JPH07292226A - ポリエステル樹脂用溶融粘度低下剤及びそれを含むポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂用溶融粘度低下剤及びそれを含むポリエステル樹脂組成物

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JPH07292226A
JPH07292226A JP8469594A JP8469594A JPH07292226A JP H07292226 A JPH07292226 A JP H07292226A JP 8469594 A JP8469594 A JP 8469594A JP 8469594 A JP8469594 A JP 8469594A JP H07292226 A JPH07292226 A JP H07292226A
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JP
Japan
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polyester resin
melt viscosity
acid
reducing agent
viscosity reducing
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JP8469594A
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English (en)
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Osamu Suzuki
治 鈴木
Koichi Takato
幸一 高戸
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、酸成分とアルコール成分とを反応
して得られるエステル化合物で、(a)カルボン酸基が
3個以上の芳香族多塩基酸及び(b)一価アルコールか
らなることを特徴とするポリエステル樹脂用溶融粘度低
下剤及びそれを含んだポリエステル樹脂組成物に関す
る。 【効果】 本発明のポリエステル樹脂用溶融粘度低下剤
は、ポリエステル樹脂の分子量を低下(固有粘度低下)
させることなく溶融粘度を低下させるのに有効であり、
ポリエステル樹脂の用途である繊維分野や工業製品用途
等に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル樹脂の分
子量を低下(固有粘度低下)させることなく溶融粘度を
低下させることを可能とした溶融粘度低下剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテ
レフタレートは、機械的性質、耐熱性、耐薬品性、電気
特性に優れ、繊維、工業製品等として多くの製品に使用
されている。しかしながら、繊維用途においては、着
色、防臭、防菌等の機能性付与の目的で各種添加剤が配
合されると溶融粘度の上昇がおこり、紡糸性が低下する
問題がある。また、工業製品用途では、通常強化剤とし
てガラス繊維等の無機添加剤が多量に配合されている
が、添加剤配合による溶融粘度上昇がおこり、射出成形
性が低下する問題がある。溶融粘度を低下させるには、
溶融温度を高くすることも一つの方法であるが、樹脂の
分解も促進されるため、分子量が低下して好ましくな
い。
【0003】従来よりこのような欠点を補うために滑剤
や可塑剤の添加が考えられたが、例えばステアリン酸の
ような高級脂肪酸または低分子量のモノエステルやジエ
ステルは、高温加熱成形条件下でポリエステル樹脂の分
子切断をおこしやすいという欠点がある。ポリエステル
樹脂は、一般に溶融成形温度が250℃〜300℃と高
く、押出機で上記添加剤を混練して成形する時に加水分
解やエステル交換反応により分子量低下や変色をきたし
やすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点の改良、即ちポリエステル樹脂の分子量
を低下させずにその溶融粘度を低下させ得る溶融粘度低
下剤を見いだすことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の従
来法の欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリエ
ステル樹脂に対し、特定の溶融粘度低下剤を添加するこ
とにより、上記の目的を達成することを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、酸成分とアルコール成分
とを反応して得られるエステル化合物で、(a)カルボ
ン酸基が、3個以上の芳香族多塩基酸及び(b)一価ア
ルコールからなることを特徴とするポリエステル樹脂用
溶融粘度低下剤及びそれを含んだポリエステル樹脂組成
物を提供するものである。
【0007】本発明を詳しく説明する。
【0008】(構成)本発明の溶融粘度低下剤は、酸成
分とアルコール成分とを反応して得られるエステル化合
物であり、使用されるカルボン酸基が3個以上の芳香族
多塩基酸成分(a)としては、例えば、トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラ
カルボン酸などの3価またはそれ以上の多塩基酸が挙げ
られる。もちろん、これらの芳香族多塩基酸は1種また
は2種以上の混合物で使用しても良い。また、本発明の
効果を損なわない範囲で、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸等の二塩基酸を併用できる。
【0009】本発明に使用される一価アルコール成分
(b)としては、好ましくは炭素数4〜18の一価アル
コールが挙げられ、例えば、ブタノール、ヘキサノー
ル、イソヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、
イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノー
ル、イソノナノール、2−メチルオクタノール、デカノ
ール、イソデカノール、ウンデカノール、ドデカノー
ル、トリデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノ
ール、オクタデカノールなど1種または2種以上の混合
物として使用できる。
【0010】この様に溶融粘度低下剤を構成する成分と
して使用される各原料およびその使用量は、最終的に得
られる製品の性能に応じて選択されるが、その際溶融粘
度低下剤の揮発減量(300℃)は、好ましくは5重量
%以下である。揮発減量が、5重量%よりも大きいと固
有粘度が低下し、溶融粘度低下効果にも劣る。
【0011】また、かかる溶融粘度低下剤は、公知の種
々のエステル化方法で製造することができる。例えば、
前記溶融粘度低下剤構成成分を一括もしくは二種ないし
三種を反応させて後、ついで残りの成分を反応させて目
標とするエステルを得ることができる。
【0012】本発明のエステルの反応は、例えばパラト
ルエンスルホン酸、リン酸などの酸触媒、テトライソプ
ロピルチタネ−ト、テトラブチルチタネ−ト、ジブチル
錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、塩化亜鉛など
の金属触媒により促進されるので通常、これらの触媒の
存在下、反応させるのが望ましい。また、通常その反応
は100〜250℃、好ましくは130〜250℃に加
熱して得られる。
【0013】本発明におけるポリエステル樹脂とは、芳
香環を連鎖単位に有するポリエステル樹脂で芳香族ジカ
ルボン酸あるいはそのエステル誘導体とジオ−ルあるい
はそのエステル誘導体とを主成分とする縮合反応により
得られる重合体ないしは共重合体である。ここでいう芳
香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ナフタリン2、6ジカルボン酸、α,β
−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、4,4’−ジ
カルボキシジフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸あるいはこれらのエステル誘導体等が挙げられる。
尚、酸成分として10モル%以下の範囲であれば、アジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸
等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸およびそれらのエステル誘導体等の芳
香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸で置換しても良
い。また、ジオ−ル成分としては、好ましくは炭素数2
〜10の脂肪族ジオ−ルすなわちエチレングリコ−ル、
プロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、3−
メチル−1,3−プロパンジオ−ル、ネオペンチルグリ
コ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサン
ジオ−ル、デカメチレングリコ−ル、シクロヘキサンジ
オ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等が挙げられ、小
量であれば好ましくは分子量400〜6000の長鎖グ
リコ−ル、すなわち、ポリエチレングリコ−ル、ポリ−
1,3−プロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等を共重合せしめたものでもよい。
【0014】本発明におけるポリエステル樹脂とは、具
体的には好ましくは、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポ
リブチレンテレフタレ−ト、ポリヘキサメチレンテレフ
タレ−ト、ポリシクロヘキシンジメチレンテレフタレ−
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト 、ポリブチ
レン−2,6−ナフタレ−ト等が挙げられる。
【0015】本発明の溶融粘度低下剤は、あらかじめポ
リエステル樹脂にヘンシェルミキサー等を用いて混合し
た後、押出機に供給しても良いし、液体用フィーダーを
用いて押出機内の溶融状態のポリエステル樹脂に供給し
ても良い。
【0016】本発明の溶融粘度低下剤をポリエステル樹
脂に配合する場合の使用量は、好ましくはポリエステル
樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部、特に好
ましくは1〜10重量部が適する。
【0017】かくすることにより、ポリエステル樹脂の
分子量を低下させずにその溶融粘度を低下させ得る溶融
粘度低下剤を提供することができる。詳しくは、加水分
解やエステル交換反応による、高温溶融時の分子量低下
を抑えるために揮発減量を少なくした溶融粘度低下剤を
提供することができる。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例、比較例により詳細に
説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。以下において部および%は特に断りのないかぎ
りすべて重量基準であるものとする。
【0019】(実施例1) <溶融粘度低下剤配合ポリエチレンテレフタレート樹脂
の製造>ブラベンダー社(ドイツ)製20mm二軸押出
機をバレル温度280℃(但しフィーダー部220
℃)、ダイス温度230℃に設定した。150℃で15
時間乾燥させた粉末状のポリエチレンテレフタレート
(固有粘度、30℃フェノール/四塩化エタン 重量比
1:1中、0.62)100部に溶融粘度低下剤とし
てトリメリット酸トリ2−エチルヘキシル5部を配合
し、150℃に設定されたヘンシェルミキサー中で混合
した。得られたブレンド物を押出機に供給し30rpm
にて溶融混練して、ペレタイザーを通してペレットを得
た。
【0020】(実施例2)実施例1のトリメリット酸ト
リ2−エチルヘキシルのかわりにトリメリット酸トリノ
ニルを用いる以外は実施例1と全く同様にしてペレット
を得た。
【0021】(実施例3)実施例1のトリメリット酸ト
リ2−エチルヘキシルのかわりにピロメリット酸テトラ
2−エチルヘキシルを用いる以外は実施例1と全く同様
にしてペレットを得た。
【0022】(比較例1)実施例1のトリメリット酸ト
リ2−エチルヘキシルのかわりにジ−2−エチルへキシ
ルフタレートを用いる以外は実施例1と全く同様にして
ペレットを得て比較例1として用いた。
【0023】(比較例2)ポリエチレンテレフタレート
単独での評価も行った。
【0024】上記実施例の本発明の溶融粘度低下剤、及
び比較例1のエステル化合物の揮発減量、粘度の測定結
果を表1に示した。また、各種の物性を評価した結果を
表2に示した。
【0025】
【表1】
【0026】[測定方法および条件] 揮発減量:熱重量分析(TGA)、昇温スピード10℃
/min(air中) 300℃での重量減量を測定。 粘 度 :25℃、デジタル回転粘度計
【0027】物性評価の測定法は、次のとおりである。 固有粘度:可塑剤配合ポリエチレンテレフタレート樹脂
のペレットの固有粘度を30℃フェノール/四塩化エタ
ン重量比1:1溶液で粘度管により測定 分子量低下:固有粘度保持率が90%以下だと(あり)
と判断した〔ポリエチレンテレフタレート単独の固有粘
度(0.621)と比較〕 溶融粘度:キャピラリーレオメーターにより内径1m
m,長さ10mmのダイを使用して、300℃でせん断
速度12.2、60.8、243.2sec−1の3点で
測定した。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂用溶融粘度低
下剤は、ポリエステル樹脂の分子量を低下(固有粘度低
下)させることなく溶融粘度を低下させるのに有効であ
り、ポリエステル樹脂の用途である繊維分野や工業製品
用途等に利用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸成分とアルコール成分とを反応して得
    られるエステル化合物で、(a)カルボン酸基が、3個
    以上の芳香族多塩基酸及び(b)一価アルコールからな
    ることを特徴とするポリエステル樹脂用溶融粘度低下
    剤。
  2. 【請求項2】 揮発減量(300℃)が、5重量%以下
    であることを特徴とする請求項1記載の溶融粘度低下
    剤。
  3. 【請求項3】 一価アルコール(b)が、炭素数4〜1
    8である請求項1記載の溶融粘度低下剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の溶融粘度低下剤を含むこ
    とを特徴とするポリエステエル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレ
    フタレートであることを特徴とする請求項4記載の樹脂
    組成物。
JP8469594A 1994-04-22 1994-04-22 ポリエステル樹脂用溶融粘度低下剤及びそれを含むポリエステル樹脂組成物 Pending JPH07292226A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019521200A (ja) * 2016-05-04 2019-07-25 クラリアント・プラスティクス・アンド・コーティングス・リミテッド ポリエステルの加水分解安定化のための組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019521200A (ja) * 2016-05-04 2019-07-25 クラリアント・プラスティクス・アンド・コーティングス・リミテッド ポリエステルの加水分解安定化のための組成物
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