JPH0319285Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンパクトケースの改良に関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来より、コンパクトケースは、化粧料を収容
した器体と蓋体が蝶番によつて、開閉自在に蝶着
した構成となつており、更に蓋体を閉じたまま係
止させておく係止機構を設けていた。この係止機
構は、蓋体のフツクと器体の係合部との弾性変形
を伴う係合であり、根本的には凸部と凸部、ある
いは凸部と凹部の係合であつた。従つて、器体と
蓋体の係止及びその解除を繰り返していくうちに
係止機構の凸部及びその周辺の磨耗を招き、最終
的には係止機構の作用を為さなくなつてしまう危
険性があつた。

そこで本出願人は、特開昭62−233104号公報に
於いて、蓋体のフツクが係合する係合部を押しボ
タンである摺動体に設け、この摺動体を弾発方向
が反転する反転スプリングに弾発させ、フツクと
係合する位置及びその係合が解除される位置でそ
れぞれ摺動体が係止する構成を設けた係止機構を
提案している。

この構成は、蓋体のフツクと器体の係合部との
係合が弾性変形を伴わない係合であるため、蓋体
の係止をより確実に、より強固にする事ができ、
しかもフツク及び係合部の磨耗を防ぐ事ができ
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし使用状態、つまり蓋体が開いた状態で
は、摺動体が蓋体の係止を解除した位置で係止し
ているため、押しボタンが容器内に凹んだ状態と
なつてしまい、見苦しいものとなつていた。

〔課題を解決する為の手段〕

○ 化粧料２を収納した器体１と蓋体２０とを開
閉自在に蝶着し、蓋体２０には裏面にフツク２
２を垂下し、器体１内には機構部収納所６を穿
設する。この機構部収納所６には前記フツク２
２が係合し蓋体２０が閉じた状態で保持される
係合部１６を設けた摺動体１４を、フツク２２
が係合する位置及び、フツク２２との係合が解
除される位置でそれぞれ反転係止可能に内装す
る。上記の構成に於いて、器体１の前端面７
に、内方向にたわみ可能で且つ復元可能な押圧
部９を設け、この押圧部９によつてフツク２２
と係合する位置の摺動体１４を後方に押圧させ
る。

○ 器体１の前端面７に機構部収納所６に貫通す
る切り欠き８を設けて内方向にたわみ可能で且
つ復元可能な舌片２９を構成し、この舌片２９
を押圧部とする。

○ 前記器体１の前端面７に前記摺動体１４が覗
ける開口部２４を穿設し、この開口部２４をふ
さぐように内方向にたわみ可能で且つ復元可能
な弾性片２５を止着し、この弾性片２５を押圧
部９とする。

○ 前記器体１の前端面７に前記摺動体１４が覗
ける開口部２４を穿設し、この開口部２４の両
端に軸２７を立設し、この軸２７間に内方向に
たわみ可能で且つ復元可能な弾性片２８を軸着
し、この弾性片２８を押圧部９とする。

○ 前記構成に於いて、前記弾性片２５，２８を
軟質プラスチツクで構成する。

〔作用〕

蓋体２０が閉じている時、器体１に内装された
摺動体１４は、前方、つまり蓋体２０のフツク２
２と摺動体１４の係合部１６が係合する位置に係
合して蓋体２０を開放不能にしている。この状態
で器体１前端面７に設けられた押圧部９を押圧す
ることにより、摺動体１４を後方に摺動させる。

その結果、摺動体１４は係止方向が反転し、後
方、つまり蓋体２０のフツク２２と係合部１６と
の係合が解除される位置で再び係止し、蓋体２０
を開放可能にする。また、蓋体２０を閉じると、
蓋体２０が摺動体１４を前方に摺動させる事によ
り係止方向を反転させ、前方、つまりフツク２２
と係合部１６が係合する位置で係止させ、蓋体２
０が係合する。

〔実施例〕

本考案第１実施例を第１図ないし第３図によつ
て説明する。器体１は、上面に化粧料２を充填し
た中皿３を収嵌する凹所４及び係止機構５を収納
する機構部収納所６がそれぞれ刻設されている。
尚、この機構部収納所６は、凹所４より前方に配
置されている。器体１の前端面７には、機構部収
納所６に貫通した切り欠き８を設けて舌片２９を
構成している。この舌片２９は、内方向にたわみ
可能でかつ復元可能に構成され、押圧部９となつ
ている。

尚、この舌片２９は、第４図ないし第９図に示
すように、切り欠き８を設けて構成する事ができ
る。このうち第９図の構成は、切り欠き８の他に
機構部収納所６がわ側壁に、一対の凹溝１０を設
けて舌片２９を内方向にたわみ可能に構成する必
要がある。

また、器体１の上面には、中枠１１が止着され
ている。この中枠１１には、前記中皿３の外形状
に対応した枠１２が設けられ、更に前記機構部収
納所６に貫通する貫通孔１３が穿設されている。

この機構部収納所６には、摺動体１４が前後摺
動自在に内装されている。この摺動体１４の先端
は、器体１の押圧部９に当接する当接面１５にな
つている。また、上面には、前記中枠１１の貫通
孔１３より覗く係合部１６が設けられている。こ
の係合部１６の前方の上端側壁には、段部１７を
設けている。更に、摺動体１４の後端には、弾発
方向が反転する反転スプリング１８が止着され摺
動体１４が前方及び後方に弾発され、摺動体１４
が前位置及び後位置で係止するよう構成されてい
る。尚、この構成は、摺動体１４が前位置及び後
位置に係止する構成であればどのような構成を用
いても良い。

また、器体１の後端には、蝶番１９を設けて蓋
体２０を開閉自在に蝶着している。この蓋体２０
の裏面には、鏡２１が貼着されており、裏面先端
には前記中枠１１の貫通孔１３より突入するフツ
ク２２が垂下している。このフツク２２は、摺動
体１４が前位置で係止した時係合部１６と係合
し、摺動体１４が後位置に係止すると係合しない
よう構成され、フツク２２と摺動体１４で係止機
構５を構成している。更に、フツク２２には、後
位置に係止した摺動体１４を前方に押圧する当接
部２３が設けられている。

次に、本考案第２実施例を第１０図によつて説
明する。器体１の上面に刻設された機構部収納所
６は、器体１に前端面７にも開口している。この
前端面７の開口部２４には、内方向にたわみ可能
で且つ復元可能な弾性片２５を、開口部２４をふ
さぐように止着している。この弾性片２５が、機
構部収納所６に内装された摺動体１４を摺動させ
る押圧部９となつている。

また、第１１図に示すように、機構部収納所６
の器体１前端面７に設けられた開口部２４に、た
わみ可能で復元可能な軟質プラスチツク板２６を
止着しても良い。また、第１２図に示すように、
器体１前端面７の開口部２４両端に一対の軸２７
を立設し、この軸２７にたわみ可能で且つ復元可
能な弾性片２８の両端をそれぞれ軸着し、この弾
性片２８で押圧部９を構成しても良い。また前記
構成と同様に弾性片２８を軟質プラスチツクで構
成しても良い。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、摺動体１４を後方に押
圧する押圧部９を係止機構５の一部である摺動体
１４と分離して器体１前端面７に設け、この押圧
部９を内方向にたわみ可能で且つ復元可能な材質
で構成したため、摺動体１４の係止位置に関係な
く押圧部９が復元して、見栄えの良いコンパクト
ケースが提供できる。しかも、この押圧部９は摺
動体１４の動きを妨げる事もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案第１実施例の側断面図。第２
図は、蓋体が開いた状態の側断面図。第３図は、
平面断面図。第４図ないし第９図は、それぞれ器
体の前端面図。第１０図は、本考案第２実施例の
側断面図。第１１図は、その他の実施例の側断面
図。第１２図は、その他の実施例の平面図。 １……器体、２……化粧料、３……中皿、４…
…凹所、５……係止機構、６……機構部収納所、
７……前端面、８……切り欠き、９……押圧部、
１０……凹溝、１１……中枠、１２……枠、１３
……貫通孔、１４……摺動体、１５……当接面、
１６……係合部、１７……弾部、１８……反転ス
プリング、１９……蝶番、２０……蓋体、２１…
…鏡、２２……フツク、２３……当接部、２４…
…開口部、２５……弾性片、２６……軟質プラス
チツク板、２７……軸、２８……押圧板、２９…
…舌片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ［１］ 化粧料２を収納した器体１と蓋体２０と
   を開閉自在に蝶着し、該蓋体２０には裏面にフ
   ツク２２を垂下し、器体１内には機構部収納所
   ６を穿設し、該機構部収納所６には前記フツク
   ２２が係合し蓋体２０が閉じた状態で保持され
   る係合部１６を設けた摺動体１４を、フツク２
   ２が係合する位置及び、フツク２２との係合が
   解除される位置でそれぞれ反転係止可能に内装
   した構成に於いて、 器体１の前端面７に、内方向にたわみ可能で
   且つ復元可能な押圧部９を設け、該押圧部９に
   よつてフツク２２と係合する位置の摺動体１４
   を後方に押圧させる事を特徴とするコンパクト
   ケース。 ［２］ 器体１の前端面７に、機構部収納所６に
   貫通する切り欠き８を設けて内方向にたわみ可
   能で且つ復元可能な舌片２９を構成し、該舌片
   ２９を押圧部とした事を特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のコンパクトケース。 ［３］ 前記器体１の前端面７に、前記摺動体１
   ４が覗ける開口部２４を穿設し、該開口部２４
   をふさぐように内方向にたわみ可能で且つ復元
   可能な弾性片２５を止着し、該弾性片２５を押
   圧部９とした事を特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のコンパクトケース。 ［４］ 前記器体１の前端面７に、前記摺動体１
   ４が覗ける開口部２４を穿設し、該開口部２４
   の両端に軸２７を立設し、該軸２７間に内方向
   にたわみ可能で且つ復元可能な弾性片２８を軸
   着し、該弾性片２８を押圧部９とした事を特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のコ
   ンパクトケース。 ［５］ 前記弾性片２５，２８が軟質プラスチツ
   クである事を特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第３項若しくは第４項いずれかの項記載のコ
   ンパクトケース。