JP3349010B2 - 故障診断装置 - Google Patents

故障診断装置

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JP3349010B2
JP3349010B2 JP09706195A JP9706195A JP3349010B2 JP 3349010 B2 JP3349010 B2 JP 3349010B2 JP 09706195 A JP09706195 A JP 09706195A JP 9706195 A JP9706195 A JP 9706195A JP 3349010 B2 JP3349010 B2 JP 3349010B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるエキスパート
システムを利用して航空機、車輌等の不具合現象に結び
付く故障原因を探究する故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医学、建築、化学等の各分野でコ
ンピュータを活用して問題解決の手掛かりとするエキス
パートシステムが採用されている。このエキスパートシ
ステムは、ある特定分野における専門家の知識をコンピ
ュータに入力し、それを利用して複雑な問題を専門家と
同等なレベルで解決することができるようにしたシステ
ムである。
【0003】従来、このエキスパートシステムを車輌の
故障診断に採用したものとしては、例えば、特開昭62
−6846号公報に開示されているように、不具合現象
を入力し、その現象を引き起こしている根本的な故障原
因(故障箇所)を、ルールの集合で表した知識データを
利用して探究するもの、或いは過去の診断事例を記憶す
る知識データを利用して探究するもの等が知られてい
る。
【0004】ところで、故障原因には、複雑なものと軽
微なものとがあり、複雑なものは、整備工場で実際に整
備対象機器を点検しながら診断しなければならないが、
軽微な原因であれば、整備受付窓口で、不具合現象等に
関係する問診をユーザに対して行うだけで、ある程度の
故障原因の見通しを立てることができる。
【0005】又、軽微な故障原因であっても最終的に
は、整備現場で点検し、必要な処置を施さなければなら
ない。
【0006】そのため、この種の故障診断装置は、整備
対象機器を実際に点検できる整備現場に配備されている
場合が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、故障診断装置
が整備現場のみに配備されているだけでは、ユーザに対
する問診を直接、故障診断装置に入力することが困難で
あり、不具合現象に対する正確な情報の入手に支障を来
す。
【0008】又、整備受付窓口に故障診断装置を備え、
整備受付窓口においてユーザに対して問診を行い、その
問診結果を故障診断装置に入力すれば、その問診に基づ
く診断過程が故障診断装置に記憶されるが、この診断過
程をそのまま整備現場で踏襲するには、この故障診断装
置を整備受付窓口と整備現場との間で持ち歩かなければ
ならず、且つ、故障診断装置は精密機械であるため持ち
運びは好ましくないばかりか、故障診断の都度に持ち運
ぶことは使い勝手が悪い。
【0009】本発明は上記事情に鑑み、故障診断装置自
体を持ち運ぶ必要がなく、離れた場所での問診、或いは
点検作業を可能とし、作業効率の向上を図ることが可能
な故障診断装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の故障診断装置は、故障診断に必要な
知識データを記憶する知識ベース部と、上記知識データ
を利用して、入力された不具合現象に対応する故障原因
を推論により探究して仮説を生成する推論機構部と、上
記推論機構部での診断過程における途中経過を収集して
着脱自在な補助記憶媒体に記憶させるデータ収集部とを
備えることを特徴とする。
【0011】請求項2記載の故障診断装置は、故障診断
に必要な知識データを記憶する知識ベース部と、診断過
程が記憶された着脱自在な補助記憶媒体から診断過程を
読み出して、作業経過一時記憶部に記憶させるデータ収
集部と、上記作業経過一時記憶部に記憶された診断過程
を読み出して、上記知識データを利用して故障診断を再
開し、故障原因を推論により探究して仮説を生成する推
論機構部とを備えることを特徴とする。
【0012】請求項3記載の故障診断装置は、故障診断
に必要な知識データを記憶する知識ベース部と、上記知
識データを利用して、入力された不具合現象に対応する
故障原因を推論により探究して仮説を生成する推論機構
部と、上記推論機構部での診断過程における途中経過を
収集してオンラインにより別の故障診断装置に伝送する
データ収集部とを備えることを特徴とする。
【0013】請求項4記載の故障診断装置は、故障診断
に必要な知識データを記憶する知識ベース部と、別の故
障診断装置からオンラインにより伝送された診断過程を
作業経過一時記憶部に記憶させるデータ収集部と、上記
作業経過一時記憶部に記憶された診断過程を読み出し
て、上記知識データを利用して故障診断を再開し、故障
原因を推論により探究して仮説を生成する推論機構部と
を備えることを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1記載の故障診断装置では、入力された
不具合現象に基づいて知識ベース部に記憶されている知
識データを利用し、推論により故障原因を探究して仮説
を生成すると共に、この診断過程における途中経過を収
集して着脱自在な補助記憶媒体に記憶させる。
【0015】請求項2記載の故障診断装置では、診断過
程が記憶された着脱自在な補助記憶媒体から診断過程を
読み出して作業経過一時記憶部に記憶すると共に、この
診断過程に基づき知識ベース部に記憶されている知識デ
ータを利用して故障診断を再開し、推論により故障原因
を探究して仮説を生成する。
【0016】請求項3記載の故障診断装置では、入力さ
れた不具合現象に基づいて知識ベース部に記憶されてい
る知識データを利用し、推論により故障原因を探究して
仮説を生成すると共に、この診断過程における途中経過
を収集し、オンラインを介して別の故障診断装置に診断
過程を伝送する。
【0017】請求項4記載の故障診断装置では、別の故
障診断装置からオンラインにより伝送された診断過程を
作業経過一時記憶部に記憶すると共に、この診断過程に
基づき知識ベース部に記憶されている知識データを利用
して故障診断を再開し、推論により故障原因を探究して
仮説を生成する。
【0018】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。尚、本実施例では、航空機の燃料系統の不具合を
故障診断対象の一例として記述しながら説明する。
【0019】図1〜図16は本発明の第1実施例を示
し、図6に示すように、本実施例に係る故障診断装置A
は装置本体1と入力ペン2とで構成されており、この装
置本体1には上記入力ペン2を用いて情報を入力するタ
ッチスクリーン1aが設けられている。
【0020】上記故障診断装置Aは、空港の整備部門等
に配備されるもので、上記入力ペン2を用いて上記タッ
チスクリーン1aに不具合現象等を入力すると、内蔵す
るコンピュータが不具合現象の原因或いは故障箇所を探
究し、探究結果及び点検の要領等、必要な情報を上記タ
ッチスクリーン1a上に表示して整備員等を支援する。
【0021】図1に示すように、装置本体1に内蔵する
コンピュータの機能としては、システム全体を制御する
機能としてシステム制御部13を備え、また故障診断を
実行する機能としてウインドウ処理部12、推論機構部
14、技術情報収集部15、知識ベース部16、及び運
用記録データ部17を備え、更に、診断データを外部に
出力し、或いは外部から診断データを入力する機能とし
て入出力制御部18を備え、この入出力制御部18が記
憶媒体動作部19に接続されている。
【0022】又、上記タッチスクリーン1aの機能とし
ては、入力部11a及び表示部11bを備えている。
【0023】上記ウインドウ処理部12は、より詳細に
は、前処理としての文字認識部12a及び操作入力部1
2b、後処理としての表示制御部12cから構成され
る。
【0024】文字認識部12aは、上記タッチスクリー
ン1aに表示されたペン入力ウインドウ(図9参照)に
整備員等が上記入力ペン2で入力した不具合現象等の手
書き文字をキャラクタコードに変換し、コマンド類を上
記システム制御部13へ出力する。又、操作入力部12
bは、上記タッチスクリーン1aに表示されたグラフィ
ックス或いはメニュー等を入力ペンで選択したとき、そ
れに対応するコマンド類を上記システム制御部13へ出
力する。又、上記表示制御部12cは、上記システム制
御部13から出力された信号に基づいて、表示部11b
に文字及びグラフィック等を表示させる。
【0025】上記システム制御部13は、より詳細には
マン・マシンインターフェース制御部13a、動作モー
ド制御部13b、及びシステム管理部13cを備える。
マン・マシンインターフェース制御部13aは、上記ウ
インドウ処理部12からのコマンド類に従って実行処理
を行い、或いは上記表示制御部12cへ文字データ及び
グラフィックス・データ等を出力する。動作モード制御
部13bは、整備員が選択し入力ペン2によりタッチス
クリーン1aに入力した使用モードに対応して、通常の
故障探究モードの外に、中断した故障診断を再開する探
究再開モード、及び整備記録の印刷、発注管理システム
のデータ伝送等の周辺機器等を含めた装置全体の動作モ
ードを制御する。システム管理部13cは、システムの
作動状態、データ管理等、システム全体を管理する。
【0026】又、上記推論機構部14は、より詳細には
事例ベース推論部14a、ルール・ベース推論部14
b、及び推論制御部14cを備える。
【0027】上記事例ベース推論部14aは、整備員等
が入力した不具合現象と同一或いは類似する事象を上記
知識ベース部16における診断事例型知識データ記憶部
16aに記憶されている知識データから検索し、故障原
因或いは故障箇所の仮説を生成する。ルール・ベース推
論部14bは、整備員等が入力した不具合現象或いは類
似する事象に基づき上記知識ベース部16におけるルー
ル型知識データ記憶部16bに記憶されている知識デー
タを利用して故障原因或いは故障箇所を推論により探究
し、仮説を生成する。
【0028】そして、上記推論制御部14cは、上記動
作モード制御部13bにおいて通常の故障探究モードが
選択されているときには、上記各推論部14a,14b
を制御して各推論部14a,14bで生成した仮説の整
合性を判断し、結論となる仮説を導き出し、又、探究再
開モードの選択時には、後述する作業経過一時記憶部1
7aに記憶された診断過程を読み出して故障診断を再開
し、上記知識データを利用して故障原因を推論により探
究して仮説を生成する。
【0029】技術情報収集部15は、より詳細にはデー
タ収集部15a及び事例登録部15bを備える。
【0030】データ収集部15aは、整備員等が故障原
因探究時に入力ペン2によりタッチスクリーン1aを介
して入力した不具合項目、点検箇所、測定値等の入力デ
ータ等の整備データを収集して、後述する整備記録デー
タ記憶部17bに事例毎に格納すると共に、整備員の入
力ペン2によるタッチスクリーン1aを介しての指定に
より整備作業を中断するときには、診断過程における途
中経過を収集し、入力ペン2によりタッチスクリーン1
aを介して診断過程の中間結果の書き込み先として補助
記憶媒体20が選択されたときには、入出力制御部18
におけるインターフェース制御部18b、及び記憶媒体
動作部19における補助記憶媒体インターフェース部1
9bを介して、装置本体1に対して着脱自在なフロッピ
ーディスク等の補助記憶媒体20に診断過程における途
中経過を記憶させ、一方、診断過程の中間結果の書き込
み先指定として作業経過一時記憶部17aが選択された
ときには、後述する作業経過一時記憶部17aの所定ア
ドレスに診断過程における途中経過を記憶させる。
【0031】更に、上記データ収集部15aでは、入力
ペン2によりタッチスクリーン1aを介して使用モード
として探究再開モードが指定され、且つ、診断過程にお
ける途中経過の読み出し先として補助記憶媒体20が指
定されたときには、補助記憶媒体20から診断過程(中
間結果)を読み出して、作業経過一時記憶部17aの特
定アドレスに記憶させる。そして、作業経過一時記憶部
17aに記憶された診断過程が、上述のように推論機構
部14における推論制御部14cにより読み出され故障
診断が再開される。
【0032】尚、探究再開モードが指定され、且つ、診
断過程の読み出し先指定として作業経過一時記憶部17
aが選択されたときには、直接、作業経過一時記憶部1
7aの所定アドレスに記憶されている診断過程が推論制
御部14cにより読み出されて故障診断が再開される。
【0033】事例登録部15bは、推論による今回の探
究結果を事例として、上記診断事例型知識データ記憶部
16aに登録する。
【0034】上記知識ベース部16は、診断事例型知識
データを記憶する診断事例型データ記憶部16a、ルー
ル型知識データを記憶するルール型知識データ記憶部1
6b、及び電子化マニュアルデータを記憶する電子化マ
ニュアルデータ記憶部16cから構成される。
【0035】上記診断事例型知識データは、過去の故障
原因の探究結果を事例としてまとめたデータ・ベース
で、図13に示すように、各事例毎に、不具合現象(或
いは不具合の生じている箇所)、故障原因及びその処
置、不具合部品、及び知識源の種類等が記憶されてい
る。尚、この診断事例型知識データの知識源としては、
不具合記録票、整備記録票、或いは整備員等に対するイ
ンタビュー等がある。このインタビューは、整備員等に
対して行った文章化されていない整備要領、原因探究等
のノウハウを収集して診断事例に反映させたものであ
る。又、図8に示すように、不具合記録票21には、乗
員が発見した「不具合事項と点検箇所」を記録する欄
と、整備員が実施した「処置」等を記録する欄が設けら
れている。整備記録票には、図示しないが、点検時に生
じた「不具合現象」、並びに、整備作業を実施した部門
で記入された「不具合部品」、「故障状況」等が記録さ
れている。
【0036】上記ルール型知識データ記憶部16bに記
憶されているルール型知識データは、設計資料及び熟練
整備員等の経験等を解析し、不具合現象と故障原因とを
構成部品の体系毎に論理的に分析してルールの集合体と
して表したものであり、中間仮説と結論仮説との結び付
きの深さを示すための確信度が付けられていることがあ
る。具体的には、ルール型知識データとして、不具合現
象と故障原因との因果関係を理論的に分析し仮説の集合
体としてツリー状に表した故障樹木解析(フォルトツリ
ーアナリシス;FTA)型知識データ、及び、不具合現
象と故障原因とを確信度で結び付けマトリクス状に整理
した故障モード影響分析(確信度付マトリクス;FME
CA)型知識データの少なくとも一方が採用される。
尚、上記故障樹木解析(フォルトツリーアナリシス;F
TA)型知識データ、及び故障モード影響分析(確信度
付マトリクス;FMECA)型知識データについては、
本出願人が先に出願した特願平6−61624号に詳述
されている。
【0037】又、電子化マニュアルデータは、構成部品
毎の点検、交換、或いは組立手順等を表したテキスト及
びグラフィックス・データであり、例えば、図10に示
すように、上記装置本体1のタッチスクリーン1aに、
ブースタ・ポンプのグラフィックスや、このブースタ・
ポンプの点検要領等のデータを上記電子化マニュアルデ
ータ記憶部16cから読み出して表示させる。
【0038】又、上記運用記録データ部17は、より詳
細には作業経過一時記憶部17a及び整備記録データ記
憶部17bを備える。
【0039】上記作業経過一時記憶部17aには、例え
ば、整備途中で交換部品を手配するために診断・整備作
業を中断し、その後、診断・整備作業を再開する場合
に、中断した診断・整備作業から作業を引き続き続行す
ることができるように、整備員等の実施した診断経過、
整備経過、或いは整備状況が記憶される。又、上述のよ
うに、探究再開モードが選択され、且つ、診断過程の読
み出し先として補助記憶媒体20が選択されたときに
は、上記作業経過一時記憶部17aの特定アドレスに、
補助記憶媒体20に書き込まれている診断過程の各デー
タが転写される。
【0040】又、上記整備記録データ記憶部17bに
は、不具合現象に対する処置、点検結果、及び試運転の
状況、或いは整備員等が独自に故障原因を探究したとき
の整備情報等が事例毎に記憶される。
【0041】尚、上記知識ベース部16及び上記運用記
録データ部17は、記憶媒体動作部19に備えた光磁気
ディスク、ハードディスク等の主記憶媒体19aの一部
から構成される。又、上記主記憶媒体19aには、シス
テム全体の制御プログラムが格納されており、この主記
憶媒体19aは、上記入出力制御部18に備えた記憶媒
体制御部18aにより制御動作される。
【0042】次に、故障診断装置Aにおける故障診断手
順について、図2〜図4、及び図5に示すフローチャー
トに従い、航空機の燃料系の不具合を適宜例示しながら
説明する。
【0043】故障診断は、図2〜図4に示す推論処理ル
ーチンにより実行される。
【0044】装置本体1の電源をONすると、装置本体
1のタッチスクリーン1aに、図7に示すように使用モ
ードの選択画面が表示され、整備員等は表示されたメニ
ューから今回の使用モードを、入力ペン2によりポイン
トすることで選択する。ステップS1では、入力ペン2
によりタッチスクリーン1aをポイントして選択された
使用モードを判断する。この使用モードには、通常の故
障探究モードの外に、探究再開モードがあり、更に探究
再開モードにおいては、前述のフロッピーディスク等か
らなる補助記憶媒体20に記憶された診断経過に基づき
探究を再開するモードと、主記憶媒体19aにおける作
業経過一時記憶部17aに記憶された診断経過を直接、
読み出して探究を再開するモードとがある。
【0045】以下の説明では、先ず、通常の故障探究モ
ードについて説明する。
【0046】ステップS1において、整備員がタッチス
クリーン1aに画面表示された「診断の開始」を入力ペ
ン2によりポイントして、通常の故障探究モードを選択
すると、ステップS2へ進み、今回の使用モードを故障
探究モードに固定した後、図3の破線で囲まれたステッ
プS3ないしステップS13の推論実行ルーチンへ進
む。
【0047】すると、上記タッチスクリーン1aには、
図9に示すように、不具合現象を入力するためのウイン
ドウと、不具合現象を文章表現で入力するためのペン入
力ウインドウが表示される。
【0048】ステップS3,S4では入力待ちとなり、
ステップS3においては、各ウインドウに、手渡された
不具合記録票21(図8参照)等の帳票を参照して、航
空機のシステムの可動状態等の必要事項及び不具合事
項、或いは操縦者等から伝えられた不具合現象(症
状)、或いは後述するステップS12で表示された問診
に対する回答を、整備員が入力ペン2を用いて入力し、
一方、ステップS4では、後述のステップS12で表示
された問診に基づく点検指示に応じて航空機の検査箇所
に接続したテスタからの計測値を入力する。そして、必
要事項の入力を完了し、画面表示されている「入力終
了」のボタンを入力ペン2によりポイントすると、ステ
ップS5へ進み、ステップS3或いはステップS4で入
力された情報(年月日、任務、内容等)が入力データと
して内部メモリに保管される。
【0049】次いで、上記各知識データ記憶部16a,
16bに記憶されている知識データに基づいて故障原因
を推論により探究し仮説を生成する処理が、ステップS
6,S7で並列に実行される(コンカレント処理)。
【0050】すなわち、ステップS6では、事例ベース
推論により故障原因を探究し、仮説を生成する。この事
例ベース推論は、上記推論機構部14における事例ベー
ス推論部14aで実行されるもので、診断事例型知識デ
ータ記憶部16aに記憶されている診断事例型知識デー
タを利用して仮説を生成する。この診断事例型知識デー
タは、予め登録され、或いは本故障診断装置Aを用いて
探究した過去の事例で構成されており、推論の際には、
上記ステップS5でメモリに保管された不具合現象と類
似する或いは同一の不具合現象を各知識データから選択
し、この選択した知識データに基づいて、今回の不具合
現象に対応する原因、対象となる部品、或いは必要とす
る処置等、不具合を解消するための仮説を生成する。
【0051】又、ステップS7では、ルール・ベース推
論により故障原因を探究し、仮説を生成する。このルー
ル・ベース推論は、上記推論機構部14におけるルール
・ベース推論部14bで実行されるもので、ルール型知
識データ記憶部16bに記憶されているルール型知識デ
ータを利用して仮説を生成する。このルール型知識デー
タは、前述のように、設計資料及び熟練整備員等の経験
等を解析し、不具合現象と故障原因とを構成部品の体系
毎に分析してルールの集合体で表されており、推論の際
には、この知識データに基づいて不具合現象と、この不
具合現象に最も因果関係の深いと思われる原因とを結ぶ
ルートをルールに従って探究し、結論となる仮説を生成
する。
【0052】そして、上記ステップS6,S7で推論が
終了し、仮説が生成されると、ステップS8へ進み、上
記ステップS6,S7において生成した仮説の整合性を
判断する。
【0053】この仮説の整合性の判断は、上記推論機構
部14の推論制御部14cで実行されるもので、上記ス
テップS6,S7で生成した仮説が競合する場合に、予
め設定した基準に従って1つの仮説に絞り込み、競合を
解消する。
【0054】この仮説の競合を解消する基準としては、
例えば、各知識データ記憶部16a,16bに記憶され
ている知識データに優先順位を付けたり、生成された仮
説に対して不具合現象と故障原因との結び付きの強さを
示す信頼度を算出し、この信頼度の最も高いものを選択
する等がある。
【0055】そして、ステップS8において1つの仮説
に絞り込まれると、ステップS9へ進み、推論が終了し
たかを判断する。例えば、上記ステップS6,S7でそ
れぞれ生成した仮説が整合した場合、或いは設定回数以
上推論を繰り返しても、上記ステップS6,S7で生成
した仮説に整合性がないために優先順位等により1つの
仮説に絞り込まれた場合、或いは仮説が全く生成されな
かった場合に、推論終了と判断してステップS10へ進
む。一方、上記ステップS6,S7で生成した仮説が競
合し、しかも再推論の余地がある場合には推論未終了と
判断する。
【0056】そして、推論未終了のときには、上記ステ
ップS6,S7へ戻り、内部メモリに格納されている入
力データと、上記ステップS8で絞り込まれた仮説とを
組合わせて再推論を行う。
【0057】推論終了によりステップS10へ進むと、
他に点検項目があるかを判断し、点検項目がある場合に
はステップS11へ分岐する。点検項目があるか否か
は、例えば結論として導き出された仮説を検証する必要
があるか、或いは更に詳細に探究をする必要があるか否
かにより判断する。
【0058】そして、ステップS10で点検項目がある
と判断されてステップS11へ分岐すると、今回の点検
項目に必要な問診の内容を絞り込み、ステップS12で
タッチスクリーン1aに問診の内容を表示し、同時に関
連する点検要領等の作業内容や必要な情報を、例えば、
図10に示すように表示し、ステップS3,S4へ戻
り、整備員による点検結果の入力待ちとなる。整備員が
入力ペン2を用いて上記タッチスクリーン1aに点検結
果を入力し、或いはテスタから計測結果を入力すると、
ステップS5で、この入力データが内部メモリに格納さ
れ、ステップS6,S7で、各知識データに基づき再推
論により故障原因を探究する。
【0059】そして、推論が終了し、ステップS10に
おいて、仮説の検証等の点検項目が他にないと判断した
場合には、ステップS13へ進み、故障原因が探究でき
たかを判断する。
【0060】故障原因が探究できたときには、ステップ
S14へ進み、又、故障原因が探究できなかったときに
はステップS17へジャンプする。
【0061】上記ステップS13で故障原因が探究でき
たと判断されてステップS14へ進むと、例えば、図1
1に示すように、上記タッチスクリーン1aに推論の結
果及び論拠を表示し、整備員等が、この内容を確認し、
タッチスクリーン1aに画面表示された「了解」のボタ
ンを入力ペン2によりポイントすると、ステップS15
で、仮説に対応する部品の交換手順等、必要な処置要領
等の情報を表示し、ステップS16で、整備員等からの
処置結果、すなわち、不具合が解消したか否かの検証結
果の入力を待つ。
【0062】整備員等は、上記タッチスクリーン1aに
表示された部品を交換し、或いは必要箇所の点検を行っ
た結果、不具合が解消し、或いは故障箇所を特定できた
場合、または、指定された部品を交換しても不具合現象
が依然解消されない場合、或いは故障箇所が特定できな
い場合、その情報を入力ペン2を用いてタッチスクリー
ン1aに入力する。尚、これらの情報は、内部メモリに
逐次格納される。
【0063】推論制御部14cでは、整備員等の入力し
たデータに基づいて今回の原因探究が成功したか否かを
判断し、ステップS17で、上記タッチスクリーン1a
に今回の故障探究結果の確認画面を、例えば、図12に
示すように表示する。尚、今回の推論では故障原因を探
究されないと判断されて上記ステップS13からステッ
プS17へジャンプしたときには、上記タッチスクリー
ン1aには、 と表示される。
【0064】そして、整備員等がこの表示内容を確認
し、タッチスクリーン1aに画面表示されている「了
解」のボタンを入力ペン2によりポイントすると、ステ
ップS18へ進み、今回の診断により故障が探究できた
ときには、その探究結果を上記診断事例型知識データ記
憶部16aに、例えば、図13の「事例−5721」に
示すように追加登録する。
【0065】そして、ステップS19へ進み、今回の探
究経緯及び処置の内容等の補足情報、すなわち今回の整
備データを主記憶媒体19aの一部に構成される整備記
録データ記憶部17bに格納して、故障診断を終了す
る。
【0066】尚、この整備記録データ記憶部17bに格
納されたデータは、外部装置を接続することで読み出す
ことができ、例えば、外部印刷機を接続して整備記録デ
ータ記憶部17bに格納されているデータを読み出し、
図14に示すように処置内容及び処置結果を不具合記録
票21に印刷して集計することができる。
【0067】又、診断途中で作業を中断する場合には、
図9〜図12に示すようにタッチスクリーン1aの表示
画面の右上に表示されている「作業中断」のボタンを入
力ペン2でポイントする。すると、図5に示す作業中断
処理ルーチンが開始される。
【0068】この作業中断処理ルーチンは、技術情報収
集部15のデータ収集部15aで実行されるもので、先
ず、ステップS31で、内部メモリに記憶されている今
回の診断過程における途中経過の各データが収集され、
ステップS32で、例えば図15に示すように、データ
の保存先指定の画面がタッチスクリーン1aに表示さ
れ、整備員がこの途中経過の各データの保存先を、タッ
チスクリーン1aに表示された保存先を入力ペン2によ
りポイントすることで指定する。
【0069】そして、入力ペン2により画面表示された
「結果をフロッピーにセーブ」をポイントした後、「実
行」のボタンをポイントすると、診断過程における途中
経過の各データの保存先が、フロッピーディスクからな
る補助記憶媒体20と判断されて、ステップS33へ進
み、上記診断過程における途中経過の各データが上記補
助記憶媒体20に書き込まれて保存される。又、画面表
示された「一時中断のみ」を入力ペン2によりポイント
した後、「実行」のボタンをポイントし、診断過程にお
ける途中経過の各データの保存先を主記憶媒体19aに
指定した場合には、ステップS34へ進み、主記憶媒体
19aの一部に構成される作業経過一時記憶部17aの
所定アドレスに、診断過程における途中経過の各データ
が書き込まれて保存される。尚、画面表示された「取り
消し」のボタンを入力ペン2によりポイントすると、作
業中断処理が中止されて図9〜図12の元の画面へ戻
る。
【0070】そして、この保存が完了したとき、故障診
断作業が終了される。
【0071】例えば、整備受付窓口でユーザ(操縦者)
に対する問診を故障診断装置Aを使用して行うことで、
故障原因の見通しが立てられた場合、この中間結果を装
置本体1に対し着脱自在なフロッピーディスク等からな
る補助記憶媒体20に一旦保存する。整備受付窓口に配
備されている故障診断装置の装置本体1から補助記憶媒
体20を取り外して、この補助記憶媒体20のみを整備
現場に持ち込み、整備現場に配備されている別の故障診
断装置の装置本体1に、該補助記憶媒体20を装着し
て、この故障診断装置に補助記憶媒体20に記憶されて
いる中間結果を読み込ませ、探究を再開することで、点
検・整備作業等を行う。
【0072】又、交換部品が入手されるまで、診断作業
を一旦中断しなければならない場合には、診断過程にお
ける途中経過の各データを上記主記憶媒体19aの一部
に構成される作業経過一時記憶部17aの所定アドレス
に一旦保存しておくことで、故障診断を再開するとき
に、前回までの診断過程を踏襲して行うことができる。
【0073】次に、探究再開モードについて説明する。
上記各記憶媒体20,19aに保存した診断過程におけ
る途中経過の各データを読み出して、故障診断作業を再
開する場合には、先ず、ステップS1で、装置本体1の
タッチスクリーン1aに最初に表示される使用モードを
選択する画面(図7参照)から、整備員が「診断の再
開」を入力ペン2によりポイントすることで、探究再開
モードを選択する。
【0074】すると、ステップS21へ分岐して、今回
の使用モードが探究再開モードに固定されてタッチスク
リーン1aに、図16に示すように診断過程の読み出し
先指定の選択画面が表示され、ステップS22で、入力
待ちとなり、前回の診断経過が保存されている記憶媒体
を指定する。読み出し指定する記憶媒体が、補助記憶媒
体20のときには、整備員が画面表示された「FD」を
入力ペン2によりポイントした後、「実行」のボタンを
ポイントすると、ステップS23へ進み、補助記憶媒体
20に保存されている診断過程の各データを読み出し、
図3の破線で囲まれた推論処理ルーチンに移行して、前
回までの診断過程(中間結果)から継続して推論処理が
行われる。
【0075】一方、画面表示された「HD」を入力ペン
2によりポイントした後、「実行」のボタンをポイント
して、上記ステップS22で、読み出し先を主記憶媒体
19aと指定されたときには、ステップS24へ進み、
直接、主記憶媒体19aの一部に構成される作業経過一
時記憶部17aの所定アドレスに保存されている診断経
過の各データを読み出し、図3の破線で囲まれた推論処
理ルーチンに移行して、前回までの診断過程から継続し
て推論処理が行われる。尚、図16に示す画面表示され
た「取り消し」のボタンを入力ペン2によりポイントす
ると、図7の使用モードの選択画面に戻る。
【0076】本実施例では、診断過程(中間結果)の補
助記憶媒体20に対する書き込みと読み出しとの2つの
機能を1つの故障診断装置Aに備えるようにしている
が、補助記憶媒体20への書き込みを行う機能と、補助
記憶媒体20からの中間結果の読み出しを行う機能とを
別々の故障診断装置に備えるようにしても良い。この場
合には、整備受付窓口に補助記憶媒体20に書き込みを
行う機能を有する故障診断装置を配備し、補助記憶媒体
20からの読み出しを行う機能を有する故障診断装置を
整備現場に配備する。
【0077】次に本発明の第2実施例を図17〜図22
に基づき説明する。
【0078】上述の第1実施例では、整備受付窓口に配
備された故障診断装置の補助記憶媒体20にユーザから
の問診等に基づく診断過程(中間結果)を記憶し、この
補助記憶媒体20を故障診断装置の装置本体1から取り
外して整備現場に補助記憶媒体20を持ち込み、この補
助記憶媒体20を整備現場に配備された別の故障診断装
置の装置本体1に装着して中間結果を読み出して故障診
断を再開させるのに対し、本実施例では、整備受付窓口
に配備された故障診断装置と整備現場に配備されている
故障診断装置との各装置本体1′をオンラインにより接
続し、整備受付窓口に配備された故障診断装置における
中間結果等を、オンラインにより整備現場等に配備され
た別の故障診断装置に伝送可能としたものである。
【0079】尚、第1実施例と同様の機能については、
第1実施例と同様の符号を付して説明を省略する。
【0080】図17に示すように、各装置本体1′の入
出力制御部18の機能として、第1実施例のインターフ
ェース制御部18bに代え通信インターフェース制御部
18cを備え、通信インターフェース制御部18cは、
他の故障診断装置との双方向通信を可能とするためのも
のであり、整備員の入力ペン2によるタッチスクリーン
1aを介しての指定により作業の中断が指定され、且つ
診断過程の途中経過(中間結果)の送信が選択されたと
きに、データ収集部15a′によって収集された診断過
程の各データを、通信インターフェース40、モデム5
1を介し、電話回線50等のオンラインにより他の故障
診断装置へ送信し、又、他の故障診断装置から送信され
るデータを受信する。
【0081】又、技術情報収集部15におけるデータ収
集部15a′は、整備員等が故障原因探究時に入力ペン
2によりタッチスクリーン1aを介して入力した不具合
項目、点検箇所、測定値等の入力データ等の整備データ
を収集して、整備記録データ記憶部17bに事例毎に格
納すると共に、整備員の入力ペン2によるタッチスクリ
ーン1aを介しての指定により整備作業を中断するとき
には、診断過程における途中経過を収集し、入力ペン2
によりタッチスクリーン1aを介して診断過程の中間結
果の処理として、診断過程の各データの送信が選択され
たときには、入出力制御部18における通信インターフ
ェース制御部18c、通信インターフェース40、モデ
ム51、電話回線50を介して、他の故障診断装置に診
断過程の各データを送信し、又、他の故障診断装置から
通信インターフェース40、通信インターフェース制御
部18cによりデータを受信したときには、受信した他
の故障診断装置からの診断過程の各データを、作業経過
一時記憶部17aの特定アドレスに記憶させる。
【0082】一方、診断過程の中間結果の処理として、
作業経過一時記憶部17aへの書き込みが選択されたと
きには、収集した診断過程の各データを、作業経過一時
記憶部17aの所定アドレスに記憶させる。
【0083】又、推論機構部14における推論制御部1
4c′は、入力ペン2によりタッチスクリーン1aを介
して使用モードとして探究再開モードが指定され、且
つ、診断過程における途中経過の読み出しとして、受信
データの読み出しが指定されたときには、作業経過一時
記憶部17aの特定アドレスに記憶されている他の故障
診断装置から送信された診断過程(中間結果)の各デー
タを読み出して故障診断を再開し、又、診断過程におけ
る途中経過の読み出しとして、一時中断のデータ読み出
しが指定されたときには、作業経過一時記憶部17aの
所定アドレスに記憶された作業一時中断による診断過程
の各データを読み出して故障診断を再開する。
【0084】次に、本実施例の故障診断装置Aにおける
故障診断手順について、図18ないし図20に示すフロ
ーチャートに従い説明する。
【0085】本実施例では、整備受付窓口と整備現場と
にそれぞれ故障診断装置Aを備え、装置本体1′の電源
を常時ONしておくか、必要に応じ電源をONする。
【0086】先ず、推論処理ルーチン(図18参照)に
ついて説明する。前述の図7に示す使用モードのメニュ
ーの表示画面から、整備員等が今回の使用モードを入力
ペン2によりポイントして選択すると、ステップS1
で、入力ペン2によりタッチスクリーン1aをポイント
して選択された使用モードが判断され、整備員等がタッ
チスクリーン1aに画面表示された「診断の開始」を入
力ペン2によりポイントして、通常の故障探究モードを
選択すると、ステップS2へ進み、今回の使用モードを
故障探究モードに固定した後、第1実施例と同様に、ス
テップS3〜ステップS19(図3,図4参照)を実行
して推論により故障診断が行われる。
【0087】そして、診断途中で作業を中断する場合に
は、第1実施例と同様に、図9〜図12に示すようにタ
ッチスクリーン1aの表示画面の右上に表示されている
「作業中断」のボタンを入力ペン2でポイントする。す
ると、図19に示す作業中断処理ルーチンが開始され
る。
【0088】先ず、ステップS51で、内部メモリに記
憶されている今回の診断過程における途中経過の各デー
タが収集され、ステップS52で、例えば図21に示す
ように、データの処理指定の選択画面がタッチスクリー
ン1aに表示され、入力待ちとなり、診断過程の各デー
タを他の故障診断装置に送信するときには、入力ペン2
により画面表示された「結果を送信」をポイントした
後、「実行」のボタンをポイントすると、ステップS5
3へ進み、通信インターフェース制御部18cにより通
信インターフェース40、モデム51、電話回線50を
介して相手側の故障診断装置をコールし、相手側の故障
診断装置の応答があると、診断過程における途中経過の
各データを双方向通信により送信し、データ送信の終了
後、電話回線を開放する。
【0089】又、整備員等が画面表示された「一時中断
のみ」を入力ペン2によりポイントした後、「実行」の
ボタンをポイントし、診断過程における途中経過の各デ
ータの保存を指定した場合には、ステップS52からス
テップS54へ進み、主記憶媒体19aの一部に構成さ
れる作業経過一時記憶部17aの所定アドレスに、診断
過程における途中経過の各データが書き込まれて保存さ
れる。そして、この保存が完了したとき、故障診断作業
が終了される。尚、画面表示された「取り消し」のボタ
ンを入力ペン2によりポイントすると、作業中断処理が
中止されて図9〜図12の元の画面へ戻る。
【0090】一方、故障診断装置において、電話回線5
0、モデム51、通信インターフェース40を介して、
他の故障診断装置からコールがあると、図20に示すデ
ータ受信処理ルーチンが実行される。そして、コールに
対し受信可能であることを他の故障診断装置に応答し、
ステップS61で、他の故障診断装置から送信される診
断過程の各データを受信して作業経過一時記憶部17a
の特定アドレスに格納し、双方向通信によりデータ受信
終了を確認すると、電話回線を開放して処理を終了す
る。
【0091】次に、探究再開モードについて説明する。
【0092】作業の一時中断による診断過程における途
中経過の各データ、或いは他の故障診断装置から受信し
た診断過程における各データを、上記主記憶媒体19a
の一部に構成される作業経過一時記憶部17aから読み
出して、故障診断作業を再開する場合には、先ず、ステ
ップS1(図18参照)で、装置本体1のタッチスクリ
ーン1aに表示される使用モードを選択する画面(図7
参照)から、整備員が「診断の再開」を入力ペン2によ
りポイントすることで、探究再開モードを選択する。
【0093】すると、ステップS21へ分岐して、今回
の使用モードが探究再開モードに固定されて、ステップ
S41で、タッチスクリーン1aに、図22に示すよう
に診断過程の読み出し指定の選択画面が表示され、入力
待ちとなり、整備員等による入力ペン2を用いてのタッ
チスクリーン1aを介して入力指定される読み出しデー
タを判断する。
【0094】すなわち、作業の一時中断により前回の診
断過程における途中経過の各データを読み出して故障診
断を再開するときには、画面表示されている「一時中断
データ」を入力ペン2によりポイントした後、「実行」
のボタンをポイントすると、ステップS41からステッ
プS42へ進み、作業経過一時記憶部17aの所定アド
レスに保存されている作業一時中断による診断過程の途
中経過の各データを読み出し、図3の破線で囲まれた推
論処理ルーチンに移行して、前回までの診断過程(中間
結果)から継続して推論処理が行われる。
【0095】一方、画面表示された「受信データ」を入
力ペン2によりポイントした後、「実行」のボタンをポ
イントして、上記ステップS41で、読み出しデータが
受信データと判断されたときには、ステップS43へ進
み、作業経過一時記憶部17aの特定アドレスに格納さ
れている他の故障診断装置から受信した診断経過の各デ
ータを読み出し、図3の破線で囲まれた推論処理ルーチ
ンに移行して、前回までの診断過程から継続して推論処
理が行われる。尚、図22に示す画面表示された「取り
消し」のボタンを入力ペン2によりポイントすると、図
7の使用モードの選択画面に戻る。
【0096】例えば、整備受付窓口でユーザ(操縦者)
に対する問診を整備受付窓口に配備された故障診断装置
Aを使用して行うことで、故障原因の見通しが立てられ
た場合、作業を中断し、診断過程の各データの送信を選
択することで、整備現場に配備されている別の故障診断
装置に診断過程の各データを送信し、整備現場に配備さ
れている故障診断装置に診断過程の各データを読み込ま
せ、探究を再開することで、点検・整備作業等を行う。
【0097】又、交換部品が入手されるまで、診断作業
を一旦中断しなければならない場合には、診断過程にお
ける途中経過の各データを上記主記憶媒体19aの一部
に構成される作業経過一時記憶部17aの所定アドレス
に一旦保存しておくことで、故障診断を再開するとき
に、前回までの診断過程を踏襲して行うことができる。
【0098】従って、本実施例の場合には、第1実施例
に対し、補助記憶媒体を整備受付窓口と整備現場との間
で持ち歩く必要もなくなり、より省力化を図れ、診断作
業をよりスムーズに行うことが可能となる。
【0099】尚、本実施例では、診断過程(中間結果)
の送信機能と受信機能とを1つの故障診断装置Aに備え
るようにしているが、診断過程の送信機能と、受信機能
とを別々の故障診断装置に備えるようにしても良い。こ
の場合には、整備受付窓口に診断過程の送信機能を有す
る故障診断装置を配備し、受信機能を有する故障診断装
置を整備現場に配備する。
【0100】又、本実施例では、電話回線50を利用し
た例につき説明したが、通信ラインにより各故障診断装
置の通信インターフェース40を接続し、該通信ライン
を介して各故障診断装置間で双方向通信を行うようにし
ても良いことは勿論である。
【0101】又、本発明は上記各実施例に限るものでは
なく、例えば、故障診断の対象は、航空機に限らず、自
動車、鉄道車輌等の車輌、或いは船舶等であっても良
い。
【0102】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、入力され
た不具合現象に基づいて知識ベース部に記憶されている
知識データを利用し、推論により故障原因を探究して仮
説を生成すると共に、この診断過程における途中経過を
収集して着脱自在な補助記憶媒体に記憶させるので、ユ
ーザに対する問診等に基づく診断過程が補助記憶媒体に
記憶され、この補助記憶媒体のみを故障診断装置から取
り外して整備現場に持ち込み、別の故障診断装置により
補助記憶媒体に記憶されている診断経過を読み出して診
断作業を再開させることが可能となり、故障診断装置を
持ち歩くことなくユーザに対して問診を行う場所と整備
対象機器を点検しながら作業を行う整備現場とが離れて
いる場合でも、整備作業をスムーズに行うことができ、
診断作業の効率化が図れる。
【0103】請求項2記載の発明によれば、診断過程が
記憶された着脱自在な補助記憶媒体から診断過程を読み
出して作業経過一時記憶部に記憶すると共に、この診断
過程に基づき知識ベース部に記憶されている知識データ
を利用して故障診断を再開し、推論により故障原因を探
究して仮説を生成するので、故障診断過程における中間
結果が記憶された補助記憶媒体のみを整備現場に持ち込
んで故障診断を再開させることができ、故障診断装置を
持ち歩くことなくユーザに対して問診を行う場所と整備
対象機器を点検しながら作業を行う整備現場とが離れて
いる場合でも、整備作業をスムーズに行うことができ、
診断作業の効率化が図れる。又、補助記憶媒体に記憶さ
れている診断過程を診断経過一時記憶部に転写後、この
診断過程に基づき故障診断が再開されるので、診断再開
後に誤って補助記憶媒体のデータが消去されても問題を
生じる事無く実現できる。
【0104】請求項3記載の発明によれば、入力された
不具合現象に基づいて知識ベース部に記憶されている知
識データを利用し、推論により故障原因を探究して仮説
を生成すると共に、この診断過程における途中経過を収
集し、オンラインを介して別の故障診断装置に診断過程
を伝送するので、ユーザに対する問診等に基づく診断過
程をオンラインにより別の故障診断装置に転送して故障
診断を再開させることが可能となり、故障診断装置を持
ち歩くことなく実現できると共に、請求項1記載の発明
に対し補助記憶媒体をも不要とし補助記憶媒体を持ち歩
くことも不要となり、ユーザに対して問診を行う場所と
整備対象機器を点検しながら作業を行う整備現場とが離
れている場合でも、整備作業をよりスムーズに行うこと
ができ、省力化によってより一層の診断作業の効率化が
図れる。
【0105】請求項4記載の発明によれば、別の故障診
断装置からオンラインにより伝送された診断過程を作業
経過一時記憶部に記憶すると共に、この診断過程に基づ
き知識ベース部に記録されている知識データを利用して
故障診断を再開し、推論により故障原因を探究して仮説
を生成するので、故障診断過程における中間結果をオン
ラインにより受信して、この診断過程の中間結果に基づ
いて故障診断を再開することができ、故障診断装置を持
ち歩くことなく実現できると共に、請求項2記載の発明
に対し補助記憶媒体をも不要とし補助記憶媒体を持ち歩
くことも不要となり、ユーザに対して問診を行う場所と
整備対象機器を点検しながら作業を行う整備現場とが離
れている場合でも、整備作業をよりスムーズに行うこと
ができ、省力化によってより一層の診断作業の効率化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示し、故障診断装置の機
能ブロック図
【図2】同上、推論処理ルーチンを示すフローチャート
【図3】同上、推論処理ルーチンを示すフローチャート
(続き)
【図4】同上、推論処理ルーチンを示すフローチャート
(続き)
【図5】同上、作業中断処理ルーチンを示すフローチャ
ート
【図6】同上、故障診断装置の外観図
【図7】同上、使用モードの選択画面を示す説明図
【図8】同上、不具合現象が記載された不具合記録票を
示す説明図
【図9】同上、不具合現象の入力画面を示す説明図
【図10】同上、問診時の表示画面を示す説明図
【図11】同上、推論結果及び論拠の表示画面を示す説
明図
【図12】同上、探究結果の確認の表示画面を示す説明
【図13】同上、診断事例型データの説明図
【図14】同上、探究の経緯及び処置内容を記載した不
具合記録票を示す説明図
【図15】同上、中間結果の保存先指定の選択画面を示
す説明図
【図16】同上、診断過程の読み出し先指定の選択画面
を示す説明図
【図17】本発明の第2実施例を示し、故障診断装置の
機能ブロック図
【図18】同上、推論処理ルーチンを示すフローチャー
【図19】同上、作業中断処理ルーチンを示すフローチ
ャート
【図20】同上、データ受信処理ルーチンを示すフロー
チャート
【図21】同上、中間結果の処理の選択画面を示す説明
【図22】同上、診断過程の読み出し指定の選択画面を
示す説明図
【符号の説明】
A 故障診断装置 14 推論機構部 15a,15a′ データ収集部 16 知識ベース部 17a 作業経過一時記憶部 20 補助記憶媒体
フロントページの続き (72)発明者 影井 康夫 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富 士重工業株式会社内 (72)発明者 古山 雅章 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富 士重工業株式会社内 (72)発明者 阿部 邦宏 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富 士重工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 17/007 B60R 16/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 故障診断に必要な知識データを記憶する
    知識ベース部と、 上記知識データを利用して、入力された不具合現象に対
    応する故障原因を推論により探究して仮説を生成する推
    論機構部と、 上記推論機構部での診断過程における途中経過を収集し
    て着脱自在な補助記憶媒体に記憶させるデータ収集部と
    を備えることを特徴とする故障診断装置。
  2. 【請求項2】 故障診断に必要な知識データを記憶する
    知識ベース部と、 診断過程が記憶された着脱自在な補助記憶媒体から診断
    過程を読み出して、作業経過一時記憶部に記憶させるデ
    ータ収集部と、 上記作業経過一時記憶部に記憶された診断過程を読み出
    して、上記知識データを利用して故障診断を再開し、故
    障原因を推論により探究して仮説を生成する推論機構部
    とを備えることを特徴とする故障診断装置。
  3. 【請求項3】 故障診断に必要な知識データを記憶する
    知識ベース部と、 上記知識データを利用して、入力された不具合現象に対
    応する故障原因を推論により探究して仮説を生成する推
    論機構部と、 上記推論機構部での診断過程における途中経過を収集し
    てオンラインにより別の故障診断装置に伝送するデータ
    収集部とを備えることを特徴とする故障診断装置。
  4. 【請求項4】 故障診断に必要な知識データを記憶する
    知識ベース部と、 別の故障診断装置からオンラインにより伝送された診断
    過程を作業経過一時記憶部に記憶させるデータ収集部
    と、 上記作業経過一時記憶部に記憶された診断過程を読み出
    して、上記知識データを利用して故障診断を再開し、故
    障原因を推論により探究して仮説を生成する推論機構部
    とを備えることを特徴とする故障診断装置。
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