JPH0729164Y2 - がらりの羽板取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、がらりの羽板取付装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

一般に、住宅を始め、広くオフィスビルの窓には日よけ
と通風を図るためがらりを設ける場合が多い。

がらりは、矩形状に組立てられた枠体の左右竪枠間に帯
状に細長い羽板を斜めにして一定間隔おきに取付けるこ
とにより構成されたものであるが、多くの場合、羽板
は、左右竪枠にねじ止めするか若しくは竪枠に穿設した
孔に差し込むかあるいは軸棒を挿入して取付けられてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、がらりの羽板を竪枠にねじ止めすると羽板端面
が平坦でないと連結部にすき間ができて見苦しい場合が
ある。また、熱膨張による羽板の伸縮をうまく吸収でき
ないで、羽板あるいはがらり全体が変形してしまうこと
がある。さらに永年の経過とともにねじが緩んで、がた
つき、風をうけると振動音が発生する恐れもある。

一方、羽板を単に竪枠に穿設した孔に差し込んだだけで
は、強度的に不十分であることが免れない。そこで軸棒
を挿入するものもあるが、軸棒の挿入が容易でなく、羽
板の取付作業がしずらい。

この考案は、このような前記従来の問題点を解消するた
めに提案されたもので、がらりの羽板を左右竪枠に確実
・堅固に取付けることができ、さらに連結ねじが外部に
露出しない構造のがらりの羽板取付装置を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、がらりの羽板取付装置に関するもので、先
端に見付け方向内側に対向片を突設した左右のフレーム
間に竪枠を介して羽板の左右両端部を支持させてありが
らりの左右竪枠に小孔と竪枠の外側に見付け方向に突出
する取付片を設け、前記がらりの羽板両端部にほぞとそ
のほぞ先端部より突出し、かつ馬鹿孔または横方向に細
長い長孔を有する取付部を設け、かつ前記ほぞを前記長
孔に差し込み、前記取付部を前記取付片に馬鹿孔または
長孔を貫通する連結ねじによってねじ止めしてあり、前
記対向片は縦枠３の室外側に配設してあることにより前
記目的を達成するものである。

〔実施例〕

以下、この考案を図示する一実施例によって説明する
と、がらり１は、矩形状をした枠体２の左右竪枠3,3間
に複数本の羽板4,……を左右竪枠3,3の上下方向に一定
間隔おきに取付けることにより構成されている。

左右竪枠3,3には、羽板４の端部を差し込むための小孔
5,……が竪枠３の上下方向に一定間隔おきに穿設されて
いる。また、左右竪枠3,3の外側には羽板４をねじ止め
するための取付片６が竪枠３の上下方向に連続しかつ見
付け方向に突出して形成されている。

羽板４は、断面三角形の中空断面形に形成され、上面4a
には室外方向に下り勾配となるような水たれ勾配が形成
され、さらにその室外側端部には水切り縁７が形成さ
れ、雨水の浸入防止等、雨仕舞いが確実に施されてい
る。

また、羽板４の両端部には、この部分を若干細めに形成
することにより竪枠３の小孔５に差し込めるようなほぞ
８が形成されている。

さらに、ほぞ８の先端部には取付部９が形成され、この
取付部９にやや大きめの馬鹿孔10が形成されている。

このように形成された羽板４は、ほじ８を竪枠３の小孔
５に差し込み、取付部９を竪枠３の取付片６に馬鹿孔10
を貫通するれけねじ11によってねじ止めすることにより
左右竪枠3,3に連結されている。

かかる場合、連結ねじ11を通す孔がいわゆる馬鹿孔にな
っていることにより熱膨張による羽板４の伸縮および組
立の際の加工・寸法誤差を簡単に吸収できるようにして
ある。

竪枠３の外側には、先端に見付け方向内側に対向片14b
を突設した左右フレーム12が取付けられ、羽板４のほぞ
８、取付部９および連結ねじ11が外部に露出しないよう
にしてある。フレーム12は、竪枠３の取付片６の先端部
に取付ねじ13によってねじ止めされている。取付けねじ
13には皿ビスが使用されている。

また、竪枠３の室外側先端は内側対向片14aが見付方向
外側に突設され、室内外方向にほぼ平行に対向する対向
片14a,14bが竪枠３およびフレーム12の上下方向に連続
して形成されている。

そして、ねじ止めされたほぞ８がさらにこの内側取付片
14aと取付片６とによって強く挟持されている。また、
この対向片14bと内側対向片14a間にシール材15が充填さ
れ、この部分から竪枠３の裏側に雨水が浸入できないよ
うにしてある。

第５図は、羽板４の変形例を示したもので、羽板端部の
ほぞ８がＬ字形断面形に形成したあるとともに取付部９
の取付孔が横方向に細長い長孔に形成したものである。

このように形成してあることにより羽板４の熱膨張によ
る伸縮および組立の際の加工・寸法誤差を簡単に吸収で
きるようにしたものである。

なお、この羽板取付装置は一般住宅用の雨戸等のがらり
等にも適用できることはいうまでない。

〔考案の効果〕

この考案は、以上の構成からなるので、以下の効果を有
する。

羽板は、竪枠に単にねじ止めや竪枠に穿設した小孔に差
し込んであるのではなく、竪枠に穿設した小孔に差し込
み、さらに竪枠にねじ止めすることによって取付けてあ
るので、羽板を竪枠に確実・堅固に連結することができ
る。また竪枠に羽板をねじを室外側より目視しながら取
付けることができ、フレームの対向片でねじ羽板のほぞ
取付部が外部に露出しないようにしてあるので意匠性が
損なわれず羽板の取付作業がしやすい。また、一度ねじ
止めしてしまえば、たとえ少々ねじが緩んでもがたつい
たり、風をうけて振動音を発生したり、あるいは羽板が
完全に抜け落ちる心配は全くない。

また、羽板のねじ孔が連結ねじより大きめの馬鹿孔また
は横方向に長い長孔に形成してあるので、羽板連結部が
自由に移動できて、熱膨張による羽板の伸縮をうまく吸
収できる。したがって、熱膨張で羽板が変形したり、が
らり全体が変形する心配は全くない。また、羽板を竪枠
にねじ止めする際に羽板両端のほぞを竪枠の小孔に差し
込んでからおこなうため、羽板端部の位置決めがしやす
く、組立が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は、この考案の一実施例を示したもの
で、第１図はオフィスビル等の窓に取付けられたがらり
の正面図、第２図は第１図におけるII-II線断面図、第
３図は竪枠の一部斜視図、第４図および第５図は羽板の
一部斜視図である。 １……がらり、２……枠体、３……竪枠、４……羽板、
５……小孔、６……取付片、７……水切り縁、８……ほ
ぞ、９……取付部、10……馬鹿孔または長孔、11……連
結ねじ、12……フレーム、13……取付ねじ、14a……内
側対向片、14b……対向片、15……シール材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先端に見付け方向内側に対向片14bを突設
   した左右のフレーム12,12間に竪枠３を介して羽板４の
   左右両端部を支持させてあり、がらり１の左右竪枠3,3
   に小孔５と竪枠３の外側に見付け方向に突出する取付片
   ６を設け、前記がらり１の羽板４両端部にほぞ８とその
   ほぞ８先端部より突出し、かつ馬鹿孔又は横方向に細長
   い長孔10を有する取付部９を設け、かつ前記ほぞ８が前
   記小孔５に差し込んであるとともに、前記取付部９が前
   記取付片６に、前記馬鹿孔または長孔10を貫通する連結
   ねじ11によってねじ止めしてあり、前記対向片14bは縦
   枠３の室外側に配設してあることを特徴とするがらりの
   羽板取付装置。