JPH0729149Y2 - 扉の開閉機構 - Google Patents

扉の開閉機構

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JPH0729149Y2
JPH0729149Y2 JP1988102047U JP10204788U JPH0729149Y2 JP H0729149 Y2 JPH0729149 Y2 JP H0729149Y2 JP 1988102047 U JP1988102047 U JP 1988102047U JP 10204788 U JP10204788 U JP 10204788U JP H0729149 Y2 JPH0729149 Y2 JP H0729149Y2
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door
pair
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cam
shaft
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靖彦 池田
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、扉の開閉機構の改良に関する。
[従来の技術] 従来、この種の扉の開閉機構としては、方形の開放面を
有する本体と、その開放面に開閉可能に軸支された同じ
く方形の扉からなり、扉の左右両側に上下方向に軸を可
動に設け、扉に設けた把手を回転することで左右両方向
から開閉できる様にしたものが知られている(例えば実
開昭56-22273号公報、実開昭56-140669号公報、実開昭5
6-174681号公報、実開昭57-62287号公報、実開昭58-274
73号公報、実開昭58-37375号公報、実開昭61-22878号公
報)。
[考案が解決しようとする課題] しかし、従来の開閉機構は、家屋に使用することを前提
としていたゝめ、把手の回転運動を直線運動に変換した
後、その力をワイヤやリンク機構を介して軸に伝達しな
ければならず、機構が大掛かりで、しかも複雑であっ
た。
そこで、請求項1に記載の開閉機構は、上記した従来の
技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、操作スイッチの操作方向を直線運
動に限定することで、機構を簡便にし、家具、家電製
品、文具等の比較的小型の製品にも適するよう改良した
ものである。
又、従来の扉の開閉機構では、左右二方向からの開閉し
かできないため、使用部位や取付位置によって二方向か
らの開閉が困難な場合があるという問題点があった。
そこで、請求項2に記載の開閉機構は、上記した従来の
技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、簡単な操作により扉を四方向から
開閉できるようにしたものである。
[課題を解決するための手段] 本考案は上記目的を達成するためのものであり、以下に
その内容を図面に示した実施例を用いて説明する。
請求項1に記載の開閉機構は、扉(2)の互いに背向す
る雄部材又は雌部材の一方の対(例えば突軸9a〜9dを有
する雄部材10a〜10d)の間には、両者を互いに離隔する
方向に付勢する付勢手段(例えば圧縮スプリング11a〜1
1d)を設けると共に、各操作スイッチ(例えば押釦14a
〜14d)は、対応する一方の対に跨がって臨み、一方の
対の軸方向と直交する向きに往復動可能に扉の表面に設
け、一方の対の夫々と操作スイッチの間には、一方にカ
ム面(19)と、他方に該カム面をトレースする従動子
(例えば突起12)を夫々設け、操作スイッチを一方向に
移動することで、カム面又は従動子のいずれか一方を他
方に対して変位させ、互いに背向する雄部材又は雌部材
の一方の対を、付勢手段の付勢力に抗して互いに接近す
る方向に移動する様にしたことを特徴とする。
請求項2に記載の開閉機構は、扉(2)に、その四つの
各辺(I〜IV)に、突軸を有する雄部材又は該突軸が嵌
入する軸穴を有する雌部材のいずれか一方の対(例えば
突軸9a〜9dを有する雄部材10a〜10d)を互いに背向さ
せ、且つ軸方向に往復動可能に設けると共に、本体
(1)の開放面(1′)の四つの各辺の受縁(例えば開
放上縁1a)には、前記各一方の対に対応する雄部材又は
雌部材の他方の対(例えば軸穴40)を設け、扉の表面に
は、四つの操作スイッチ(例えば押釦14a〜14d)を設
け、各操作スイッチと上記各辺の一方の対との間には、
一つの操作スイッチの操作により、互いに背向する雄部
材又は雌部材の一方の対を残して、他の三組の対を本体
の他方の対から離脱するよう移動させる駆動機構を設け
たことを特徴とする。
[作用] 請求項1に記載の開閉機構によれば、扉(2)の少なく
とも二つの操作スイッチ(14a〜14d)のうち、一つの操
作スイッチを一方向に移動すると、カム面又は従動子の
いずれか一方(例えばカム面19)が他方(例えば従動子
としての突起12)に対して変位し、互いに背向する雄部
材又は雌部材の一方の対(例えば突軸9a〜9dを有する雄
部材10a〜10d)が、付勢手段(11a〜11d)の付勢力に抗
して互いに接近する方向に移動し、本体(1)の対応す
る他方の対(例えば軸穴40)から離脱する。このため、
扉の対向する辺(I〜IV)に臨む互いに背向する一方の
対が本体の他方の対と、こゝでは雄部材の突軸が雌部材
の軸穴に嵌合していることから、扉を雄部材の突軸を中
心に開いて、本体の開放面(1′)を開放できる。
尚、操作スイッチを移動する力を釈放すると、付勢手段
の復元力で一方の対が互いに離隔する方向に移動し、そ
の際に操作スイッチが復帰する。
一方、他方の操作スイッチを一方向に移動すると、対向
する他辺(I〜IV)に臨む一方の対が、同様に本体の対
応する他方の対から離脱し、反対側から扉を開くことが
できる。
又、対向する両操作スイッチを同時に操作すると、扉の
対向する二辺に臨む一方の対の両方が同時に本体の対応
する他方の対から離脱し、扉を本体の開放面から取外す
ことができる。
請求項2に記載の開閉機構によれば、扉(2)の四つの
操作スイッチ(14a〜14d)のうち、一つの操作スイッチ
を操作すると、駆動機構を介して互いに背向する三組の
雄部材又は雌部材の一方の対(例えば突軸9a〜9dを有す
る雄部材10a〜10d)が、本体(1)の対応する他方の対
(例えば軸穴40)から離脱するよう移動する。このた
め、残りの互いに背向する一組の対が本体の他方の対
と、こゝでは雄部材の突軸が雌部材の軸穴に嵌合してい
ることから、扉を雄部材の突軸を中心に開いて、本体の
開放面(1′)を開放できる。
尚、扉の各辺の残る三方向にも、対応する一つの操作ス
イッチを操作することで同様に開くことができる。
一方、向い合う二つの操作スイッチを同時に操作する
と、駆動機構を介して扉の四辺(I〜IV)に沿う四組の
一方の対が同時に、本体の全ての他方の対から離脱し、
扉を本体の開放面から取外すことができる。
[実施例] 以下に本考案を図面に示した一実施例に基づき説明す
る。
図中、1は方形の開放面1′を有する本体、2は開放面
1′に開閉可能に軸支された同じく方形の扉であって、
図面に示した実施例では、本体1は上面が開放した中空
で、透明な立方体のプラスチックケースであり、例えば
小物入れに使用する。
先ず、上記扉2から先に説明すると、扉2は、第2図に
示す様に、扉裏の扉本体3と、その上面に取付ける蓋体
4とから成り、夫々がプラスチックの成形品である。
上記扉本体3は、平面が正方形で、本体1の開放面1′
に嵌込むよう中央が厚肉になっており、その四辺には本
体1の開放上縁1aに載る載置縁3′を有する。そして、
扉本体3の上面には、第3図に示す様に、略々十字形に
交叉したスライド溝5a〜5dを凹設し、各スライド溝5a〜
5dの端面は各載置縁3′のほゞ中央に横向きに開放す
る。
又、上記四辺の載置縁3′の下面のほゞ中央には、幅が
載置縁3′の両端の幅より短く、扉本体3の下面より下
にほゞ断面半円形に突出した四つの突縁部6a〜6dを設
け、各突縁部6a〜6dには、各辺に平行でスライド溝5a〜
5dと直交し、底がスライド溝5a〜5dの底より少し低くな
った上面開放のガイド溝7a〜7dを凹設する。
上記ガイド溝7a〜7d内には、その両外側壁に貫通する通
孔8a〜8dを通じて出入りする互いに背向した突軸9a〜9d
を有する対を成す雄部材10a〜10dを、互いに背向させて
往復動可能に配設し、対を成す雄部材10a〜10dの間には
圧縮スプリング11a〜11dを設け、該スプリング11a〜11d
バネ力で対を成す雄部材10a〜10dを互いに離隔する方向
に付勢し、両突軸9a〜9dを各通孔8a〜8dを通じで常時外
向きに突出させる。
各雄部材10a〜10dは、プラスチックの成形品で、その一
端部に金属製の突軸9a〜9dを圧入すると共に、他端部は
一端部より薄肉で、その上面には略半円形断面の突起12
を上向きに突設すると共に、その他端部端面には上記圧
縮スプリング11a〜11dに嵌り込む短軸13を横向きに突設
する。
又、各スライド溝5a〜5d内には、雄部材10a〜10dの操作
スイッチである押釦14a〜14dを夫々、計4つ往復動可能
に配設している。
上記押釦14a〜14dは、互いに対向するもの同士が対称な
構造をなし、そのうち一つの押釦14a〜14dを押圧する
と、当該押釦が臨む辺に沿う対を成す雄部材の突軸及び
当該辺に隣接する二辺に沿う各対を成す雄部材の突軸が
夫々引込む構造となっている。図面に示す実施例のもの
では、扉2の手前側の前辺Iに臨む押釦14aとその後辺I
Iに臨む押釦14b、左辺IIIに臨む押釦14cの右辺IVに臨む
押釦14dが夫々対称な構造を成すので、こゝでは説明を
簡単にするため、前辺Iに臨む押釦14aと左辺IIIに臨む
押釦14cの構造を説明する。
先ず、前辺Iに臨む押釦14aは、プラスチックの成形品
で、対を成す雄部材10a,10aの他端部の上面に跨がる釦
本体15と、この釦本体15から後向きに長く延びた延出部
16と、延出部16の後端部から左右外向きに張出した凹状
カム部17を一体に備える。
上記釦本体15には、対を成す雄部材10a,10aの各突起12
が夫々嵌り込む左右一対のカム穴18,18を有し、各カム
穴18の左右外側面には、突起12の円弧面12′に摺接する
く字形に凹んだカム面19を設けている。又、上記凹状カ
ム部17は、その後端部にハの字形に開いた一対の斜面2
0,20を有する凹み21を設けている。
そして、押釦14aの裏面と扉本体3にスライド溝5aの間
には、押釦14aのスライド方向に沿って互いに嵌合する
凹条22と凸条23のいずれか一方を設け、こゝでは押釦14
aの裏面にその長手方向に沿って凹条22を、スライド溝5
aの底には長手方向に沿って凸条23を設ける。
又、上記スライド溝5aの凸条23の長さの途中には、凸部
24を設けると共に、押釦14aには、その延出部16と凹状
カム部17に跨がらせて上記凸部24が嵌り込み、その長手
方向に長く延びた長孔25を開設する。そして、押釦14a
の長孔25内にスライド溝5aの凸部24を位置させ、凸部24
を挟んでその両側の長孔25の空所内に二個の第1,第2復
帰スプリング26,26′を圧入する。両スプリング26,26′
のバネ力は互いに逆向きに作用し合い、両スプリング2
6,26′のバネ力が均衡した中立位置に押釦14aは停止す
る。こゝでは、同じスプリングを使用しているので、凸
部24は長孔25のほゞ中央に位置し、その際に釦本体15の
端部がスライド溝5aの開口側面から扉本体3の外に少し
突出する。又、この状態では、対を成す雄部材10aの突
起12が釦本体15のカム穴18のカム面19のほゞ中央凹部1
9′に位置し、両雄部材10aは圧縮スプリング11aのバネ
力で離隔する方向に付勢され、各突軸9aは通孔8aを通し
て外に突出する。
尚、上記押釦14aに背向する後辺IIに臨む押釦14bもほゞ
同様な構造を有するが、その延出部16′の長さを該押釦
14aのものより短くしている。
一方、前記扉2の左辺IIIに臨む押釦14cは、プラスチッ
クの成形品で、上記押釦14aの釦本体15と同じ構造の釦
本体15と、この釦本体15から比較的短く延びたラック27
を一体に備え、扉本体3のスライド溝5c中に左右方向に
往復動可能に配設される。これ加え、スライド溝5c内に
は、押釦14cのラック27に噛合うスライド溝5cの底に軸
支されたピニオンギア28と、このピニオンギア28の反対
側に噛合うラック29及びこのラック29の後端部から逆三
角形に張出し、前後の押釦14a,14bの凹状カム部17の左
側の斜面20に夫々摺接する一対の斜面30,30を有する凸
状カム部31を一体に備えたカムプレート32を配設し、上
記ピニオンギア28及びカムプレート32は夫々プラスチッ
クの成形品である。
上記カムプレート32の裏面と扉本体3のスライド溝5cの
間には、カムプレート32のスライド方向に沿って互いに
嵌合する凹条33と凸条34のいずれか一方を設け、こゝで
はカムプレート32の裏面にはその長手方向に沿って凹条
33を、スライド溝5cの底にはその長手方向に沿って凸条
34を設ける。
又、上記スライド溝5cの凸条34の長さの途中には、凸部
35を設けると共に、カムプレート32には、そのラック29
と凸状カム部31に跨がらせて上記凸部35に嵌り込み、そ
の長手方向に長く延びた長孔36を開設する。そして、カ
ムプレート32の長孔36内にスライド溝5cの凸部35を位置
させ、この凸部24,35を挟んでその両側の長孔36の空所
内に二個の第1,第2復帰スプリング37,37′を圧入す
る。両スプリング37,37′のバネ力が均衡した中立位置
にカムプレート32は停止し、この停止位置では、ピニオ
ンギア28を介して反対側に位置する押釦14cも中央に停
止し、その釦本体15が端部がスライド溝5cの開口側面か
ら扉本体3の外に少し突出する。又、この状態では、対
を成す雄部材10cの突起12が釦本体15のカム穴18のカム
面19のほゞ中央凹部19′に位置し、両雄部材10cは圧縮
スプリング11cのバネ力で離隔する方向に付勢され、各
突軸9cは通孔8cを通して外に突出する。
一方、前記蓋体4は、第2,第5図に示す様に、扉本体3
内の各機構が外から見えるよう透明なアクリル板から成
り、扉本体3の上面にネジ38で固定することで、各溝5,
7の開放上面を塞ぐ。
又、本体1の開放上縁1aには、第1,第2図に示す様に、
各辺のほゞ中央に扉本体3の下向きの突縁部6a〜6dが夫
々嵌り込む嵌合溝39を夫々、こゝでは計4つ設け、各嵌
合溝39の両内側面には、扉本体3の突軸9a〜9dが突入す
る盲孔状の対を成す軸穴40を相対向させて横向きに開設
する。そして、嵌合溝39の両上縁部には、扉本体3の突
軸9a〜9dに摺接する斜め下向きに傾斜したガイド面41を
夫々形成する。又、嵌合溝39の底のほゞ中央には、押釦
14a〜14dの釦本体15,15の横幅にほゞ等しい横幅を有す
る逃げ溝42を凹設する。
次に扉2の開閉動作を説明すると、扉2を閉じた状態で
は、扉2の各突縁部6a〜6dが本体1の開閉上縁1aの嵌合
溝39に夫々嵌り込み、対を成す雄部材10a〜10dの各突軸
9a〜9dが圧縮スプリング11a〜11dの付勢力により左右外
向きに突出し、嵌合溝39の両側の軸穴40に夫々突入し、
扉2を本体1の開放面1′を閉じた状態に固定する(第
4図)。
こうして、閉じた状態の扉2を開くには、開きたい方向
の扉2の各辺I〜IVに臨むいずれかの押釦14a〜14dを押
しながら、扉2を上方に回動すればよい。
例えば、第7図に示す様に、手前側の位置する扉2の前
辺Iに臨む押釦14aを押すと、当該押釦14aが扉本体3の
中央に向かって進み、この移動に伴って、カム穴18の位
置が変位する。このカム穴18の位置が変位すると、カム
穴18中に嵌り込む雄部材10aの突起12の円弧面12′がカ
ム穴18の向かって手前のカム面19aに押され、対を成す
両雄部材10a,10aは圧縮スプリング11aのバネ力に抗し
て、互いに接近する方向に移動する。このため、両雄部
材10aの突軸9aが本体1の嵌合溝39の各軸穴40から通孔8
a内に引込む。
又、押釦14aの移動に伴い、その長孔25内での凸部24の
位置が変位し、長孔25の向かって手前に位置する第1復
帰スプリング26が長孔25の前縁と凸部24の側面との間で
弾縮され、復元力を蓄積する。尚、その際に、向かって
扉本体3の中央に位置する他方の第2復帰スプリング2
6′がその復元力で伸長することから、比較的軽い力で
押釦14aを押込むことができる。又、押釦14aの最前進位
置は、その釦本体15の後端部から左右に張出した鍔部1
5′が、スライド溝5aの向かって奥に位置する段部5a′
に当接することで規制される。
更に、押釦14aの凹状カム部17が移動することにより、
その左右の斜面20,20′と左右両側のカムプレート32,3
2′の下方の各斜面30が互いに当接していることから、
左右両側のカムプレート32,32′の各斜面30が、上方に
移動する凹状カム部17の左右の斜面20,20′に夫々押さ
れて、両カムプレート32,32′が互いに接近する方向に
移動する。
このため、カムプレート32,32′のラック29に噛合う各
ピニオンギア28が夫々回転し、このピニオンギア28に扉
2の左辺IIIと右辺IVに夫々臨む両押釦14c,14dのラック
27が噛合っていることから、両押釦14c,14dは互いに左
右外向きに移動する。
この移動に伴い、各押釦14c,14dの釦本体15のカム穴18
の位置が変位し、カム穴18中に嵌り込む対を成す各雄部
材10c,10dの突起12の円弧面12′がカム穴18の向かって
奥に位置するカム面19bに押され、対を成す雄部材10cと
10c、10dと10dが、圧縮スプリング11c,11dのバネ力に抗
して、互いに接近する方向に移動する。このため、扉2
の左辺IIIと右辺IVに夫々沿う対を成す雄部材10cと10
c、10dと10dの各突軸9cと9c、9dと9dが本体1の噛合溝3
9の各軸穴40から夫々の通孔8c,8d内に引込む。
更に、カムプレート32,32′の移動に伴い、その長孔36
の位置が変位することから、長孔36内での凸部35の位置
が変位し、長孔36内の向かって手前に位置する第1復帰
スプリング37が長孔36の前縁と凸部35の側面との間で弾
縮され、復元力を蓄積する。尚、その際に、他方の第2
復帰スプリング37′が伸長する。又、押釦14c,14dは、
左右外向きに移動し、扉2の左辺IIIと右辺IVから少し
突出するが、その際に各釦本体15の後端部から左右に張
出した鍔部15′が、各スライド溝5c,5dの手前側の各段
部5c″,5d″に当接することで、その最大突出位置が規
制され、スライド溝5c,5dの開口側面から抜け落ちるこ
とがないようにしている。
一方、その際に、押した押釦14aと背向する後辺IIに臨
む押釦14bは、移動することがない。
即ち、当該押釦14bの凹状カム部17の左右の斜面20,20′
と左右両側のカムプレート32,32′の上方の各斜面30は
常態では互いに当接しているが、両カムプレート32,3
2′は、上記凹状カム部17の凹み21内で、互いに接近す
る方向に移動するため、当接していた斜面20,20′,30が
互いに離れてしまい、駆動力の伝達がない。
このため、押した押釦14aが臨む手前側の前辺Iと、そ
の前辺Iに隣接する左辺IIIと右辺IVに夫々沿う対を成
す雄部材10aと10a、10cと10c、10dと10dの各突軸9aと9
a、9cと9c、9dと9dが夫々本体1の対応する軸穴40から
引込み、その際に背向する後辺IIに沿う対を成す雄部材
10bと10bの各突軸9bと9bが対応する軸穴40に嵌り込んだ
まゝであるので、当該突軸9bと9bを中心にして、扉2を
上方に聞くことができる(第1図)。
一方、押釦14aを押すのを止めると、当該押釦14aは、弾
縮されていた第1復帰スプリング26の復元力で中立位置
に復帰し、そのカム穴18の位置が変位することから、対
を成す雄部材10aと10aが圧縮スプリング11aの復元力で
互いに離隔する方向に移動し、両突軸9aが各通孔8aから
外向きに突出する。
又、押釦14aが中立位置に復帰する際に、凹状カム部17
が後退し、左右両側のカムプレート32,32′の各凸状カ
ム部31の斜面30を押す力が釈放されるので、両カムプレ
ート32,32′は、弾縮されていた第1復帰スプリング37
の復元力で左右外向きに移動し、両押釦14c,14dはピニ
オンギア28を介して反対に左右内向きに移動する。この
ため、両押釦14c,14dの各カム穴18の位置が変位するこ
とから、対を成す雄部材10cと10c、10dと10dが各圧縮ス
プリング11c,11dの復元力で互いに離隔する方向に移動
し、各突軸9c,9dが各通孔8c,8dから外向きに突出する。
次に、開いている扉2を閉じるには、本体1の開放面
1′に向かって、下向きに回動すればよい。
これにより、扉2は本体1の軸穴40に嵌り込む両突軸9d
を中心に回動し、残る三方の辺I,III,IVに沿う対を成す
雄部材10a,10c,10dの各突軸9a,9c,9dが、各圧縮スプリ
ング11a,11c,11dのバネ力で突縁部6a〜6dの左右両側か
ら外向きに夫々突出していることから、扉2を閉じた際
に、本体1の各嵌合溝39のガイド面41に当接する。こゝ
で、扉2を強く閉じると、対を成す雄部材10a,10c,10d
の各突軸9a,9c,9dが夫々ガイド面41に押されて、圧縮ス
プリング11a,11c,11dのバネ力に抗して内向きに引込
み、扉2の各突縁部6a,6c,6dが本体1の各嵌合溝39内に
嵌り込む。そして、両突軸9a,9c,9dが嵌合溝39内の軸穴
40に達すると、各突軸9a,9c,9dが圧縮スプリング11a,11
c,11dの復元力により外向き突出し、各軸穴40中に再度
投入する(第4図)。
このため、扉2は本体1の開放面1′を閉じた閉位置に
再び固定される。
尚、上記押釦14aと背向する扉2の後辺IIに臨む押釦14b
を押した際には、扉2の前辺Iに沿う突出状態の突軸9a
を中心に、扉2を上方に開くことができる。
一方、扉2の左右両辺III,IVに臨む押釦14c,14dのいず
れか一方、こゝでは扉2の左辺IIIに臨む押釦14cを押し
た場合の動作を第8図に基づいて説明する。
扉2の左辺IIIに臨む押釦14cを押すと、当該押釦14cは
扉本体3の中央に向かって進み、この移動に伴って釦本
体15のカム穴18の位置が変位して、対を成す雄部材10c
の突軸9cが圧縮スプリング11cのバネ力に抗して互いに
接近し、本体1の嵌合溝39の各軸穴40から引込む。
又、押釦14cの移動に伴ってそのラック27も一体に移動
し、そのラック27に噛合うピニオンギア28が回転する。
このため、ピニオンギア28にカムプレート32のラック29
が噛合っていることから、カムプレート32が押釦14cと
逆向き、こゝでは左向きに移動する。
こうして、カムプレート32が左向きに移動すると、その
凸状カム部31の両斜面30が前後の押釦14a,14bの凹状カ
ム部17の左側の各斜面20と当接していることから、凹状
カム部17の左側の各斜面20が、左向きに移動する凸状カ
ム部31の上下の両斜面30に押されて、両押釦14a,14bが
互いに離隔する方向に移動する。
このため、両押釦14a,14bの各カム穴18の位置が変位し
て、対を成す雄部材10aと10a、10bと10bの圧縮スプリン
グ11a,11bのバネ力に抗して互いに接近し、本体1の嵌
合溝39の各軸穴40から引込む。
一方、その際に、反対側に位置するカムプレート32′及
び右辺IVに臨む押釦14dは、移動することがない。
即ち、当該カムプレート32′の凸状カム部31の前後の斜
面30には、両押釦14a,14bの凹状カム部17の右側の各斜
面20′が当接しているが、上記押釦14a,14bが互いに離
隔する方向に移動することから、凸状カム部31の前後の
斜面30と両押釦14a,14bの凹状カム部17の右側の各斜面2
0′が離隔し、駆動力の伝達がない。
このため、押した押釦14cが臨む左辺III及び前後の両辺
I,IIに沿う対を成す雄部材10a〜10cの突軸9a,〜9cが本
体1の対応する軸穴40から夫々引込み、その際に背向す
る右辺IVに沿う対を成す雄部材10dと10dの各突軸9dと9d
が対応する軸穴40に嵌り込んだまゝであるので、当該突
軸9dを中心にして、扉2の右上方に開くことができる。
一方、押釦14cを押すのを止めると、弾縮されていた第
2復帰スプリング37′の復元力でカムプレート32が右向
きに移動し、これにより押釦14cがピニオンギア28を介
して左向きに移動することで、対を成す雄部材10cの突
軸9cが圧縮スプリング11cのバネ力により各通孔8cから
外向きに突出する。
又、カムプレート32が右向きに移動することで、前後の
押釦14a,14bの移動が自由になり、各第2復帰スプリン
グ26′の復元力で互いに接近する方向に移動し、これに
より前後の両辺I,IIIに沿う対を成す雄部材10a,10bの各
突軸9a,9bが夫々の圧縮スプリング11a,11bのバネ力によ
り各通孔8a,8bから外向きに突出する。
尚、聞いている扉2を閉じるには、本体1の開放面1′
に向かって、下向きに回動すればよく、その際に突出し
ていた突軸9a〜9cが、嵌合溝39のガイド面41に押されて
引込み、嵌合溝39内の軸穴40に達すると、各圧縮スプリ
ング11a〜11cの復元力により外向きに突出し、各軸穴40
中に再度突入し、扉2を再び閉位置に固定する。
一方、互いに背向する押釦14aと14b、14cと14dを同時に
押すと、扉2を本体1から取り外すことができる。
即ち、一つの押釦を押すと、当該押釦の臨む辺と、その
辺に隣接する二辺に沿う突軸が引込み、押した押釦に背
向する辺に沿う突軸だけが引込まないことからもわかる
ように、残りの突軸を引込ませるには、先に押した押釦
と背向する辺に臨む押釦を同時に押せばよいのである。
従って、互いに背向する押釦14aと14b,14cと14dを同時
に押すと、全ての辺I〜IVに沿う突軸9a〜9dが本体1の
軸穴40から同時に引込み、扉2を本体1から上に取り外
すことができる。
又、扉2を装着する際には、扉2を上から本体1の開放
上縁1aに合せて押込めばよい。これにより、突出状態の
各突軸9a〜9dが嵌合溝39のガイド面41に押されて全て引
込み、嵌合溝39内の軸穴40に達すると再度突出し、扉2
を本体1の開放上縁1aに固定する。尚、扉2及び本体1
を正四角形としていることから、外した扉2を装着する
際の方向性を問わない。
尚、図面に示した実施例では、扉2に突軸9a〜9dを有す
る対を成す雄部材10a〜10dを往復動可能に設け、本体1
に突軸9a〜9dが嵌入する雌部材としての軸穴40を固定に
設けたが、逆に本体に固定の突軸を設け、扉に該突軸が
嵌入する軸穴を備えた雌部材を往復動可能に設けてもよ
い。
又、操作スイッチとしての押釦14a〜14dにカム面19を、
雄部材10a〜10dに該カム面19をトレースする従動子とし
ての突起12を設けたが、雄部材にカム面を、押釦に突起
を設けてもよい。
一方、押釦14a〜14dと雄部材10a〜10dとの駆動力の伝達
を、押釦14a〜14dのカム穴18と雄部材10a〜10dの突起1
2、押釦14a,14bの凹状カム部17とカムプレート32,32′
の凸状カム部31、及びピニオンギア28を介して互いに互
いに連動する押釦14c,14dのラック27とカムプレート32,
32′のラック29との夫々の係合状態を利用したが、これ
に限らずワイヤ等により駆動力を伝達する様にしてもよ
い。
又、押釦14a〜14dの復帰力を、計4個の圧縮スプリング
11a〜11dと、計8個の第1、第2復帰スプリング26,2
6′,37,37′のバネ力を利用して得るようにしている
が、圧縮スプリング11a〜11dだけでもよく、第1、第2
復帰スプリング26,26′,37,37′については省いてもよ
い。
更に、本考案の扉の開閉機構は、小物入れに限らず、家
具(例えばアクセサリボックス)や家電製品(例えば冷
蔵庫、電子レンジ)、文具(例えば筆入れ)等に利用し
てもよい。
[考案の効果] 本考案は、以上説明したように構成されているので、以
下に記載されているような効果を奏する。
請求項1に記載の開閉機構によれば、構造が非常に簡便
となり、家具、家電製品、文具等の比較的小型の製品の
最適な扉の開閉機構を提供することができる。
請求項2に記載の開閉機構によれば、扉の一つの操作ス
イッチを押すことで、扉を四辺のいずれの方向からも開
閉することができる扉の開閉機構を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示すもので、第1図は扉を開
いた状態を示す斜視図、第2図は一部分解斜視図、第3
図は扉本体の分解斜視図、第4図は扉を閉じた状態の一
部欠截平面図、第5図は同上のV−V線に沿う断面図、
第6図は第4図のVI-VI線に沿う断面図、第7図は扉の
前辺に臨む押釦を押した状態の一部欠截平面図、第8図
は扉の左辺に臨む押釦を押した状態の一部欠截平面図で
ある。 1……本体、1′……開放面、2……扉、I〜IV……そ
の各辺、9a〜9d……各突軸、10a〜10d……各雄部材、11
a〜11d……付勢手段としての各圧縮スプリング、12……
従動子としての突起、14a〜14d……操作スイッチとして
の各押釦、17……凹状カム部、19……カム面、27……ラ
ック、28……ピニオンギア、29……ラック、31……凸状
カム部、40……軸穴。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】方形の開放面を有する本体と、その開放面
    に開閉可能に軸支された同じく方形の扉からなり、 上記扉には、その四つの各辺の少なくとも対向する二辺
    に、突軸を有する雄部材又は該突軸が嵌入する軸穴を有
    する雌部材のいずれか一方の対を互いに背向させ、且つ
    軸方向に往復動可能に設けると共に、対応する本体の開
    放面の四つの各辺の対向する二辺の受縁には、前記各一
    方の対に対応する雄部材又は雌部材の他方の対を設け、 扉の表面には、上記一方の対に夫々対応した操作スイッ
    チを設け、操作スイッチと上記一方の対との間には、操
    作スイッチの操作により、互いに背向する雄部材又は雌
    部材の一方の対が、本体の他方の対から離脱するよう移
    動させる解除機構を設けた扉の開閉機構において、 上記扉の互いに背向する雄部材又は雌部材の一方の対の
    間には、両者を互いに離隔する方向に付勢する付勢手段
    を設けると共に、前記各操作スイッチは、対応する一方
    の対に跨がって臨み、一方の対の軸方向と直交する向き
    に往復動可能に扉の表面に設け、 一方の対の夫々と操作スイッチの間には、一方にカム面
    と、他方に該カム面をトレースする従動子を夫々設け、
    操作スイッチを一方向に移動することで、カム面又は従
    動子のいずれか一方を他方に対して変位させ、互いに背
    向する雄部材又は雌部材の一方の対を、付勢手段の付勢
    力に抗して互いに接近する方向に移動する様にしたこと
    を特徴とする扉の開閉機構。
  2. 【請求項2】方形の開放面を有する本体と、その開放面
    に開閉可能に軸支された同じく方形の扉からなる扉の開
    閉機構において、 上記扉には、その四つの各辺に、突軸を有する雄部材又
    は該突軸が嵌入する軸穴を有する雌部材のいずれか一方
    の対を互いに背向させ、且つ軸方向に往復動可能に設け
    ると共に、本体の開放面の四つの各辺の受縁には、前記
    各一方の対に対応する雄部材又は雌部材の他方の対を設
    け、 扉の表面には、四つの操作スイッチを設け、各操作スイ
    ッチと上記各辺の一方の対との間には、一つの操作スイ
    ッチの操作により、互いに背向する雄部材又は雌部材の
    一方の対を残して、他の三組の対を本体の他方の対から
    離脱するよう移動させる駆動機構を設けたことを特徴と
    する扉の開閉機構。
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