JPH07298963A - ショーケースの商品陳列棚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】溶接，ネジ止めを行わずに、しかもショーケー
スの据付け先の現場でも簡単な作業で楽に組立てられる
ようにしたショーケースの商品陳列棚を提供する。 【構成】棚支柱より前方に突出して片持ち支持した左右
一対のブラケット８と、該ブラケットの間に架け渡して
掛け合い式に結合した前部棚枠９，および後部棚枠１０
とでラーメン構造の井桁状棚フレーム１１を構築し、該
棚フレーム上に棚板を１２載置して商品陳列棚を組立て
構成する。ここで、前部棚枠９は棚フエンスを兼用する
タグモール９ａと一体化したアルミ製押出品となし、ま
たブラケット８は断面逆Ｌ字形で、かつその上面前部に
係合穴８ａ，後部に横向きの切込溝８ｂを形成し、ここ
に棚枠９，１０に形成した係合突起９ｂ，１０ｂを嵌め
込んで溶接，ネジ止め無しに剛節構造の棚フレーム１１
を構築する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、多段形冷蔵オープンシ
ョーケースなどのショーケースに採用した商品陳列棚に
関する。

【０００２】

【従来の技術】まず、本発明の実施対象となるショーケ
ース用商品陳列棚の従来構造を図５に示す。図におい
て、１はショーケースのケース本体内で商品陳列室を仕
切る背面壁、２は背面壁１に並置した設けた棚支柱、３
は棚ブラケット、４は棚板、５は棚板４の前端に取付け
たタグモールである。ここで、棚ブラケット３はその後
端の係合爪を棚支柱２に穿孔した角穴２ａに差し込んで
支柱から前方に突き出すように片持ち支持されており、
棚板４は各枚ごとに左右一対のブラケット３の間に架け
渡して載置支持されている。

【０００３】また、図６（ａ）〜（ｃ）は最近のショー
ケースで多く採用されているガラス棚の従来構造であ
り、棚板４はスポット溶接構造で作られた額縁状の棚枠
４ａと、棚枠４ａに嵌め込んだ透明ガラス板４ｂとから
なる。そして、棚枠４ａの前端側にはアルミ製押出品と
して作られたタグモール（商品名，価格などの記載した
タグを装着する化粧レール）５がネジ６により締結さ
れ、さらに棚枠３ａの前縁とタグモール５との間に透明
樹脂製の棚フェンス７（陳列商品が棚板から前方に脱落
するのを防ぐためのもの）が挟持されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来構造の商品陳列棚では次記のような問題点がある。 （１）図６に示したガラス棚を製作するには、少なくと
も棚枠４ａの四隅をスポット溶接する溶接工程，および
タグモール５を棚枠４ａに固定するネジ止め工程が必要
となる。しかも、１台のショーケースに組込む商品陳列
棚の枚数は十枚〜数十枚にも及ぶことから、スポット溶
接，ネジ止め箇所は膨大な数となり、このことが組立工
数を増して製作コストを押し上げる大きな要因となって
いる。

【０００５】（２）図５で示したように、棚ブラケット
３は棚支柱２に対して片持ち式に掛け止めされているた
めに左右方向への安定性に欠けてふらつき易く、かつ棚
自身も重量物であることから、ショーケース据付け先現
場で商品陳列棚を組み込む際の棚取付け作業が困難とな
る。 本発明は上記の点にかんがみなされたものであり、その
目的は前記課題を解決し、溶接，ネジ止めを行わずに、
しかもショーケースの据付け先の現場でも簡単な作業で
楽に組立てられるようにしたショーケースの商品陳列棚
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の商品陳列棚は、棚支柱より前方に突出して
片持ち支持した左右一対のブラケットと、該ブラケット
の間に架け渡して掛け合い式に結合した前部，および後
部の棚枠とでラーメン構造の井桁状棚フレームを構築
し、該棚フレーム上に棚板を載置して組立て構成するも
のとする。

【０００７】また、前記構成の商品陳列棚は、具体的に
次記のような構造を採用して実施できる。 （１）左右一対のブラケットが断面逆Ｌ字形で、かつそ
の上面前部に角穴状の係合穴を、後部に横向きの切込溝
を形成するとともに、前部棚枠の下面側には前記係合穴
に嵌め込んでブラケットと係合し合う係合突起を、また
後部棚板には前記切込溝に嵌め込んでブラケットと係合
し合う係合突起を形成して棚フレームを組立てる。

【０００８】（２）前部の棚枠は、棚フエンスを兼用す
るタグモールと一体化したアルミ製押出品としてなる。 （３）棚板をガラス製の棚板、もしくは板金構造の鋼板
製棚板で構成する。

【０００９】

【作用】上記の構成によれば、溶接，ネジ止めを一切必
要とせずに、左右一対のブラケットと前後の棚枠との組
合わせで剛節構造の井桁状棚フレームが構築され、かつ
前後の棚枠の間に棚板を嵌め込むことで棚自身の強度が
より一層高くなる。また、前部の棚枠を、棚フェンスを
兼ねたタグモールと一体化したアルミ製押出品で製作す
ることにより、別部品としての棚フェンス，およびタグ
モールの取付け工程が不要となり、その分だけ商品陳列
棚の部品点数，組立工数が少なくて済む。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。まず、図１，図２において、商品陳列棚は、左右
一対のブラケット８と、該ブラケットの間に架け渡して
掛け合い結合した前部棚枠９，後部棚枠１０とで構築し
た井桁状の棚フレーム１１と、この棚フレーム１１の上
に載置した棚板１２との組立体で構成されている。ここ
で、ブラケット８は、その断面形状が逆Ｌ字形になり、
かつその上面前部には角穴状の係合穴８ａが、後部には
内側の側縁に開放した横向きの切込溝８ｂが形成され、
さらに後端には棚支柱（図５参照）に掛け止めする爪部
８ｃを備えている。

【００１１】一方、前部棚枠９は棚フェンス兼用のタグ
モール９ａと一体化した断面Ｔ字形のアルミ押出品とし
て作られており、その底面側には前記係合穴８ａに嵌合
してブラケット８と係合し合うＬ字形の係合突起９ｂが
一体に形成されている。なお、９ｃは係合突起９ｂとブ
ラケット３との不要な干渉を避けるための逃げ用切欠穴
である。かかる構造を理解するために図４で前部棚枠９
の裏面図を示す。

【００１２】また、後部棚枠１０は板金加工で作られた
鋼板製部品であり、その外周側縁，後縁には上向きに立
ち上がった棚板支持用のフェンス１０ａが、また前縁に
は前記切込溝８ｂに嵌合してブラケット８と係合し合う
下向きの係合突起１０ｂが形成されている。かかる構成
の商品陳列棚をショーケースの庫内に組み込むには、ま
ずブラケット８を図４に示した棚ブラケット３と同じ方
法で棚支柱２に片持ち式に取付ける。次に、左右一対の
ブラケット８の間にまたがるように後部棚枠１０を架け
渡し、その係合突起１０ｂをブラケット８の切込溝８ｂ
に嵌め込む。続いて、前部棚枠９を左右のブラケット８
の間に架け渡した上で、棚枠９の裏面側に突出した係合
突起９ｂを図４（ａ）〜（ｃ）に示す順序でブラケット
８の係合穴８ａに嵌合して係止する。この場合に先記し
た逃げ用切欠穴９ｃで係合突起９ｂが分断されているの
で、ブラケット８の上面との不要な干渉を避けて係合突
起９ｂをブラケットの係合穴８ａに嵌合，係止させるこ
とができる。

【００１３】これにより、左右一対のブラケット８と前
後の棚枠９，１０とで井桁状の棚フレーム１１が構築さ
れることになる。またこの場合に、後部棚板１０に形成
した係合突起１０ｂとブラケット８の切込溝８ｂとの掛
け合いで左右のブラケット８を外側へ多少押し広げるよ
うにし、逆に前部棚板９の係合突起９ｂとブラケット８
の係合穴８ａとの掛け合いで左右のブラケット８を内側
に引き寄せるように各部寸法をあらかじめ設定しておく
ことにより、井桁状に組んで棚支柱に支持した棚フレー
ム１１は、強度的に安定したラーメン構造（ブラケット
８と前後棚枠９，１０との節点が剛節）となって左右に
ぐらつくことがなくなる。そして、最後に棚フレーム１
１の上に棚板１２を載せて支持する。具体的には前部棚
枠９のタグモール９ａと後部棚枠１０のフェンス１０ａ
との間に棚板１２を落とし込んで固定する。これにより
棚自身の強度がより一層高まり、多少の外力が加わって
も棚構造がばらばらに分解するおそれはない。

【００１４】なお、棚板１２としては、厚さ３〜５mm程
度の平板な強化ガラス（テンパーガラス）で作られたガ
ラス製棚板、あるいは薄鋼板を箱形に板金加工した上で
表面塗装した鋼板製棚板のいずれも採用することができ
る。

【００１５】

【発明の効果】以上述べたように本発明の構成によれ
ば、組立性，取扱性の面で次記のような効果を奏する。 （１）商品陳列棚の組立には溶接，ネジ止め工程が一切
不要であり、従来の棚構造と比べて部品点数，組立工数
の大幅な削減、並びに製作コストの低減化が図れる。

【００１６】（２）商品陳列棚を構成する棚フレームは
あらかじめ工場で製作しておく必要はなく、分解したま
まの状態で各部品をショーケースの据付け先現場に搬入
して簡単に組立てることができる。しかも、棚フレーム
を構成するブラケット，棚枠などの個々の部品は軽量物
であり、ショーケース据付け現場での組立作業が楽に行
える。同様に据付先で行うショーケースのメンテナンス
時でも、商品陳列棚の取り外し，再組立を一人の作業員
で楽に進めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による商品陳列棚の組立構造を
表す図であり、（ａ）は側断面図、（ｂ）は棚板を外し
た棚フレームの斜視図

【図２】図１の分解斜視図

【図３】図２における前部棚枠の裏面拡大図

【図４】図１におけるブラケットと前部棚枠との掛け合
い作業の説明図であり、（ａ）〜（ｃ）はその作業手順
を表した図

【図５】従来のショーケースにおける商品陳列棚の組立
構造を表す図

【図６】従来におけるガラス棚の構造図であり、（ａ）
は平面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）はタグモールの詳細
な取付け構造図

【符号の説明】

８ ブラケット ８ａ 係合穴 ８ｂ 切込溝 ８ｃ 爪ブラケット ９ 前部棚枠 ９ａ タグモール ９ｂ 係合突起 １０ 後部棚枠 １０ａ 棚板支持用フェンス １０ｂ 係合突起 １１ 棚フレーム １２ 棚板

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】棚支柱より前方に突出して片持ち支持した
   左右一対のブラケットと、該ブラケットの間に架け渡し
   て掛け合い式に結合した前部，および後部の棚枠とでラ
   ーメン構造の井桁状棚フレームを構築し、該棚フレーム
   上に棚板を載置して組立て構成したことを特徴とするシ
   ョーケースの商品陳列棚。
2. 【請求項２】請求項１記載の商品陳列棚において、左右
   一対のブラケットが断面逆Ｌ字形で、かつその上面前部
   に角穴状の係合穴を、後部に横向きの切込溝を形成する
   とともに、前部棚枠の下面側には前記係合穴に嵌め込ん
   でブラケットと係合し合う係合突起を、また後部棚板に
   は前記切込溝に嵌め込んでブラケットと係合し合う係合
   突起を形成して棚フレームを組立てたことを特徴とする
   ショーケースの商品陳列棚。
3. 【請求項３】請求項１記載の商品陳列棚において、前部
   の棚枠が棚フエンスを兼用するタグモールと一体化した
   アルミ製押出品としてなることを特徴とするショーケー
   スの商品陳列棚。
4. 【請求項４】請求項１記載の商品陳列棚において、棚板
   がガラス製の棚板であることを特徴とするショーケース
   の商品陳列棚。
5. 【請求項５】請求項１記載の商品陳列棚において、棚板
   が板金構造の鋼板製棚板であることを特徴とするショー
   ケースの商品陳列棚。