JPH07294125A - 穀粒乾燥機の穀粒温度検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乾燥中の穀粒の温度を直接検出させようとす
るものである。 【構成】 張込穀粒量を検出する張込量センサ８′，
８′，……を装着した張込量検出装置５′へ乾燥中の穀
粒温度を検出する穀温センサ１１′を装着して設けた。 【効果】 乾燥中の穀粒の温度を穀温センサで直接検出
することにより、正確な穀温の検出ができて、胴割が発
生することがなくなった。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、穀粒乾燥機の穀粒温
度検出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】従来
は、穀粒乾燥機の穀粒貯留室内に収容された穀粒は、こ
の貯留室から穀粒乾燥室へ繰出し流下させて循環させな
がら、バーナから発生する乾燥熱風が該乾燥室を通過す
ることにより、この乾燥熱風に晒されて乾燥され、乾燥
中の穀粒水分が仕上目標水分に達すると、穀粒の乾燥が
終了したとして、該乾燥機が自動停止されて、穀粒の乾
燥が停止される。

【０００３】この乾燥作業開始のときに、貯留室内へ張
込される張込穀粒量は、この貯留室内の適宜位置に設け
た張込量検出装置の張込量センサで検出され、この検出
された張込穀粒量、外気温度及び穀粒の種類等により、
バーナから発生する乾燥熱風温度が設定され、この設定
された温度の乾燥熱風が該バーナから発生して穀粒は乾
燥される。又この穀粒乾燥中は、この乾燥熱風温度と乾
燥室を通過して排風される排風温度との両者が検出さ
れ、この検出された両者の温度から、乾燥中の穀粒の温
度が間接的に求められる。この求められた穀粒温度が所
定温度以上になると、乾燥熱風温度は、所定温度低温度
に変更されて乾燥されるが、穀粒温度の検出は間接的で
あり、正確でないことがあり、このため穀粒に胴割が発
生することがあったり、又穀温を低コストで正確に検出
させようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、上部の穀粒
貯留室７から下部の穀粒乾燥室８へ穀粒を繰出し流下さ
せて循環させながら、乾燥風に晒して乾燥すべく設け、
該貯留室７内には下部より順次張込穀粒によってＯＮ−
ＯＦＦする張込量センサ８′，８′，……を上下方向に
所定間隔で複数個装着して張込量を検出する張込量検出
装置５′を設け、該張込量検出装置５′の下部には穀粒
の温度を検出する穀温センサ１１′を設けたことを特徴
とする穀粒乾燥機の穀粒温度検出装置の構成とする。

【０００５】

【発明の作用、及び効果】穀粒乾燥機の穀粒貯留室７内
へ収容された穀粒は、この貯留室７から穀粒乾燥室８へ
繰出し流下させて循環させながら、バーナ３から発生す
る乾燥熱風が該乾燥室８を通過することにより、この乾
燥熱風に晒されて乾燥され、乾燥中の穀粒水分が仕上目
標水分に達すると、穀粒の乾燥が終了したとして、該乾
燥機が自動停止されて、穀粒の乾燥が停止される。

【０００６】この乾燥作業開始のときに、貯留室７内へ
張込される張込穀粒量は、例えばこの貯留室７内の適宜
位置に設けた張込量検出装置５′の張込量センサ８′，
８′，……が下部より順次ＯＮされ、ＯＮした最上位置
のセンサが、例えば下部から４番目の張込量センサ８′
であったとすると、この張込量センサ８′位置まで穀粒
は張込されたと検出され、この検出された張込穀粒量、
外気温度及び穀粒の種類等により、バーナ３から発生す
る乾燥熱風温度が設定され、この設定された温度の乾燥
熱風が該バーナ３から発生して穀粒は乾燥される。又こ
の穀粒乾燥中は、該張込量検出装置５′に設けた穀温セ
ンサ１１′で穀粒温度が検出され、この検出された穀粒
温度が所定温度以上になると、乾燥熱風温度は、所定温
度低温度に変更されて穀粒は乾燥される。

【０００７】上記により、乾燥中の穀粒の温度は、穀温
センサ１１′で直接検出されることにより、正確に検出
できて、このため穀粒の胴割発生が防止できる。又この
穀温センサ１１′は、張込量センサ８′，８′，……を
設ける張込量検出装置５′を共用使用したことにより、
低コストである。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図例は、穀粒を乾燥する循環型の穀粒乾燥機１
に穀粒の水分を検出する水分センサ２及び熱風が発生す
るバーナ３等を装着した状態を示すものである。前記乾
燥機１は、前後方向に長い長方形状で機壁４上部には、
移送螺旋を回転自在に内装した移送樋５及び天井板６を
設け、この天井板６下側には穀粒を貯留する穀粒貯留室
７を形成している。

【０００９】前記貯留室７を形成する前側機壁４中央部
より右側寄りには、この貯留室７内へ張込する穀粒量を
目視する覗窓４′を上下方向に所定間隔で複数個設けて
いる。張込量検出装置５′は、貯留室７内の前側機壁４
側で左側機壁４近傍位置へ天井板６から吊り下げ状態に
設けている。

【００１０】前記張込量検出装置５′は、図１の如く、
例えば左右両側の帯状の樹脂フィルム板６′ａ，６′ｂ
の各内側面へ各導通板７′ａ，７′ｂよりなる各張込量
センサ８′，８′，……を上下方向に所定間隔で装着
し、又中間には、空胴孔９′を設けた補助板１０′を、
中央部の樹脂フィルム板６′ｃへ上下方向に所定間隔で
装着し、これら各樹脂フィルム板６′ａ，６′ｂ，６′
ｃは、一体に成形された構成である。（図１は、分割状
態を示す。）張込穀粒の圧力によって押されて、該樹脂
フィルム板６′ｃの該補助板１０′の該空胴孔９′を経
て、該樹脂フィルム板６′ａ，６′ｂの該張込量センサ
８′の対向し合う該導通板７′ａ，７′ｂ同志が接触す
る構成であり、この接触によって導通状態のＯＮ作動と
なり、この導通状態のＯＮ作動が操作装置１４へ入力さ
れ、このＯＮ作動入力により、これら導通板７′ａ，
７′ｂの接触位置まで穀粒が張込されたものと検出し、
張込穀粒量が検出される構成である。

【００１１】前記各導通板７′ａ，７′ｂは、例えば穀
粒乾燥処理能力が３２石の乾燥機１であったとすると、
該導通板７′ａ，７′ｂ及び補助板１０′は、乾燥室８
の上端近傍部位置の超最低張込量位置から順次通常の最
低張込量６石，８石，１２石，１６石，２０石，２４
石，２８石及び最大張込穀粒量３２石に対応する位置に
設け、この３２石位置が導通状態になると、張込穀粒は
満量であると検出する構成である。超最低張込量位置に
該導通板７′ａ，７′ｂ及び該補助板１０′を設けて、
より少量の張込穀粒量であっても、この張込穀粒量を天
井板６の上部から目視で検出することなく、乾燥できる
構成として、作業性の向上を図る構成としている。

【００１２】穀温センサ１１′は、最低張込穀粒量（６
石）位置近傍で、中央部の樹脂フィルム６′ｃに装着
し、この穀温センサ１１′は、図１の如くサーミスタで
図示した。この穀温センサ１１′に対応する位置の樹脂
フィルム６′ａ，６′ｂには、孔１２′ａ，１２′ｂを
設け、この孔１２′ａ，１２′ｂから、該穀温センサ１
１′の一部を突出させた構成であり、この穀温センサ１
１′の突出部で通過する穀粒の温度を検出させる構成で
あり、又最低張込穀粒量（６石）位置近傍に設けたの
は、乾燥室８内の穀粒が少量で、この乾燥室８を乾燥熱
風が吹き抜けたときであっても、この乾燥熱風に影響さ
れない位置とした構成である。

【００１３】穀粒乾燥室８，８は、貯留室７下側におい
て、左右両側の排風室９，９と中央の送風室１０との間
に設け、これら乾燥室８，８下部には、穀粒を繰出し流
下させる繰出バルブ１１を夫々回転自在に軸支してい
る。集穀樋１２は、移送螺旋を回転自在に軸支し、各乾
燥室８，８下側に設けて連通させている。

【００１４】前記バーナ３は、バーナケース１３に内装
して設け、このバーナケース１３は、前側機壁４正面側
において、送風室１０入口側に対応すべくこの前側機壁
４外側面に着脱自在に設け、又乾燥機１、水分センサ２
及び該バーナ３等を張込、乾燥及び排出の各作業別に始
動及び停止操作する操作装置１４は、該前側機壁４外側
面に着脱自在に設けている。

【００１５】排風機１５は、後側機壁４で、左右の排風
室９，９に連通すべく設けた排風路室１６中央後部側排
風胴１７に設け、又この後側機壁４には、この排風機１
５を回転駆動する排風機モータ１８を設けている。バル
ブモータ１９は、繰出バルブ１１，１１を減速機構を介
して回転駆動させている。

【００１６】燃料ポンプ２０は、燃料バルブを有して、
バーナケース１３下板外側に設け、この燃料バルブの開
閉により、この燃料ポンプ２０で燃料タンク２１内の燃
料を吸入して、バーナ３へ供給させている。送風機２２
は、上板外側に設け、変速用の送風機モータ２３で変速
回転駆動させ、供給燃料量に見合った燃焼用空気を該バ
ーナ３へこの送風機２２で送風させている。該バーナ３
から発生する熱風と該バーナケース１３内を通過する外
気風とが混合して乾燥熱風になる構成である。

【００１７】拡散盤２４は、移送樋５底板の前後方向中
央部で、移送穀粒を貯留室７へ供給する供給口の下側に
設け、該貯留室７へ穀粒を均等に拡散還元させている。
昇穀機２５は、前側機壁４外側部に設けられ、内部には
バケットコンベア２６付ベルトを張設してなり、上端部
は、移送樋５始端部との間において投出筒２７を設けて
連通させて、下端部は、集穀樋１２終端部との間におい
て供給樋２８を設けて連通させている。該昇穀機２５下
部には、穀粒を投入供給する張込ホッパ（図示せず）を
設けている。

【００１８】昇穀機モータ２９は、バケットコンベア２
６付ベルト、移送樋５内の移送螺旋、拡散盤２４及び集
穀樋１２内の移送螺旋等を回転駆動させている。前記水
分センサ２は、昇穀機２５の上下方向ほぼ中央部に設
け、この水分センサ２は、操作装置１４からの電気的測
定信号の発信により、水分モータ３０が回転して、この
水分センサ２の各部が回転駆動され、バケットコンベア
２６で上部へ搬送中に落下する穀粒を受け、この穀粒を
挟圧粉砕しながら、この粉砕穀粒の水分を検出させてい
る。

【００１９】前記操作装置１４は、箱形状でこの箱体の
表面板には、乾燥機１、水分センサ２及びバーナ３等を
張込、乾燥及び排出の各作業別に始動操作する押ボタン
式でＯＮ−ＯＦＦスイッチ方式の各始動手段３１、停止
操作する停止手段３２、穀粒の仕上目標水分を操作位置
によって設定する水分設定抓み３３、該バーナ３から発
生する熱風の温度を操作位置によって設定する穀物種類
設定抓み３４、各種表示項目をデジタル表示する表示部
３６及びモニタ表示等を設けている。又底板には外気温
度を検出する外気温センサ３６′を設けている。

【００２０】制御装置３７は、操作装置１４内に設けら
れ、水分センサ２、張込量検出装置５′の張込量センサ
８′，８′，……、穀温センサ１１′、外気温センサ３
６′及び熱風温センサ３８等が検出する検出値、各始動
手段３１、停止手段３２の操作及び各設定抓み３３，３
４の操作等が入力され、これらの入力を算術論理演算及
び比較演算するＣＰＵ３９等よりなり、このＣＰＵ３９
で各モータ１８，１９，２３，２９，３０、燃料バルブ
及び燃料ポンプ２０等を始動、停止及び調節制御等を行
う構成である。該各設定抓み３３，３４はロータリース
イッチ方式とし、操作位置によって所定の数値及び種類
等が設定される。

【００２１】以下、上記実施例の作用について説明す
る。張込作業を行うときは、操作装置１４の張込作業を
開始する始動手段３１を操作することにより、穀粒乾燥
機１が始動し、張込する穀粒を昇穀機２５の張込ホッパ
へ投入すると、この穀粒は、バケットコンベア２６で上
部へ搬送され、投出筒２７から移送樋５へ供給され、こ
の移送樋５を経て拡散盤２４上へ上部の移送螺旋で移送
供給され、この拡散盤２４で穀粒貯留室７内へ均等に拡
散供給される。この張込穀粒によって、張込量検出装置
５′の張込量センサ８′が下部から順次ＯＮされ、例え
ば２８石位置の該張込量センサ８′までＯＮされて、穀
粒の張込作業が終了したとすると、この張込された穀粒
量は２８石であると検出され、この検出された２８石が
制御装置３７へ入力される。

【００２２】又外気温センサ３６′が検出した外気温度
も制御装置３７へ入力される。張込作業が終了して、乾
燥作業を開始するときは、操作装置１４の各設定抓み３
３，３４を所定位置へ操作し、乾燥作業を開始する始動
手段３１を操作することにより、穀粒乾燥機１が始動
し、入力された張込穀粒量、外気温度及び設定した穀粒
種類により、熱風温度が設定され、この設定された温度
の熱風がバーナ３から発生し、この熱風と外気風とが混
合した乾燥熱風は、送風室１０から各穀粒乾燥室８，８
を通過して各排風室９，９及び排風路室１６を経て排風
機１５で吸引排風される。

【００２３】穀粒貯留室７内へ収容された穀粒は、この
貯留室７から各乾燥室８，８内を流下中に、乾燥熱風に
晒されて乾燥され、各繰出バルブ１１，１１で繰出され
て流下して集穀樋１２から供給樋２８を経て昇穀機２５
内へ下部の移送螺旋で移送供給され、バケットコンベア
２６で上部へ搬送され、投出筒２７から移送樋５を経て
拡散盤２４上へ上部の移送螺旋で移送供給され、この拡
散盤２４で該貯留室７内へ均等に拡散還元されて循環乾
燥される。

【００２４】水分センサ２が、水分設定抓み３３の操作
で設定した仕上目標水分と同じか、又は以下の穀粒水分
を検出すると、乾燥が終了したとして、制御装置３４で
自動制御して乾燥機１が自動停止され、穀粒の乾燥が停
止される。この乾燥作業中に、張込量検出装置５′に設
けた穀温センサ１１′が設定した所定穀温以上の穀温を
検出すると、バーナ３から発生する乾燥熱風温度は、所
定温度低温度に変更されて、穀粒は乾燥される。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明の一実施例を示すものである。

【図１】張込量検出装置の拡大正断面図

【図２】穀粒乾燥機の一部破断せる全体側面図

【図３】図２のＡ−Ａ拡大断面図

【図４】操作装置の拡大正面図

【図５】ブロック図

【符号の説明】

３ バーナ ５′ 張込量検出装置 ７ 穀粒貯留室 ８ 穀粒乾燥室 ８′ 張込量センサ １１′ 穀温センサ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部の穀粒貯留室７から下部の穀粒乾燥
   室８へ穀粒を繰出し流下させて循環させながら、乾燥風
   に晒して乾燥すべく設け、該貯留室７内には下部より順
   次張込穀粒によってＯＮ−ＯＦＦする張込量センサ
   ８′，８′，……を上下方向に所定間隔で複数個装着し
   て張込量を検出する張込量検出装置５′を設け、該張込
   量検出装置５′の下部には穀粒の温度を検出する穀温セ
   ンサ１１′を設けたことを特徴とする穀粒乾燥機の穀粒
   温度検出装置。