JP3439626B2 - 真空構造体の封止方法およびその構造 - Google Patents

真空構造体の封止方法およびその構造

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JP3439626B2
JP3439626B2 JP11236397A JP11236397A JP3439626B2 JP 3439626 B2 JP3439626 B2 JP 3439626B2 JP 11236397 A JP11236397 A JP 11236397A JP 11236397 A JP11236397 A JP 11236397A JP 3439626 B2 JP3439626 B2 JP 3439626B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魔法瓶、真空二重
管、真空断熱パネル、真空容器等の真空構造体の封止方
法およびその構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、真空構造体、例えば、金属製の内
瓶と外瓶とからなる魔法瓶の封止方法は、まず、前記外
瓶の底部等に排気孔を設け、該排気孔の周縁に封止材を
配設しておく。そして、前記内瓶と外瓶とを加熱し、こ
れらに付着した油、水分、気体分子等をガス化して除去
するとともに、母材金属内に吸蔵したガスを排出しなが
ら、前記排気孔より前記内瓶と外瓶との間の空間を真空
排気する。そして、前記空間が所定の真空度に達する
と、前記外瓶の底部を加熱して前記封止材を溶融させ、
該封止材によって前記排気孔を封止している。なお、真
空構造体の形成材料としてはステンレスが多用され、そ
の封止材としては、近年ではステンレスの剛性を保つた
めに融点が低い金属からなるろう材が好適に使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、はんだ
等の汎用の低融点のろう材ではステンレスに溶着しない
ため、フラックスを使用する必要があり、該フラックス
は加熱されるとガス化するため、内瓶と外瓶との間の真
空度が大幅に低下するという問題があった。また、前記
フラックスを使用する必要がない封止材として低温ガラ
ス等を使用した封止材も提供されているが、該封止材は
衝撃に弱くコーティング等の補強をする必要があるため
生産性の面で好ましくなかった。さらに、硫黄や燐等の
母材金属の表面を還元させる成分を含有したろう材も考
えられるが、このろう材は反応温度(融点)が高いた
め、前記外瓶を一緒に高温加熱する必要がある。この場
合、該外瓶の母材金属から多量の吸蔵ガスが発生し、真
空度が低下するという不都合があった。
【0004】そこで、特開昭61−106120号公
報、特開平7−313384号公報、および、特開平9
−23984号公報等では、前記排気孔の周辺における
母材の表面にヌレ性を良くするために金属被膜をコーテ
ィングにより形成し、該金属被膜の上にろう材を配置す
る真空構造体の製造方法が提供されている。しかし、こ
れらの製造方法では、母材の表面に金属被膜を形成する
際にマスキング等をする必要があるため、生産性の点で
好ましくないとともにコスト高になるという欠点があっ
た。
【0005】本発明は前記問題に鑑みてなされたもの
で、フラックスを使用し、構成部材により閉じられた空
間の真空度が低下することなく低コストで真空構造体の
排気孔を確実に封止することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の真空構造体の封止方法は、構成部材により
閉じられた空間を、前記構成部材に形成した排気孔より
排気した後、前記排気孔をろう材によって封止する金属
製の真空構造体の封止方法であって、前記排気孔を封止
するろう材は、前記構成部材の表面にフラックスを付着
させてフラックス層を形成し、該フラックス層の表面か
らろう材を前記構成部材に溶着させて第1ろう材層を形
成した後、該第1ろう材層より露出した前記フラックス
層を除去し、前記第1ろう材層の表面に所定量のろう材
を付着させて第2ろう材層を形成してなり、前記空間を
排気した後に前記第1ろう材層および第2ろう材層を加
熱してこれらのろう材層を前記排気孔に溶け込ませて該
排気孔を封止するようにしている。
【0007】前記真空構造体の封止方法では、前記フラ
ックスを付着する前に、前記構成部材に排気孔を予め形
成し、該排気孔の周縁に該排気孔と対応する孔を有する
前記第1ろう材層を形成するとともに、該第1ろう材層
の表面に前記排気孔と対応する孔を有する前記第2ろう
材層を形成することが好ましい。あるいは、前記第1ろ
う材層を形成した後に、前記構成部材とともに前記第1
ろう材層を貫通させて前記排気孔を形成してもよい。あ
るいは、前記第2ろう材層を形成した後に、前記構成部
材、第1ろう材層および第2ろう材層を貫通させて前記
排気孔を形成してもよい。
【0008】また、前記各封止方法では、前記真空構造
体を内瓶と外瓶とからなる真空二重容器とし、前記排気
孔を前記外瓶の底部に形成することが好ましい。
【0009】前記真空構造体の各封止方法によれば、フ
ラックス層の表面から構成部材に第1ろう材層を形成し
た後に、該第1ろう材層より露出するフラックスを除去
する構成としているため、封止加熱する時に不要なフラ
ックスがガス化して真空度を低下させることを防止する
ことができる。さらに、第1ろう材を溶着する際には、
構成部材の母材が加熱されるため脱ガスの効果があり、
これにより封止加熱の際に真空度が低下することを防止
できる。
【0010】前記各封止方法では、前記第1ろう材層お
よび第2ろう材層は、同質の低融点のろう材によって形
成することが好ましい。また、前記第1ろう材層および
第2ろう材層は、少なくとも主成分が共通するろう材に
よって形成することが好ましい。さらに、前記第1ろう
材層および第2ろう材層は、PbまたはSnを主成分と
し、あるいは、PbまたはSnの合金を主成分としたろ
う材によって形成することが好ましい。
【0011】また、本発明の真空構造体の封止構造は、
構成部材により閉じられた空間を、前記構成部材に形成
した排気孔より排気した後、前記排気孔をろう材によっ
て封止する金属製の真空構造体の封止構造であって、前
記排気孔の周縁に、フラックスを付着させてフラックス
層を設け、該フラックス層の表面からろう材を前記構成
部材に溶着させて第1ろう材層を設けるとともに、前記
構成部材の表面の前記フラックスを除去した後に前記第
1ろう材層の表面に所定量のろう材を付着させて第2ろ
う材層を設け、前記空間を排気した後に前記第1ろう材
層および第2ろう材層を加熱してこれらろう材層を前記
排気孔に溶け込ませて該排気孔を封止する構成としたも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って詳細に説明する。図1(A),(B)は本発明
の第1実施形態の封止方法によって製造した魔法瓶1か
らなる真空構造体を示す。該魔法瓶1は、ステンレス等
からなる金属製の内瓶2と外瓶3とからなる真空二重容
器であり、これら構成部材2,3の間には空間Sが形成
されている。前記空間Sを真空排気する前の二重容器
1’には、図1(B)に示すように、前記外瓶3の底部
3aの中央に排気孔4が形成されている。
【0013】次に、前記魔法瓶1の排気孔4の封止方法
について説明する。まず、外瓶3の内部に内瓶2を挿入
し、これらの口部を溶接することによって固着するとと
もに、前記外瓶3に底部3aを溶接することによって固
着して二重容器1’を組み立てる。
【0014】次に、図2(A)に示すように、前記外瓶
3の底部3aの外面側における予め形成した排気孔4の
周縁にフラックスを塗布等することによって付着させ、
フラックス層7を形成する。
【0015】ついで、図2(B)に示すように、前記フ
ラックス層7の表面からろう材を底部3aに溶着させ、
排気孔4と対応する孔を有する第1ろう材層8を形成す
る。この時、第1ろう材層8を形成した箇所に付着して
いたフラックスは、前記ろう材の溶着による熱で殆どが
気化、あるいは、第1ろう材層8の周囲に広がる。な
お、第1ろう材層8には、微量のフラックス成分が残留
するが、後述する封止時に影響は殆どない。また、前記
第1ろう材層8を形成する際の熱により、外瓶3の底部
3aの母材を加熱して付着した油や吸蔵ガス等を脱ガス
することができる。本実施形態では、前記ろう材は、P
bまたはSnを主成分とする融点が低い低温ろう材を用
いている。
【0016】ついで、図2(C)に示すように、前記フ
ラックス層7の前記第1ろう材層8より露出する部分7
aを拭き取って除去する。
【0017】ついで、図2(D)に示すように、前記第
1ろう材層8の表面に、前記第1ろう材層8を形成した
ろう材と同質でかつ主成分が共通する円環状の固形ろう
材を付着させ、排気孔4と対応する孔を有する第2ろう
材層9を形成する。該第2ろう材層9は、前記第1ろう
材層8とあわせて、前記排気孔4を封じるのに必要な量
に設定されている。本実施形態では、前記第2ろう材層
9は、第1ろう材層8と同一のPbまたはSnを主成分
とする融点が低い低温ろう材を用いている。なお、前記
第1ろう材層8および第2ろう材層9は、PbまたはS
nの合金を主成分とするろう材を用いてもよい。また、
前記第1ろう材層8および第2ろう材層9からなる封止
材5は、二重容器1’を組み立てる前の状態で外瓶3の
底部3aに形成してもよい。
【0018】ついで、前記二重容器1’を加熱しつつ、
例えば、図1(B)に示す排気装置50を配置して、二
重容器1’の表面に付着した油、水分、気体分子等およ
び吸蔵ガスを完全に除去するとともに、内瓶2と外瓶3
との間の空間Sを真空排気する。
【0019】具体的には、まず、前記二重容器1’を倒
立状態とし、前記排気装置50の排気治具51を、その
排気口51aが外瓶3の排気孔4を覆うように配置す
る。これにより、外瓶3の底部3aは、前記排気口51
aに取り付けられたシール部材52によって気密に保持
される。
【0020】そして、図示しない加熱手段により内瓶2
および外瓶3の表面を第1ろう材層8および第2ろう材
層9が溶融しない所定温度で加熱しながら、排気孔4を
介して内瓶2と外瓶3の間の空間Sを排気する。これに
より、前記内瓶2および外瓶3に付着した油、水分、気
体分子等の付着物および吸蔵ガスを除去しながら、前記
底板3aの排気孔4より空間S内を排気する。なお、前
記各構成部材の表面に付着した油、水分、気体分子等や
母材金属に吸蔵したガスは、二重容器1’を前記排気装
置50に配置する前の状態、または、該二重容器1’を
組み立てる前の状態で予備加熱して事前に除去しておい
てもよい。
【0021】前記排気動作によって二重容器1’の前記
空間Sが所定の真空度に達すると、フェライトコア54
に巻回した誘導加熱コイル55に、制御装置56からイ
ンダクタンス調節コイル57を介して20〜50kHz
の高周波電流を通電する。これにより、前記誘導加熱コ
イル55からの電磁波が前記排気治具51を通り抜け、
電磁誘導作用により外瓶3の底部3aで渦電流が発生
し、この渦電流によって底部3aが発熱し、その熱によ
って第1ろう材層8,9を加熱する。
【0022】このように、誘導加熱により、前記第1ろ
う材層8および第2ろう材層9を加熱し、図1(A)に
示すように、これらろう材層8,9を溶融させて前記排
気孔4に流し込むことによって、該排気孔4を封止す
る。なお、前記排気装置50は、前記構成に限定される
ものではなく、ハロゲンランプによる加熱やレーザ加熱
等の装置を任意に使用することができる。
【0023】このように、前記排気孔4の封止方法で
は、フラックスを使用することにより、ステンレスに付
着しにくいろう材からなる第1および第2ろう材層8,
9を前記排気孔4の周辺に形成し、これらによって前記
排気孔4を確実に封止することができる。
【0024】図3(A),(B)は前記第1実施形態の
封止方法によって製造した魔法瓶1の変形例を示す。該
魔法瓶1は、排気前の二重容器1’に対して、前記第1
ろう材層8および第2ろう材層9を空間S側に位置する
ように配設し、正立状態で真空排気するとともに排気孔
4を封止するようにした点で前記第1実施形態と相違し
ている。
【0025】前記魔法瓶1を製造する場合には、まず、
内瓶2と外瓶3とからなる二重容器1’を組み立てる前
に、前述した図2に示すように、外瓶3の底部3aの排
気孔4の周縁にフラックスを塗布してフラックス層7を
形成し、該フラックス層7の表面からろう材を前記底部
3aに溶着させて第1ろう材層8を形成した後、該第1
ろう材層8より露出した部分7aを除去し、前記第1ろ
う材層8の表面に所定量のろう材を付着させて第2ろう
材層9を形成する。
【0026】その後、外瓶3の内部に内瓶2を挿入し、
互いの口部を溶接して固着するとともに、外瓶3に底部
3aを溶接して固着し、二重容器1’を組み立てた後、
該二重容器1’を図示しない加熱装置で加熱しつつ、前
記排気装置50等によって正立状態で内瓶2と外瓶3と
の間の空間Sを排気し、第1および第2ろう材層8,9
を溶融させて排気孔4を封止する。
【0027】前記魔法瓶1では、フラックスが空間S側
に塗布される構成となるが、前記封止方法によれば、前
述のように第1ろう材層8より露出するフラックス層7
の露出部分7aを除去するようにしているため、第1ろ
う材層8内には微量のフラックスしか残留しないので、
前記封止時の加熱で前記フラックスがガス化して真空度
が低下することを抑制することができる。
【0028】図4は第2実施形態の封止方法を示す。該
第2実施形態の方法は、図1(B)に示す排気孔4を後
から形成する点で第1実施形態と相違している。具体的
には、まず、図4(A)に示すように、前記外瓶3の底
部3aにおける排気孔4の形成箇所に、フラックスを付
着させてフラックス層7を形成する。ついで、図4
(B)に示すように、前記フラックス層7の表面からろ
う材を底部3aに溶着して第1ろう材層8を形成する。
【0029】ついで、図4(C)に示すように、前記フ
ラックス層7の前記第1ろう材層8より露出する部分7
aを拭き取って除去する。ついで、図4(D)に示すよ
うに、ドリル等を使用して前記第1ろう材層8、外瓶3
の底部3aを貫通させて排気孔4を形成する。なお、前
記フラックス層7の露出する部分7aを除去する工程
と、前記排気孔4を形成する工程とは、いずれを先に行
ってもよい。また、前記第1ろう材層8は、排気孔4と
対応する孔を有する形状に形成しておいてもよい。
【0030】次に、図4(E)に示すように、前記第1
ろう材層8の表面に排気孔4と対応する孔を有する固形
ろう材を付着させて第2ろう材層9を形成する。以下、
前記第1ろう材層8および第2ろう材層9によって排気
孔4を封止する動作は、前記第1実施形態と同様であ
る。
【0031】図5は第3実施形態の封止方法を示す。該
第3実施形態の方法は、排気孔4を第2実施形態に示す
封止方法より更に後から形成する点で相違している。具
体的には、まず、図5(A)に示すように、前記外瓶3
の底部3aにおける排気孔4の形成箇所に、フラックス
を付着させてフラックス層7を形成する。ついで、図5
(B)に示すように、前記フラックス層7の表面からろ
う材を底部3aに溶着して第1ろう材層8を形成する。
【0032】ついで、図5(C)に示すように、前記フ
ラックス層7の前記第1ろう材層8より露出する部分7
aを拭き取って除去する。ついで、図5(D)に示すよ
うに、第1ろう材層8の表面に、中央部に排気孔4と対
応する孔が形成されていないブロック状の固形ろう材を
付着させて第2ろう材層9を形成する。
【0033】次に、図5(E)に示すように、ドリル等
を使用して外瓶3の底部3a、第1ろう材層8、第2ろ
う材層9を貫通させて排気孔4を形成する。なお、第1
ろう材層8および第2ろう材層9は、排気孔4と対応す
る孔を有する形状に形成しておいてもよい。以下、前記
第1ろう材層8および第2ろう材層9によって排気孔4
を封止する動作は、前記第1実施形態と同様である。
【0034】図6(A),(B)は第4実施形態の封止
方法によって製造した魔法瓶10を示す。該魔法瓶10
は、図1(A),(B)に示す魔法瓶1と同様に、金属
製の内瓶11と外瓶12とからなる。図6(B)に示す
ように、排気前の二重容器10’には、前記外瓶12の
底部12aの中央に略円錐筒状に下向きに突出した筒状
部13が設けられ、該筒状部10の内部空間によって排
気孔14が構成されている。
【0035】次に、第3実施形態の魔法瓶10の封止方
法について説明する。まず、前記外瓶12の底部12a
の筒状部13の外周部に適宜の手段でフラックスを塗布
し、フラックス層16を形成する。
【0036】次に、図7に示すように、溶融したろう材
17’を溜めた薬液槽20に前記外瓶12の筒状部13
を浸漬させて該筒状部13の外周にろう材17’を付着
させ、所謂ディッピングすることによって第1ろう材層
17を形成する。ついで、前記第1ろう材層17より露
出したフラックス層16を除去した後、前記第1ろう材
層17の外周部に固形ろう材からなる第2ろう材層18
を付着させる。
【0037】そして、前記魔法瓶10の各構成部材を組
み立てて二重容器10’を形成し、該二重容器10’を
図示しない加熱装置で加熱しつつ、排気装置によって正
立状態で表面に付着した油、水分、気体分子等および吸
蔵ガスを完全に除去するとともに、前記排気孔14より
内瓶11と外瓶12との間の空間Sを真空排気する。な
お、二重容器10’の組み立ては、底部12aに前記第
1ろう材層17および第2ろう材層18を予め形成して
から行ってもよい。ここで、前記排気装置は、図6
(B)に示すように、前記排気孔14との対向位置にヌ
レ性の悪い材料により形成されたろう材用の受部60を
有するものを使用する。前記受部60には、排気用の通
気路60aが形成されている。
【0038】前記排気装置により空間Sが所定の真空度
に達すると、前記外瓶12の底部12aを加熱して第1
および第2ろう材層17,18を溶融させ、そのろう材
により図6(A)に示すように排気孔14を封止する。
この時、前記加熱により溶融したろう材は、筒状部13
の傾斜と前記受部60によって排気孔14の中央口部1
4a側に導かれるため、安定して口部14aを封止する
ことができる。
【0039】図8は第4実施形態の封止方法により製造
した魔法瓶10の変形例を示す。該魔法瓶10には、外
瓶12の底部12aの筒状部13の外周部にガイド部材
22が着脱可能に取り付けられている。該魔法瓶10で
は、前記封止材15を加熱することによって溶融したろ
う材が前記ガイド部材22の傾斜に従って排気孔14の
口部14aに導かれ、該口部14aを確実に封止するこ
とができる。
【0040】なお、本発明の魔法瓶の封止方法により封
止する真空構造体は魔法瓶に限られず、真空二重管、真
空断熱パネル、真空容器等を封止する場合に採用しても
同様の効果を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の真空構造体の封止方法では、第1ろう材層より露出す
るフラックスを除去する構成としたので、第1ろう材層
には微量のフラックスしか残留しなくなり、余分なフラ
ックスがガス化して構成部材によって閉じられた空間の
真空度が低下することを防止できるため、金属被膜を形
成する場合と同様の効果を得ることができる。また、構
成部材に封止材を付着させる際にマスキング等もする必
要がないため、大型の設備が必要でなく簡単な作業で済
むため、真空構造体を安価に製造することができるとと
もに、生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の第1実施形態の方法で製造
した魔法瓶からなる真空構造体の要部断面図、(B)は
封止前の状態の要部断面図である。
【図2】 (A),(B),(C),(D)は第1実施
形態の封止方法を示す断面図である。
【図3】 (A)は第1実施形態の方法で製造した魔法
瓶からなる真空構造体の変形例を示す要部断面図、
(B)は封止前の状態の要部断面図である。
【図4】 (A),(B),(C),(D),(E)は
第2実施形態の封止方法を示す断面図である。
【図5】 (A),(B),(C),(D),(E)は
第3実施形態の封止方法を示す断面図である。
【図6】 (A)は本発明の第4実施形態の方法で製造
した魔法瓶からなる真空構造体の要部断面図、(B)は
封止前の状態の要部断面図である。
【図7】 第4実施形態の封止方法における第1ろう材
層を形成する動作を示す概略図である。
【図8】 第4実施形態の方法で製造した魔法瓶からな
る真空構造体の変形例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1,10…魔法瓶(真空構造体)、1’,10’…二重
容器、2,11…内瓶(構成部材)、3,12…外瓶
(構成部材)、4,14…排気孔、5,15…封止材、
7,16…フラックス層、8,17…第1ろう材層、
9,18…第2ろう材層、S…空間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−23984(JP,A) 特開 平7−298991(JP,A) 特開 平7−289449(JP,A) 特開 平2−215416(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 41/02 102

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成部材により閉じられた空間を、前記
    構成部材に形成した排気孔より排気した後、前記排気孔
    をろう材によって封止する金属製の真空構造体の封止方
    法であって、前記排気孔を封止するろう材は、前記構成
    部材の表面にフラックスを付着させてフラックス層を形
    成し、該フラックス層の表面からろう材を前記構成部材
    に溶着させて第1ろう材層を形成した後、該第1ろう材
    層より露出した前記フラックス層を除去し、前記第1ろ
    う材層の表面に所定量のろう材を付着させて第2ろう材
    層を形成してなり、 前記空間を排気した後に前記第1ろう材層および第2ろ
    う材層を加熱してこれらのろう材層を前記排気孔に溶け
    込ませて該排気孔を封止することを特徴とする真空構造
    体の封止方法。
  2. 【請求項2】 前記フラックスを付着する前に、前記構
    成部材に排気孔を予め形成し、該排気孔の周縁に該排気
    孔と対応する孔を有する前記第1ろう材層を形成すると
    ともに、該第1ろう材層の表面に前記排気孔と対応する
    孔を有する前記第2ろう材層を形成することを特徴とす
    る請求項1に記載の真空構造体の封止方法。
  3. 【請求項3】 前記第1ろう材層を形成した後に、前記
    構成部材とともに前記第1ろう材層を貫通させて前記排
    気孔を形成することを特徴とする請求項1に記載の真空
    構造体の封止方法。
  4. 【請求項4】 前記第2ろう材層を形成した後に、前記
    構成部材、第1ろう材層および第2ろう材層を貫通させ
    て前記排気孔を形成することを特徴とする請求項1に記
    載の真空構造体の封止方法。
  5. 【請求項5】 前記真空構造体を内瓶と外瓶とからなる
    真空二重容器とし、前記排気孔を前記外瓶の底部に形成
    することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか
    1項に記載の真空構造体の封止方法。
  6. 【請求項6】 前記第1ろう材層および第2ろう材層
    は、同質の低融点のろう材によって形成することを特徴
    とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の真
    空構造体の封止方法。
  7. 【請求項7】 前記第1ろう材層および第2ろう材層
    は、少なくとも主成分が共通するろう材によって形成す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1
    項に記載の真空構造体の封止方法。
  8. 【請求項8】 前記第1ろう材層および第2ろう材層
    は、PbまたはSnを主成分とし、あるいは、Pbまた
    はSnの合金を主成分としたろう材によって形成するこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に
    記載の真空構造体の封止方法。
  9. 【請求項9】 構成部材により閉じられた空間を、前記
    構成部材に形成した排気孔より排気した後、前記排気孔
    をろう材によって封止する金属製の真空構造体の封止構
    造であって、前記排気孔の周縁に、フラックスを付着さ
    せてフラックス層を設け、該フラックス層の表面からろ
    う材を前記構成部材に溶着させて第1ろう材層を設ける
    とともに、前記構成部材の表面の前記フラックスを除去
    した後に前記第1ろう材層の表面に所定量のろう材を付
    着させて第2ろう材層を設け、前記空間を排気した後に
    前記第1ろう材層および第2ろう材層を加熱してこれら
    ろう材層を前記排気孔に溶け込ませて該排気孔を封止す
    る構成とした真空構造体の封止構造。
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