JPH072957A - アクリル系熱可塑性樹脂 - Google Patents

アクリル系熱可塑性樹脂

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JPH072957A
JPH072957A JP16756393A JP16756393A JPH072957A JP H072957 A JPH072957 A JP H072957A JP 16756393 A JP16756393 A JP 16756393A JP 16756393 A JP16756393 A JP 16756393A JP H072957 A JPH072957 A JP H072957A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 メタクリル酸メチル単量体とそれと共重合可
能な可能なビニル系単量体と多官能性ビニル単量体から
の単量体混合物を重合して成る架橋樹脂層の少なくとも
1層を内層に有し、炭素数1〜12のアルキル基を有す
るアクリル酸エステル単量体とこれらに共重合可能なビ
ニル系単量体からの単量体混合物を重合して成る軟質樹
脂層を最外層に有する多層構造重合体であることを特徴
とするアクリル系熱可塑性樹脂である。 【効果】 本発明のアクリル系熱可塑性樹脂は、柔軟で
極めて優れた熔融流動性を有することから、広範囲に使
用可能であり極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なアクリル系熱可
塑性樹脂に関し、更に詳しくは、柔軟性、熔融流動性、
透明性に優れ、かつ常温での取り扱い性に優れるアクリ
ル系熱可塑性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル酸メチル単位を主体とするメ
タクリル系樹脂は耐候性、透明性など他の樹脂にない特
徴を有しておりさまざまな分野で用いられている。しか
しながら硬質樹脂であるため柔軟性を必要とする用途に
は使用できなかった。
【0003】以前より、メタクリル樹脂の耐候性、透明
性を維持した軟質材料が望まれており、こうした要望に
対し、乳化重合法を応用して柔軟性を付加する試みが行
われてきた。例えば、フィルムまたはシート用素材とし
て軟−硬2層構造体(特公昭54−33277号公報な
ど)、更には軟質チューブ用素材として外層に特定のガ
ラス転移温度を有する熱可塑性樹脂層を用いた軟−硬2
層構造重合体(特公平3−15648号公報)などであ
る。このような多層構造重合体は柔軟性を付与するため
にアクリル酸エステルなどの軟質成分を架橋させた架橋
弾性体層を内層に有するものである。また、外層は硬質
樹脂層を有しているため塩析等の方法により多層構造重
合体を固体として取り出すことが可能である。
【0004】一方、アクリル酸エステル単位を主体とす
るアクリル系樹脂は、耐候性、透明性に加え柔軟性、流
動性に優れているが、反面その多くは粘着性をも合わせ
持つためもっぱら接着剤の分野において用いられてい
た。こうした分野にも乳化重合法による多層構造重合体
の検討がなされているが、固体での取り扱い性が悪く、
そのほとんどは、ラテックス状態で用いられているのが
現状である(例えば、特公昭59−49265号公報な
ど)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
54−33277号公報等の架橋弾性体層を内層に有
し、最外層に硬質の熱可塑性樹脂層を有する多層構造重
合体では、耐衝撃性、柔軟性にある程度の効果は見られ
たものの、熔融流動性に対してはいまだに十分ではな
い。一方、特公昭59−49265号公報等で見られる
多層構造重合体では、室温における粘着性が大きいため
上述のごとくラテックス状態で使用されており、かつ熔
融状態では層構造が破壊されてしまう欠点を有してい
た。従ってメタクリル系樹脂取り扱い性の良さとアクリ
ル系樹脂の柔軟性、流動性を兼ね備えたアクリル系熱可
塑性樹脂については全く知られていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記現状
を鑑み、メタクリル系樹脂のように固体としての取り扱
い性にも優れ、しかもアクリル系樹脂の柔軟性、熔融流
動性を保持し得る材料について誠意検討を重ねた結果、
驚くべきことに、内層に比較的ガラス転移温度の高い架
橋樹脂層を配し、最外層に低いガラス転移温度を有する
軟質の樹脂層を配する特定の層構造を有する多層構造重
合体から成るアクリル系熱可塑性樹脂は、十分な柔軟性
を有しているにも係わらず室温での粘着性も少なく、し
かも固体としての取り扱い性に優れたものであり、更に
は非常に優れた熔融流動性を示すなど極めて特異的な性
状を示すものであることを見い出し本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明はメタクリル酸メチル単
量体45〜99.99重量%およびそれと共重合可能な
可能なビニル系単量体0〜50重量%と多官能性ビニル
単量体0.01〜5重量%から成る単量体混合物を重合
して成るガラス転移温度が0℃以上である架橋樹脂層の
少なくとも1層を内層に有し、炭素数1〜12のアルキ
ル基を有するアクリル酸エステル単量体50〜100重
量%とこれらに共重合可能なビニル系単量体から成る単
量体混合物を重合して成る、単独でのガラス転移温度が
0℃以下である熱可塑性の軟質樹脂層を最外層に有する
多層構造重合体からなるアクリル系熱可塑性樹脂によっ
て達成される。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明によるアクリル系熱可塑性樹脂は乳
化重合法によっる多段重合で製造し、その最内層は、ガ
ラス転移温度が0℃以上を有する架橋樹脂層であって、
メタクリル酸メチル単量体を主成分とし、これと共重合
可能なビニル系単量体からなる混合物を重合することに
より形成される。メタクリル酸メチルは、アクリル系熱
可塑性樹脂の耐候性、耐熱性などの特性を保持するた
め、通常45〜99.99重量%好ましくは60〜90
重量%である。また、また必要に応じて1種以上のメタ
クリル酸メチルと共重合可能なビニル系単量体を用いて
もよい。このようなビニル系単量体としては、炭素数2
〜12のアルキル基もしくはシクロアルキル基を有する
メタクリル酸エステル、炭素数1〜12のアルキル基も
しくはシクロアルキル基を有するアクリル酸エステル、
スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物
およびその誘導体、アクリル酸、メタクリル酸などの不
飽和カルボン酸、置換基にアルキル基もしくはシクロア
ルキル基を有するN−置換マレイミド化合物などの公知
のビニル系単量体が用いられる。その使用量としては通
常0〜50重量%である。この架橋樹脂層はそれ自身架
橋されおり、かつ、外層である軟質層とグラフト結合し
ていることである。このためこれまで固体での取り出し
が不可能であった低ガラス転移温度を有する軟質樹脂を
外層に形成させても、多層構造重合体の固体としての取
り出し、およびその取り扱い性を向上させるばかりでな
く、室温での粘着性を抑制し得るなど極めて優れた性能
を有する特徴的なアクリル系熱可塑性樹脂が得られるこ
とである。多官能性ビニル化合物としては、α,β−不
飽和モノカルボン酸またはジカルボン酸のアリルエステ
ル、メタアリルエステル、クロチルエステルおよびトリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が
用いられるが、メタクリル酸アリル、トリアリルシアヌ
レート、トリアリルイソシアヌレートが特に好ましい。
このような多官能性ビニル化合物の使用量は、通常0.
01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%であ
る。
【0010】また、その最外層は、ガラス転移温度が0
℃以下を有する熱可塑性の軟質樹脂層であって炭素数1
〜12のアルキル基を有するアクリル酸エステル単量体
を主成分としてこれらに共重合可能なビニル系単量体か
ら成る単量体混合物を重合してなるものである。炭素数
1〜12のアルキル基を有するアクリル酸エステル単量
体は、多層構造重合体の柔軟性と熔融流動性を保持する
ため通常50重量%以上より好ましくは60重量%以上
である。この軟質層も必要に応じ、50重量%以下の範
囲において、上記アクリル酸エステルと共重合可能なビ
ニル化合物を1種以上共重合することが出来る。共重合
可能なビニル化合物としては、炭素数1〜12のアルキ
ル基もしくはシクロアルキル基を有するメタクリル酸エ
ステル、炭素数12以下のシクロアルキル基を有するア
クリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン等の
芳香族ビニル化合物およびその誘導体、アクリル酸、メ
タクリル酸などの不飽和カルボン酸、置換基にアルキル
基もしくはシクロアルキル基を有するN−置換マレイミ
ド化合物などの公知のビニル系単量体が用いられる。
本発明によるアクリル系熱可塑性樹脂における多層構造
重合体中に占める軟質樹脂層の比率は、通常10〜90
重量%、好ましくは30〜80重量%である。 また、
本発明のアクリル系熱可塑性樹脂の透明性を維持するた
めには、多層構造重合体における各層の屈折率を調整す
る必要があり、その差が0.03以内であれば良好な透
明性が得られる。本発明のアクリル系熱可塑性樹脂の製
造に当っては、重合開始剤として過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウムなどの水溶性過硫酸塩およびクメンハイ
ドロパーオキサイド/ホルムアルデヒドナトリウム塩な
どのレドックス系開始剤のいずれも用いることが出来
る。また、乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムな
どの長鎖脂肪酸の塩類およびスルホン酸の塩類など通常
のメタクリル樹脂あるいはアクリル樹脂の製造に用いら
れている乳化剤を用いることができる。また、必要に応
じ、最外層である軟質樹脂層を重合する際メルカプタン
類などの重合度調整剤を添加して重合度を調整すること
もできる。重合温度は特に制限はなく、通常の乳化重合
において行われている温度で行うことができる。
【0011】上述の乳化重合で得られたアクリル系熱可
塑性樹脂をラテックスから取り出すには、塩化アルミニ
ウム、硫酸アルミニウムなどの無機塩あるいは塩酸、硫
酸等の無機酸の添加による凝固法や凍結凝固法等の方法
を用いて凝固物とした後、洗浄・脱水の後乾燥すること
により行われる。
【0012】本発明のアクリル系熱可塑性樹脂は、メタ
クリル樹脂あるいはアクリル樹脂の持つ、耐候性、透明
性に加えこれら両者が共通して持ち得なかった、樹脂の
取り扱い性、柔軟性、および熔融流動性も優れたもので
あるため、柔軟性に優れた軟質材用途、樹脂改質剤用途
等の他、ホットメルト接着剤や積層用樹脂としても用い
ることもできる。
【0013】
【実施例】以下に実施例にて本発明を更に詳しく説明す
る。
【0014】実施例の記載において「%」および「部」
はともに「重量%」及び「重量部」である。また、実施
例において次ぎの略号を用いた。
【0015】 アクリル酸メチル :MA アクリル酸エチル :EA アクリル酸ブチル :BA アクリル酸2−エチルヘキシル:2EHA メタクリル酸メチル :MMA メタクリル酸アリル :ALMA スチレン :St N−シクロヘキシルマレイミド:CHMI 酢酸ビニル :VAc トリアリルイソシアヌレート :TAIC さらに、実施例および比較例の評価は次の方法によって
行った。 (1)多層構造重合体の粒子径 大塚電子(株)製光散乱光度計DLS−600により測
定した。 (2)多層構造重合体凝固物の性状 ラテックスから多層構造重合体を取りだす際の凝固物の
性状について、ブロック化等の凝集が著しい場合を×、
若干ブロック化が起こった場合を△、ブロック化等の発
生もなく粉末状で得られた場合を○の記号で表し評価し
た。 (3)室温での粘着性 多層構造重合体凝固物として得られた樹脂をシート状に
成形し、そのシート状重合体に1kg・f/cm2の圧
力で紙を押し付け、殆ど抵抗無く剥がれるものを○、若
干抵抗はあるがきれいに剥がれるものを△、剥したとき
紙の一部が破れてシートに付着するものを×で表した。 (4)熔融流動性 (株)島津製作所製フローテスターCFT−500を用
い、荷重10kg、ダイ径1mmφ、昇温速度1℃/m
in.の条件下において、多層構造重合体凝固物の流動
開始温度の測定を行った。 (5)柔軟性 多層構造重合体凝固物として得られた樹脂を厚さ60×
10×1mmtのシートに成形し、一端を固定して10
0回折り曲げ操作を行い、試験片の外観変化により評価
を行った。評価結果は、応力白化、亀裂等の欠点が発生
した場合を×、試験後、折り目やしわが残った場合を
△、これらの欠点が発生しない場合を○の記号で表し
た。 (6)曇価 多層構造重合体凝固物として得られた樹脂を50×50
×3mmtのシート状に成形し、ASTM D1003
に準じて曇価の測定を行った。 (実施例1)温度計、攪拌機および還留器付の2リット
ルセパラブルフラスコにラウリルザルコシン酸ナトリウ
ム2.5重量部を純水600重量部に溶解した水溶液を
仕込み、次いでメタクリル酸メチル59重量部、アクリ
ル酸ブチル40重量部、メタクリル酸アリル1重量部か
ら成る単量体混合物を仕込んだ。その後窒素気流中攪拌
し75℃まで昇温した後、過硫酸カリウム0.1重量部
を投入し第1段階の重合を開始させた。第1層目の重合
ピークが現れた後、約30分間保持した後、過硫酸カリ
ウムを0.1重量部投入し、アクリル酸ブチル88重量
部、スチレン12重量部、n−オクチルメルカプタン
0.1重量部から成る単量体混合物を約1時間かけて滴
下して第2段目の重合を行った。第2段階の単量体混合
物の滴下が終了してから約1時間75℃で保持した後、
冷却して重合を終了した。得られた多層構造体の粒子径
は0.12μmであり、硫酸アルミニウム水溶液中で塩
析した後、水洗・濾過および乾燥して顆粒状の重合体凝
固物を得た。重合体凝固物は室温での粘着性もなく取り
扱い性に優れたものであった。得られたアクリル系熱可
塑性樹脂の評価結果を表2に示す。 (実施例2〜3)表1に示した、各層の単量体組成とし
た以外は実施例1と同様の操作にて多層構造重合体を得
た。ともに塩析により顆粒状の固体として取り出すこと
ができ取り扱い性も良好であった。得られたアクリル系
熱可塑性樹脂の評価結果を表2に示す。 (実施例4)温度計、攪拌機および還留器付の2リット
ルセパラブルフラスコにラウリルザルコシン酸ナトリウ
ム2.0重量部を純水600重量部に溶解した水溶液を
仕込み、次いでメタクリル酸メチル29重量部、アクリ
ル酸メチル2重量部、メタクリル酸アリル1重量部から
成る単量体混合物を仕込んだ。その後窒素気流中攪拌し
75℃まで昇温した後、過硫酸カリウム0.1重量部を
投入し第1段階の重合を開始させた。第1層目の重合ピ
ークが現れた後、約30分間保持した後、過硫酸カリウ
ムを0.1重量部投入し、メタクリル酸メチル32重量
部、アクリル酸ブチル8重量部、メタクリル酸アリル2
重量部から成る単量体混合物を60分かけて滴下し、滴
下終了後75℃で30分保持し第2段階目の重合を行っ
た。その後、アクリル酸ブチル84重量部、メタクリル
酸メチル36重量部、n−オクチルメルカプタン0.2
重量部から成る単量体混合物を約1時間かけて滴下して
第3段目(最外層)の重合を行った。第3段階(最外
層)の単量体混合物の滴下が終了してから約1時間75
℃で保持した後、冷却して重合を終了した。得られた多
層構造体の粒子径は0.20μmであり、塩化アルミニ
ウム水溶液中で塩析した後、水洗・濾過および乾燥して
顆粒状の重合体凝固物を得た。重合体凝固物は室温での
粘着性もなく取り扱い性に優れたものであった。得られ
たアクリル系熱可塑性樹脂の評価結果を表2に示す。 (実施例5)表1に示した、各層の単量体組成とし、乳
化剤をラウリル硫酸ナトリウム5.0重量部とした以外
は実施例1と同様の操作にて多層構造重合体を得た。得
られた多層構造重合体の粒子径は0.05μmであり、
塩析により顆粒状の固体として取り出すことができ取り
扱い性も良好であった。得られたアクリル系熱可塑性樹
脂の評価結果を表2に示す。 (実施例6)最外層の軟質樹脂層を重合する際にn−オ
クチルメルカプタンを添加しないこと以外は実施例1と
同様の操作にて多層構造重合体を得た。ともに塩析によ
り顆粒状の固体として取り出すことができ取り扱い性も
良好であった。得られたアクリル系熱可塑性樹脂の評価
結果を表2に示す。 (比較例1)温度計、攪拌機および還留器付の2リット
ルセパラブルフラスコにラウリルザルコシン酸ナトリウ
ム2.5重量部を純水600重量部に溶解した水溶液を
仕込み、次いでメタクリル酸メチル20重量部、アクリ
ル酸ブチル54重量部、メタクリル酸アリル2重量部か
ら成る単量体混合物を仕込んだ。その後窒素気流中攪拌
し75℃まで昇温した後、過硫酸カリウム0.1重量部
を投入し第1段階の重合を開始させた。第1層目の重合
ピークが現れた後、約30分間保持した後、過硫酸カリ
ウムを0.1重量部投入し、アクリル酸ブチル14重量
部、メタクリル酸メチル126重量部、n−オクチルメ
ルカプタン0.1重量部から成る単量体混合物を約1時
間かけて滴下して第2段目の重合を行った。第2段階の
単量体混合物の滴下が終了してから約1時間75℃で保
持した後、冷却して重合を終了した。得られた多層構造
体の粒子径は0.15μmであり、塩化アルミニウム水
溶液中で塩析した後、水洗・濾過および乾燥して顆粒状
の重合体凝固物を得た。重合体凝固物は室温での粘着性
もなく取り扱い性に優れたものであったが、流動開始温
度が150℃と高いものであった。 (比較例2)温度計、攪拌機および還留器付の2リット
ルセパラブルフラスコにラウリルザルコシン酸ナトリウ
ム2.5重量部を純水600重量部に溶解した水溶液を
仕込み、次いでメタクリル酸メチル57重量部、アクリ
ル酸メチル3重量部、メタクリル酸アリル1重量部から
成る単量体混合物を仕込んだ。その後窒素気流中攪拌し
75℃まで昇温した後、過硫酸カリウム0.1重量部を
投入し第1段階の重合を開始させた。第1層目の重合ピ
ークが現れた後、約30分間保持した後、過硫酸カリウ
ムを0.1重量部投入し、アクリル酸ブチル80重量
部、スチレン20重量部、メタクリル酸アリル2重量部
からなる単量体混合物を約1時間かけて滴下し第2段階
(架橋弾性体層)の重合を行った。第2段階(架橋弾性
体層)の単量体混合物の滴下が終了してから30分75
℃で保持した後、過硫酸カリウムを0.1重量部投入
し、メタクリル酸メチル38重量部アクリル酸エチル2
重量部、n−オクチルメルカプタン0.1重量部から成
る単量体混合物を約1時間かけて滴下して第3段目(最
外層)の重合を行った。第3段階(最外層)の単量体混
合物の滴下が終了してから約1時間75℃で保持した
後、冷却して重合を終了した。得られた多層構造体の粒
子径は0.12μmであり、塩化アルミニウム水溶液中
で塩析した後、水洗・濾過および乾燥して顆粒状の重合
体凝固物を得た。重合体凝固物は室温での粘着性もなく
取り扱い性に優れたものであったが、比較例1同様流動
開始温度が183℃と実施例に較べ流動性に劣るもので
あった。 (比較例3)内層にメタクリル酸メチル70重量部、ア
クリル酸エチル30重量部とし、最外層にアクリル酸ブ
チル85重量部、酢酸ビニル10重量部とした以外は、
比較例1と同様の操作にて2層構造重合体を得た。この
2層構造重合体は、室温において粘着性が有り、塩析に
よる取り出しを試みたが、ブロッキングを起してしま
い、洗浄・乾燥することができず取り出しが不可能であ
った。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明のアクリル系熱可塑性樹脂は、柔
軟で極めて優れた熔融流動性を有することから、広範囲
に使用可能であり極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 三夫 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチル単量体45〜99.
    99重量%とそれと共重合可能な可能なビニル系単量体
    0〜50重量%および多官能性ビニル単量体0.01〜
    5重量%からの単量体混合物を重合して成るガラス転移
    温度が0℃以上である架橋樹脂層の少なくとも1層を内
    層に有し、炭素数1〜12のアルキル基を有するアクリ
    ル酸エステル単量体50〜100重量%とこれらに共重
    合可能なビニル系単量体0〜50重量%からの単量体混
    合物を重合して成る単独でのガラス転移温度が0℃以下
    である軟質樹脂層を最外層に有する多層構造重合体であ
    ることを特徴とするアクリル系熱可塑性樹脂。
  2. 【請求項2】 多層構造重合体中に占める軟質樹脂層の
    比率が10〜90重量%であることを特徴とする請求項
    1記載のアクリル系熱可塑性樹脂。
  3. 【請求項3】 各層の屈折率の差が0.03以内である
    ことを特徴とする請求項1,2記載のアクリル系熱可塑
    性樹脂。
  4. 【請求項4】 多層構造重合体の粒子径が0.001〜
    0.5μmであることを特徴とする請求項1〜3記載の
    アクリル系熱可塑性樹脂。
  5. 【請求項5】 多官能ビニル単量体が、グラフト結合性
    単量体であることを特徴とする請求項1〜4記載のアク
    リル系熱可塑性樹脂。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5571592A (en) * 1993-09-21 1996-11-05 Mcgregor; Gordon L. Puffed insulative material
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