空排気手段により、チップ管を介し
て、内筒体(内容器)と外筒体(外容器)との間の空隙
部を真空とした後、チップ管を切断して封止するもので
ある。
【0004】また、真空ろう付け方式は、倒立状とされ
た外槽(外筒体)の底部に設けられた排気孔の近傍にろ
う材を載置し、その上に、蓋を載置し、その状態で、真
空加熱炉(真空加熱室)で10-2torr以下でかつ600 ℃〜
1200℃の温度で真空加熱処理を行ない、その加熱時の温
度にて、上記ろう材を溶解させて、蓋を外槽の底部に固
着させ排気孔を閉塞するものである。
【0005】また、レーザ溶接方式では、真空加熱処理
を行なって内外筒体間の空隙部を真空排気した後、倒立
状とした外筒体の底部に封板を載置し、該封板にて排気
孔を施蓋して、その状態で、レーザ光をこの封板に照射
し、点溶接することにより、封板を底部に固着させ排気
孔を閉塞するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のチッ
プ管方式では、真空封止後もチップ管の一部が外容器の
外側に突出して残り、不必要なスペースが生じ、全体と
してコンパクト化を図ることができない。
【0007】また、真空ろう付け方式では、内外容器
(内外筒体)がステンレス製である場合、ステンレスと
しては、一般にオーステナイト系ステンレス鋼が使用さ
れる。
【0008】ところで、オーステナイト系ステンレス鋼
は、450 〜850 ℃の範囲を徐冷またはこの範囲に加熱さ
れると粒界腐食感受性を有するようになる。従って、こ
のステンレスが使用される真空断熱容器では、450 ℃以
下もしくは850 ℃以上で脱ガスを行ない真空封止を行な
う必要がある。
【0009】しかしながら、450 ℃以下の低融点のろう
材を使用する場合、このろう材の融点よりさらに低い温
度で脱ガスやゲッターの活性をする必要があり、多大な
処理時間を要することになり、極めて生産性が悪かっ
た。
【0010】また、融点が850 ℃以上のろう材を使用す
る場合、オーステナイト系ステンレス鋼は900 ℃付近の
温度で再結晶が起こるため塑性加工によって高くなって
いた容器の強度が低下する。さらに、真空封止の終わっ
たオーステナイト系ステンレス鋼製の断熱容器は450 〜
850 ℃の温度帯を素早く通過し冷却されなければならな
いため真空炉(真空処理室)内へアルゴン等の高価な不
活性ガスを大量に供給せねばならない。また、真空炉内
を850 ℃以上の高温にするための電力の消費量が多くな
る。
【0011】次に、真空レーザ溶接方式では、封板を必
要とし、かつ、この封板を、排気孔が設けられている外
筒体の平面部に載置する必要があるので、排気孔の位置
としては、製品設計上の制約がある。しかも、レーザ溶
接時に、この封板を上記平面部との間に隙間を生じさせ
ないよう載置する必要があり、精度上の要求が厳しくな
る。
【0012】そこで、本発明では、簡単かつ確実に製造
することができ、しかも、加熱処理による強度の低下が
防止されると共に、高価な不活性ガス等による急冷が不
必要となり、かつ、電力消費量も少ないステンレス製真
空断熱容器の製造方法を提供することを特徴とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る第1のステンレス製真空断熱容器の
製造方法は、ステンレス製の内外筒体を口部にて接合
し、内外筒体間の空隙部を真空排気して封止するステン
レス製真空断熱容器の製造方法に於て、上記内外筒体の
どちらか一方の一部に排気孔を貫設して該内外筒体の口
部を接合し、次に、上記排気孔上乃至その近傍にろう材
を配設した後、真空加熱処理炉内にて450℃以下でかつ1
0-2torr以下の真空加熱処理を行なって上記空隙部を真
空排気し、その後、真空排気した状態においてレーザ光
を上記ろう材に照射して該ろう材を溶融させて上記排気
孔を閉塞するものである。
【0014】また、本発明に係る第2のステンレス製真
空断熱容器の製造方法は、ステンレス製の内外筒体を口
部にて接合し、内外筒体間の空隙部を真空排気して封止
するステンレス製真空断熱容器の製造方法に於て、上記
内外筒体のどちらか一方の一部に凹所を形成した後その
凹所に排気孔を貫設して該内外筒体の口部を接合し、次
に、上記凹所にろう材を入れた後、真空加熱処理炉内に
て450 ℃以下でかつ10 -2torr以下の真空加熱処理を行な
って上記空隙部を真空排気し、その後、真空排気した状
態においてレーザ光を上記ろう材に照射して該ろう材を
溶融させて上記排気孔を閉塞するものである。
【0015】また、本発明に係る第3のステンレス製真
空断熱容器の製造方法は、ステンレス製の内外筒体を口
部にて接合し、内外筒体間の空隙部を真空排気して封止
するステンレス製真空断熱容器の製造方法に於て、上記
内外筒体のどちらか一方の一部にろう材を接合させた
後、該一部乃至ろう材に排気孔を貫設して該内外筒体の
口部を接合し、次に、真空加熱処理炉内にて450 ℃以下
でかつ10-2torr以下の真空加熱処理を行なって上記空隙
部を真空排気し、その後、真空排気した状態においてレ
ーザ光を上記ろう材に照射して該ろう材を溶融させて上
記排気孔を閉塞するものである。
【0016】また、本発明に係る第4のステンレス製真
空断熱容器の製造方法は、ステンレス製の内外筒体を口
部にて接合し、内外筒体間の空隙部を真空排気して封止
するステンレス製真空断熱容器の製造方法に於て、上記
内外筒体のどちらか一方の一部に凹所を形成した後その
凹所にろう材を埋込状に溶着し、該凹所乃至該ろう材に
排気孔を貫設して該内外筒体の口部を接合し、次に、真
空加熱処理炉内にて450 ℃以下でかつ10-2torr以下の真
空加熱処理を行なって上記空隙部を真空排気し、その
後、真空排気した状態においてレーザ光を上記ろう材に
照射して該ろう材を溶融させて上記排気孔を閉塞するも
のである。
【0017】ところで、排気孔の孔面積としては、 0.7
〜 7.0mm2 とするのが好ましい。
【0018】
【作用】ろう付け位置以外は450 ℃以下で処理が行なわ
れるので、内外筒体がステンレス鋼であっても、材料強
度の低下が起こらない。また、ろう付け位置は450 ℃以
上に加熱されるが、その範囲は非常に狭く、かつレーザ
光の照射時間も短時間であるので、トータルの熱量は微
小であって、レーザ光照射後熱は周りの材料へ拡散す
る。さらに、別途蓋体等を必要とせずに、確実に排気孔
を閉塞することができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を
詳説する。
【0020】図1は本発明に係るステンレス製真空断熱
容器の製造方法の一工程図を示し、この製造方法は、ス
テンレス製の内外筒体1,2を口部3にて接合し、内外
筒体1,2間の空隙部4を真空排気して封止するもので
ある。
【0021】ところで、この断熱容器5は、上述の如
く、有底円筒形状の外筒体2と、この外筒体2に挿入さ
れる有底円筒形状の内筒体1と、を備え、口部3にて内
外筒体1,2が接合され、内外筒体1,2間の空隙部4
が真空状とされている。なお、口部3の接合は、TIG
溶接やろう付け等にて行なう。
【0022】しかして、このステンレス製真空断熱容器
を製造するには、まず、外筒体2の底壁6に円孔等の排
気孔7を貫設して内外筒体1,2の口部3を接合する。
この場合、口部3を接合した後、外筒体2の底壁6に排
気孔7を貫孔するも、排気孔7を貫設した後、口部3を
接合するもどちらでもよい。
【0023】次に、真空加熱処理炉8内に、内外筒体
1,2を倒立状に収納させる。なお、真空加熱処理炉8
内には、この内外筒体1,2を保持するための図示省略
の載置台等が設けられている。
【0024】また、この処理炉8の上壁9には、ガラス
板11を備えた窓部10が設けられ、この窓部10のガラス板
11を介して、レーザ光照射装置12からのレーザ光Lがこ
の処理炉8内に照射される。さらに、この処理炉8に
は、図外の真空ポンプに接続される接続管13が付設され
ている。
【0025】そして、排気孔7上乃至その近傍に、図2
に示すように、ろう材14,14が配設される。ろう材14と
しては、図2の(イ)に示すように、断面が円形の棒状
体固型ろう材であっても、図2の(ロ)に示すように、
ペースト状のろう材であってもよい。また、排気孔7と
しても、円孔以外、楕円孔や、三角形孔や四角形孔、さ
らにそれ以上の多角形孔等であってもよい。
【0026】その後、真空ポンプを駆動させると共に、
処理炉8のヒータを加熱して、炉8内を450 ℃以下でか
つ10-2torr以下の真空加熱状態とし、真空加熱処理を行
なって、内外筒体1,2間の空隙部4を真空排気する。
この際、空隙部4にゲッターを入れておき、シール後の
真空度を一層良くすることも可能である。
【0027】空隙部4を真空排気した後は、その状態を
保持しつつ、レーザ光照射装置12からレーザ光Lを発射
して、窓部10のガラス板11を介して、ろう材14にレーザ
光Lを照射する。レーザ光Lとしては、YAGレーザが
使用され、ろう材14に約5〜20秒間照射される。
【0028】従って、ろう材14は溶融し、その溶融した
ろう材14は排気孔7に流れ込み、表面張力によってろう
材14の一部が排気孔7内にとどまり、その状態で冷却さ
れて、図3の(イ)又は(ロ)に示すように、蓋部材15
となって排気孔7は閉塞される。即ち、空隙部4は真空
封止される。なお、ろう材14の数としては、2個に限ら
ず、増減は自由であるが、全体として、溶融して冷却し
た際に、排気孔7を完全に閉塞するのに必要な量があれ
ばよい。
【0029】その後は、真空加熱処理炉8からこの内外
筒体1,2を出すことにより、真空断熱容器5の製造が
終了する。
【0030】また、排気孔7の孔面積としては、 0.7〜
7.0mm2 の範囲とするのが好ましい。即ち、この範囲よ
り大きければ、ろう材14を溶融させた際に溶融したろう
材14が排気孔7を埋めることができず、この範囲より小
さければ、排気孔7としての排気能率が悪いからであ
る。
【0031】しかして、この方法によれば、ろう付け位
置以外は、450 ℃以下で真空加熱処理が行なわれるの
で、内外筒体1,2をオーステナイト系ステンレス鋼を
使用しても、強度が低下することがない。また、ろう付
け位置では、450 ℃以上に加熱されるが、この範囲は全
体としては非常に狭く、かつ、レーザ光Lの照射も短時
間であるので、トータルの熱量は微小で、レーザ照射後
は、熱は周りの材料で拡散し急冷されるため、高価な不
活性ガス等による急冷が不要となる。
【0032】ところで、排気孔7としては、図4の
(イ)(ロ)に示すように、外筒体2の一部(つまり、
底壁6の一部)に凹所16を設けて、この凹所16に排気孔
7を貫設し、この凹所16にろう材14を入れるようにして
もよい。
【0033】即ち、凹所16を設けることにより、ろう材
14はこの凹所16内に入れられるので、排気孔7からずれ
ることがなく、ろう材14をレーザ光Lにて溶融させた際
に確実に排気孔7に流れ込む。
【0034】また、ろう材14が溶融して冷却することに
より形成される蓋部材15は、図3の(ロ)に示すよう
に、凹所16内に形成され、外筒体2の底壁6の表面6a
から、蓋部材15が突出しない。
【0035】さらに、排気孔7を形成する場合、図5に
示すように、まず、排気孔7を形成しようとする部位、
例えば、外筒体2の底壁6の一部に、図5の(イ)に示
すように、ろう材14を溶着(結合)し、その後、図5の
(ロ)に示すように、このろう材14及び上記一部に、例
えば、機械加工により貫通孔17,18を貫設し、この貫通
孔17,18をもって排気孔7としてもよい。
【0036】この場合、図5の(ロ)の状態とした後、
真空加熱処理炉8内に、この内外筒体1,2を入れて、
上述の如き条件(つまり、450 ℃以下でかつ10-2torr以
下)での真空加熱処理を行ない、その後、レーザ光L
を、貫通孔17が形成されたろう材14に照射し、このろう
材14を溶融させて冷却することによって、図5の(ハ)
に示すように、排気孔7を閉塞する蓋部材15を形成す
る。
【0037】従って、このように、排気孔7を貫設する
前に、ろう材14を結合させておけば、ろう材14が、真空
加熱処理中等において、ずれることがなく排気孔7を確
実に閉塞することができる。
【0038】また、排気孔7を貫設する前に、ろう材14
を結合させる場合、図6に示すように、凹所16を形成し
た後、ろう材14を金属結合させるようにするも好まし
い。
【0039】即ち、排気孔7を形成しようとする部位、
例えば、外筒体2の底壁6の一部に、図6の(イ)に示
すように、凹所16を形成し、この凹所16内にろう材14を
埋込状として、溶着───つまり溶融にて相互に金属結
合───させる。その後、図6の(ロ)に示すように、
このろう材14及び凹所16の底壁に貫通孔19,20を貫設
し、この貫通孔19,20をもって排気孔7とする。その後
は、この内外筒体1,2を真空加熱処理炉8内に入れ
て、真空加熱処理を行なって、レーザ光Lをこのろう材
14に照射すれば、図6の(ハ)に示すように、排気孔7
を閉塞する蓋部材15が形成される。
【0040】即ち、凹所16を設ければ、図3の(ロ)の
場合と同様、蓋部材15が外筒体2の底壁6の表面6aか
ら突出しない。
【0041】ところで、上述の各実施例においては、排
気孔7が、外筒体2の底壁6の一部に設けられる場合で
あったが、図7に示すように、排気孔7としては種々の
位置に設けることができる。
【0042】即ち、図7の(イ)では、外筒体2の上壁
21の一部に排気孔7が形成され、図7の(ロ)では、外
筒体2の側壁22の一部に排気孔7が形成され、図7の
(ハ)では、内筒体1の底壁23の一部に排気孔7が形成
されている。
【0043】従って、図7の(イ)では、口部3を窓部
10に向けた立設状として、排気孔7を窓部10に対応さ
せ、図7の(ロ)では、内外筒体1,2を横倒状とし
て、排気孔7を窓部10に対応させ、図7の(ハ)では、
内外筒体1,2を立設状として、排気孔7を窓部10に対
応させる必要があり、このような状態において、レーザ
光Lをろう材14に照射すれば、各ろう材14が溶融して、
各排気孔7が閉塞される。
【0044】なお、図7に示すように、排気孔7が種々
の位置に設けられる場合であっても、図4に示すよう
に、凹所16を形成し、この凹所16に排気孔7を貫設して
もよく、また、図5に示すように、まず、ろう材14を結
合させて後排気孔7を貫設するようにするも、さらに、
図6に示すように、凹所16を形成すると共にこの凹所16
にろう材14を入れて排気孔7形成するようにするも好ま
しい。
【0045】また、使用するろう材14としては、一般の
真空封止用ろう材(銀ろう、ニッケルろう等)を使用す
るも、内外筒体1,2と同一または同種の材料を使用す
るも自由である。内外筒体1,2と同一または同種の材
料を使用すれば、一般の真空封止用ろう材を使用する場
合に比べて、材料費を大幅に低減(例えば、十分の一か
ら百分の一)することができる。
【0046】なお、ろう材14のみを加熱して該ろう材14
を溶融させればよいので、局部加熱方法として、電子ビ
ースや高周波等を利用することができ、これらを利用す
れば、ろう材14の選択範囲が広くなり、コストダウンを
図ることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。
【0048】 ろう付け位置以外は450 ℃以下で処理
が行なわれるので、材料強度の低下が起こらず、この真
空断熱容器の内外筒体1,2の薄肉化を図ることがで
き、軽量化を図ることができる。
【0049】 ろう付け位置は450 ℃以上に加熱され
るが、その範囲は非常に狭く、レーザ光Lの照射も短時
間のためトータルの熱量は微小で、レーザ光照射後熱は
周りの材料へ拡散し急冷されるため、高価な不活性ガス
等による急冷が不要となる。
【0050】 真空加熱処理温度が450 ℃以下と比較
的低温であるため、電力消費量が少なくて済む。
【0051】 排気孔7を施蓋するための蓋体(封
板)を別途必要とせず、従って、排気孔7の位置を、こ
の封板が載置できる平面部に限定されず、製品設計上の
制約が少なくなると共に、精度上の要求も少なくなっ
て、極めて製造しやすいものとなる。
【0052】 ろう材14が溶融して冷却することによ
って形成される蓋部材15(この蓋部材15にて排気孔7が
閉塞される。)は、チップ管方式のものに比べて、外側
への突出量は極めて少なく、不要なスペースが生じず、
全体としてコンパクト化を図ることができる。
【0053】 凹所16を形成したものでは、蓋部材15
は外側へは突出せず、よりコンパクト化を図ることがで
きると共に、ろう材14を配設しやすく作業性に優れる。
【0054】 排気孔7を貫設する前に、ろう材14を
結合させるものでは、ろう材14が、真空加熱処理中等に
おいて、ずれることがなく排気孔7を確実に閉塞するこ
とができる。
【0055】 排気孔7の孔面積が 0.7〜 7.0mm2
あれば、排気孔7としての排気機能を十分に発揮すると
共に、レーザ光Lにて溶融されたろう材14はこの排気孔
7に確実に流れ込んでこの排気孔7を閉塞することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステンレス製真空断熱容器の製造
方法の一工程図である。
【図2】外筒体の要部拡大断面図である。
【図3】排気孔を閉塞した状態の外筒体の要部拡大断面
図である。
【図4】他の外筒体の要部拡大断面図である。
【図5】排気孔の貫設方法の説明図である。
【図6】他の排気孔の貫設方法の説明図である。
【図7】排気孔の位置の変形例を示す簡略図である。
【符号の説明】
1 内筒体 2 外筒体 3 口部 4 空隙部 7 排気孔 8 真空加熱処理炉 14 ろう材 16 凹所 L レーザ光

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス製の内外筒体1,2を口部3
    にて接合し、内外筒体1,2間の空隙部4を真空排気し
    て封止するステンレス製真空断熱容器の製造方法に於
    て、上記内外筒体1,2のどちらか一方の一部に排気孔
    7を貫設して該内外筒体1,2の口部3を接合し、次
    に、上記排気孔7上乃至その近傍にろう材14を配設した
    後、真空加熱処理炉8内にて450 ℃以下でかつ10-2torr
    以下の真空加熱処理を行なって上記空隙部4を真空排気
    し、その後、真空排気した状態においてレーザ光Lを上
    記ろう材14に照射して該ろう材14を溶融させて上記排気
    孔7を閉塞することを特徴とするステンレス製真空断熱
    容器の製造方法。
  2. 【請求項2】 ステンレス製の内外筒体1,2を口部3
    にて接合し、内外筒体1,2間の空隙部4を真空排気し
    て封止するステンレス製真空断熱容器の製造方法に於
    て、上記内外筒体1,2のどちらか一方の一部に凹所16
    を形成した後その凹所16に排気孔7を貫設して該内外筒
    体1,2の口部3を接合し、次に、上記凹所16にろう材
    14を入れた後、真空加熱処理炉8内にて450 ℃以下でか
    つ10-2torr以下の真空加熱処理を行なって上記空隙部4
    を真空排気し、その後、真空排気した状態においてレー
    ザ光Lを上記ろう材14に照射して該ろう材14を溶融させ
    て上記排気孔7を閉塞することを特徴とするステンレス
    製真空断熱容器の製造方法。
  3. 【請求項3】 ステンレス製の内外筒体1,2を口部3
    にて接合し、内外筒体1,2間の空隙部4を真空排気し
    て封止するステンレス製真空断熱容器の製造方法に於
    て、上記内外筒体1,2のどちらか一方の一部にろう材
    14を接合させた後、該一部乃至ろう材14に排気孔7を貫
    設して該内外筒体1,2の口部3を接合し、次に、真空
    加熱処理炉8内にて450 ℃以下でかつ10-2torr以下の真
    空加熱処理を行なって上記空隙部4を真空排気し、その
    後、真空排気した状態においてレーザ光Lを上記ろう材
    14に照射して該ろう材14を溶融させて上記排気孔7を閉
    塞することを特徴とするステンレス製真空断熱容器の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 ステンレス製の内外筒体1,2を口部3
    にて接合し、内外筒体1,2間の空隙部4を真空排気し
    て封止するステンレス製真空断熱容器の製造方法に於
    て、上記内外筒体1,2のどちらか一方の一部に凹所16
    を形成した後その凹所16にろう材14を埋込状に溶着し、
    該凹所16乃至該ろう材14に排気孔7を貫設して該内外筒
    体1,2の口部3を接合し、次に、真空加熱処理炉8内
    にて450 ℃以下でかつ10-2torr以下の真空加熱処理を行
    なって上記空隙部4を真空排気し、その後、真空排気し
    た状態においてレーザ光Lを上記ろう材14に照射して該
    ろう材14を溶融させて上記排気孔7を閉塞することを特
    徴とするステンレス製真空断熱容器の製造方法。
  5. 【請求項5】 排気孔7の孔面積が 0.7〜 7.0mm2 であ
    る請求項1,2,3又は4記載のステンレス製真空断熱
    容器の製造方法。
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