JP2781255B2 - 金属製魔法瓶の製造方法 - Google Patents
金属製魔法瓶の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、排気口を封止板等の封止用部材を用いずに
真空封止ができる金属製魔法瓶の製造方法に関するもの
である。
真空封止ができる金属製魔法瓶の製造方法に関するもの
である。
「従来の技術」 第11図は従来の金属製魔法瓶の製造方法を用いて製造
された金属製魔法瓶をを示すものである。
された金属製魔法瓶をを示すものである。
この金属製魔法瓶は、有底筒状の内瓶1と筒状の外瓶
胴部2および外瓶底部3からなる外瓶4とからなり、こ
れら内瓶1と外瓶4との間の空隙部5を真空排気してこ
れを封止して真空断熱層を形成してなるものである。上
記外瓶胴部2は、その縮径された口部に上記内瓶1の口
部が気密に接合されると共に、この外瓶胴部2の口部と
反対側の開口端部に外瓶底部3が気密に接合されてい
る。この外瓶底部3の略中央部には、内瓶1側に凹んだ
凹部6が形成され、さらにこの凹部6の略中央部には、
排気口7が形成されている。この排気口7には封止板8
が気密に取り付けられている。
胴部2および外瓶底部3からなる外瓶4とからなり、こ
れら内瓶1と外瓶4との間の空隙部5を真空排気してこ
れを封止して真空断熱層を形成してなるものである。上
記外瓶胴部2は、その縮径された口部に上記内瓶1の口
部が気密に接合されると共に、この外瓶胴部2の口部と
反対側の開口端部に外瓶底部3が気密に接合されてい
る。この外瓶底部3の略中央部には、内瓶1側に凹んだ
凹部6が形成され、さらにこの凹部6の略中央部には、
排気口7が形成されている。この排気口7には封止板8
が気密に取り付けられている。
次に、このような従来の金属製魔法瓶の製造方法につ
いて説明する。
いて説明する。
まず、口部にて一体化された内瓶1と外瓶胴部2と
を、外瓶底部3に上向きとなるように倒立させ、これを
治具等により支持する。次いで、凹部6に設けた排気口
7の周部に固形ろう材を適宜な間隔をおいて配した後、
封止板8をこのろう材上に載置する。この状態で治具等
により支持しつつ真空加熱炉内で真空加熱処理を行う。
これにより、空隙部5内を真空排気した後、固形ろう材
を融解することにより、封止板8が自重により落下して
排気口7を塞さい真空封止する。このようにして空隙部
5を真空断熱層とすることにより従来の金属製魔法瓶が
製造される。
を、外瓶底部3に上向きとなるように倒立させ、これを
治具等により支持する。次いで、凹部6に設けた排気口
7の周部に固形ろう材を適宜な間隔をおいて配した後、
封止板8をこのろう材上に載置する。この状態で治具等
により支持しつつ真空加熱炉内で真空加熱処理を行う。
これにより、空隙部5内を真空排気した後、固形ろう材
を融解することにより、封止板8が自重により落下して
排気口7を塞さい真空封止する。このようにして空隙部
5を真空断熱層とすることにより従来の金属製魔法瓶が
製造される。
「発明が解決しようとする課題」 ところが、上述した従来の金属製魔法瓶の製造方法で
は、真空排気の際に、魔法瓶を倒立させて真空加熱炉内
で支持する必要があることから、このための治具が必要
であり、従って真空加熱炉内に上記治具を用意するため
のコストの問題およびこの治具があるため真空加熱炉内
のスペースが有効に利用できないといった問題があっ
た。
は、真空排気の際に、魔法瓶を倒立させて真空加熱炉内
で支持する必要があることから、このための治具が必要
であり、従って真空加熱炉内に上記治具を用意するため
のコストの問題およびこの治具があるため真空加熱炉内
のスペースが有効に利用できないといった問題があっ
た。
また、排気口7の周部にろう材を配しその上に封止板
を載置する作業で、固形ろう材および封止板8が排気口
7からずれたりして、確実に位置決めする作業が繁雑
で、しかもこれらの作業は、自動化が困難であることか
ら、これらの作業は手作業により行う必要があり、手間
がかかるという問題もあった。
を載置する作業で、固形ろう材および封止板8が排気口
7からずれたりして、確実に位置決めする作業が繁雑
で、しかもこれらの作業は、自動化が困難であることか
ら、これらの作業は手作業により行う必要があり、手間
がかかるという問題もあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、真空封
止時に治具を用いることなく確実に封止口を封止するこ
とができ、さらに製造工程の自動化が可能な金属魔法瓶
の製造方法の提供を目的とするものである。
止時に治具を用いることなく確実に封止口を封止するこ
とができ、さらに製造工程の自動化が可能な金属魔法瓶
の製造方法の提供を目的とするものである。
「課題を解決するための手段」 本発明においては、内瓶あるいは外瓶のいずれかの瓶
壁に真空排気用の排気孔を設け、次いでこの排気孔の鉛
直上方の壁にろう材を配し、この状態で真空加熱処理を
行い、まず内外瓶間の間の空隙部を所定真空度とした
後、さらに昇温することにより、ろう材を融解し鉛直下
方に壁に沿って流下させて、上記排気孔を封止するよう
にしたことにより上記課題を解決するようにした。
壁に真空排気用の排気孔を設け、次いでこの排気孔の鉛
直上方の壁にろう材を配し、この状態で真空加熱処理を
行い、まず内外瓶間の間の空隙部を所定真空度とした
後、さらに昇温することにより、ろう材を融解し鉛直下
方に壁に沿って流下させて、上記排気孔を封止するよう
にしたことにより上記課題を解決するようにした。
「作用」 内瓶あるいは外瓶に設けられた排気孔の鉛直上方にろ
う材を配した後、その状態で真空加熱炉内に搬入し真空
加熱処理を行うことにより、融解したろう材が鉛直下方
に壁に沿って流下して排気孔を封止する。従って、真空
加熱炉内で魔法瓶を倒立させる必要がなく、倒立状態で
支持するための治具が不要となり、かつ安定した状態で
炉内に保持できる。また、真空加熱炉内に治具を置く必
要がないことから、真空加熱炉内のスペースを有効に利
用することができ、一度により多数本の魔法瓶の封止が
行える。
う材を配した後、その状態で真空加熱炉内に搬入し真空
加熱処理を行うことにより、融解したろう材が鉛直下方
に壁に沿って流下して排気孔を封止する。従って、真空
加熱炉内で魔法瓶を倒立させる必要がなく、倒立状態で
支持するための治具が不要となり、かつ安定した状態で
炉内に保持できる。また、真空加熱炉内に治具を置く必
要がないことから、真空加熱炉内のスペースを有効に利
用することができ、一度により多数本の魔法瓶の封止が
行える。
「実施例」 以下、本発明の金属製魔法瓶の製造方法について図面
を用いて詳しく説明する。
を用いて詳しく説明する。
(実施例1) 第1図および第2図は、本発明の第1実施例における
真空封止前の状態を示すものである(以下、この状態の
魔法瓶を封止前魔法瓶とする。)。
真空封止前の状態を示すものである(以下、この状態の
魔法瓶を封止前魔法瓶とする。)。
この封止前魔法瓶は、有底円筒上の金属製の外瓶4
と、同じく有底円筒状の金属製の内瓶1とが口部で接合
されてなるもので、上記外瓶4は口部側端部近傍におい
て口部側に行くに従って徐々に縮径されてなる肩部9aお
よび円筒状の胴部9bからなる外瓶胴部2と、この外瓶胴
部2の口部と反対側の開口部に気密に接合された外瓶底
部3とから構成されるものである。
と、同じく有底円筒状の金属製の内瓶1とが口部で接合
されてなるもので、上記外瓶4は口部側端部近傍におい
て口部側に行くに従って徐々に縮径されてなる肩部9aお
よび円筒状の胴部9bからなる外瓶胴部2と、この外瓶胴
部2の口部と反対側の開口部に気密に接合された外瓶底
部3とから構成されるものである。
このような封止前魔法瓶に、まずその肩部9aの軸方向
略中央部に排気孔10を形成する。次に、上記封止前魔法
瓶を立てた状態、すなわち口部を上側に向けた状態で、
排気孔10の鉛直上方にろう材11を配する。ここで、ろう
材11は、排気孔10からあまり距離をおかずに配すること
が好ましい。また、ろう材11は、ろう材11の一部を加熱
して融解し、この部分を肩部9aに押し付けて接着する方
法もしくは接着剤にて接着する方法等により肩部9に接
着して配されている。
略中央部に排気孔10を形成する。次に、上記封止前魔法
瓶を立てた状態、すなわち口部を上側に向けた状態で、
排気孔10の鉛直上方にろう材11を配する。ここで、ろう
材11は、排気孔10からあまり距離をおかずに配すること
が好ましい。また、ろう材11は、ろう材11の一部を加熱
して融解し、この部分を肩部9aに押し付けて接着する方
法もしくは接着剤にて接着する方法等により肩部9に接
着して配されている。
このように排気孔10を形成し、ろう材11を配した封止
前魔法瓶をそのままの状態、すなわち口部を上側に向け
た状態で真空加熱炉内に収納し真空加熱処理を行う。こ
れにより、まずろう材の融点より低い適度に加熱しなが
ら上記排気孔10を通じて空隙部5を真空排気した後、上
記ろう材11の融点温度以上に昇温してこれを融解して、
鉛直下方に壁に沿って流下させ、排気孔10内に流入させ
る。流入したろう材11は毛細管現象により排気孔10内に
さらに侵入し、排気孔10を封止する。
前魔法瓶をそのままの状態、すなわち口部を上側に向け
た状態で真空加熱炉内に収納し真空加熱処理を行う。こ
れにより、まずろう材の融点より低い適度に加熱しなが
ら上記排気孔10を通じて空隙部5を真空排気した後、上
記ろう材11の融点温度以上に昇温してこれを融解して、
鉛直下方に壁に沿って流下させ、排気孔10内に流入させ
る。流入したろう材11は毛細管現象により排気孔10内に
さらに侵入し、排気孔10を封止する。
このようにろう材11により排気孔10が封止された状態
を第3図に示す。
を第3図に示す。
上記排気孔10の小穴の径としては、0.1mm〜2.0mmの範
囲内であることが好ましい。これは、排気孔10の径が0.
1mmより小さいと、空隙部5の排気が不十分となり好ま
しくなく、また2.0mmより大きいとろう材11が流下して
排気孔10内に流入した際に表面張力により排気孔10を封
止できなくなるおそれがあるため好ましくない。なお、
排気の状況によっては、上記大きさの排気孔を複数個設
けてもよい。
囲内であることが好ましい。これは、排気孔10の径が0.
1mmより小さいと、空隙部5の排気が不十分となり好ま
しくなく、また2.0mmより大きいとろう材11が流下して
排気孔10内に流入した際に表面張力により排気孔10を封
止できなくなるおそれがあるため好ましくない。なお、
排気の状況によっては、上記大きさの排気孔を複数個設
けてもよい。
また、上記ろう材11はバインダ中に金属ろうを混練し
てペースト状にしたもので、この金属ろうとしては、N
i、Ag,Cu、Au、Su、Al、Ti、P系等の真空中において気
化する成分の少ない金属ろうが好ましい。これらの金属
ろうは、粒状もしくは粉末状にして用いられるものであ
る。また、これらの金属ろうに加えて、金属ろうより融
点の高いステンレス鋼や炭素鋼等の金属を、粉末状ある
いは鱗状にしてバインダ中に混練することも可能であ
る。このような金属を混練することにより、封止する排
気孔10の径を大きくすることが可能となり、排気孔10の
径が大きくなると、排気孔10を形成する際の穴明け工程
が容易となり不良数も少なく、かつ排気工程においては
短時間で排気が可能となる。
てペースト状にしたもので、この金属ろうとしては、N
i、Ag,Cu、Au、Su、Al、Ti、P系等の真空中において気
化する成分の少ない金属ろうが好ましい。これらの金属
ろうは、粒状もしくは粉末状にして用いられるものであ
る。また、これらの金属ろうに加えて、金属ろうより融
点の高いステンレス鋼や炭素鋼等の金属を、粉末状ある
いは鱗状にしてバインダ中に混練することも可能であ
る。このような金属を混練することにより、封止する排
気孔10の径を大きくすることが可能となり、排気孔10の
径が大きくなると、排気孔10を形成する際の穴明け工程
が容易となり不良数も少なく、かつ排気工程においては
短時間で排気が可能となる。
本実施例によれば、口部を上に向けた状態で、真空加
熱処理を行うことができるので、封止前魔法瓶を倒立し
た状態で真空加熱炉内に支持、収納するための治具等が
不要である。また、ろう材11は真空中で融解することか
ら、溶融時にろう材11内に発生するガスも排気されるた
め、ろう材11内に気泡(ボイド)が生じない。従って、
ボイドの無いろう材11により封止を行うことができるた
め、気密製の高い封止が可能となる。
熱処理を行うことができるので、封止前魔法瓶を倒立し
た状態で真空加熱炉内に支持、収納するための治具等が
不要である。また、ろう材11は真空中で融解することか
ら、溶融時にろう材11内に発生するガスも排気されるた
め、ろう材11内に気泡(ボイド)が生じない。従って、
ボイドの無いろう材11により封止を行うことができるた
め、気密製の高い封止が可能となる。
(実施例2) 次に、第4図および第5図を用いて本発明の第2実施
例を説明する。
例を説明する。
第4図は、本発明の第2実施例における封止前魔法瓶
を示すものである。この封止前魔法瓶が上記第1実施例
のものと異なるところは、第4図および第5図に示すよ
うに、排気孔10の形状を肩部9aの周方向に延びるスリッ
ト状の長孔とした点である。この長孔の幅は、上記第1
実施例にて記載した理由と同様の理由により0.1〜2.0mm
の範囲内であることが好ましい。
を示すものである。この封止前魔法瓶が上記第1実施例
のものと異なるところは、第4図および第5図に示すよ
うに、排気孔10の形状を肩部9aの周方向に延びるスリッ
ト状の長孔とした点である。この長孔の幅は、上記第1
実施例にて記載した理由と同様の理由により0.1〜2.0mm
の範囲内であることが好ましい。
このような封止前魔法瓶を、第1実施例と同様に真空
加熱炉内に収納し、真空加熱処理を行い金属製魔法瓶を
製造する。この際、ろう材11は融解して流動可能な状態
となり排気孔10に流下するが、本実施例においては排気
孔10が周方向に延びるスリット状長孔であることから、
より確実にろう材11が排気孔10に流入する。従って、よ
り確実に排気孔で真空封止を行うことができる。
加熱炉内に収納し、真空加熱処理を行い金属製魔法瓶を
製造する。この際、ろう材11は融解して流動可能な状態
となり排気孔10に流下するが、本実施例においては排気
孔10が周方向に延びるスリット状長孔であることから、
より確実にろう材11が排気孔10に流入する。従って、よ
り確実に排気孔で真空封止を行うことができる。
(実施例3) 第6図は、本発明の第3実施例における封止前魔法瓶
を示すものである。
を示すものである。
この封止前魔法瓶が上記第1実施例と異なるところ
は、排気孔10が、内瓶1の首部12に形成された点であ
る。この首部12は、内瓶1の肩部9に対向する部分が内
側に湾曲して形成されたもので、排気孔10は首部12の上
側、すなわち内瓶1の内周面が上方を向いた部分に形成
されている。
は、排気孔10が、内瓶1の首部12に形成された点であ
る。この首部12は、内瓶1の肩部9に対向する部分が内
側に湾曲して形成されたもので、排気孔10は首部12の上
側、すなわち内瓶1の内周面が上方を向いた部分に形成
されている。
このような封止前魔法瓶を、口部を上に向けた状態で
真空加熱炉内に収納した後、真空加熱処理を行う。この
真空加熱処理において、ろう材11は融解して流動状態に
なり、内瓶1の内周面を鉛直方向下方に壁に沿って流下
して排気孔10内に流入し、排気孔11を封止する。
真空加熱炉内に収納した後、真空加熱処理を行う。この
真空加熱処理において、ろう材11は融解して流動状態に
なり、内瓶1の内周面を鉛直方向下方に壁に沿って流下
して排気孔10内に流入し、排気孔11を封止する。
本実施例においては、排気孔10を内瓶1に形成したこ
とから、ろう材11で封止した排気孔10が外部に露出しな
い。従って、封止後に排気孔10を平滑にする等の後処理
を行う必要がない。
とから、ろう材11で封止した排気孔10が外部に露出しな
い。従って、封止後に排気孔10を平滑にする等の後処理
を行う必要がない。
(実施例4) 第7図および第8図は、本発明の第4実施例における
封止前魔法瓶を示すものである。
封止前魔法瓶を示すものである。
この封止前魔法瓶が上記第1実施例と異なるところ
は、排気孔10が外瓶胴部2の肩部9aに形成された凹部13
内に形成された点である。この凹部13は、矩形状でその
長手方向両端部が半円状とされた形状をなすもので、長
手方向が外瓶胴部2の周方向に延びるように形成されて
いる。この凹部13は、底部が内瓶1側に湾曲してなるも
ので、その略中央部に排気孔10が形成されている。ま
た、ろう材11は上記凹部13の長手方向略中央部、すなわ
ち排気孔10の鉛直上方に配され、接着されている。
は、排気孔10が外瓶胴部2の肩部9aに形成された凹部13
内に形成された点である。この凹部13は、矩形状でその
長手方向両端部が半円状とされた形状をなすもので、長
手方向が外瓶胴部2の周方向に延びるように形成されて
いる。この凹部13は、底部が内瓶1側に湾曲してなるも
ので、その略中央部に排気孔10が形成されている。ま
た、ろう材11は上記凹部13の長手方向略中央部、すなわ
ち排気孔10の鉛直上方に配され、接着されている。
このような封止前魔法瓶を、口部を上に向けた状態で
真空加熱炉内に収納した後、真空加熱処理を行う。この
真空加熱処理において、ろう材11は溶融して流動状態に
なり、肩部9外周を鉛直下方に壁に沿って流れて凹部13
内に流入する。凹部13内に流入したろう材11は、第9図
に示すように排気孔11内に毛細管現象により侵入し、排
気孔11を封止する。
真空加熱炉内に収納した後、真空加熱処理を行う。この
真空加熱処理において、ろう材11は溶融して流動状態に
なり、肩部9外周を鉛直下方に壁に沿って流れて凹部13
内に流入する。凹部13内に流入したろう材11は、第9図
に示すように排気孔11内に毛細管現象により侵入し、排
気孔11を封止する。
本実施例においては、凹部13を設け、この凹部13内に
排気孔11を設けていることから、真空加熱炉内で融解し
て流下したろう材11が凹部13内に溜まる。従って、ろう
材11は確実に排気孔10内に侵入し、排気孔を封止する。
排気孔11を設けていることから、真空加熱炉内で融解し
て流下したろう材11が凹部13内に溜まる。従って、ろう
材11は確実に排気孔10内に侵入し、排気孔を封止する。
(実施例5) 第10図は、本発明の第5実施例における封止前魔法瓶
を示すものである。
を示すものである。
この封止前魔法瓶が上記第1実施例と異なるところ
は、排気孔10が外瓶胴部2の胴部9bに設けられた点であ
る。
は、排気孔10が外瓶胴部2の胴部9bに設けられた点であ
る。
本実施例においては、まずこの封止前魔法瓶を横転さ
せた状態で、排気孔10が胴部9bの上半分に位置し、かつ
最頂部とならなうように調節して固定する。次いで、横
転した状態における排気孔10の鉛直上方、すなわち排気
孔10から胴部9bの周方向に移動した位置にろう材11を配
する。この状態で真空加熱炉内に搬入し、真空加熱処理
を行う。この真空加熱処理において、ろう材11は融解し
て流動状態になり、胴部9bの外周面を周方向、すなわち
横転した状態における鉛直方向下方に壁に沿って流下し
て排気孔10内に流入し、排気孔11を封止する。
せた状態で、排気孔10が胴部9bの上半分に位置し、かつ
最頂部とならなうように調節して固定する。次いで、横
転した状態における排気孔10の鉛直上方、すなわち排気
孔10から胴部9bの周方向に移動した位置にろう材11を配
する。この状態で真空加熱炉内に搬入し、真空加熱処理
を行う。この真空加熱処理において、ろう材11は融解し
て流動状態になり、胴部9bの外周面を周方向、すなわち
横転した状態における鉛直方向下方に壁に沿って流下し
て排気孔10内に流入し、排気孔11を封止する。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明は、内瓶あるいは外瓶の
いずれかに真空封止用の排気孔を設け、次いでこの排気
孔の鉛直上方にろう材を配し、この状態で真空加熱処理
を行って内瓶、外瓶間後空隙部を真空排気した後ろう材
を溶融することにより、前記ろう材が融解して鉛直下方
に壁に沿って流下して、前記排気孔を封止するようにし
たことを特徴とする金属製魔法瓶の製造方法であるの
で、従来の製造方法のように封止前魔法瓶を倒立させて
真空加熱処理を行う必要が無く、従って倒立状態で支持
するための治具が不要ばかりでなく、極めて安定した状
態を保持して処理ができる。また、真空加熱炉内に治具
を置く必要がないことから、真空加熱炉内のスペースを
有効に利用することができ、一度により多数本の魔法瓶
の封止が行える。
いずれかに真空封止用の排気孔を設け、次いでこの排気
孔の鉛直上方にろう材を配し、この状態で真空加熱処理
を行って内瓶、外瓶間後空隙部を真空排気した後ろう材
を溶融することにより、前記ろう材が融解して鉛直下方
に壁に沿って流下して、前記排気孔を封止するようにし
たことを特徴とする金属製魔法瓶の製造方法であるの
で、従来の製造方法のように封止前魔法瓶を倒立させて
真空加熱処理を行う必要が無く、従って倒立状態で支持
するための治具が不要ばかりでなく、極めて安定した状
態を保持して処理ができる。また、真空加熱炉内に治具
を置く必要がないことから、真空加熱炉内のスペースを
有効に利用することができ、一度により多数本の魔法瓶
の封止が行える。
また、本発明は封止板を用いることなく空隙部の真空
封止を行うことができるので、封止板のずれ等による封
止不良の発生を減少させることができる。さらに、ろう
材の供給作業も排気孔の鉛直上方にろう材を配するだけ
でよいので、製造工程の完全自動化が可能となる。さら
にまた、従来の封止方法では、径の大きな排気孔を封止
板で封止していたので、多量のろう材を必要としていた
が、この発明の魔法瓶においては、外瓶もしくは内瓶に
排気孔が穿設されたものであるので、真空加熱処理時に
融解したろう材で効率良くかつ確実に排気孔を封止する
ことができる。従って、ろう材の使用量が少なくてすむ
ことから、製造コストの低減を図ることができ、さらに
確実に排気孔を封止することができることから、真空封
止の不良等を防止することができる。
封止を行うことができるので、封止板のずれ等による封
止不良の発生を減少させることができる。さらに、ろう
材の供給作業も排気孔の鉛直上方にろう材を配するだけ
でよいので、製造工程の完全自動化が可能となる。さら
にまた、従来の封止方法では、径の大きな排気孔を封止
板で封止していたので、多量のろう材を必要としていた
が、この発明の魔法瓶においては、外瓶もしくは内瓶に
排気孔が穿設されたものであるので、真空加熱処理時に
融解したろう材で効率良くかつ確実に排気孔を封止する
ことができる。従って、ろう材の使用量が少なくてすむ
ことから、製造コストの低減を図ることができ、さらに
確実に排気孔を封止することができることから、真空封
止の不良等を防止することができる。
第1図ないし第3図は本発明の第1実施例を説明するた
めのもので、第1図は封止前の魔法瓶を示す断面図、第
2図はその排気孔およびろう材を示す正面図、第3図は
封止後の排気孔を示す概略断面図である。第4図および
第5図は、本発明の第2実施例を説明するためのもの
で、第4図は封止前の魔法瓶を示す断面図、第5図は排
気孔およびろう材を示す正面図である。第6図は、本発
明の第3実施例を説明するためのもので、その封止前の
魔法瓶を示す断面図である。第7図ないし第9図は、本
発明の第4実施例を説明するためのもので、第7図は封
止前の魔法瓶を示す断面図、第8図は凹部、排気孔およ
びろう材を示す側面図、第9図は封止後の凹部を示す概
略断面図である。第10図は本発明の第5実施例を説明す
るためのもので、その封止前の魔法瓶を示す概略断面図
である。第11図は従来の金属製魔法瓶を示す概略断面図
である。 1……内瓶、4……外瓶、 5……空隙部、10……排気孔、 11……ろう材。
めのもので、第1図は封止前の魔法瓶を示す断面図、第
2図はその排気孔およびろう材を示す正面図、第3図は
封止後の排気孔を示す概略断面図である。第4図および
第5図は、本発明の第2実施例を説明するためのもの
で、第4図は封止前の魔法瓶を示す断面図、第5図は排
気孔およびろう材を示す正面図である。第6図は、本発
明の第3実施例を説明するためのもので、その封止前の
魔法瓶を示す断面図である。第7図ないし第9図は、本
発明の第4実施例を説明するためのもので、第7図は封
止前の魔法瓶を示す断面図、第8図は凹部、排気孔およ
びろう材を示す側面図、第9図は封止後の凹部を示す概
略断面図である。第10図は本発明の第5実施例を説明す
るためのもので、その封止前の魔法瓶を示す概略断面図
である。第11図は従来の金属製魔法瓶を示す概略断面図
である。 1……内瓶、4……外瓶、 5……空隙部、10……排気孔、 11……ろう材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 康夫 東京都港区西新橋1丁目16番2号 日本 酸素株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−114761(JP,A) 特開 平1−148219(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47J 41/02 102 B23K 31/02 310
Claims (1)
- 【請求項1】金属製の内瓶と金属製の外瓶とを口部で接
合し、これら内外瓶間の空隙部を真空排気して封止する
金属製魔法瓶の製造方法において、上記内瓶あるいは外
瓶のいずれかの瓶壁に真空排気用の小孔あるいはスリッ
ト状の排気孔を設け、次いでこの排気孔の鉛直上方の壁
にろう材を配し、この状態で真空加熱処理を行い、内外
瓶間の空隙部を所定の真空度とした後、ろう材を融解し
て壁に沿って鉛直下方に流下せしめ、上記排気孔を封止
するようにしたことを特徴とする金属製魔法瓶の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6661490A JP2781255B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 金属製魔法瓶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6661490A JP2781255B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 金属製魔法瓶の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03267023A JPH03267023A (ja) | 1991-11-27 |
JP2781255B2 true JP2781255B2 (ja) | 1998-07-30 |
Family
ID=13320956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6661490A Expired - Fee Related JP2781255B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 金属製魔法瓶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2781255B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG47681A1 (en) * | 1992-11-12 | 1998-04-17 | Nippon Oxygen Co Ltd | Metallic evacuated double-walled vessel and production method therefor |
-
1990
- 1990-03-16 JP JP6661490A patent/JP2781255B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03267023A (ja) | 1991-11-27 |
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