JPH07271758A - 故障診断装置 - Google Patents

故障診断装置

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Publication number
JPH07271758A
JPH07271758A JP5957194A JP5957194A JPH07271758A JP H07271758 A JPH07271758 A JP H07271758A JP 5957194 A JP5957194 A JP 5957194A JP 5957194 A JP5957194 A JP 5957194A JP H07271758 A JPH07271758 A JP H07271758A
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JP
Japan
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failure
knowledge data
mode
inference
maintenance
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Pending
Application number
JP5957194A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Takasu
誠 多賀須
Tatsuya Suzuki
達也 鈴木
Satoru Takahashi
哲 高橋
Yasuo Kagei
康夫 影井
Masaaki Furuyama
雅章 古山
Kunihiro Abe
邦宏 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Test And Diagnosis Of Digital Computers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 故障診断装置を用いて整備員の教育・訓練を
行い、整備能力の向上を図る。 【構成】 本故障診断装置には、通常の故障探究モード
に加えて、整備員の教育を目的とする訓練モードが備え
られており、整備員が訓練モードを選択すると、動作モ
ード制御部13bでは装置を訓練モードに固定する。す
ると、推論機構部14で故障原因が探究された場合で
も、事例登録部15bでは、知識データ部16に設けた
診断事例型知識データ記憶部16aに記憶されている知
識データの蓄積の更新を停止する。その結果、訓練モー
ドで故障原因が探究され、その探究結果に基づいて処置
を行った結果、不具合現象が解消されても、この探究結
果で上記診断事例型知識データ記憶部16aの知識デー
タが蓄積更新されることなく、訓練中に誤って知識デー
タが書換えられてしまうことが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるエキスパート
システムを利用して車輛、航空機等の不具合現象の原因
を探究する故障診断装置に係り、特に、整備員の教育・
訓練のために故障診断をシミュレートする故障診断装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医学、建築、化学等の各分野でコ
ンピュータを活用して問題解決の手がかりとするエキス
パートシステムが採用されている。このエキスパートシ
ステムは、ある特定分野における専門家の知識をコンピ
ュータに入力し、それを利用して複雑な問題を専門家と
同等なレベルで解決することができるようにしたシステ
ムである。
【0003】従来、このエキスパートシステムを車輛の
故障診断に採用したものとしては、例えば、特開昭62
−6846号公報に開示されているように、不具合現象
を入力し、その現象を引き起している根本的な故障原因
(故障箇所)を、ルールの集合で表した知識データある
いは過去の事例を記憶する知識データ等を利用して推論
するものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このエキスパートシス
テムを用いて故障診断を行えば、初心者でも熟練整備員
と同等のレベルで故障原因を探究することができる利便
性を備えている反面、この故障診断装置を信頼する余
り、自己の知識及び経験に基づいて探究する整備能力が
育成されず、整備員の技術の向上が図れない等の弊害が
生じ得る。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、通常の整備支援に加えて、整備員のレベルの向上を
図ることのできる故障診断装置を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による故障診断装置は、整備員による入力に
基づき故障診断の使用モードが故障原因を探究する故障
探究モードか教育のための訓練モードかを判断する動作
モード制御部と、故障診断に必要な知識データを記憶す
る知識ベース部と、この知識データを利用して故障原因
を推論により探究する推論機構部と、この推論機構部の
探究結果に基づく処置により不具合が解消した場合、上
記動作モード制御部で故障探究モードが選択されている
ときには、今回の探究結果を診断事例として登録し、一
方上記動作モード制御部で訓練モードが選択されている
ときには、今回の診断事例の登録を停止する事例登録部
とを備えることを特徴とする。
【0007】
【作 用】上記構成において、整備員は、先ず、今回使
用するモードを、通常の故障探究モードか整備員の教育
のための訓練モードかの何れかから選択する。すると、
動作モード制御部では、整備員が選択し入力したモード
に従って、動作モードを制御する。
【0008】次いで、故障原因を探究する推論を開始す
るために、整備員が装置本体に不具合現象を入力する
と、推論機構部において、この不具合現象を基に、知識
ベース部に記憶されている知識データを利用して故障原
因を推論により探究し、仮説を生成する。
【0009】一方、整備員は、推論により得られた仮説
に従って、該当する箇所を点検し、必要な処置を行い、
その処置結果を入力する。
【0010】すると、事例登録部では、上記動作モード
制御部で選択した今回の使用モードが、故障探究モード
であるときには、今回の探究結果を診断事例として登録
し、また、今回の使用モードが訓練モードであるときに
は、今回の診断事例の登録を停止する。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0012】なお、本実施例では、航空機の燃料系統の
不具合現象を故障診断対象の一例として記述しながら説
明する。
【0013】図4に示すように、本実施例に係る故障診
断装置Aは装置本体1と入力ペン2とで構成されてお
り、この装置本体1には上記入力ペン2を用いて情報を
入力するタッチスクリーン1aが設けられている。
【0014】上記故障診断装置Aは空港の整備部門等に
配備されるもので、上記入力ペン2を用いて上記タッチ
スクリーン1aに不具合現象を入力すると、内蔵するコ
ンピュータが不具合現象の原因あるいは故障箇所を探究
し、探究結果及び点検の要領等、必要な情報を上記タッ
チスクリーン1a上に表示して整備員を支援する。
【0015】図1に示すように、装置本体1に内蔵する
コンピュータには、故障診断を実行する機能として、ウ
インドウ処理部12、システム制御部13、推論機構部
14、技術情報収集部15、知識ベース部16、及び運
用記録データ部17が構成されている。又、上記タッチ
スクリーン1aは、入力部11aと表示部11bとで構
成されている。
【0016】上記ウインドウ処理部12には、前処理と
しての文字認識部12aと操作入力部12bとが設けら
れていると共に、後処理としての表示制御部12cが設
けられている。
【0017】文字認識部12aでは、上記タッチスクリ
ーン1aに表示されたペン入力用ウインドウ(図6参
照)に整備員が上記入力ペン2で入力した不具合現象等
の手書き文字をキャラクタコードに変換し、コマンド類
を上記システム制御部13へ出力する。又、操作入力部
12bでは上記タッチスクリーン1aに表示されたグラ
フィックスあるいはメニュー等を入力ペン2で選択した
とき、それに対応するコマンド類を上記システム制御部
13へ出力する。又、上記表示制御部12cでは上記シ
ステム制御部13から出力された信号に基づいて、表示
部11bに文字及びグラフィック等を表示させる。
【0018】上記システム制御部13には、マン・マシ
ンインターフェース制御部13aと、動作モード制御部
13bと、システム管理部13cとが設けられている。
マン・マシンインタフェース制御部13aでは、上記ウ
インドウ処理部12からのコマンド類に従って実行処理
を行う。あるいは、上記表示制御部12cへ文字データ
及びグラフィックス・データ等を出力する。動作モード
制御部13bでは、整備員が選択し入力した使用モード
に従い、通常の故障探究モードと教育のための訓練モー
ドとに動作を制御する。更に、この動作モード制御部1
3bでは、それ以外に、診断処理の中断・再開、及び整
備記録の印刷、発注管理システムのデータ電送等の周辺
機器等を含めた装置全体の動作モードを制御する。シス
テム管理部13cでは、システムの作動状態、データ管
理等、システム全体を管理する。
【0019】又、上記推論機構部14には、文字列検索
部14aと、ルール・ベース推論部14bと事例ベース
推論部14cと推論制御部14dとが設けられている。
【0020】文字列検索部14aでは、整備員が入力し
た不具合現象を表す文字列を、予め登録した分離用文字
(“。”“,”“が”“は”等)を用いて分解し、この
分解した文字列を用いて、後述する知識ベース部16の
各知識データ記憶部16a,16bにそれぞれ記憶され
ている知識データから、上記文字列と同一あるいは類似
する文字列を、文字列単位、ワード単位、あるいは文字
単位で検索して、各知識データ記憶部16a,16bに
記憶されている知識データ毎に集計する。
【0021】ルール・ベース推論部14bでは、上記知
識ベース部16に設けたルール型知識データ記憶部16
bに記憶されている知識データを用いて故障原因あるい
は故障箇所を推論により探究し、仮説を生成する。
【0022】事例ベース推論部14cでは、上記文字列
検索部14aで検索した不具合現象と、同一あるいは類
似する現象を有する現象を上記知識ベース部16の診断
事例型知識データ記憶部16aに記憶されている知識デ
ータから探索して、故障原因あるいは故障箇所の仮説を
生成する。
【0023】そして、上記推論制御部14dで、上記各
推論部14b,14cで生成した仮説の整合性を判断
し、仮説が整合しているときは、この仮説を結論仮説と
して出力する。
【0024】技術情報収集部15は、データ収集部15
aと事例登録部15bとで構成されている。データ収集
部15aでは、整備員が故障探究時に装置本体1に入力
した不具合項目、点検箇所、測定値等、整備作業中に入
力したデータを収集する。事例登録部15bでは、使用
モードが通常の故障探究モードである場合、推論による
探究結果(成功事例と失敗事例の双方)を診断事例とし
て、後述する診断事例型知識データ記憶部16aの知識
データに登録し、又、使用モードが教育のための訓練モ
ードである場合には、今回の探究結果を上記診断事例型
知識データ記憶部16aの知識データに登録するのを停
止する。
【0025】上記知識ベース部16は、診断事例型知識
データを記憶する診断事例型知識データ記憶部16aと
ルール型知識データを記憶するルール型知識データ記憶
部16bと電子化マニュアルデータを記憶する電子化マ
ニュアルデータ記憶部16cとで構成されている。
【0026】上記診断事例型知識データは過去の故障原
因の探究結果を事例としてまとめたデータ・ベースで、
図10に示すように、各診断事例毎に、不具合現象(あ
るいは不具合の生じている箇所)、故障の故障原因及び
その処置、不具合部品、並びに知識源の種類等が記憶さ
れている。なお、この診断事例データの知識源として
は、不具合記録票、整備記録票、整備員に対するインタ
ビュー等がある。
【0027】不具合記録票には、図5に示すように、乗
員が発見した「不具合事項と点検箇所」を記録する欄
と、整備員が実施した「処置」等を記録する欄が設けら
れている。整備記録票には、点検時に生じた「不具合現
象」、並びに、作業を実施した部門で記入された「不具
合部品」、「故障状況」等が記録されている。なお、イ
ンタビューは、整備員に対して行った文章化されていな
い整備要領、故障探究等のノウハウを収集して診断事例
に反映させたものである。
【0028】上記ルール型知識データ記憶部16bに記
憶されているルール型知識データは、設計資料及び熟練
整備員の経験等を解析し、不具合現象と故障原因とを構
成部品の体系毎に論理的に分析し、ルールの集合で表し
たもので、一定の場合、各中間仮説の結び付の深さを示
すための確信度が付けられていることがある。具体的に
は、ルール型知識データとして、不具合現象と故障原因
との因果関係を理論的に分析し仮説の集合体としてツリ
ー状に表わした故障樹木解析(フォトツリーアナリシ
ス;FTA)型知識データ、不具合現象と故障原因とを
確信度で結び付けマトリクス状に整理した故障モード影
響分析(確信度付マトリクス;FMECA)型知識デー
タが採用される。
【0029】又、電子化マニュアルデータは、構成部品
等の点検、交換あるいは組立手順等を表したテキスト及
びグラフィックス・データであり、例えば、図7に示す
ように、上記装置本体1のタッチスクリーン1aに、ブ
ースタ・ポンプのグラフィックや、このブースタ・ポン
プの点検要領などのデータを上記電子化マニュアルデー
タから読込んでウインドウに表示させる。
【0030】又、上記運用記録データ部17は、整備記
録データ記憶部17aと作業経過一時記憶部17bと訓
練記録データ記憶部17cとで構成されている。上記整
備記録データ記憶部17aには、不具合現象に対する処
置、点検結果、及び試運転の状況などの整備結果を事例
毎に記憶される。又、上記作業経過一時記憶部17bに
は、例えば、通常の故障探究モード時及び訓練モード時
において、整備途中で交換部品を手配するために中断
し、その後、故障診断を再開するような場合に、中断し
た整備作業から引続き続行することができるようにする
ために、整備員の実施した整備経過、あるいは整備状況
が逐次記憶される。又、訓練記録データ記憶部17cに
は、現在の使用モードが訓練モードである場合に、整備
員の行った整備経過が記憶される。
【0031】次に、故障診断手順について、図2、図3
の推論処理ルーチンに示すフローチャートに従い、航空
機の燃料系の不具合を適宜例示しながら説明する。
【0032】まず、装置本体1の電源スイッチをON
し、整備員は、図12に示すように、故障診断装置Aの
装置本体1のタッチスクリーン1aに表示されたモード
から今回の使用モード(ウインドウ)を入力ペン2によ
り選択する。ステップS1では、入力ペン2により選出
された使用モードを判断する。この使用モードには、通
常の故障探究モードと訓練モードとがあり、訓練モード
は整備員の教育・訓練を目的として、例えば、故障原因
を予め想定し、この想定した故障原因に結びつく不具合
現象を整備員に入力させることで、故障探究の過程をシ
ミュレートするものである。
【0033】そして、上記ステップS1で、整備員が通
常の故障探究モード(診断の開始)を選択すると、ステ
ップS2へ進み、今回の使用モードを故障探究モードに
固定し、知識ベース蓄積更新機能停止フラグをクリアし
た後、図2の破線で示す推論実行ルーチンへ進む。
【0034】一方、上記ステップS1で、整備員が訓練
モードを選択すると、ステップS3へ進み、今回の使用
モードを訓練モードに固定した後、ステップS4で知識
ベース部16の診断事例型知識データ記憶部16aに記
憶されている知識データが今回の探究結果にて蓄積・更
新されるのを停止させるための、知識ベース蓄積更新機
能停止フラグをセットして、図2の破線で示す推論実行
ルーチンへ進む。
【0035】この推論実行ルーチンは、ステップS5,
S6からステップS17まであり、入力された不具合現
象を基に、知識ベース部16の各知識データを利用して
推論により故障原因を探究する。
【0036】この推論実行ルーチンに移行すると、図6
に示すように、装置本体1のタッチスクリーン1aに
は、不具合現象を入力するためのウインドウと、不具合
現象を文章表現で入力するためのペン入力用ウインドウ
とが表示され、ステップS5で、整備員は、表示された
各ウインドウに、手渡された不具合記録票21(図5参
照)等の帳票を参照して、航空機のシステムの可動状態
などの必要事項、或は乗員などから伝えられた不具合現
象(症状)を入力ペン2を用いて入力する。又、ステッ
プS6では、上記航空機の検査箇所に接続したテスタか
らの計測値を直接入力する。なお、訓練モードでは、上
記帳票の「不具合事項及び要点検箇所」の欄に、予め想
定した故障原因に結びつく不具合現象が記入されてい
る。
【0037】そして、上記タッチスクリーン1a上の不
具合現象入力ウインドウ等の欄に必要事項の入力を完了
し、「入力終了」のウインドウを入力ペン2により選出
すると、入力された情報(年月日、任務、内容等)が入
力データとして出力され、ステップS7で内部メモリに
保管される。
【0038】次いで、ステップS8で、上記ステップS
5で入力されてステップS7で保管された不具合現象
と、各知識データ記憶部16a,16bに記憶されてい
る知識データとの類似度を算出する。
【0039】この類似度の算出は、文字列検索部14a
で実行されるもので、例えば、以下の手順で行われる。
【0040】(1)まず、上記各知識データ記憶部16
a,16bの各知識データから類似度の算出対象となる
文字列(文章)をそれぞれ取出す。なお、この各文字列
には、上記各知識データ記憶部16a,16bに記憶さ
れている知識データとの対応付けを行うためのID(自
己証明)番号が付与されている。
【0041】(2)次いで、このID番号が付与された文
字列を、ストリング、ワード、及びキャラクタの各単位
毎に分解して、各知識データ毎のワーキングメモリに格
納する。なお、この各ワーキングメモリに格納されてい
る「分解文字列」には、分解前のものと同じID番号が
付与されている。
【0042】ここで、「ストリング」とは、文字列その
ものをいい、「ワード」とは、空白文字、予め登録され
ている分離用文字(“。”、“,”、“が”、“は”
等)を用いて、例えば、文字列「エンジンが始動せず」
を「エンジン」と「始動せず」とに分解する。
【0043】キャラクタとは、文字列を所定文字数毎に
分解することをいい、例えば、文字列「エンジンが始動
せず」を、「エンジ」「ンが始」「動せず」、あるい
は、「エ」「ンジン」「が始動」「せず」、又は、「エ
ン」「ジンが」「始動せ」「ず」等のように3文字毎に
分解する。
【0044】(3)次いで、上記ワーキングメモリに格納
された「分解された文字列」から予め登録した「無視語
句(“しかし”、“私は”等)」を削除する。
【0045】(4)その後、予め登録した「同意語句
(“不調”は、“故障”とする等)」を用いて上記「分
解された文字列」を置換する。
【0046】(5)一方、整備員が入力した不具合現象
(症状)の文字列を、上記(1)〜(4)と同様に、ストリン
グ、ワード、及びキャラクタの各単位毎に分解する。
【0047】(6)そして、分解された不具合現象の文字
列を用いてワーキングメモリに格納されている「分解さ
れた文字列」を検索する。
【0048】例えば、整備員が入力した「エンジンが始
動せず」と、上記各知識データ記憶部16a,16bに
記憶されている知識データから取出された文字列との類
似度は以下のようになる。
【0049】 (7)次いで、ストリング、ワード、あるいはキャラクタ
の各単位で完全に一致するデータをID番号毎に集計
し、この集計結果を類似度として、それぞれ対応する推
論部14b,14cに出力する。なお、集計する際に
は、ストリング、ワード、あるいはキャラクタ毎に重み
付係数を用いて行う。
【0050】このように、入力された不具合現象の文字
列を加工して、知識データに記憶されている文字列に対
応させ、次いで、類似度を用いて対応する知識データを
検索するようにしたので、初心者であっても比較的自由
な表現で不具合現象を入力することができる。従って、
訓練モードでは、整備員自身がテストした結果感じた不
具合現象を上記不具合記録票21に記入させ、この記入
した文字列に基づいて推論処理を実行させるようにして
も良い。
【0051】上記ステップS8で各知識データ記憶部1
6a,16bに記憶されている知識データと、不具合現
象との類似度が算出されると、次のステップS9,S1
0を平行に実行し(コンカレント処理)、各ステップS
9,S10で、それぞれの知識データ記憶部16a,1
6bに記憶されている知識データに基づいて、故障原因
を推論により探究し仮説を生成する。
【0052】すなわち、ステップS9では、ルール型知
識データ記憶部16bに記憶されている知識ベースを用
いてルール・ベース推論により故障原因を探究し仮説を
生成する。又、ステップS10では、上記診断事例型知
識データ記憶部16aに記憶されている知識データを用
いて、事例ベース推論により故障原因を探究し仮説を生
成する。
【0053】上記ステップS9のルール・ベース推論
は、推論機構部14のルール・ベース推論部14bで実
行されるもので、熟練整備員の経験等を解析し、不具合
現象と故障原因とを構成部品の体系毎に論理的に分析し
てルールの集合で表したルール型知識データに基づい
て、不具合現象と、この不具合現象に最も因果関係の深
いと思われる原因とを結ぶルートをルールに従って探究
し、結論となる仮説を生成する。
【0054】一方、上記事例ベース推論は、上記推論機
構部14の事例ベース推論部14cで実行されるもの
で、過去の診断事例に基づいて予め登録した知識データ
から、類似する或は同一の不具合現象を有する診断事例
を選択し、この選択した知識データに基づいて、今回の
不具合現象に対応する原因、対象となる部品、あるいは
必要とする処置等、不具合現象を解消するための仮説を
生成する。
【0055】そして、上記ステップS9,S10で推論
が終了し、所定の推論結果が得られると、ステップS1
1へ進み、上記各推論によって生成した仮説の整合性を
判断する。
【0056】この仮説の整合性の判断は、上記推論機構
部14の推論制御部14dで実行されるもので、上記ス
テップS9,S10で生成した仮説が競合する場合、あ
る基準で1つの仮説に絞り込むことで、この仮説の競合
を解消する。
【0057】この仮説の競合を解消する基準としては、
例えば、各知識データ記憶部16a,16bに記憶され
ている知識データに優先順位をつけたり、不具合現象に
対しての類似度を計算し、この類似度の最も高いものを
結論仮説とする等がある。
【0058】そして、上記ステップS11で1つの仮説
に絞り込まれると、ステップS12へ進み、推論が終了
したかを判断する。推論が終了したかどうかの判断は、
例えば、上記ステップS9,S10でそれぞれ生成した
仮説が整合した場合、或は設定回数以上再推論を行って
も、ステップS9,S10で生成した仮説が異なるが優
先順位等を付けて仮説が1つに絞り込まれた場合、或
は、仮説が全く生成されない場合には、推論終了と判断
する。一方、上記ステップS9,S10で生成した仮説
が競合し、しかも再推論の余地がある場合には推論未終
了と判断する。
【0059】そして、推論未終了のときは、上記ステッ
プS8へ戻り、上記ステップS7において、最初に内部
メモリに保管した入力データと、上記ステップS11で
選択した仮説とを組合わせて再推論を行う。また、推論
終了のときは、ステップS13へ進む。
【0060】ステップS13では、他に点検項目がある
かを判断し、点検項目がある場合は、ステップS14へ
進んで、その問診内容を絞り込む。この問診により、今
回の結論仮説を検証するとともに、新たな仮説を生成す
る際の情報とする。
【0061】次いで、ステップS15へ進み、上記ステ
ップS14で絞り込んだ問診の内容を装置本体1のタッ
チスクリーン1aに表示し、同時に、関連する点検要領
等の作業内容や必要な情報を、例えば、図7に示すよう
に表示する。そして、ステップS5,S6へ戻り、整備
員からの点検結果の入力を待つ。
【0062】整備員は、上記タッチスクリーン1aに表
示された点検要領に従い、点検作業を遂行するので、不
具合現象と故障原因との因果関係を経験的に会得するこ
とができ、整備能力が培われ、整備技術の向上を図るこ
とができる。
【0063】そして、整備員が上記タッチスクリーン1
aに入力ペン2あるいはテスタから点検結果を入力する
と、ステップS7で、このデータが保管され、ステップ
S8で、入力された文字列と、前回までの「入力デー
タ」の文字列、及び計測結果に基づいて、各知識データ
との類似度を再度算出し、ステップS9,S10以下
で、各知識データに基づき、再推論を実行し、故障原因
を探究する。
【0064】そして、推論が終了し、ステップS12か
らステップS13へ進み、仮説を検証するための点検項
目がない場合は、そのまま、ステップS16へ進み、故
障原因が探究できたかを判断する。
【0065】故障原因が探究できたときは、ステップS
17で、例えば、図8に示すように、上記タッチスクリ
ーン1aに推論の結果及び論拠を表示し、整備員が、こ
の内容を確認し、「了解」のウインドウを入力ペン2に
より選出すると、ステップS18で、仮説に対応する部
品の交換手順等、必要な処置要領等の情報を表示し、ス
テップS19へ進み、整備員からの処置結果、すなわ
ち、不具合が解消したかどうかの結果の入力を待つ。そ
して、この処置結果が入力されると、ステップS20へ
進む。
【0066】一方、上記ステップS16で、故障原因が
探究できなかったと判断された場合には、上記ステップ
S17〜S19をジャンプして上記ステップS20へ進
む。
【0067】そして、上記ステップS16或はS19か
らステップS20へ進むと、知識ベース蓄積更新機能停
止フラグがセットされているかを判断する。通常の故障
探究モードでは、この知識ベース蓄積更新機能停止フラ
グはクリアされているため、ステップS21へ進み、事
例の蓄積及び更新を行う。又、今回、使用モードとして
訓練モードが選択されている場合は、上記知識ベース蓄
積更新機能停止フラグがセットされているため、ステッ
プS21,S22をジャンプし、知識ベースの蓄積・更
新を行うことなく、ステップS23へ進む。
【0068】上記ステップS20で通常の故障探究モー
ドと判断されて、ステップS21へ進むと、上記タッチ
クリーン1aに、探究結果の確認画面が表示される。こ
の探究結果の確認画面は、例えば、図9に示すように、
探究の経緯、及びダイアログボックスに、今回の探究結
果が成功したかどうかの確認内容を表示することで行
う。なお、探究結果に従って部品を交換しても満足な結
果が得られなかった場合に、整備員が、上記ステップS
19で、その旨を入力すると、ステップS21では、タ
ッチスクリーン1a上に、今回の探究が失敗である旨の
確認画面を表示する。
【0069】そして、整備員が、事例の登録を了解する
と、ステップS22で、今回の探究結果を診断事例とし
て、診断事例型知識データ記憶部16aに記憶されてい
る知識データに、例えば、図10の「事例-5721」に示
すように、新たな事例として追加する。なお、今回の探
究結果が失敗の場合には、その内容が「原因及び処置」
の欄に記載され、また、「特記事項」の欄には、「探究
失敗」と記載される。
【0070】次いで、ステップS23へ進むと、今回の
探究経緯を、診断年月日、診断者名等の補足情報と共
に、整備記録データ記憶部17aにメモリして、故障診
断を終了する。
【0071】一方、上記知識ベース蓄積更新機能停止フ
ラグがセットされている訓練モードでは、上記ステップ
S20からステップS21,S22をジャンプし、ステ
ップS23へ進むため、診断事例型知識データ記憶部1
6aに記憶されている知識データの蓄積が更新されるこ
とはない。
【0072】そして、訓練モードにおいて、上記ステッ
プS20からステップS23へ進むと、今回の整備過程
が整備記録として、訓練記録データ記憶部17cにメモ
リされる。
【0073】なお、上記整備記録データ記憶部17a及
び上記訓練記録データ記憶部17cにメモリされたデー
タは、外部印刷機などを介して取出すことでき、例え
ば、図11に示すように、不具合記録票21に記載し
て、集計することができる。
【0074】このように、本発明では、故障診断装置を
単に故障探究のためにのみ用いるのではなく、この故障
診断機能を利用して整備員の教育・訓練を目的として使
用することができるため、故障診断の探究過程における
装置本体1からの指示に従って、点検し、その結果を確
認することで、初心者の整備能力を高め、整備技術の向
上を図ることができる。
【0075】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
通常の故障探究モードに加えて、教育用の訓練モードを
選択でき、整備員が訓練モードを選択することで、故障
原因の探究をシミュレートすることができ、初心者の整
備能力を高め、整備技術の向上を図ることができる。
【0076】また、訓練モードを選択すると、知識デー
タの更新が停止されるので、更新機能を有する知識デー
タであっても、教育・訓練中に知識データが誤って書換
えられてしまうことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】故障診断装置の機能ブロック図
【図2】推論処理ルーチンを示すフローチャート
【図3】推論処理ルーチンを示すフローチャート(続
き)
【図4】故障診断装置の外観図
【図5】不具合記録票を示す説明図
【図6】不具合現象の入力画面を示す説明図
【図7】問診時の表示画面を示す説明図
【図8】推論結果及び論拠の表示画面を示す説明図
【図9】探究結果の確認の表示画面を示す説明図
【図10】新たな事例を登録した診断事例型知識データ
の説明図
【図11】処置の内容を記載した不具合記録票を示す説
明図
【図12】使用モードの選択画面を示す説明図
【符号の説明】
13b 動作モード制御部 14 推論機構部 15b 事例登録部 16 知識ベース部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01M 19/00 Z G06F 9/44 560 A 7737−5B 11/26 (72)発明者 影井 康夫 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 古山 雅章 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 阿部 邦宏 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 整備員による入力に基づき故障診断の使
    用モードが故障原因を探究する故障探究モードか教育の
    ための訓練モードかを判断する動作モード制御部(13
    b)と、 故障診断に必要な知識データを記憶する知識ベース部
    (16)と、 この知識データを利用して故障原因を推論により探究す
    る推論機構部(14)と、 この推論機構部(14)の探究結果に基づく処置により
    不具合が解消した場合、上記動作モード制御部(13
    b)で故障探究モードが選択されているときには、今回
    の探究結果を診断事例として登録し、一方上記動作モー
    ド制御部(13b)で訓練モードが選択されているとき
    には、今回の診断事例の登録を停止する事例登録部(1
    5b)とを備えていることを特徴とする故障診断装置。
JP5957194A 1994-03-29 1994-03-29 故障診断装置 Pending JPH07271758A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102620948A (zh) * 2012-04-03 2012-08-01 广州蓄能水电厂 抽水蓄能机组故障智能分析方法及其系统
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CN113903229A (zh) * 2021-12-10 2022-01-07 成都运达科技股份有限公司 一种列车电气故障注入与诊断仿真培训系统及培训方法

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