JP2647870B2 - 金属製魔法瓶の製造方法 - Google Patents

金属製魔法瓶の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、金属製魔法瓶の製造方法に関する。
「従来の技術」 金属製魔法瓶として、金属製の内瓶と外瓶とを口部で
接合して二重構造とし、これら内外瓶間の空隙部を真空
にしたものがあるが、このような金属製魔法瓶において
は、通常、外瓶胴部と外瓶底部とを接合することによっ
て外瓶を構成するようにしていた。
従来、このような金属製魔法瓶を製造する方法として
は、特公昭60−36766号に開示されたものが知られてい
る。この金属製魔法瓶の製造方法によって製造される金
属製魔法瓶は、第4図に示すように、内瓶1と外瓶2と
の間の空隙部3を真空封止してなるものであって、上記
内瓶1の口部に筒状の外瓶胴部4を接合すると共にこの
外瓶胴部4の底部側の開口端部5に外瓶底部6を接合し
て一体化し、この外瓶底部6に形成された排気口7を、
同外瓶底部6に封止板8をろう付けすることによって真
空封止したものである。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、上記のような金属製魔法瓶にあって
は、予め内瓶1と外瓶胴部4と外瓶底部6とを接合して
一体化した後、外瓶底部6の排気口7を真空封止するだ
けの目的で外瓶底部6に係止板8をろう付けするため、
構成部材の数が多くなって、金属製魔法瓶の製造コスト
が高くなるという問題点があった。その上、上記排気口
7を真空封止する際には、上記封止板8を固形ろう材を
介して外瓶底部6に載せ、これに真空加熱処理を施して
固形ろう材を溶融することによって、上記封止板8を自
重により落下させてこの封止板8で排気口7を塞ぐよう
にしているため、封止板8が排気口7からずれて排気口
7を塞ぐことができない場合があり、このような場合に
は魔法瓶としての保温機能を発揮することができないと
いう問題点があった。そして、このような事態を防ぐた
めには、予め封止板8の一部を外瓶底部6にスポット溶
接、接着などの特別な方法で固定しておくことが必要と
なり、製造工程が複雑になるという問題点があった。
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、少
ない構成部材で金属製魔法瓶を構成し、しかもその空隙
部を確実に真空封止することを目的としている。
「問題点を解決するための手段」 この発明は、金属製の内瓶と金属製の外瓶とを口部で
接合して二重構造とし、これら内瓶と外瓶との間の空隙
部を真空封止する金属製魔法瓶の製造方法において、上
記有底の内瓶を収容して口部で接合して一体とする外瓶
胴部の上記接合する口部と対向する底部側を開口端と
し、該開口端より内側の開口端近傍の胴部内周壁に沿っ
て内側に突出する係止部を形成し、上記内瓶を上記外瓶
胴部内に空隙を保って収容してそれぞれの口部で接合一
体にした後、上記外瓶胴部の開口端を上に向けて、該外
瓶胴部開口端より外瓶胴部内に外瓶底部材を挿入して上
記係止部に隙間を設けた状態で係止し、かつ固形ろう材
を配し、この状態でこれに真空加熱処理を施すことによ
って上記固形ろう材を溶融させてこの固形ろう材を上記
係止部に流し込み、これにより上記隙間を真空封止する
と共に上記外瓶胴部に上記外瓶底部材を接合するもので
ある。
「実施例」 以下、この発明の第1実施例を第1図、第2図を参照
して詳細に説明する。
この実施例において製造する金属製魔法瓶は、金属製
の内瓶1と金属製の外瓶2とを口部で接合して二重構造
としたものであって、上記内瓶1の口部に筒状の外瓶胴
部4が接合され、この外瓶底部4の底部側の開口端部5
の内側にこの開口端部5を閉塞する外瓶底部材6が接合
されたものである。上記開口端部5には内側に突出する
突起9が間隔を空けて複数形成され、この突起9に上記
外瓶底部材6がその縁部が当接させた状態となってい
る。この外瓶底部材6は、円板状の周縁部に円筒部10が
形成された容器状のものであって、その円筒部10が外瓶
胴部4の内方へ向けられてこの円筒部10の先端が上記開
口端部5の突起9に当接し、この円筒部10の外周面が上
記開口端部5の外周面にろう付けされている。そして、
この外瓶底部材6の底面は、上記開口端部5の先端より
容器内部側に位置している。
このような金属製魔法瓶を製造する場合には、予め、
内瓶1の口部に外瓶胴部4を接合しておく。このように
した後、外瓶胴部4の開口端部5を上に向け、この開口
端部5の内側に外瓶底部材6をこの外瓶底部材6の円筒
部10の外周面と上記開口端部5の内周面との間に隙間11
を設けた状態で挿入し、上記円筒部10の先端を開口端部
5の突起9に当接させて係止する。この場合、上記円筒
部10の外周面と上記開口端部5の内周面との間の設けら
れた隙間11の間隔としては、0.05〜0.3mmの範囲が最も
好ましい。すなわち、これ以下の間隔では、空隙部3の
真空排気を行う際に排気抵抗が大きくなり過ぎて排気に
時間が掛かってしまうという問題があり、これ以上の間
隔では、隙間11を埋めるためのろう材が多く必要となっ
て不経済な上、隙間11を完全に埋めることができないた
め空隙部3が真空封止されない恐れもある。このように
した後、複数の固形ろう材12を上記開口端部5の内周面
に接触させるようにして上記隙間11の上に間隔を空けて
載せる。このようにして外瓶底部材6を第2図に示すよ
うな状態にした後、これを真空加熱炉内に入れ、真空排
気および加熱処理を行なう。このようにすると、空隙部
3の気体が隙間11および固形ろう材12の間を通って外部
に排気されると共に、固形ろう材12が上記隙間11に流れ
込み、これにより空隙部3が真空封止されると共に外瓶
胴部4と外瓶底部材6とが接合される。
この金属製魔法瓶の製造方法においては、外瓶底部材
6の底面を外瓶胴部4の開口端部5の先端より容器内部
側に位置させたので、固形ろう材12を隙間11の上に載せ
る際にこの固形ろう材12を上記開口端部5の内周面に接
触させることができ、これにより固形ろう材12を載せる
作業が容易になり、しかも固形ろう材12が溶融したとき
に上記隙間11に流れ込み易くなる。
この金属製魔法瓶の製造方法によれば、予め構成部材
の寸法管理を行うことによって上記隙間11の間隔を容易
に設定することができるので、この隙間11を埋めるため
に必要な固形ろう材12の量も容易に知ることができる。
また、外瓶底部材6の縁部に円筒部10を形成したので、
この円筒部10の外周面全体が外瓶胴部4の開口端部5の
内周面に接合されることによって、接合部の強度が高く
なる。
次に、この発明の第2実施例を第3図を参照して説明
する。
この実施例の金属製魔法瓶の製造方法では、外瓶底部
材6の円筒部10を容器外側に向けた状態で外瓶胴部4の
開口端部5の内側に挿入し、この外瓶底部材6の円筒部
10を延在させている付け根部を上記開口端部5の内周面
の係止部13に当接させる。この係止部13は、上記開口端
部5の内周面に全周に亙って連続して突出するように形
成されている。そして、この係止部13に当接する上記外
瓶底部材6には、上記付け根部に係止部13に当接する突
起14が適当な間隔を空けて複数形成されている。また、
上記外瓶胴部4の開口端部5はその先端が拡径され、こ
の開口端部5の先端と上記外瓶底部材6の円筒部10の先
端との間の固形ろう材12を保持するようになっている。
なお、これらの実施例では、外瓶胴部が一体に構成さ
れているが、2つ以上の構成部材から構成するようにし
ても差し支えない。
「発明の効果」 この発明の金属製魔法瓶の製造方法によれば、外瓶胴
部の底部側の開口端分を上に向け、この開口端部の内側
に突出して形成された係止部に上記外瓶底部材を隙間に
設けた状態で係止し、上記隙間の上に固形ろう材を配
し、この状態でこれに真空加熱処理を施すことによって
上記固形ろう材を溶融させてこの固形ろう材を上記隙間
に流し込み、これにより上記隙間を真空封止すると共に
上記外瓶胴部に上記外瓶底部材を接合するので、封止板
が不要になって構成部材の数が減ったことによりコスト
を低減することができる上、封止板のずれによって生じ
る真空封止不良を根本的に解消することができ、簡単な
操作で確実に真空封止することができる。また、この真
空封止と同時に外瓶胴部と外瓶底部材とを接合するよう
にしたので、溶接作業を減らすことができる。このた
め、製造コストの低減することができ、かつ溶接によっ
て生じる不良の発生を減少させて不良発生率を低下させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は、この発明の第1実施例を示す図であ
って、第1図は金属製魔法瓶の製造方法を説明する説明
図、第2図は同要部の拡大断面図である。第3図は、こ
の発明の第2実施例の金属製魔法瓶の製造方法を説明す
る要部の拡大断面図である。第4図は、従来の金属製魔
法瓶の概略構成図である。 1……内瓶、 2……外瓶、 3……空隙部、 4……外瓶胴部、 5……開口端部、 6……外瓶底部材、 11……隙間、 12……固形ろう材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 勲 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本 酸素株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−96622(JP,A) 特開 昭59−200616(JP,A) 実開 昭60−147338(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製の内瓶と金属製の外瓶とを口部で接
    合して二重構造とし、これら内瓶と外瓶との間の空隙部
    を真空封止する金属製魔法瓶の製造方法において、上記
    有底の内瓶を収容して口部で接合して一体とする外瓶胴
    部の上記接合する口部と対向する底部側を開口端とし、
    該開口端より内側の開口端近傍の胴部内周壁に沿って内
    側に突出する係止部を形成し、上記内瓶を上記外瓶胴部
    内に空隙を保って収容してそれぞれの口部で接合一体に
    した後、上記外瓶胴部の開口端を上に向けて、該外瓶胴
    部開口端より外瓶胴部内に外瓶底部材を挿入して上記係
    止部に隙間を設けた状態で係止し、かつ固形ろう材を配
    し、この状態でこれに真空加熱処理を施すことによって
    上記固形ろう材を溶融させてこの固形ろう材を上記係止
    部に流し込み、これにより上記隙間を真空封止すると共
    に上記外瓶胴部に上記外瓶底部材を接合することを特徴
    とする金属製魔法瓶の製造方法。
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JPS5796622A (en) * 1980-12-09 1982-06-16 Katsufumi Aoyanagi Production of vacuum warmth preserving container made of metal
JPS59200616A (ja) * 1983-04-28 1984-11-14 タイガー魔法瓶株式会社 金属製真空二重容器
JPS60147338U (ja) * 1984-03-12 1985-09-30 大陽酸素株式会社 金属製魔法瓶

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