JPH072928B2 - コーティング剤 - Google Patents

コーティング剤

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JPH072928B2
JPH072928B2 JP62314071A JP31407187A JPH072928B2 JP H072928 B2 JPH072928 B2 JP H072928B2 JP 62314071 A JP62314071 A JP 62314071A JP 31407187 A JP31407187 A JP 31407187A JP H072928 B2 JPH072928 B2 JP H072928B2
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polymer
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益次 泉林
雅年 吉田
俊明 松永
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属、木材、無機質建材等の下地処理用、保
護用、美粧用のコーティング剤として有用であり、中で
も特に無機質建材用コーティング剤として優れている水
性のコーティング剤に関するものである。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
従来、水性のコーティング剤としては水溶性アクリル樹
脂、水溶性アルキッド樹脂等の水溶性樹脂やアクリル系
樹脂エマルション等の合成樹脂エマルションが使用され
てきたが、水溶性樹脂は分子量が低く、親水性の官能基
を多く有するものであるために耐水性や皮膜強度が劣
り、又、合成樹脂エマルションは、樹脂成分を水中に安
定に分散させるために使用される乳化剤を含有するので
耐水性や密着性が劣り、泡立ちやすいために取扱いにく
く塗膜に泡が残りやすいなどの欠点を有していた。
本発明の目的は前記のような欠点のない、水性のコーテ
ィング剤を開発することにある。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明者らは、末端に長鎖のチオアルキル基を有し、分
子中にカルボキシル基有する重合体を乳化剤として用い
て重合性単量体を乳化重合して得られる水性樹脂分散液
が前記の目標を達成しうるものであることを見出し本発
明を完成するに至ったものである。
即ち本発明は、不飽和カルボン酸を必須成分として含む
重合性単量体成分(A)を炭素数が6〜18のアルキルメ
ルカプタン(B)の存在下に重合して得られる酸価が20
0以上の水溶性もしくは水分散性の末端アルキル基を有
する重合体〔I〕および/またはその塩を乳化剤に用い
て、重合性単量体の1種または2種以上を水性媒体中で
乳化重合して得られる水性樹脂分散液を含有することを
特徴とするコーティング剤に関するものである。
本発明において乳化剤に用いる重合体〔I〕は前記の手
順で得られるものであるが、乳化重合時の安定性や得ら
れる樹脂の被覆の耐水性、耐溶剤性、強度等の諸物性の
面で、酸価が200以上でなければならない。また、その
分子量は300〜7000、特に400〜4000の範囲とするのが好
適である。分子量がこの範囲以外のものを使用すると十
分な乳化安定性が得られなかったり、耐水性、耐溶剤
性、強度のすべてに優れた樹脂の被膜が得られなかった
りする場合がある。
重合体〔I〕の合成に用いる不飽和カルボン酸は、重合
体〔I〕にカルボキシル基を導入して親水性を付与する
と共に、得られる水性樹脂分散液に硬化性を付与しうる
官能基とするために使用するものであり、分子内にカル
ボキシル基および/またはその塩と重合性不飽和基とを
有するものであれば特に制限されず、例えば(メタ)ア
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸もしくはこれらの半エステルまたはこれらの塩等が
挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用
できる。
重合体〔I〕を合成する際の重合性単量体成分(A)
は、不飽和カルボン酸だけから構成されてもよいが、必
要により不飽和カルボン酸以外の重合性単量体を併用し
てもよい。使用できる重合性単量体としては、不飽和カ
ルボン酸と共重合性のあるものであれば特に制限され
ず、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン、クロルメチルスチレン、スチレンスルホン酸及び
その塩などのスチレン誘導体類;(メタ)アクリルアミ
ド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノ
エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド誘導
体類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アク
リル酸とC1〜C18のアルコールのエステル化により合成
される(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリプロピレ
ングリコールもしくはポリエチレングリコールとのモノ
エステルなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸
エステル類;(メタ)アクリル酸2−スルホン酸エチル
及びその塩、ビニルスルホン酸及びその塩、酢酸ビニ
ル、(メタ)アクリロニトリル等を挙げることができ、
これらの1種または2種以上の混合物を使用できる。不
飽和カルボン酸以外の重合性単量体は得られる重合体
〔I〕の酸価が200以上となる量で使用する。また、得
られる重合体〔I〕を用いて乳化重合する際に生成する
ポリマー成分との相溶性を考慮してその種類と量を選択
することが好ましい。
重合体〔I〕を合成する際に使用できるアルキルメルカ
プタン(B)としては、例えばn−ヘキシルメルカプタ
ン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン、セチルメルカプタ
ン、ステアリルメルカプタン等を挙げることができ、こ
れらの1種または2種以上の混合物が使用できる。アル
キルメルカプタン(B)は、重合体〔I〕の末端にアル
キル基を導入して界面活性能を付与するために使用する
もので、炭素数が6未満のアルキルメルカプタンは乳化
重合時の安定性及び貯蔵安定性の面で使用することがで
きない。アルキルメルカプタン(B)の使用量は所望す
る重合体〔I〕の分子量により決定するものであるが、
通常重合性単量体成分(A)100重量部に対し、2〜300
重量部の範囲で使用する。
重合性単量体成分(A)の重合に用いる重合開始剤は、
周知の油溶性、水溶性の重合開始剤が使用できるが、末
端アルキル基を有する重合体〔I〕を効率よく製造する
ために、その使用量はアルキルメルカプタン(B)1モ
ルに対し1モル以下、より好ましくは0.1モル以下の割
合とするのが好適である。
重合体〔I〕は、その性状により塊状重合、溶液重合、
懸濁重合いずれの方法でも製造することができる。重合
温度としては50〜150℃、重合時間は1〜8時間が良
い。溶液重合の溶剤としては、重合性単量体成分
(A)、アルキルメルカプタン(B)、ラジカル重合開
始剤が溶解し、ラジカル重合を阻害しないものであるな
らば何でも使用することができる。
重合体〔I〕は、それ自体十分な界面活性能を有する
が、乳化重合に用いて目的とする重合時の安定性及び貯
蔵安定性の良好な水性樹脂分散液を得るために、カルボ
キシル基の一部もしくは全量を中和して重合体〔I〕の
塩として使用に供するのが好ましい。
中和剤としては、通常のものを使用することができ、例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属化合物;水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどの
アルカリ土類金属化合物;アンモニア;モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピ
ルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミンなどの水溶性有
機アミン類が挙げられ、これらの群から選ばれる1種ま
たは2種以上の混合物で使用することができる。硬化被
膜の耐水性をより向上させたい場合は、常温あるいは加
熱により飛散する、例えばアンモニア、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミンなどの低沸点ア
ミン類を使用することが好ましい。
本発明のコーティング剤を得るために用いられる重合性
単量体は重合性のものであれば特に限定されないが、目
的、用途に応じてその中の1種あるいは2種以上を組合
せて使用することができる。これらの重合性単量体とし
ては、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)
アクリル酸2−メチルグリシジル、アリルグリシジルエ
ーテルなどのエポキシ基含有重合性単量体類;(メタ)
アクリロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸2−アジ
リジニルエチルなどのアジリジニル基含有重合性単量体
類;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル
−2−オキサゾリンなどのオキサゾリン基含有重合性単
量体類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、クロルメチルスチレン、スチレンスルホン酸及びそ
の塩などのスチレン誘導体類;(メタ)アクリルアミ
ド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノ
エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド誘導
体類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アク
リル酸とC1〜C18のアルコールのエステル化により合成
される(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリプロピレ
ングリコールもしくはポリエチレングリコールとのモノ
エステルなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸
エステル類;(メタ)アクリル酸2−スルホン酸エチル
及びその塩、ビニルスルホン酸及びその塩、酢酸ビニ
ル、(メタ)アクリロニトリルなど、また(メタ)アク
リル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾ
ール、ビニルピロリドンなどの塩基性重合性単量体類;
(メタ)アクリル酸とエチレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トールなどの多価アルコールとのエステルなどの分子内
に重合性不飽和基を2個以上有する多官能(メタ)アク
リル酸エステル類;N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの
(メタ)アクリルアミド類;ビニルトリメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、アリルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル
プロピルアリルアミンなどの有機ケイ素基含有重合性単
量体類;及び弗化ビニル、弗化ビニリデン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタ
レートなどを挙げることができる。
本発明のコーティング剤の密着性や耐水性をより向上さ
せる為には重合性単量体の少なくとも1種がカルボキシ
ル基と反応しうる官能基を有する重合性単量体及び/又
は分子内に重合性不飽和基と珪素原子に直結する加水分
解性基を有する有機珪素単量体であることが好ましい。
カルボキシル基と反応しうる官能基を有する重合性単量
体としては、前記の乳化重合用の重合性単量体の内、エ
ポキシ基含有重合性単量体類、アジリジニル基含有重合
性単量体類、オキサゾリン基含有重合性単量体類を使用
することができ、分子内に重合性不飽和基と珪素原子に
直結する加水分解性基を有する有機珪素単量体としては
有機ケイ素基含有重合性単量体類を使用することができ
る。
乳化重合方法については従来公知のあらゆる乳化重合法
が適用できる。例えば、重合触媒、水、重合体〔I〕お
よび重合性単量体を一活混合して重合する方法、もしく
はいわゆるモノマー滴下法、プレエマルション法などの
方法により本発明の水性樹脂分散液を合成することがで
きる。
重合温度としては0〜100℃、好ましくは50〜80℃、重
合時間は1〜10時間である。乳化重合の際、親水性溶媒
を加えること及び他の公知の乳化剤、添加剤を加えるこ
とは、その被膜の物性に悪影響を及ぼさない範囲におい
て可能である。
重合体〔I〕の使用量は特に限定されないが、この好ま
しくは重合性単量体成分100重量部に対して0.5〜200重
量部であり、より好ましくは1〜15重量部である。
重合触媒としては、従来公知のものならば何でも使用す
ることができる。ただし、更に耐水性に優れた被膜を与
える水性樹脂分散液を得るためには、過酸化水素、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、過酢酸、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビス
(4−シアノペンタン酸)などの硫酸根を残さない重合
触媒の1種または2種以上の混合物を使用するのが好ま
しい。また、重合性単量体中の少なくとも1種がカルボ
キシル基と反応しうる官能基を有する場合には、それら
反応性基に対して高い反応性を有するアミジノ基、カル
ボキシル基などを分子内に含有する2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビス
(4−シアノペンタン酸)などを用いるのがより好まし
い。重合触媒の使用量は、通常重合性単量体成分100重
量部に対して0.01〜5重量部の範囲である。
また、重合性単量体中の少なくとも1種がカルボキシル
基と反応しうる官能基を有する。重合性単量体及び/又
は有機珪素単量体である場合、重合性単量体をカルボキ
シル基と反応しうる官能基を有する重合性単量体及び/
又は有機珪素単量体を含むものと含まぬものに分割し、
これらを多段重合することにより、得られる水性樹脂分
散液の被膜の密着性、耐水性、耐溶剤性、強度などが著
しく向上することがある。その際それぞれの重合性単量
体成分は何段階に分けて乳化重合しても良く、また、重
合する順序にも制限はないが、特に最後段に重合する成
分としてカルボキシル基と反応しうる官能基を有する重
合性単量体を含まないものを用いると、得られる水性樹
脂分散液の貯蔵安定性を飛躍的に向上させるので好まし
い。
このようにして得られた水性樹脂分散液は、これ単独で
もコーティング剤として有効に用いることもできるが、
その他に公知のpH調整剤、粘度調節剤、撥水剤、紫外線
吸収剤、レベリング剤、タレ止め剤、架橋剤、成膜助
剤、浸透剤などを加えてもよく、さらには顔料や骨材を
加えた組成物として用いてもよい。また、適宜希釈する
こともできる。
〔発明の効果〕
本発明のコーティング剤は、特定構造の重合体を乳化剤
として使用して、重合性単量体を乳化重合して得られる
水性樹脂分散液を含んでなるものであるために各種基材
への接着性、耐水性、耐湿性、耐久性に優れ、また、水
性分散液であるため火炎や環境汚染などの心配がなく、
更に公知の低分子量の乳化剤を用いて製造した水性樹脂
分散液に比較して泡立ちが少なく取扱い易いなどのすぐ
れた特長を有している。したがって、本発明のコーティ
ング剤は金属、木材、無機質建材等のコーティング剤と
して極めて有効に利用できるものであり、例えば、鋼
板、亜鉛鋼板、アルミニウム板等の金属基材、合板、木
製の床材、壁材等の木質基材へのコーティング剤として
利用すると、外観、密着性、耐水性、耐久性に優れた塗
膜を得ることができるが、本発明のコーティング剤の特
徴が最もよく発揮できるのは無機質基材に対して適用し
た場合である。本発明のコーティング剤は、各種無機建
材に対する密着性に優れ、且つ耐水性が良いため水に濡
れてもふくれや剥離を生じることがなく、また、セメン
ト系建材において問題になる白華の発生を防止すること
ができるのでいつまでも美しい外観を保持することがで
き、さらに耐久性に優れているので外装用建材のコーテ
ィング剤として使用しても物性の劣化が少ない等の利点
を有している。従って、セメント、モルタルやコンクリ
ートで仕上げられた床、壁又は天井、あるいは石膏ボー
ド、石綿スレート、アスベストボード、プレキャストコ
ンクリート、軽量気泡コンクリート、繊維補強コンクリ
ート、厚型スレート、石綿セメント珪酸カルシウム板、
ガラス、タイル、レンカ、焼成瓦等の無機建材に塗布す
ることにより、基材保護、美観付与、防水性や防塵性付
与などを目的とするコーティング剤或いはそれらのプラ
イマーとして有効に利用できる。
〔実施例〕
以下実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明
の範囲がこれら実施例のみに限定されるものではない。
なお例中特にことわりのない限り%は重量%を、部は重
量部をそれぞれ示すものとする。
参考例1 攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計、滴下ロート
を備えたフラスコにイソプロピルアルコール180部を仕
込み、窒素を吹き込みながら81℃まで内温を上昇させ
て、イソプロピルアルコールを10分間還流させた。次に
予め用意しておいた、アクリル酸174部、n−ドデシル
メルカプタン36部、及び2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル(AIBN)0.42部からなる重合性単量体混合物を1
時間かけて滴下、重合した。滴下終了後、還流状態で1
時間熟成を行い、固形分53.9%の重合体(1)の溶液を
得た。重合体(1)は、下記一般式にて代表される構造
を有し、酸価645、数平均分子量1200であった。
参考例2 参考例1と同様のフラスコに、イソプロピルアルコール
180部を仕込み、窒素を吹き込みながら81℃まで内温を
上げて、イソプロピルアルコールを10分間還流させた。
続いて予め用意しておいたアクリル酸86部、アクリル酸
2−ヒドロキシエチル139部、n−ドデシルメルカプタ
ン36部、イソプロピルアルコール30部及びAIBN0.30部か
らなる重合性単量体混合物を1時間かけて滴下、重合し
た。滴下終了後、還流状態で1時間熟成を行い固形分5
5.4%の重合体(2)の溶液を得た。重合体(2)は下
記一般式にて代表される構造を有し、酸価256、数平均
分子量1500であった。
参考例3 参考例1と同様のフラスコに、イソプロピルアルコール
180部を仕込み、窒素を吹き込みながら80℃に加熱し
た。そこにアクリル酸148部、イタコン酸31部、アクリ
ル酸ラウリル18部、n−オクチルメルカプタン24部及び
AIBN0.41部からなる重合性単量体混合物を2.0時間かけ
て滴下した。滴下終了後還流状態で1時間攪拌して熟成
を行ない固形分54.2%の重合体(3)の溶液を得た。重
合体(3)は下記の一般式にて代表される構造を有し、
酸価420、数平均分子量2000であった。
比較参考例1 参考例1と同様のフラスコに、イソプロピルアルコール
180部を仕込み、窒素を吹き込みながら81℃まで内温を
上げて、イソプロピルアルコールを10分間還流させた。
続いて予め用意しておいたアクリル酸86部、アクリル酸
2−ヒドロキシエチル139部、チオグリコール14部及びA
IBN0.30部からなる重合性単量体混合物を1時間かけて
滴下、重合した。滴下終了後、還流状態で1時間熟成を
行い、固形分56.9%の比較用重合体(1)溶液を得た。
比較用重合体(1)は、下記一般式にて代表される構造
を有する酸価280、数平均分子量1400であった。
実施例1 滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計及び還流
冷却器を備えたフラスコにイオン交換水193.5部、参考
例1で得られた反応性界面活性剤(1)の溶液4部及び
28%アンモニア水1.6部を仕込み、ゆるやかに窒素ガス
を流しながら65℃に加熱した。そこへ2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の5%水溶液4部を
注入し、ついで滴下ロートよりあらかじめ調製しておい
たメタクリル酸メチル55部及びアクリル酸ブチル45部か
らなる重合性単量体混合物を2時間に亘って滴下した。
滴下終了後も温度を65℃に保って1時間攪拌をつづけた
後冷却し、不揮発分33.5%の水性樹脂分散液〔1〕を得
た。尚重合中に生じた凝集物はごくわずかであった。
実施例2〜6 実施例1に於いて、反応性界面活性剤の溶液の量及び種
類、重合性単量体混合物の組成を第1表に示した通りと
する他は実施例1と同様の操作をくり返して水性樹脂分
散液〔2〕〜〔6〕を得た。尚、重合中に生じた凝集物
はいづれの場合もごくわずかであった。
実施例7 実施例1と同様のフラスコにイオン交換水193.5部、重
合体(1)の溶液11部及び28%アンモニア水1.6部を仕
込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら65℃に昇温し
た。そこへ2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)
二塩酸塩の5%水溶液4部を注入し、次いで、あらかじ
め調製しておいたメタクリル酸メチル36部、アクリル酸
ブチル11部及びメタクリル酸グリシジル3部よりなる第
1の重合性単量体混合物を1時間に亘って滴下した。30
分間攪拌をつづけたのち、メタクリル酸メチル26部、ア
クリル酸ブチル22部及びメタクリロイロキシプロピルト
リメトキシシラン2部よりなる第2の重合性単量体混合
物を1時間に亘って滴下した。さらに1時間攪拌をつづ
けた後冷却して、不揮発分34.2%の水性樹脂分散液
〔7〕を得た。重合中に発生した凝集物はわずかなもの
であった。
比較例1 実施例1に於いて、重合体(1)の溶液の替わりに比較
用反応性界面活性剤(1)の溶液9部を用いる他は実施
例1と同様の操作をくり返したが、重合途中で凝集物が
多量に発生し重合を続行することが困難となり、水性樹
脂分散液を得ることが出来なかった。
比較例2 実施例1に於いて重合体(19)替わりに公知の界面活性
剤であるドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ2部を使
用する他は実施例1と同様の操作をくり返して不揮発分
34.4%の比較用水性樹脂分散液(1)を得た。
比較例3 比較例2に於いて重合性単量体混合物の組成を、メタク
リル酸メチル70部、アクリル酸ブチル27部及びメタクリ
ル酸グリシジル3部とする他は比較例2と同様にして、
不揮発分34.3%の比較用水性樹脂分散液(2)を得た。
実施例8 実施例1〜5で得られた水性樹脂分散液〔1〕〜〔5〕
及び比較例2で得られた比較用水性樹脂分散液〔1〕に
ついて下記の如き無機質建材用コーティング剤としての
試験を行った。
カラー舗装用プライマーとしての耐水試験 5mm厚のスレート板に、水性樹脂分散液を平刷毛で塗布
量が約100g/m2となるように均一に塗布し、室温で2時
間乾燥した後、着色塗料(ニッポリカラー R−1、日
本ポリエステル(株)製)と7号硅砂を重量比で1対1
に混合して得られる塗料合材をコテを用いて塗布量が約
1000g/m2となるように塗布した。これを20℃、65%RHの
条件下で7日間乾燥して試験片を得た。
得られた試験片についてJIS A 6910に準じて、常態及び
水浸漬後の付着強さを測定した。但し、水浸漬後の付着
強さは試験片を室温で24時間水浸漬した後2時間風乾し
てから測定した。
試験結果を第2表に示す。また、スレート板に水製樹脂
分散液を刷毛塗りする作業に於いて、本発明の水性樹脂
分散液はいずれも泡立ちが少なく、作業が容易であり、
泡の混入のない塗面が得られたが、比較用水性樹脂分散
液は泡立ちが多く、取扱いにくく、塗塩に泡が残りやす
い傾向があった。
実施例9 実施例6〜7で得られた水性樹脂分散液〔6〕〜〔7〕
及び比較例3で得られた比較用樹脂分散液〔2〕につい
てアルミ基材用コーティング剤としての評価を行った。
約0.8mm厚のアルミ板に各水性樹脂分散液を乾燥膜厚が
約12μmとなるようにバーコーターで塗布し、120℃で
5分間加熱乾燥して試験片を得た。
得られた試験片について常態及び室温で一週間の水浸漬
後の密着性のテストを行った。密着性は塗膜面に、カッ
ターナイフで1mm間隔で100個のます目のあるゴバン目を
切り、その部分にセロハンテープを密着させた後勢いよ
く引剥して塗膜の剥離の程度を10点(剥離なし)〜1点
(全面剥離)で評価した。結果を第3表に示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和カルボン酸を必須成分として含む重
    合性単量体成分(A)を炭素数が6〜18のアルキルメル
    カプタン(B)の存在下に重合して得られる酸価が200
    以上の水溶性もしくは水分散性の末端アルキル基を有す
    る重合体〔I〕および/またはその塩を乳化剤に用い
    て、重合性単量体の1種または2種以上を水性媒体中で
    乳化重合して得られる水性樹脂分散液を含有することを
    特徴とするコーティング剤。
  2. 【請求項2】重合性単量体の少なくとも1種が、カルボ
    キシル基と反応しうる官能基を有する重合性単量体及び
    /または分子中に重合性不飽和基と珪素原子に直結する
    加水分解性基とを有する有機珪素単量体である特許請求
    の範囲第1項記載のコーティング剤。
JP62314071A 1987-12-14 1987-12-14 コーティング剤 Expired - Lifetime JPH072928B2 (ja)

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