JP2526983Y2 - 陳列用ケースの枠材連結具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、デパート、スーパーそ
の他の小売店等で使用される陳列用ケースを組み立てる
際に用いる枠材連結具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、小売店等で使用される陳列用ケー
スは、軽金属や合成樹脂等で製せられた異形の断面を有
する枠材を、連結具を用いて枠組みして骨格を形成した
後、床板、棚板等を取着し、更に骨格の上面や側面をガ
ラス張りにしたものが主流である。その場合、陳列用ケ
ースの上部枠のうち、前側即ち顧客の視線の正面に位置
する前側上部枠は、顧客の視界を妨げる形となるので、
できるだけ細い枠材を用いる場合と、枠材を全く使用し
ないで、ガラス板同士を衝合する場合とがある。

【０００３】そして、上部枠のうち、左右の横側上部枠
の前端と前側上部枠の両端との接点に位置する左右の連
結具は、前側上部枠を用いる場合においては連結具基体
から三方に連結軸が突設されたものを用い、またガラス
板同士を衝合する場合においては、実開平２−６１２５
９号公報（第２図参照）に示されているように、二方に
連結軸が突設されたものを用いるのが普通である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上述の従来技術におい
て、陳列用ケースの上部隅角部に位置する枠材連結具
は、前側上部枠を用いる場合とガラス板同士を衝合する
場合とで、それぞれ構造が異なるので当然別個に用意す
る必要があり、また、例えば前側上部枠を用いる場合だ
けについてみても、左右の枠材連結具は、相互に対称的
ではあるが、それぞれ構造が異なるものであるから、や
はり別個に用意しなければならず、都合４種類の枠材連
結具を製作する必要があった。そして、このように部品
数が増加することは、製造費が嵩み、在庫スペースも増
えてコスト高を招く因となっていた。

【０００５】本考案は、上記従来技術の欠点を解消し、
少ない部品数で済ませることができる陳列用ケースの枠
材連結具を提供することを目的としてなされたものであ
る。

【０００６】

【課題を解決する為の手段】本考案は、「枠材を枠組み
して陳列用ケースを組み立てる際に、枠材同士を連結す
るために用いる陳列用ケースの枠材連結具であって、陳
列用ケースの上部隅角部に位置する連結具基体と、該連
結具基体から枠材の方向に突設された連結軸とからな
り、少なくとも前側上部枠を連結するための連結軸は、
連結具基体に着脱自在となされ、且つ該連結軸に代わっ
てガラス受け金具が取着可能となされていることを特徴
とする陳列用ケースの枠材連結具」をその要旨とするも
のである。

【０００７】即ち、連結軸の少なくとも前側上部枠を連
結するための連結軸は、螺子等で連結具基体に対して着
脱自在となし、ガラス板同士を衝合する場合には、代わ
りに、それ専用のガラス受け金具を取り付けることがで
きるようにして、極力部品数の削減を図ることを狙いと
したものである。

【０００８】

【作用】本考案は、陳列用ケースの上部隅角部に位置す
る連結具基体と、該連結具基体から枠材の方向に突設さ
れる連結軸とからなり、陳列用ケースの上部枠のうち、
少なくとも前側即ち顧客の視線の正面に位置する前側上
部枠を連結するための連結軸は、連結具基体に着脱自在
となされ、且つ該連結軸に代わってガラス受け金具が取
着可能となされているので、前側上部枠を用いる場合と
ガラス板同士を衝合する場合との両方に採用することが
できる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の一実施例について図面を参照
しながら詳細に説明する。図１（イ）は、本考案の一実
施例を、その使用態様とともに示す一部切欠斜視図であ
り、同図（ロ）は、このような連結具を用いて陳列用ケ
ースを組み立てた場合の隅角部を示す斜視図である。図
２（イ）は、図１に示す枠材連結具において、前側上部
枠用の連結軸を使用しないで、代わりにガラス受け金具
を取りつけた場合を、分解して示す一部切欠斜視図であ
り、同図（ロ）は、このような連結具を用いてケースを
組み立てた場合の隅角部を示す斜視図である。図３
（イ）は、図１（イ）及び図２（イ）に示した連結具基
体の斜め下からの斜視図であり、同図（ロ）は、図１
（イ）に示した着脱自在の連結軸のみを取り出して示す
斜視図であり、同図（ハ）は、連結具基体の他の例を示
すものであって、同図（イ）に示したものと同じ角度か
らみた斜視図である。

【００１０】これらの図において１は連結具基体であ
り、右横側上部枠２の連結孔３に嵌挿され、該右横側上
部枠２を連結するための異形断面となされた連結軸４が
一体的に設けられている。右横側上部枠２と連結軸４と
は、双方に設けられた螺子孔を利用して図示しない螺子
により連結固定される。５は右側の支柱枠６の連結孔７
に嵌挿される連結軸であって、截頭四角錐形状を呈し、
同じく連結具基体１に一体的に設けられており、該連結
軸５と連結孔７の双方に設けられた螺子孔を利用して図
示しない螺子により連結固定される。

【００１１】８は連結具基体１に対して着脱自在になさ
れた連結軸であって、同じく截頭四角錐形状を呈し、図
３（ロ）にも示すようにその底部には取着板９が設けら
れている。連結具基体１には、図３（イ）に示すによう
に、この取着板９が嵌合される嵌合凹部１０が穿設され
ており、この嵌合凹部１０に、連結軸８の取着板９が嵌
合され、更に螺子孔を利用し、螺子１１、１１により緊
締固定されている。連結具基体１に固定された連結軸８
は、前側上部枠１２の連結孔１３に嵌挿され、双方に設
けられた螺子孔を利用して同じく螺子により連結固定さ
れる。なお、１４は天板用ガラスを支承する段部であ
る。

【００１２】このようにして、本考案連結具により枠組
みされた右横側上部枠２、支柱枠６及び前側上部枠１２
は、陳列用ケースとしたとき、図１（ロ）に示すような
態様となる。この図は左側の隅角部を示すものであっ
て、連結具としては右側と対称的に構成されたものが使
用される。なお、Ｇ１は天板用ガラス、Ｇ２は前側ガラ
ス、Ｇ３は左横側ガラスである。

【００１３】次に、前側上部枠を使用しない場合の実施
例について図２により説明する。図２（イ）はその一例
を示すものであって、連結具基体１、連結軸４及び５、
は、上述の実施例と同じであるが、連結軸８の代わりに
ガラス受け金具１５を取着したものである。１６は断面
がほぼコの字状のガラス嵌合溝であり、１７は嵌合凹部
１０に嵌合可能な取着板であって、嵌合溝１６を形成す
る部分と一体的に形成されている。このガラス受け金具
１５の取り付けは、例えば組立現場において、連結軸８
を螺着する為の螺子１１、１１を利用して該連結軸８の
代わりにガラス受け金具１５の取着板１７を嵌合凹部１
０に嵌合取着するだけでよい。

【００１４】このような本考案連結具により枠組みして
陳列用ケースとしたとき、図２（ロ）に示すような態様
となる。この図では左側の隅角部を示すものであるが、
上述の実施例の場合と同様に、連結具としては右側と対
称的に同じ構造に構成されたものが使用される。本実施
例の場合、前側ガラスＧ２の上縁に天板用ガラスＧ１の
前縁が載置された恰好で支承される。

【００１５】本考案において、連結具基体１に対して着
脱自在となされる、前側上部枠を連結するための連結軸
８とガラス受け金具１５とは、生産計画に従って、予め
必要予定数だけ製作しておけばよく、従って、連結具基
体１の数は、連結軸８とガラス受け金具１５との合計数
だけでよい。

【００１６】本考案において、連結具基体から枠材の方
向に突設される連結軸は、上述の実施例では、右（又は
左）の横側上部枠を連結する連結軸、及び右（又は左）
の支柱枠を連結するための連結軸を、連結具基体に一体
的に設けた例を示したが、必ずしもこれに限定されな
い。

【００１７】例えば、図３（ハ）に示すように、連結軸
を取着するための嵌合凹部を、前側上部枠を連結するた
めの連結軸用の嵌合凹部１８のみならず、支柱枠を連結
するための連結軸用の嵌合凹部１９の二つを設け、前側
上部枠を連結する場合の連結軸の取着と、ガラス受け金
具の取着が任意にできるようにするとともに、支柱枠用
の連結軸の形状の異なるものでも、それに対応した形状
の連結軸の取着ができるようにすることも可能である。

【００１８】場合によっては、横側上部枠を連結するた
めの連結軸用の嵌合凹部も設け、且つ横側上部枠、前側
上部枠及び支柱枠のそれぞれの異なった構造に対応した
連結軸が取着できるようにすることも可能である。しか
し、連結軸の種類が多くなり過ぎて互換性に過ぎること
は、本考案の趣旨を逸脱することになるので、少なくと
も、前側上部枠を連結するための連結軸が着脱自在とな
され、該連結軸に代わって、ガラス受け金具が取着可能
となされていれば充分である。

【００１９】

【考案の効果】本考案は、陳列用ケースの上部隅角部に
位置する連結具基体と、該連結具基体から枠材の方向に
突設される連結軸とからなり、陳列用ケースの上部枠の
うち、少なくとも前側即ち顧客の視線の正面に位置する
前側上部枠を連結するための連結軸は、連結具基体に着
脱自在となされ、且つ該連結軸に代わってガラス受け金
具が取着可能となされているので、前側上部枠を用いる
場合とガラス板同士を衝合する場合との両方に採用する
ことができる。

【００２０】従って、材料の節減、部品の種類の削減に
よる製造コストの低減ができ、また、生産計画に対応し
た適切な在庫量の確保が可能であるから、保管スペース
の節減による保管コストの低減も可能である。

【００２１】総じて、前側上部枠として、できるだけ細
い枠材を用いるか、或いは枠材を全く使用しないで、ガ
ラス板同士を衝合する場合のいずれの方策をも採ること
ができ、陳列用ケースを組み立てたとき、視覚的にスリ
ム感を与えるものが得られ、透視面積も広くなって、顧
客に対する展示性が向上し、また商品の出し入れ等の機
能性も向上した陳列用ケースの組立が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】（イ）は本考案連結具の一実施例をその使用態
様とともに示す一部切欠斜視図、（ロ）は本考案連結具
を用いてケースを組み立てた場合の隅角部を示す斜視図
である。

【図２】（イ）は図１に示す連結具において、前側上部
枠用の連結軸を使用しないで代わりにガラス受け金具を
取りつけた場合を分解して示す一部切欠斜視図、（ロ）
は上記連結具を用いてケースを組み立てた場合の隅角部
を示す斜視図である。

【図３】（イ）は図１（イ）及び図２（イ）に示した連
結具基体の斜め下からの斜視図、（ロ）は図１（イ）に
示した連結軸のみを取り出して示す斜視図、（ハ）は連
結具基体の他の例を示し、同図（イ）に示したものと同
じ角度からみた斜視図である。

【符号の説明】

Ｇ１ 天板用ガラス Ｇ２ 前側ガラス Ｇ３ 横側ガラス １ 連結具基体 ２ 横側上部枠 ４、５ 連結軸 ６ 支柱枠 ８ 着脱自在な連結軸 ９ 取着板 10 嵌合凹部 12 前側上部枠 15 ガラス受け金具 16 ガラス嵌合溝

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠材を枠組みして陳列用ケースを組み立
   てる際に、枠材同士を連結するために用いる陳列用ケー
   スの枠材連結具であって、陳列用ケースの上部隅角部に
   位置する連結具基体と、該連結具基体から枠材の方向に
   突設された連結軸とからなり、少なくとも前側上部枠を
   連結するための連結軸は、連結具基体に着脱自在となさ
   れ、且つ該連結軸に代わってガラス受け金具が取着可能
   となされていることを特徴とする陳列用ケースの枠材連
   結具。