JPH07295822A - 故障診断装置 - Google Patents

故障診断装置

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JPH07295822A
JPH07295822A JP6090332A JP9033294A JPH07295822A JP H07295822 A JPH07295822 A JP H07295822A JP 6090332 A JP6090332 A JP 6090332A JP 9033294 A JP9033294 A JP 9033294A JP H07295822 A JPH07295822 A JP H07295822A
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Makoto Takasu
誠 多賀須
Tatsuya Suzuki
達也 鈴木
Satoru Takahashi
哲 高橋
Yasuo Kagei
康夫 影井
Masaaki Furuyama
雅章 古山
Kunihiro Abe
邦宏 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 知識データを格納する記憶媒体の容量を増加
することなく、事例を診断事例型知識データとして効率
よく蓄積することのできる故障診断装置を提供する。 【構成】 事例登録部15bでは、今回の探究結果と同
一或は類似の事例が知識ベース部16の診断事例型知識
データ記憶部16bに格納されているか否かを判断し、
同一或は類似の事例がある場合には、今回の探究結果を
事例として登録せず、既に登録されている事例の発生回
数をカウントするに留める。又、今回の探究結果と同一
或は類似の事例が登録されていない場合には、今回の探
究結果を事例として上記診断事例型知識データ記憶部1
6bに登録する。その結果、知識データを格納する記憶
媒体の容量を増加させることなく、事例を診断事例型知
識データとして効率よく蓄積することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるエキスパート
システムを利用して車輛、航空機等の不具合現象に結び
付く故障原因を探究する故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医学、建築、化学等の各分野でコ
ンピュータを活用して問題解決の手がかりとするエキス
パートシステムが採用されている。このエキスパートシ
ステムは、ある特定分野における専門家の知識をコンピ
ュータに入力し、それを利用して複雑な問題を専門家と
同等なレベルで解決することができるようにしたシステ
ムである。
【0003】従来、このエキスパートシステムを車輛の
故障診断に採用したものとしては、例えば、特開昭62
−6846号公報に開示されているように、不具合現象
を入力し、その現象を引き起している根本的な故障原因
(故障箇所)を、ルールの集合で表したルール型知識デ
ータを利用して探究するもの、あるいは過去の診断事例
を記憶する診断事例型知識データ等を利用して探究する
もの等が知られている。
【0004】ところで、上記診断事例型知識データは、
実際に発生した過去の事例を収集したもので、不具合現
象と原因とが一義的に記載されている。従って、故障診
断を行った結果、故障原因が探究されれば、この故障原
因と入力された不具合現象とで、1つの事例データが完
成され、この事例データを登録し、知識ベースを更新す
ることで、その後、同様の不具合現象が発生したときに
は、この事例データを利用して故障原因を直ちに探究す
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、診断事例毎に
上記事例データを診断事例型知識データとして蓄積した
のでは、記憶媒体の容量に限界があるため、事例データ
を充分に蓄積することができなくなる。
【0006】又、事例データが膨大になると検索に時間
がかかり、充分な推論が行われなくなる。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、知識データを格納する記憶媒体の容量を増加するこ
となく、しかも事例の診断事例型知識データへの蓄積を
必要以上に制限せずに、効率よく蓄積することのできる
故障診断装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による故障診断装置は、故障診断に必要な知識デ
ータを記憶する知識ベース部と、この知識データを利用
して、入力された不具合現象に対応する故障原因を推論
により探究する推論機構部と、探究過程の情報を収集す
る技術情報収集部とを備える故障診断装置であって、上
記知識ベース部に少なくとも不具合現象と原因とを一義
的に記載する診断事例型知識データを格納し、又上記技
術情報収集部に、上記診断事例型知識データに今回の探
究結果と同一或は類似の事例があるかを検索し、同一或
は類似の事例がある場合には、今回の探究結果を登録せ
ず既に登録されている当該事例の発生回数をカウント
し、一方今回の探究結果と同一或は類似の事例がない場
合には今回の探究結果を事例として上記診断事例型知識
データに追加する事例登録部を備えることを特徴とす
る。
【0009】
【作 用】本発明による故障診断装置では、入力された
不具合現象に対し、知識ベース部に格納されている知識
データを利用して故障原因を推論により探究する。そし
て、不具合現象に対する故障原因が探究されたとき、今
回の診断による探究結果と同一或は類似の事例が上記知
識ベース部の診断事例型知識データにあるかを検索し、
同一或は類似の事例がある場合には、今回の探究結果は
登録せず、当該事例の発生回数のみをカウントする。一
方、今回の探究結果と同一或は類似の事例が上記診断事
例型知識データにない場合には、今回の探究結果を事例
として上記診断事例型知識データに登録する。その結
果、知識データの蓄積が必要以上に制限されず、また、
この知識データを格納する記憶媒体の容量を増加させる
ことなく、事例を診断事例型知識データとして効率よく
蓄積することが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0011】なお、本実施例では、航空機の燃料系統の
不具合現象を故障診断対象の一例として記述しながら説
明する。
【0012】図4に示すように、本実施例に係る故障診
断装置Aは装置本体1と入力ペン2とで構成されてお
り、この装置本体1には上記入力ペン2を用いて情報を
入力するタッチスクリーン1aが設けられている。
【0013】上記故障診断装置Aは空港の整備部門等に
配備されるもので、上記入力ペン2を用いて上記タッチ
スクリーン1aに不具合現象等を入力すると、内蔵する
コンピュータが不具合現象の原因あるいは故障箇所を探
究し、探究結果及び点検の要領等、必要な情報を上記タ
ッチスクリーン1a上に表示して整備員等を支援する。
【0014】図1に示すように、装置本体1に内蔵する
コンピュータには、システム全体を制御する機能として
システム制御部13が設けられ、また故障診断を実行す
る機能として、ウインドウ処理部12、推論機構部1
4、技術情報収集部15、知識ベース部16、及び運用
記録データ部17が構成されている。
【0015】又、上記タッチスクリーン1aは、入力部
11aと表示部11bとで構成されている。
【0016】上記ウインドウ処理部12には、前処理と
しての文字認識部12aと操作入力部12bとが設けら
れていると共に、後処理としての表示制御部12cが設
けられている。
【0017】文字認識部12aでは、上記タッチスクリ
ーン1aに表示されたペン入力用ウインドウ(図7参
照)に整備員等が上記入力ペン2で入力した不具合現象
等の手書き文字をキャラクタコードに変換し、コマンド
類を上記システム制御部13へ出力する。又、操作入力
部12bでは上記タッチスクリーン1aに表示されたグ
ラフィックスあるいはメニュー等を入力ペン2で選択し
たとき、それに対応するコマンド類を上記システム制御
部13へ出力する。又、上記表示制御部12cでは上記
システム制御部13から出力された信号に基づいて、表
示部11bに文字及びグラフィック等を表示させる。
【0018】上記システム制御部13には、マン・マシ
ンインターフェース制御部13aと、動作モード制御部
13bと、システム管理部13cとが設けられている。
マン・マシンインタフェース制御部13aでは、上記ウ
インドウ処理部12からのコマンド類に従って実行処理
を行う。あるいは、上記表示制御部12cへ文字データ
及びグラフィックス・データ等を出力する。動作モード
制御部13bでは、整備員が選択し入力した使用モード
に対応して、使用モードを通常の故障探究モードに固定
する外に、診断処理の中断・再開、及び発注管理システ
ムのデータ伝送等の周辺機器等を含めた装置全体の動作
モードを制御する。システム管理部13cでは、システ
ムの作動状態、データ管理等、システム全体を管理す
る。
【0019】又、上記推論機構部14には、文字列検索
部14aとルール・ベース推論部14bと事例ベース推
論部14cと推論制御部14dとが設けられている。
【0020】文字列検索部14aでは、整備員が入力し
た不具合現象を表す文字列を、予め登録した分離用文字
(“。”“,”“が”“は”等)を用いて分解し、この
分解した文字列を用いて、後述する知識ベース部16の
各知識データ記憶部16a,16bにそれぞれ記憶され
ている知識データから、上記文字列と同一あるいは類似
する文字列を、文字列単位、ワード単位、あるいは文字
単位で検索して、各知識データ記憶部16a,16bに
記憶されている知識データ毎に集計する。
【0021】ルール・ベース推論部14bでは、上記知
識ベース部16に設けたルール型知識データ記憶部16
aに記憶されている知識データを用いて故障原因あるい
は故障箇所を推論により探究し、仮説を生成する。
【0022】事例ベース推論部14cでは、上記文字列
検索部14aで検索した不具合現象と、同一あるいは類
似する現象を有する事例を上記知識ベース部16の診断
事例型知識データ記憶部16bに記憶されている知識デ
ータから探索して、故障原因あるいは故障箇所の仮説を
生成する。
【0023】そして、上記推論制御部14dで、上記各
推論部14b,14cで生成した仮説の整合性を判断し
結論となる仮説を導き出す。
【0024】技術情報収集部15は、データ収集部15
aと事例登録部15bとで構成されている。データ収集
部15aでは、整備員等が原因探究時に装置本体1に入
力した不具合項目、点検箇所、測定値等の整備データを
収集して、後述の整備記録データ記憶部17bに事例毎
に格納する。
【0025】事例登録部15bでは、推論による今回の
探究結果を事例として、後述する診断事例型知識データ
記憶部16bに登録する。又、この診断事例型知識デー
タ記憶部16bに登録されている知識データに、今回の
探究結果と同一或は類似の事例があるかを検索し、同一
或は類似の事例がある場合には、今回の探究結果を登録
せず、既に登録されている当該事例の発生回数をカウン
トするに留める。今回の探究結果と同一或は類似する事
例があるか否かは上記文字列検索部14aで検索した類
似度に従い、その類似度が予め設定したしきい値以上か
否かで判断する。
【0026】上記知識ベース部16は、ルール型知識デ
ータを記憶するルール型知識データ記憶部16a診断事
例型知識データを記憶する診断事例型知識データ記憶部
16b、及び電子化マニュアルデータを記憶する電子化
マニュアルデータ記憶部16cで構成されている。
【0027】上記ルール型知識データ記憶部16aに記
憶されているルール型知識データは、設計資料及び熟練
整備員等の経験等を解析し、不具合現象と故障原因とを
構成部品の体系毎に論理的に分析してルールの集合で表
したもので、一定の場合、中間仮説と結論仮説との結び
付の深さを示すための確信度が付けられていることがあ
る。具体的には、ルール型知識データとして、不具合現
象と故障原因との因果関係を理論的に分析し仮説の集合
体としてツリー状に表した故障樹木解析(フォルトツリ
ーアナリシス;FTA)型知識データ、不具合現象と故
障原因とを確信度で結び付けマトリクス状に整理した故
障モード影響分析(確信度付マトリクス;FMECA)
型知識データが採用される。
【0028】また、上記診断事例型知識データは過去の
故障原因の探究結果を事例としてまとめたデータ・ベー
スで、図11に示すように、各事例毎に、不具合現象
(あるいは不具合の生じている箇所)、故障原因及びそ
の処置、不具合部品、並びに知識源の種類、及び同一或
は類似の事例の発生回数等が記憶されている。なお、こ
の診断事例型知識データの知識源としては、不具合記録
票、整備記録票、整備員等に対するインタビュー等があ
る。このインタビューは、整備員等に対して行った文章
化されていない整備要領、原因探究等のノウハウを収集
して診断事例に反映させたものである。
【0029】図6に示すように、不具合記録票21に
は、乗員が発見した「不具合事項と点検箇所」を記録す
る欄と、整備員等が実施した「処置」等を記録する欄が
設けられている。整備記録票には、点検時に生じた「不
具合現象」、並びに、作業を実施した部門で記入された
「不具合部品」、「故障状況」等が記録されている。
【0030】又、電子化マニュアルデータは、構成部品
等の点検、交換あるいは組立手順等を表したテキスト及
びグラフィックス・データであり、例えば、図8に示す
ように、上記装置本体1のタッチスクリーン1aに、ブ
ースタ・ポンプのグラフィックや、このブースタ・ポン
プの点検要領などのデータを上記電子化マニュアルデー
タから読込んでウインドウに表示させることができる。
【0031】又、上記運用記録データ部17は、作業経
過一時記憶部17aと整備記録データ記憶部17bとで
構成されている。
【0032】上記作業経過一時記憶部17aには、例え
ば、整備途中で交換部品を手配するために中断し、その
後、故障診断を再開するような場合に、中断した整備作
業から引続き続行することができるようにするために、
整備員等の実施した整備経過、あるいは整備状況が逐次
記憶される。又、上記整備記録データ記憶部17bに
は、不具合現象に対する処置、点検結果、及び試運転の
状況、或は整備員等が独自に故障原因を探究したときの
整備情報等が事例毎に記憶される。
【0033】次に、故障診断手順について、図2、図3
に示すフローチャートに従い、航空機の燃料系の不具合
を適宜例示しながら説明する。
【0034】故障診断装置Aの電源スイッチをONする
と、装置本体1のタッチスクリーン1aに、図5に示す
ように使用モードの選択画面が表示され、整備員が、表
示されたメニューから「診断の開始」を入力ペン2によ
り選択(ポイント)すると、図7に示すように、タッチ
スクリーン1aに不具合現象を入力するためのウインド
ウと、不具合現象を文章表現で入力するためのペン入力
用ウインドウが表示されて推論処理が開始される。
【0035】ステップS1では、表示された各ウインド
ウに、手渡された不具合記録票21(図6参照)等の帳
票を参照して、航空機のシステムの可動状態などの必要
事項、或は乗員などから伝えられた不具合現象(症
状)、あるいは、後述するステップS11で表示された
問診に対する回答を、整備員が入力ペン2を用いて入力
する。一方、ステップS2では、後述するステップS1
1で表示された問診に基づく点検指示に応じて、上記航
空機の検査箇所に接続したテスタからの計測値を直接入
力する。
【0036】そして、上記タッチスクリーン1a上の不
具合現象入力ウインドウ等の欄に必要事項の入力を完了
し、画面表示されている「入力終了」のボタンを入力ペ
ン2によりポイントすると、入力された情報(年月日、
任務、内容等)が入力データとして、ステップS3でメ
モリに保管される。
【0037】次いで、ステップS4で、上記ステップS
1で入力されてステップS3で保管された不具合現象
と、各知識データ記憶部16a,16bに記憶されてい
る知識データとの類似度を算出する。
【0038】この類似度の算出は、文字列検索部14a
で実行されるもので、例えば、以下の手順で行われる。
【0039】(1)まず、上記各知識データ記憶部16
a,16bの各知識データから類似度の算出対象となる
文字列(文章)をそれぞれ取出す。なお、この各文字列
には、上記各知識データ記憶部16a,16bに記憶さ
れている知識データとの対応付けを行うためのID(自
己証明)番号が付与されている。
【0040】(2)次いで、このID番号が付与された文
字列を、ストリング、ワード、及びキャラクタの各単位
毎に分解して、各知識データ毎のワーキングメモリに格
納する。なお、この各ワーキングメモリに格納されてい
る「分解文字列」には、分解前のものと同じID番号が
付与されている。
【0041】ここで、「ストリング」とは、文字列その
ものをいい、「ワード」とは、空白文字、予め登録され
ている分離用文字(“。”、“,”、“が”、“は”
等)を用いて、例えば、文字列「エンジンが始動せず」
を「エンジン」と「始動せず」とに分解する。
【0042】キャラクタとは、文字列を所定文字数毎に
分解することをいい、例えば、文字列「エンジンが始動
せず」を、「エンジ」「ンが始」「動せず」、あるい
は、「エ」「ンジン」「が始動」「せず」、又は、「エ
ン」「ジンが」「始動せ」「ず」等のように3文字毎に
分解する。
【0043】(3)次いで、上記ワーキングメモリに格納
された「分解された文字列」から予め登録した「無視語
句(“しかし”、“私は”等)」を削除する。
【0044】(4)その後、予め登録した「同意語句
(“不調”は、“故障”とする等)」を用いて上記「分
解された文字列」を置換する。
【0045】(5)一方、整備員が入力した不具合現象
(症状)の文字列を、上記(1)〜(4)と同様に、ストリン
グ、ワード、及びキャラクタの各単位毎に分解する。
【0046】(6)そして、分解された不具合現象の文字
列を用いてワーキングメモリに格納されている「分解さ
れた文字列」を検索する。
【0047】例えば、整備員が入力した「エンジンが始
動せず」と、上記各知識データ記憶部16a,16bに
記憶されている知識データから取出された文字列との類
似度は以下のようになる。
【0048】 (7)次いで、ストリング、ワード、あるいはキャラクタ
の各単位で完全に一致するデータをID番号毎に集計
し、この集計結果を類似度として、それぞれ対応する推
論部14b,14cに出力する。なお、集計する際に
は、ストリング、ワード、あるいはキャラクタ毎に重み
付係数を用いて行う。
【0049】そして、ステップS4で各知識データ記憶
部16a,16bに記憶されている知識データと、不具
合現象との類似度が算出されると、それぞれの知識デー
タ記憶部16a,16bに記憶されている知識データに
基づいて、故障原因を推論により探究し仮説を生成する
処理が、次のステップS5,S6で並列に実行される。
【0050】すなわち、ステップS5では、ルール型知
識データ記憶部16aに記憶されている知識ベースを用
いてルール・ベース推論により故障原因を探究し仮説を
生成する。又、ステップS6では、上記診断事例型知識
データ記憶部16bに記憶されている知識データを用い
て、事例ベース推論により故障原因を探究し仮説を生成
する。
【0051】上記ステップS5のルール・ベース推論
は、推論機構部14のルール・ベース推論部14bで実
行されるもので、熟練整備員の経験等を解析し、不具合
現象と故障原因とを構成部品の体系毎に論理的に分析し
てルールの集合で表したルール型知識データに基づい
て、不具合現象と、この不具合現象に最も因果関係の深
いと思われる原因とを結ぶルートをルールに従って探究
し、結論となる仮説を生成する。
【0052】一方、上記事例ベース推論は、上記推論機
構部14の事例ベース推論部14cで実行されるもの
で、過去の診断事例に基づいて予め登録した知識データ
から、類似する或は同一の不具合現象を有する診断事例
を選択し、この選択した知識データに基づいて、今回の
不具合現象に対応する原因、対象となる部品、あるいは
必要とする処置等、不具合現象を解消するための仮説を
生成する。
【0053】そして、上記各ステップS5,S6で推論
が終了すると、ステップS7へ進み、上記各推論によっ
て生成した仮説の整合性を判断する。
【0054】この仮説の整合性の判断は、上記推論機構
部14の推論制御部14dで実行されるもので、上記ス
テップS5,S6で生成した仮説が競合する場合、予め
設定した基準に従って1つの仮説に絞り込み、競合を解
消する。
【0055】この仮説の競合を解消する基準としては、
例えば、各知識データ記憶部16a,16bに記憶され
ている知識データに優先順位をつけたり、不具合現象に
対しての類似度を計算し、この類似度の最も高いものを
選択する等がある。
【0056】そして、上記ステップS7で1つの仮説に
絞り込まれると、ステップS8へ進み、推論が終了した
かを判断する。推論が終了したか否かの判断は、例え
ば、上記ステップS5,S6でそれぞれ生成した仮説が
整合した場合、或は設定回数以上再推論を行っても、上
記ステップS5,S6で生成した仮説が異なるために優
先順位等を付けて1つの仮説に絞り込まれた場合、或
は、仮説が全く生成されない場合を判断基準とする。一
方、上記ステップS5,S6で生成した仮説が競合し、
しかも再推論の余地がある場合には推論未終了と判断す
る。
【0057】そして、推論未終了のときは、上記ステッ
プS4へ戻り、メモリに保管されている入力データと、
上記ステップS7で絞り込まれた仮説とを組合わせて再
推論を行う。また、推論終了のときは、ステップS9へ
進む。
【0058】ステップS9では、他に点検項目があるか
を、例えば結論として導かれた仮説を検証する必要があ
るか、或は更に子細に探究する必要があるかで判断し、
点検項目がある場合は、ステップS10へ分岐して、そ
の問診内容を絞り込む。この問診により、今回の結論仮
説を検証するとともに、新たな仮説を生成する際の情報
とする。
【0059】次いで、ステップS11で、上記ステップ
S10で絞り込んだ問診の内容を装置本体1のタッチス
クリーン1aに表示し、同時に、関連する点検要領等の
作業内容や必要な情報を、例えば、図8に示すように表
示する。そして、ステップS1,S2へ戻り、整備員か
らの点検結果の入力を待つ。
【0060】そして、整備員が上記タッチスクリーン1
aに入力ペン2を用いて点検結果を入力し、あるいはテ
スタから直接計測結果を入力すると、ステップS3で、
このデータが保管され、ステップS4で、入力された文
字列と、前回までの「入力データ」の文字列、及び計測
結果に基づいて、各知識データとの類似度を再度算出
し、ステップS5,S6以下で、各知識データに基づ
き、再推論により故障原因を探究する。
【0061】そして、推論が終了し、ステップS8から
ステップS9へ進み、仮説を検証するための点検項目が
ないかを判断し、点検項目がない場合は、ステップS1
2へ進み、故障原因が探究できたかを判断する。
【0062】故障原因が探究できたときは、ステップS
13へ進み、又、探究できなかった場合には、ステップ
S16へジャンプする。
【0063】故障原因が探究できてステップS13へ進
むと、例えば、図9に示すように、上記タッチスクリー
ン1aに推論の結果及び論拠を表示し、整備員が、この
内容を確認し、画面表示された「了解」のボタンを入力
ペン2によりポイントすると、ステップS14で、仮説
に対応する部品の交換手順等、必要な処置要領等の情報
を表示し、ステップS15で、整備員からの処置結果、
すなわち、不具合が解消したかどうかの検証結果の入力
を待つ。
【0064】整備員は、上記タッチスクリーン1a上に
提示された部品を交換し、あるいは必要な箇所の点検を
行った結果、不具合現象が解消し、あるいは、故障箇所
を特定できた場合、又は、指定された部品を交換しても
不具合現象が依然解消されない場合、あるいは、故障箇
所が特定できない場合、その旨を上記タッチスクリーン
1aに入力する。
【0065】その結果、整備員の入力したデータに基づ
いて今回の原因探究が成功か否かを判断し、ステップS
16で、上記タッチスクリーン1aに探究結果の成否の
確認画面を表示する。この探究結果の成否の確認画面
は、例えば、図10に示すように、探究の経緯、及びダ
イアログボックスに、今回の探究結果が成功したかどう
かの確認内容を表示することで行う。なお、探究結果に
従って部品を交換しても満足な結果が得られなかった場
合に、整備員が、上記ステップS15で、その旨を入力
すると、ステップS16では、タッチスクリーン1a上
に、今回の探究が失敗である旨の確認画面を表示する。
また、ダイアログボックスには、例えば、 と、整備員に了解を得るための確認内容を表示する。
【0066】そして、整備員が事例の登録を了解する
と、ステップS17で、診断事例型知識データ記憶部1
6bに記憶されている事例データに今回登録する事例と
同一或は類似する事例があるかを判断し、同一或は類似
の事例がない場合には、ステップS18へ進み、今回の
探究結果を診断事例として、診断事例型知識データ記憶
部16bに記憶されている知識データに、例えば、図1
1の「事例-5721」に示すように、今回の探究結果を事
例データとして追加登録する。なお、今回の探究結果が
失敗の場合には、その内容が「原因及び処置」の欄に記
載され、また、「特記事項」の欄には、「探究失敗」と
記載される。
【0067】一方、上記ステップS17で、同一或は類
似の事例があると判断した場合には、ステップS19へ
分岐し、今回の探究結果を事例として登録することな
く、既に登録されている事例の発生回数をカウントする
だけに留めて、ステップS20へ戻る。
【0068】事例が同一或は類似するかの判断は、上記
ステップS4で算出した類似度に従って判断され、この
類似度が予め設定したしきい値以上の場合には、同一或
は類似と判断する。従って、例えば、図11で示した、
今回の「事例-5721」が類似度から判断して、「事例-10
48」に類似すると判断した場合には、この「事例-572
1」は、今回登録せず、上記「事例-1048」の発生回数を
2とするにとどめる。なお、今回の整備過程、処置内
容、及び処置結果等の全ての整備データは運用記録デー
タ部17の整備記録データ記憶部17bに格納されるの
で、知識ベースをメンテナンスする際には、この整備記
録データ記憶部17bに格納されている整備データを読
出すことで、今回の探究結果を集計することができる。
【0069】また、上記ステップS12で、故障原因が
探究できなかったと判断されてステップS16へジャン
プした場合には、 と、上記タッチスクリーン1aに確認の画面を表示し、
これを了解すると、ステップS17,S18,S19で
は、今回の探究で仮設が生成されなかったので、何等実
行されずにそのまま、ステップS20へ進むことにな
る。
【0070】そして、ステップS20へ進むと、今回の
探究経緯及び処置の内容を、診断年月日、診断者名等の
補足情報と共に、整備記録データ記憶部17bにメモリ
して、故障診断を終了する。従って、今回、故障原因が
探究できなかった場合でも、上記整備記録データ記憶部
17bには、今回の整備データが格納される。
【0071】上記整備記録データ記憶部17bにメモリ
されたデータは、外部印刷機などを介して取出すことが
でき、例えば、図12に示すように、不具合記録票21
に記載して集計することも可能である。
【0072】また、図11に示す診断事例型知識データ
記憶部16bに格納された事例データ、及びその発生回
数も、外部装置に読出すことができ、事例データを再構
築する際の参考に供することができる。
【0073】このように、本実施例では、今回の探究結
果と同一或は類似する事例が、診断事例型知識データ記
憶部16bに格納されている場合には、新たに事例を追
加することなく、既に登録されている事例の発生回数を
カウントするに留めるようにしたので、診断事例型知識
データ記憶部16bの記憶容量を相対的に減少させるこ
とができる。又、同一或は類似の判断を類似度を用いて
行っているので、この類似度のしきい値を適宜設定する
ことで事例の蓄積を過度に制限することがなくなる。
【0074】なお、本発明は上記実施例に限るものでは
なく、例えば故障診断の対象は、航空機に限らず、自動
車、鉄道等の車輌、あるいは船舶などであっても良い。
【0075】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
今回の探究結果と同一或は類似の事例が診断事例型知識
データとして既に格納されているときには、今回の探究
結果を事例として追加せず、既に登録されている事例の
発生回数をカウントするに留めるようにしたので、知識
データを格納する記憶媒体の容量を相対的に減少させる
ことができる。
【0076】又、同一或は類似する事例の追加のみを制
限しているので、知識データの蓄積が必要以上に制限さ
れずに、事例の蓄積を効率よく行うことができ、その
分、故障探究時の事例の探索を素早く行うことができ、
故障診断装置における推論処理時間が短縮される。
【0077】さらに、探究結果と同一或は類似の事例が
診断事例型知識データとして格納されているときには、
当該事例の発生回数がカウントされるので、上記診断事
例型知識データ及び発生回数を読出して事例データを再
構築する際に、不要な事例データを削除することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】故障診断装置の機能ブロック図
【図2】推論処理ルーチンを示すフローチャート
【図3】推論処理ルーチンを示すフローチャート(続
き)
【図4】故障診断装置の外観図
【図5】使用モードの選択画面を示す説明図
【図6】不具合現象が記載された不具合記録票を示す説
明図
【図7】不具合現象の入力画面を示す説明図
【図8】問診時の表示画面を示す説明図
【図9】推論結果及び論拠の表示画面を示す説明図
【図10】探究結果の確認の表示画面を示す説明図
【図11】診断事例型知識データの説明図
【図12】処置内容を記載した不具合記録票を示す説明
【符号の説明】
A 故障診断装置 14 推論機構部 15 技術情報収集部 15b 事例登録部 16 知識ベース部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 影井 康夫 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 古山 雅章 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 阿部 邦宏 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 故障診断に必要な知識データを記憶する
    知識ベース部(16)と、 この知識データを利用して、入力された不具合現象に対
    応する故障原因を推論により探究する推論機構部(1
    4)と、 探究過程の情報を収集する技術情報収集部(15)とを
    備える故障診断装置であって、 上記知識ベース部(16)に少なくとも不具合現象と原
    因とを一義的に記載する診断事例型知識データを格納
    し、 又上記技術情報収集部(15)に、上記診断事例型知識
    データに今回の探究結果と同一或は類似の事例があるか
    を検索し、同一或は類似の事例がある場合には、今回の
    探究結果を登録せず既に登録されている当該事例の発生
    回数をカウントし、一方今回の探究結果と同一或は類似
    の事例がない場合には今回の探究結果を事例として上記
    診断事例型知識データに追加する事例登録部(15b)
    を備えることを特徴とする故障診断装置。
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