JPH07294703A - コーティング組成物 - Google Patents

コーティング組成物

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JPH07294703A
JPH07294703A JP6088423A JP8842394A JPH07294703A JP H07294703 A JPH07294703 A JP H07294703A JP 6088423 A JP6088423 A JP 6088423A JP 8842394 A JP8842394 A JP 8842394A JP H07294703 A JPH07294703 A JP H07294703A
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film
group
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JP6088423A
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Shusuke Takushima
秀典 宅島
Yasuhiro Sakai
康弘 坂井
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Pentax Corp
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密着性、耐擦傷性、耐候性、染色性、耐熱性
などの諸性能において優れたハードコート膜を形成で
き、その上に真空蒸着により反射防止膜を形成してもク
ラックを生じないコーティング組成物を提供すること。 【構成】 (A)平均粒子径1〜200mμの金属酸化
物微粒子を20重量%以上含むコロイド状金属酸化物分
散体及び(B)下記の一般式(I)又は(II)で表さ
れる有機珪素化合物を主成分とすることを特徴とするコ
ーティング組成物。式中、Xは水素、2−アミノエチル
基、グリシジル基又はメタクリル基を表し、Yはアリル
基、トリメトキシシリルプロピル基、ジメトキシメチル
シリルプロピル基又はグリシジル基を表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼鏡用プラスチックレ
ンズのハードコート層の形成に好適なコーティング組成
物に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】近年のプラスチックレンズ
の進展には目ざましいものがある。特に最近では、レン
ズの低比重化、高屈折率化、耐熱性向上などの性能の改
善が行われ、多品種が市販されている。それに呼応して
ハードコート層にも高機能化が求められている。例え
ば、高屈折率レンズに対するハードコート層には、高屈
折率の金属酸化物ゾルを用いるなどの手段が採られてい
る。しかしながら、高屈折率の金属酸化物を用いるにし
ても、従来と同量の混合ではハードコート成膜硬化時に
クラックを生じることがあった。さらに、染色を施した
レンズについては、真空蒸着法による反射防止処理を行
った場合、クラックが発生するという問題があった。
【0003】
【発明の目的】本発明は、前記従来技術の問題点を解消
し、密着性、耐擦傷性、耐候性、染色性、耐熱性などの
コーティング膜としての基本的性質を満足するだけでな
く、塗膜にムラがなく、しかも黄変することのないコー
ティング組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【発明の概要】本発明は、特定のシランカップリング剤
を配合することによって上記目的を達成したものであ
る。すなわち、本発明によるコーティング組成物は、
(A)平均粒子径1〜200mμ(ミリミクロン)の金
属酸化物微粒子を20重量%以上含むコロイド状金属酸
化物分散体及び(B)一般式(I)又は(II)
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、Xは水素、2−アミノエチル基、
グリシジル基又はメタクリル基を表し、Yはアリル基、
トリメトキシシリルプロピル基、ジメトキシメチルシリ
ルプロピル基又はグリシジル基を表す〕で表される有機
珪素化合物及びその加水分解物のうちの1種以上を主成
分として含有することを特徴とする。
【0007】本発明のコーティング組成物に(A)成分
として用いられるコロイド状金属酸化物分散体として
は、平均粒子径1〜200mμの金属酸化物微粒子を2
0重量%以上含む金属酸化物ゾルが用いられる。金属酸
化物微粒子の平均粒子径が1mμ未満であると、ゾル自
身の安定性が悪く、膜の染色性が低下する傾向がある。
また、金属酸化物微粒子の平均粒子径が200mμを超
えると、コーティング組成物としての安定性が悪く、膜
の透明性も低下してしまう。使用しうる金属酸化物とし
ては、例えば、SiO2 、TiO2 、Fe2 3 、Ge
2 、ZrO2 、SnO2 、Sb2 5 、WO3 などが
挙げられる。本発明においては、上記のような金属酸化
物を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて
使用してもよい。
【0008】金属酸化物微粒子をコロイド状分散体とす
る分散媒としては、水又は有機溶剤が用いられる。有機
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコー
ル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロ
ソルブ類などが挙げられる。また、微粒子の分散を安定
させるために、硝酸、硫酸、酢酸、蓚酸、酒石酸、リン
ゴ酸、クエン酸などの酸、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、イソプロパノールアミン、エチレンジ
アミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、
トリエタノールアミン、ジアミノプロパン、アミノエチ
ルエタノールアミンなどの有機アミンを添加することが
できる。
【0009】本発明のコーティング組成物に(B)成分
として用いられる有機珪素化合物は、前記一般式(I)
又は(II)で表される化合物あるいはその加水分解物
であれば、各種のものであってよい。本発明において
は、前記一般式(I)で表される化合物、前記一般式
(II)で表される化合物及びそれらの加水分解物のう
ちから選択された1種又は2種以上を用いることができ
る。前記一般式(I)又は(II)で表される化合物の
具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
【0010】3−〔N−アリル−N(2−アミノエチ
ル)〕アミノプロピルトリメトキシシラン
【化3】
【0011】3−(N−アリル−N−グリシジル)アミ
ノプロピルトリメトキシシラン
【化4】
【0012】3−(N−アリル−N−メタクリル)アミ
ノプロピルトリメトキシシラン
【化5】
【0013】N,N−ビス〔(メチルジメトキシシリ
ル)プロピル〕アミン
【化6】
【0014】N,N−ビス〔3−(トリメトキシシリ
ル)プロピル〕アミン
【化7】HN〔(CH2 )3Si(OCH3)3 2
【0015】N,N−ビス〔3−(メチルジメトキシシ
リル)プロピル〕エチレンジアミン
【化8】
【0016】N,N−ビス〔(メチルジメトキシリル)
プロピル〕メタクリルアミド
【化9】
【0017】N,N−ビス〔3−(トリメトキシシリ
ル)プロピル〕エチレンジアミン
【化10】H2 NCH2 CH2 N〔(CH2 )3Si(OC
3)3 2
【0018】N,N−ビス〔3−(トリメトキシシリ
ル)プロピル〕メタクリルアミド
【化11】
【0019】3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロ
ピルトリメトキシシラン
【化12】
【0020】N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(メ
チルジメトキシシリル)プロピル〕アミン
【化13】
【0021】N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(ト
リメトキシシリル)プロピル〕アミン
【化14】
【0022】コーティング組成物に前記一般式(I)又
は(II)で示される有機珪素化合物あるいはその加水
分解物を配合することにより、密着性、耐熱性、ポット
ライフなどの諸特性が同時に改善される。また、従来よ
り少ない添加量で従来と同等の性能を得ることができ
る。
【0023】本発明のコーティング組成物において、
(A)成分と(B)成分との配合割合は、その目的とす
る屈折率及び適用される基材によって決定されるが、重
量比で(A)成分1に対して(B)成分を0.2〜2、
好ましくは0.25〜0.7とする。(A)成分1に対
して(B)成分が2を超えると、塗膜の面精度が低下
し、表面硬度も得られず、また、0.2未満では、塗膜
が白化したり、塗膜にクラックが入ってしまう。
【0024】本発明のコーティング組成物には、上記
(A)成分及び(B)成分の他に、ハードコート組成物
に一般に使用される添加物、例えば、硬化剤、界面活性
剤、紫外線吸収剤、さらには硬度向上などの目的でエポ
キシ樹脂、アクリル系樹脂等の有機高分子化合物などを
所望の性質を損なわない範囲で含んでいてもよい。
【0025】塗膜を形成させる時間を短縮する目的で添
加される硬化剤としては、特に制限はなく、各種のもの
を用いることができ、例えばトリエチルアミン、n−ブ
チルアミン等の有機アミン、アルミニウムアセチルアセ
トネート、インジウムアセチルアセトネート、クロムア
セチルアセトネート、チタニウムアセチルアセトネー
ト、コバルトアセチルアセトネート等の金属アセチルア
セトネート、酢酸亜鉛、酢酸銅、酢酸バリウム、ナフテ
ン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸マンガン、ナ
フテン酸カルシウム、ナフテン酸アルミニウム、ナフテ
ン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸コバル
ト、オクチル酸鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸亜鉛等の
有機酸金属塩、塩化第二錫、塩化アルミニウム、塩化第
二鉄、塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アンチモン等のルイ
ス酸、過酸化カルシウム、過酸化マンガン、過酸化水素
などの過酸化物などが挙げられる。
【0026】塗布時の流動性を向上させ、塗膜の平滑性
を向上させて塗膜表面の摩擦係数を低下させる目的で添
加する界面活性剤としては、例えば、ジメチルシロキサ
ンとアルキレンオキシドとのブロック共重合体又はグラ
フト共重合体、さらにはフッ素系界面活性剤などが挙げ
られる。
【0027】耐候性を向上させる目的で添加する紫外線
吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−tert
−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニル
サリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキ
シベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’
−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−
ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ア
ミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒド
ロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒド
ロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベン
ゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフ
ェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−
ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外
線吸収剤、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファ
イド、〔2,2’−チオビス(4−tert−オクチル
フェノラート)〕−n−ブチルアミンニッケル、ニッケ
ルコンプレックス−3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル・リン酸モノエチレート、ニッケ
ル・ジブチルジチオカーバメート等の紫外線安定剤など
がある。
【0028】本発明のコーティング組成物をレンズ基材
に塗布する際には、作業性や塗膜の厚さの調節などの点
から溶剤を添加して粘度を調節することができる。ここ
で使用しうる溶剤としては、例えば、水、メタノール、
n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール等のア
ルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレ
ン、クロロベンゼン等のハロゲン化合物、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ペンタン、ヘ
キサン、オクタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類
などが挙げられ、必要に応じてこれらの溶剤の混合物を
使用することもできる。これらのうち、特に、アルコー
ル類、セロソルブ類などが好ましく用いられる。
【0029】レンズ基材にコーティング組成物を塗布す
る手段としては、刷毛塗り、浸漬法、ロール塗り、スプ
レー塗り、スピナー法、フローコート等、通常行われて
いる塗布方法を容易に適用することができる。本発明の
コーティング組成物をレンズ基材に塗布するときの膜厚
は、接着強度の保持、硬度などの点から1〜10μmと
するのが好ましく、2〜5μmとするのがさらに好まし
い。膜厚が10μmを超えると、塗膜の耐熱性が劣り、
1μm未満では塗膜の密着性や耐擦傷性が劣る。
【0030】上記のようにして塗布した本発明のコーテ
ィング組成物を、乾燥あるいは加熱処理することにより
硬化させる。加熱温度は、60〜150℃、好ましくは
80〜130℃である。60℃未満の加熱では、充分な
硬度が得られず、150℃を超えると、プラスチックレ
ンズ基材が変形する恐れがある。
【0031】本発明のコーティング組成物を塗布し、硬
化させて得られたハードコート膜上に単層又は多層の反
射防止膜を設けることができる。反射防止膜の形成に用
いる物質としては、金属酸化物、フッ化物などがあり、
具体例としては、Si O2 、Zr O2 、Ti O2 等の金
属酸化物、MgF2 等のフッ化物が挙げられる。反射防
止膜を形成する手段としては、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシス
ト法などの通常行われる方法を適用することができる。
多層の反射防止膜の具体例としては、ハードコート膜の
側からZr O2 、SiO2 、Ti O2 、Si O2 の膜を
この順序で、それぞれλ/4、λ/4、λ/4、λ/2
の光学的膜厚に形成させたもの(λ=設計波長520n
m)、ハードコート膜の側からSi O2 、Zr O2 、S
i O2 、Ti O2 、Si O2 の膜をこの順序で、それぞ
れλ0 /4、λ0 /2、λ0 /4、λ0 /2、λ0 /1
の光学的膜厚で形成させたもの(λ0 =設計波長550
nm)などである。
【0032】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれによって制限されるものでは
ない。
【0033】実施例1 (1)加水分解物の調製 回転子を備えた反応器中に3−(N,N−ジグリシジ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコー
ン製TSL8223)200重量部を仕込み、マグネチ
ックスターラーを用いて攪拌しながら0.01規定塩酸
水溶液40重量部を添加した。8時間攪拌し、一昼夜室
温に放置し、加水分解物を得た。
【0034】(2)コーティング組成物の調製 ガラス容器に(A)成分であるメタノール分散シリカゾ
ル(固形分25重量%、平均粒子径10mμ)200重
量部、(B)成分である上記(1)で調製した加水分解
物60重量部、硬化剤としてアルミニウムアセチルアセ
トネート1.0重量部、溶剤としてメタノール10重量
部及びイソブチルアルコール7重量部、界面活性剤とし
てシリコーン界面活性剤L−7001(日本ユニカー
(株)製)1.0重量部を入れ、充分に攪拌混合を行
い、均一になった時から一昼夜室温で放置し、コーティ
ング組成物を得た。
【0035】(3)コーティング組成物の塗布及び硬化 予めアルカリ処理を行い、洗浄したアリルジグリコール
カーボネート(ADC)レンズ(屈折率1.50、比重
1.32)に、前記(2)で調製したコーティング組成
物を引き上げ速度200mm/分の条件で塗布し、15
分間風乾後、100℃で15分間、120℃で2時間加
熱処理して塗膜を硬化させた。
【0036】(4)反射防止膜の形成 前記(3)で得られたハードコート膜を有するプラスチ
ックレンズ基材のハードコート膜上にSi O2 /Zr O
2 /Ti O2 系の5層反射防止膜を真空蒸着法により形
成させた。即ち、ハードコート膜の側からSi O2 、Z
r O2 、Si O2 、Ti O2 、Si O2 の膜をこの順序
で、それぞれλ0 /4、λ0 /2、λ0/4、λ0
2、λ0 /1の光学的膜厚で形成させた。ここで、λ0
は設計波長550nmである。このようにして得られた
プラスチックレンズは、透明性に優れ、歪、クラックな
どの問題は、見られなかった。
【0037】(5)評価 上記(3)で得られたハードコート膜を有するプラスチ
ックレンズ及び上記(4)で得られたハードコート膜と
反射防止膜を有するプラスチックレンズを次の試験に供
し、塗膜の性能を下記の方法で評価する。使用したコー
ティング組成物の組成を表1に、性能の評価結果を表2
に示す。
【0038】密着性 塗膜面にナイフ等で縦横1mm間隔で各11本の平行な
切り込み線を入れ、合計100個のマス目を作る。その
上にセロファン粘着テープ(商品名セロテープCT−2
4、ニチバン(株)製)を強く貼り付け、テープの一端
を持って90度の角度の方向に急速に剥がし、塗膜のマ
ス目が何個剥がれるかを調べる。100個中に剥がれず
に残っていたマス目の数をnとし、n/100で表す。 耐候性 サンシャインウエザーメーター(スガ試験機(株)製)
に240時間曝露した後、表面を肉眼で観察し、クラッ
クのないものを良好と評価する。
【0039】耐擦傷性 スチールウール#0000で塗膜表面を1kgの荷重を
かけて摩擦して傷の状態を肉眼で観察し、下記の基準に
より評価する。 良好 :塗膜表面に傷がつかない。 やや良好:塗膜表面に少し傷がついている。 不良 :塗膜表面に深く傷がついている。
【0040】染色性 ハードコート膜を有するプラスチックレンズを85℃の
分散染料浴中に20分間浸漬して染色させ、自記分光光
度計「U−4000形」((株)日立製作所製)で可視
光線透過率を測定し、その値を示す。 外観 ハードコート膜及び反射防止膜付きプラスチックレンズ
を目視にて観察し、クラック、白化などが発生していな
いか調べる。
【0041】実施例2及び3 表1に示した組成のコーティング組成物を用いた以外
は、実施例1と同様にしてハードコート膜及び反射防止
膜を有するプラスチックレンズを製造し、実施例1と同
様にして性能を評価し、結果を表2に示す。
【0042】比較例1及び2 (1)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの
加水分解物の調製 回転子を備えた反応器中にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン(東芝シリコーン製“TSL835
0”)200重量部を仕込み、マグネチックスターラー
を用いて攪拌しながら、0.01規定塩酸水溶液43重
量部を添加した。4時間攪拌し、一昼夜室温で放置して
加水分解物を得た。
【0043】(2)ハードコート膜の形成及び評価 (B)成分として上記(1)で調製した加水分解物を用
い、表1に示した組成のコーティング組成物を用いた以
外は、実施例1と同様にしてハードコート膜及び反射防
止膜を有するプラスチックレンズを製造し、実施例1と
同様にして性能を評価し、結果を表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】実施例4 (1)加水分解物の調製 回転子を備えた反応器中にN−グリシジル−N,N−ビ
ス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アミン(東
芝シリコーン製、TSL8228)200重量部を仕込
み、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら0.
01規定塩酸水溶液28重量部を添加した。8時間攪拌
を行い、一昼夜室温に放置し、加水分解物を得た。
【0047】(2)コーティング組成物の調製 容器に(A)成分であるメタノール分散シリカゾル(固
形分25重量%、平均粒子径10mμ)200重量部、
(B)成分である上記(1)で調製した加水分解物50
重量部、硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネー
ト1.0重量部、溶剤としてメタノール15重量部及び
イソブチルアルコール10重量部、界面活性剤としてシ
リコーン界面活性剤L−7607(日本ユニカー(株)
製)0.8重量部を加え、充分に攪拌混合を行い、均一
になった時から一昼夜室温で放置し、コーティング組成
物を得た。
【0048】(3)コーティング組成物の塗布及び硬化 引き上げ速度を180mm/分にする以外は、実施例1
の(3)と同様に操作した。 (4)反射防止膜の形成及び評価 実施例1の(4)及び(5)と同様に行い、性能の評価
結果を表3に示す。
【0049】実施例5 (1)加水分解物Aの調製 回転子を備えた反応器中にN,N−ビス〔(メチルジメ
トキシシリル)プロピル〕アミン(東芝シリコーン製、
TSL8206)100重量部を仕込み、マグネチック
スターラーを用いて攪拌しながら0.01規定塩酸水溶
液25重量部を添加した。8時間攪拌を行い、一昼夜室
温に放置し、加水分解物Aを得た。 (2)加水分解物Bの調製 回転子を備えた反応器中にN−グリシジル−N,N−ビ
ス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アミン(東
芝シリコーン製、TSL8228)100重量部を仕込
み、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら0.
01規定塩酸水溶液30重量部を添加した。8時間攪拌
を行い、一昼夜室温に放置し、加水分解物Bを得た。
【0050】(3)コーティング組成物の調製 容器に(A)成分であるメタノール分散シリカゾル(固
形分25重量%、平均粒子径10mμ)200重量部、
(B)成分である上記(1)で調製した加水分解物A1
7.2重量部及び上記(2)で調製した加水分解物B4
2.8重量部、硬化剤としてアルミニウムアセチルアセ
トネート1.0重量部、溶剤としてメタノール20重量
部、界面活性剤としてシリコーン界面活性剤L−700
1(日本ユニカー(株)製)1.0重量部を加え、充分
に攪拌混合を行い、均一になった時から一昼夜室温で放
置し、コーティング組成物を得た。
【0051】(4)コーティング組成物の塗布及び硬化 引き上げ速度を180mm/分にする以外は、実施例1
の(3)と同様に操作した。 (5)反射防止膜の形成及び評価 実施例1の(4)及び(5)と同様に行い、性能の評価
結果を表3に示す。
【0052】実施例6 (A)成分としてメタノール分散五酸化アンチモンゾル
(固形分25重量%、平均粒子径12mμ)を用いた以
外はすべて実施例1と同様にしてハードコート膜及び反
射防止膜を有するプラスチックレンズを製造し、実施例
1と同様にして性能を評価し、結果を表3に示す。
【0053】実施例7 (A)成分としてメタノール分散酸化タングステンゾル
(固形分27重量%、平均粒子径10mμ)を用いた以
外はすべて実施例1と同様にしてハードコート膜及び反
射防止膜を有するプラスチックレンズを製造し、実施例
1と同様にして性能を評価し、結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明のコーティング組成物を用いれ
ば、塗膜にムラがなく、しかも黄変せずに、密着性、耐
擦傷性、耐候性、染色性、耐熱性などの諸性能において
優れたハードコート膜が得られる。また、ハードコート
膜を形成後に染色を施したレンズについて、真空蒸着法
による反射防止処理を行っても、クラックが発生せず、
良好な反射防止膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02C 7/02 // B01J 13/00 C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)平均粒子径1〜200mμの金属
    酸化物微粒子を20重量%以上含むコロイド状金属酸化
    物分散体及び(B)一般式(I)又は(II) 【化1】 〔式中、Xは水素、2−アミノエチル基、グリシジル基
    又はメタクリル基を表し、Yはアリル基、トリメトキシ
    シリルプロピル基、ジメトキシメチルシリルプロピル基
    又はグリシジル基を表す〕で表される有機珪素化合物及
    びその加水分解物のうちの1種以上を主成分として含有
    することを特徴とするコーティング組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分の金属酸化物がSiO2 、T
    iO2 、Fe2 3、GeO2 、ZrO2 、SnO2
    Sb2 5 及びWO3 から成る群から選択された1種以
    上の金属酸化物である請求項1記載のコーティング組成
    物。
  3. 【請求項3】 (A)成分及び(B)成分の配合割合が
    重量比で1:2〜1:0.2である請求項1記載のコー
    ティング組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006113094A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Seiko Epson Corp 染色プラスチックレンズの製造方法

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