JPH0729050B2 - 石炭ガス化ガス脱硫・脱塵剤の製造方法 - Google Patents

石炭ガス化ガス脱硫・脱塵剤の製造方法

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JPH0729050B2
JPH0729050B2 JP1085174A JP8517489A JPH0729050B2 JP H0729050 B2 JPH0729050 B2 JP H0729050B2 JP 1085174 A JP1085174 A JP 1085174A JP 8517489 A JP8517489 A JP 8517489A JP H0729050 B2 JPH0729050 B2 JP H0729050B2
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、石炭ガス化複合発電装置、燃料電池発電装置
などに使用される石炭ガス化ガスのように、硫化水素お
よび有機硫黄化合物とダストとを含有するガス、または
硫化水素とダストとを含有するガスを、移動層方式で、
同時に脱硫・脱塵処理してガスを精製する装置に充填す
るための、脱硫反応触媒および脱塵用ろ過材としての機
能を併せ持つ脱硫・脱塵剤の製造方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
従来、石炭ガス化ガスの脱硫方法として、天然の鉄鉱石
を粉砕した脱硫剤を用いる流動層式高温乾式脱硫を行わ
れており、また、石炭ガス化ガスの脱塵方法として、天
然珪砂をろ過材として用いる移動層式高温乾式脱塵が行
われていた。
また、特開昭60-18582号公報に示されるように、通気性
支持体間に粒塊状の鉄鉱石からなる脱硫剤を充填して形
成した脱硫・集塵層に、石炭ガス化ガスを通過させて、
脱硫と脱塵とを同時に行うようにした装置が知られてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のように、従来の脱硫プロセスと脱塵プロセスと
は、分離して行われていたが、脱塵用ろ過材が脱硫機能
をも有するものであれば、脱硫・脱塵を同一の移動層装
置で行うことが可能となる。ところが、従来の脱塵用ろ
過材は、珪砂などの脱硫反応に対する活性を有しない素
材であり、これでは、脱硫プロセスを兼ねることができ
ない。
また、上記の特開昭60-18582号公報記載の石炭ガス化ガ
ス脱硫・集塵装置においては、脱硫剤として用いられて
いる天然鉄鉱石を粉砕したものでは、脱硫活性は有する
が、脱硫・再生反応の繰り返しにより、脱硫剤の物理的
強度が著しく低下して粉化するため、脱塵材として必要
な形状が移動層内を移動する間に変化し、しかも、この
ような粉化により、新たにダストを発生するばかりか、
移動層内の微粉による圧力損失の上昇、閉塞現象の原因
ともなる。
以上の通り、従来の脱硫剤または脱塵材では、脱硫プロ
セス・脱塵プロセスを同一装置内で同時に、問題無く行
うことは困難であり、新たに、同時脱硫・脱塵装置(ガ
ス精製装置)用の材料を開発する必要があった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、脱硫活性に
優れ、しかも、脱塵用ろ過材としての性状を有する脱硫
・脱塵剤の製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
〔課題を解決するための手段および作用〕
上記の目的を達成するために、石炭ガス化ガス脱硫・脱
塵剤として、10〜90重量%の酸化第2鉄(Fe2O3)と、9
0〜10重量%の酸化アルミニウムおよび酸化珪素とを主
成分とするものを製造する必要がある。なお、酸化第2
鉄は30〜60重量%とするのが望ましい。
Fe2O3が10重量%未満の場合は、脱硫・脱塵剤の強度は
大きくなるが、脱硫性能が低下して好ましくない。一
方、Fe2O3が90重量%を越える場合は、脱硫性能は良好
であるが、強度が小さくなるので好ましくない。
そして、本発明において、石炭ガス化ガス脱硫・脱塵剤
は、石炭ガス化ガスの脱硫反応に対する活性物質として
の酸化第2鉄または酸化第2鉄を主成分とする天然鉄鉱
石の粉末と、強度発現材としての酸化アルミニウムおよ
び酸化珪素、またはこれらの複合酸化物の粉末とを原料
として、これらの原料を酸化第2鉄が10〜90重量%、酸
化アルミニウムおよび酸化珪素、またはこれらの複合酸
化物が90〜10重量%となるように混合した後、粒子径0.
5〜2.0mmの範囲に造粒し、ついでこの造粒物を乾燥した
後、圧潰強度1kg以上、好ましくは5kg以上になるように
1000〜1300℃の範囲で焼成することにより製造される。
この場合、酸化第2鉄(Fe2O3)または鉄鉱石の平均粒
径を45ミクロン以下、好ましくは1ミクロン以下とする
のが望ましい。
粒子径が0.5mm未満の場合は移動層の圧力損失が大きく
なり過ぎて粒子が円滑に移動しなくなり、一方、2.0mm
を超える場合は脱塵性能が悪くなる。
また、圧潰強度は木屋式圧潰強度で、従来の珪砂の脱塵
ろ過材はこの値が5kg程度であり、少なくても1kg、好ま
しくは5kg以上の強度が必要とされる。
また、上記の「焼成」は、焼結温度として1000〜1300℃
にて焼成して、ムライト質(3Al2O3・2SiO2)結晶に
原料中のAl2O3、SiO2の一部を変成することにより、脱
硫剤としての活性を損うことなく、高い物理的強度を持
たせることができる。焼成温度が1000℃未満の場合は圧
潰強度が大きくならず、一方、1300℃を超えると酸化鉄
自体が変質する。
さらに、造粒時に、平均粒子径として、目的とする造粒
物の平均粒子径の1/100〜1/10のムライト質粒子を核晶
として、原料に対する重量比として10重量%以下混合す
ることにより、目的とする大きさの造粒物の収率を向上
させるとともに、焼成後の強度を向上させることができ
る。
この方法において、酸化アルミニウムおよび酸化珪素を
含む酸化物として、化学式がAl2O3・2SiO2・2H2Oで表
わされるカオリナイト質を主成分とする鉱物を用いるこ
とが望ましい。この場合、この鉱物の平均粒子径を45ミ
クロン以下、好ましくは1ミクロン以下とするのが望ま
しい。
また、前記の方法において、酸化アルミニウムおよび酸
化珪素を含む酸化物として、化学式がAl2O3・2SiO2
2H2Oで表わされるカオリナイト質を主成分とする鉱物
を主原料とし、カオリナイト全量をムライトに変成する
のに不足する分量のAlに相当するモル数の、B、Al、G
a、In、Tlからなる元素周期表IIIb族元素のうちの1種
以上の化合物で、45ミクロン以下の平均粒子径を有する
粉末を補助原料として、焼成後のムライト相以外のガラ
ス質相結晶を微細にすることが望ましい。
なお、補助原料の粉末の平均粒子径が45ミクロンを越え
る場合は、脱硫・脱塵剤1粒子中に存在する補助原料の
粉末の粒子の分散性が悪く、また粒子同士の接触点(面
積)が少なくなり、焼成時に強度発現の効果をもたらす
焼結作用が起こりにくくなり、強度が出にくくなって来
る。
この方法では、脱硫・脱塵剤の物理的強度をより大きく
することができる。
さらに、別の方法として、本発明の石炭ガス化ガス脱硫
・脱塵剤の製造方法は、酸化アルミニウムおよび酸化珪
素、またはこれらの複合酸化物から得られる多孔質の耐
熱性無機担体に、塩化鉄、硝酸鉄もしくは硫酸鉄の水溶
液または有機系溶液を酸化第2鉄が10〜90重量%、酸化
アルミニウムおよび酸化珪素、またはこれらの複合酸化
物が90〜10重量%となるように含浸担持させた後、乾燥
・焼成することにより製造する方法であって、多孔質の
耐熱性無機担体として、カオリナイト系粘土、またはカ
オリナイト系粘土とB、Al、Ga、In、Tlからなる元素周
期表IIIb族元素の酸化物とを混合した粉末原料を造粒し
た後、乾燥・焼成し、その一部または全部をムライト質
とした無機多孔質担体を用いる。この場合、焼成して得
られる粒子の平均粒子径を0.5mm〜2.0mmとする。また耐
熱性無機担体の気孔率を20容量%以上、平均気孔径を0.
05μm以上とするのが望ましい。また、カオリナイト系
粘土の粉末の平均粒子径を45ミクロン以下、好ましくは
/ミクロン以下とするのが望ましい。
また、前記の方法において、高温の水またはメタノール
・アセトン・エタノールなどの有機系溶媒に、飽和溶解
度以上まで塩化鉄、硝酸鉄または硫酸鉄などの鉄塩を溶
解し、多孔質担体に含浸させた後、溶液を冷却して過飽
和状態とすることにより、多孔質担体の空孔に含浸され
た溶液から、担体空孔の壁面および空孔内部に晶析させ
た後、固液分離し、鉄塩を細孔内に含んだ担体を乾燥し
た後、焼成して、担体内に含まれた鉄塩を酸化第2鉄に
変成することが望ましい。
酸化鉄の脱硫反応機構としては、下記の逐次反応により
硫化水素が酸化鉄に吸収される。
3Fe2O3+H2→2Fe3O4+H2O Fe3O4+H2+3H2S→3FeS+4H2O このような石炭ガス化ガス脱硫反応を行う脱硫反応器の
他に、硫化した鉄(FeS)と酸素との下記反応により、
酸化鉄に再生する再生反応器と組み合わせ、脱硫と再生
の繰り返しにより、連続して石炭ガス化ガス中の硫化水
素の除去が行える。
2FeS+7/20→Fe2O3+2SO2 また、石炭ガス化ガスに含まれる塵埃を除去する脱塵方
法としては、従来珪砂などの粒状物を用いた、いわゆる
グラニュラ移動層方式が用いられる。
この移動層脱塵装置に充填するグラニュラとして、上記
の脱硫反応も同時に行える機能を有する粒子を用いるこ
とにより、脱硫・脱塵同時プロセスが実現されるわけで
あるが、特に、グラニュラ脱塵を行うためには、移動層
で粒子を移動させるため、循環使用によっても粒子が破
損・粉化しないだけの物理的強度を維持することが重要
である。というのは、脱塵の機構として、ダストが粒子
充填層の間隙を、ガスに同伴されて通過する過程で、ダ
ストが粒子に衝突して捕捉される慣性集塵などが、安定
して効果的に働くためには、グラニュラの形状・寸法
が、破損・粉化により操業中に変化すると、脱塵性能に
影響するだけでなく、グラニュラ層をガスが通過する際
の圧力損失増大と、粒子の移動の際の摩擦抵抗の増大な
どにより、グラニュラ層内で粉体のブリッヂを形成した
り、空洞ができたりして、復旧不可能な事態が発生する
ことがある。
特に、本発明のように、脱硫・再生反応を脱塵プロセス
と同時に行おうとする場合、従来の脱硫剤として使用さ
れていた天然鉄鉱石などでは、前記の脱硫および再生反
応式で示したように、Feとしての化合物形態が、 のように逐次変化する際に、その結晶構造が変化し、そ
の際の膨張・収縮の繰り返しにより、物理的強度を発揮
していた天然鉄鉱石中のFe以外の成分のCa、Al、Siなど
の結晶粒界を破壊したり、Feとの結合を弱めたりしてし
まうため、物理的強度の低下、あるいは粉化が著しく進
み、上記のようなトラブル発生を引き起こすことにな
る。
このような強度劣化を抑止し、脱硫活性としても良好な
脱硫・脱塵剤を製造する手段として、大きく分類して以
下の2つの技術を用いる。
(1)脱硫性能として必要な量の酸化鉄を最初から、S
i、Al系セラミックスで構成される強度発現材と混合し
て、脱硫・脱塵剤粒子を製造する。
(2)強度が脱塵材としての使用に耐える多孔質の担体
の気孔部分に担持させ、脱硫・脱塵剤粒子を製造する。
上記の技術的特徴は、下記の通りである。
(1)の技術では、脱硫性能の重要な因子となる酸化鉄
の含有率が幅広く任意に制御できる点で有利であり、強
度発現材と脱硫剤の製造方法を適切に選定することによ
り、高性能な脱硫・脱塵剤の製造が可能となる。
(2)の技術では、担体の多孔度によって、担持できる
酸化鉄の含有率に制限があるが、担体の気孔内に担持さ
れた酸化鉄が反応するため、前記したような、Feとして
の化合物形態の逐次変化による膨張・収縮が、担体の強
度にまで影響を及ぼさない。このため、脱塵材として必
要な強度を与えることができ、脱硫反応の影響を受ける
ことがないという特徴がある。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて説明する。
実施例1 Fe2O3原料として、天然鉄鉱石(バイラディラ)をボー
ルミルにて乾式粉砕し、これをフルイにて分級し、45μ
m以下の粉末を50wt%となるように配合した。
強度発現材料の原料として、土屋カオリン工業(株)の
米国産天然カオリンであるジョージア・カオリン(商品
名ASP-100)(Al2O3=38.5wt%、SiO2=45.4wt%、Ig.l
oss=13.6wt%、平均粒径=0.4μm)を50wt%となるよ
うに配合した。
このFe2O3/カオリン=50/50wt%の粉末原料600gを十分
に混合した後、攪拌造粒機に仕込み、攪拌を続けなが
ら、噴霧器にて徐々に水により加湿して行くと、粉体同
士が凝集して行き、しだいに粒子状に成長して行った。
仕込んだ原料のうち、大半が所定の粒径(平均粒径1m
m)となった時点で、加湿を終了する。
以上の通りに造粒したものを、24Hr以上、大気中で乾燥
した後、これを高温焼成機にて焼成した。焼成の際の昇
温パターンは、400℃までは、残留水分の急激な気化お
よびカオリン中の結晶水の脱離などに起因するクラック
の発生を防止するため、200℃/Hrの緩やかな昇温速度と
し、400℃から所定の焼成温度までは、300℃/Hrで定速
昇温し、所定の温度に到達した後、2Hr保持し、ついで3
00℃/Hrで徐冷した。
このようにして焼成し、フルイにて分級して平均粒径1m
mとしたものを、木屋式圧潰強度計にて、物理的強度を
評価したところ、1300℃焼成で10.0kg、1200℃焼成で5.
12kg、1100℃焼成で0.47kgの強度のものが得られた。圧
潰強度は1kg以上が必要であるので、上記の条件では、1
100℃を超える温度で焼成しなければならない。
上記の実施例1の製造方法と同様の方法で、第1表に示
すように、9種類の脱硫・脱塵剤を製造した。
これらのうち、焼成後の強度が高いものについて、常圧
流通式ラボ試験装置により、脱硫活性を評価したとこ
ろ、天然鉄鉱石と同等以上の活性を示した。
また、脱硫・再生を5回以上繰り返した後の圧潰強度を
測定したところ、上記の第1表中に示すように、サンプ
ルNo.3(Fe2O3=50wt%、焼成温度1300℃)で、圧潰強
度10.0から3.69kgまで低下したが、従来の脱塵材として
使用されて来た天然珪砂なみの強度に維持できており、
脱硫・脱塵剤としての性能を充分に満足していた。
さらに、サンプルNo.6(Fe2O3=50wt%、1300℃焼成)
では、脱硫活性としては、上記のサンプルNo.3よりやや
劣るが、脱硫・再生後の強度としては優れていた。
実施例2 酸化鉄原料として、天然鉄鉱石を実施例1と同様の方法
で45μm以下とした後、これをさらにアトライターミル
にて湿式粉砕し、平均粒径5μmとした原料を用い、実
施例1と同様の方法で、造粒・乾燥・焼成した結果、第
2表のような結果を得た。
実施例3 酸化鉄原料として、天然鉄鉱石(バイラディラ)を45μ
m以下に粉砕した粉末を用い、強度保持材として、和光
純薬(株)製試薬カオリン(白陶土、Al2O3=13.4wt
%、SiO2=80.9wt%、Ig.loss=3.8wt%、平均粒径数μ
m)を用い、実施例1と同様の方法にて脱硫・脱塵剤を
製造した。結果およびその時の条件を第3表に示す。
実施例4 酸化鉄原料として、天然鉄鉱石(バイラディラ)を45μ
m以下に粉砕・分級した粉末を用い、強度保持材とし
て、土屋カオリン工業(株)製の国産カオリン(商品名
JP-100、Al2O3=14.5wt%、SiO2=80.0wt%、Ig.loss=
3.0wt%、平均粒径=3μm)を用い、実施例1と同様
の方法にて脱硫・脱塵剤を製造した。結果およびその時
の条件を第4表に示す。
実施例5 実施例3と同様条件で、強度保持材原料の白陶土に、和
光純薬(株)製のアルミナ試薬を添加して脱硫・脱塵剤
を製造した。結果およびその時の条件を第5表に示す。
実施例6 実施例5と同様の条件であるが、強度保持材の原料とし
て、白陶土にフライアッシュを添加して脱硫・脱塵剤を
製造した。結果およびその時の条件を第6表に示す。
比較例1 天然鉄鉱石のカラジャスをボールミルにて粉砕した後、
フルイにて分級し、平均粒径1mmとした。この粒状物の
圧潰強度は4.35kgであり、これを脱硫・再生反応の繰り
返しを行うと、著しく強度の低下が起こり3.35kgまで低
下し、粉化が生じていた。
比較例2 天然鉄鉱石のバイラディラを、比較例1と同様に粒径1m
mに粒度調整した。この粒状物の圧潰強度は12.40kgと優
れていたが、これを脱硫・再生反応の繰り返し処理する
と、2.22kgまで圧潰強度が低下してしまった。
実施例7 実施例1と同様の条件・方法であるが、酸化鉄原料とし
て、天然鉄鉱石の代わりに、酸化鉄の微粉(戸田工業
(株)製戸田カラー、商品名TODA COLOR100ED、Fe2O3
96wt%、平均粒径=0.1μm)を用いて脱硫・脱塵剤を
製造した。結果を第7表に示す。
実施例8 実施例7と同様の条件・方法であるが、原料粉中に、下
記の方法にて製造した粉末を、造粒時の種晶として添加
した。その時の条件および結果を第8表に示す。
種晶の調整方法は、実施例1と同様の方法であるが、天
然鉄鉱石を全く配合せず、ジョージアカオリンのみの原
料を用い、造粒した後、乾燥し、1300℃にて焼成したも
のを、粉砕・分級することにより、45〜74μmの粒径と
したものを種晶とした。
実施例9 天然ゼオライトである、イズカライト(出雲化学(株)
製、みかけ比重2.3g/cc)を破砕・分級し、平均粒径を1
mmとしたものを多孔質担体として、以下の方法により、
Fe2O3を多量に含浸・担持した脱硫・脱塵剤を試作し
た。
Fe(NO3)3・9H2OをFe原料塩とし、80℃の温水に溶解
し、この温度における飽和溶液とした。この80℃Fe(N
O3)3飽和溶液の入ったフラスコ中に、上記のイズカライ
ト担体を25Hr含浸し、温水浴中、80℃に保持しておい
た。そして、25Hr含浸処理経過後、10℃の冷水中に、こ
のフラスコ容器を入れ、急冷した。
この操作により、80℃の飽和溶解度と、10℃の飽和溶解
度との差のFe(NO3)3塩が、イズカライト担体内部の空孔
部に析出して来た。その後、Fe(NO3)3が晶析したイズカ
ライトと、溶液として残った部分とを、ステンレス網状
のものを取り付けた固液分離器にて分離し、Fe(NO3)3
含浸した固型分を取り出し、恒温乾燥器内に入れ、110
℃で25Hr乾燥した。この乾燥中にFe(NO3)の一部が分解
するため、発生するガスは排気した。
以上の温度差による飽和溶解度差を利用した晶析含浸担
持法を、本願明細書では、TSC(Temperature Swing Cry
stallization)法と呼称することとする。
乾燥処理完了後のFe(NO3)3含浸イズカライトを、常圧流
通式のガラス製反応器に充填し、600℃で4Hrの空気流通
系での焼成により、担持されたFe(NO3)3を分解によりFe
2O3に変成し、脱硫・脱塵剤を試作した。
上記の方法により得られた充填剤は、Fe2O3としての担
持量が18.6wt%であり、別途実施した脱硫活性評価試験
の結果から、天然鉄鉱石なみの性能であることが確認さ
れた。また圧潰強度としては、担体のままで1.4kg、含
浸担持後2.5kg、脱硫試験後は3.1kgと、担体自体の強度
より向上していた。
比較例3 実施例9と同じイズカライト担体を用い、従来の蒸発乾
固法による含浸担持の方法とのFe2O3担持量の比較を、
以下の通り実施した。
Fe(NO3)3・9H2Oを、イズカライト担体に対し、50wt%
相当含む量、20℃の水に溶解した水溶液中に、25Hr含浸
し、その後、このイズカライト担体を含む溶液をロータ
リーエバポレーターにて、100℃温水浴にて暖めながら
蒸発乾固させ、Fe(NO3)を担持させ、実施例9と同様の
乾燥・焼成の処理を行った。
これにより得られたサンプルのFe2O3担持量は、わずか
に2.26wt%であり、脱硫性能として必要なFe2O3量が少
ないため、脱硫試験において短時間で脱硫能を失うこと
がわかった。
実施例10 Fe塩としてFeCl3無水物を用い、実施例9と同一条件のT
SC法にて、サンプルを試作したところ、Fe2O3担持量は1
5.7wt%であった。
実施例11 多孔質担体として、Al2O3=26wt%、SiO2=49.4wt%
で、みかけ比重0.75g/ccの天然の粘土から製造した高多
孔質の担体を用い、実施例10と同様のTSC法にて、Fe(NO
3)を含浸担持させると、Fe2O3の担持量は35.9wt%であ
り、脱硫性能も良好であった。
実施例12 実施例11と同じ高多孔質担体を用い、Fe塩の種類および
溶媒を変えて、実施例10と同様のTSC法にて試作した結
果、第9表の通りであった。
実施例13 実施例3と同様の方法であるが、酸化鉄(天然鉄鉱石)
を混合せずに造粒した白陶土の造粒物を、1300℃で2Hr
焼成して得られた担体を用い、実施例12と同様にFeCl3
/メタノール溶液系にて、TSC法で含浸・担持を行っ
た。
このサンプルのFe2O3担持量は11.95wt%で、脱硫活性も
優れており、圧潰強度としても従来の珪砂ろ過材以上で
あった。また、圧潰強度は、含浸・担持後で5.9kg、脱
硫後6.95kgと逆に強度は向上していた。
〔発明の効果〕
本発明は上記のように構成されているので、つぎのよう
な効果を奏する。
(1)本発明の方法により、脱硫反応触媒および脱塵用
ろ過材としての機能を併せ持つ石炭ガス化ガス脱硫・脱
塵剤を製造することができる。
(2)本発明の方法によれば、Fe2O3含有率を任意に制
御することができ、かつ、強度を発現・維持することが
できる石炭ガス化ガス脱硫・脱塵剤を製造することがで
きる。
(3)本発明の方法により製造された石炭ガス化ガス脱
硫・脱塵剤は、担体としての強度が十分あり、強度低下
の原因である脱硫・再生反応時のFe2O3→Fe3O4→FeSの
結晶構造変化は、担持された多孔質担体の空孔内で起こ
り、担体の構造に影響を及ぼすことはない。このため、
天然鉄鉱石を脱硫・脱塵剤として使用する場合のよう
な、強度低下および粉化が防止できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/745 C10J 3/72 F C10K 1/02 7106−4H 1/32 7106−4H (56)参考文献 特開 昭63−294944(JP,A) 特開 昭61−35821(JP,A) 特開 昭63−93347(JP,A) 特開 昭63−294943(JP,A) 特開 昭52−37589(JP,A) 特開 昭58−202041(JP,A) 特開 昭53−100184(JP,A) 特開 昭53−48984(JP,A) 特開 昭50−54584(JP,A) 特公 昭58−22246(JP,B2)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭ガス化ガスの脱硫反応に対する活性物
    質としての酸化第2鉄または酸化第2鉄を主成分とする
    天然鉄鉱石の粉末と、強度発現材としての酸化アルミニ
    ウムおよび酸化珪素、またはこれらの複合酸化物の粉末
    とを原料として、これらの原料を酸化第2鉄が10〜90重
    量%、酸化アルミニウムおよび酸化珪素、またはこれら
    の複合酸化物が90〜10重量%となるように混合した後、
    粒子径0.5〜2.0mmの範囲に造粒し、ついでこの造粒物を
    乾燥した後、圧潰強度1kg以上になるように1000〜1300
    ℃の範囲で焼成することを特徴とする石炭ガス化ガス脱
    硫・脱塵剤の製造方法。
  2. 【請求項2】酸化アルミニウムおよび酸化珪素を含む酸
    化物として、化学式がAl2O3・2SiO2・2H2Oで表わされ
    るカオリナイト質を主成分とする鉱物を用いることを特
    徴とする請求項1記載の石炭ガス化ガス脱硫・脱塵剤の
    製造方法。
  3. 【請求項3】酸化アルミニウムおよび酸化珪素を含む酸
    化物として、化学式がAl2O3・2SiO2・2H2Oで表わされ
    るカオリナイト質を主成分とする鉱物を主原料とし、カ
    オリナイト全量をムライトに変成するのに不足する分量
    のAlに相当するモル数の、B、Al、Ga、In、Tlからなる
    元素周期表IIIb族元素のうちの1種以上の化合物で、45
    ミクロン以下の平均粒子径を有する粉末を補助原料とし
    て、焼成後のムライト相以外のガラス質相結晶を微細に
    することを特徴とする請求項1記載の石炭ガス化ガス脱
    硫・脱塵剤の製造方法。
  4. 【請求項4】酸化アルミニウムおよび酸化珪素、または
    これらの複合酸化物から得られる多孔質の耐熱性無機担
    体に、塩化鉄、硝酸鉄もしくは硫酸鉄の水溶液または有
    機系溶液を酸化第2鉄が10〜90重量%、酸化アルミニウ
    ムおよび酸化珪素、またはこれらの複合酸化物が90〜10
    重量%となるように含浸担持させた後、乾燥・焼成する
    方法であって、多孔質の耐熱性無機担体として、カオリ
    ナイト系粘土、またはカオリナイト系粘土とB、Al、G
    a、In、Tlからなる元素周期表IIIb族元素の酸化物とを
    混合した粉末原料を造粒した後、乾燥・焼成し、その一
    部または全部をムライト質とした無機多孔質担体を用い
    ることを特徴とする石炭ガス化ガス脱硫・脱塵剤の製造
    方法。
  5. 【請求項5】酸化アルミニウムおよび酸化珪素、または
    これらの複合酸化物から得られる多孔質の耐熱性無機担
    体に、塩化鉄、硝酸鉄もしくは硫酸鉄の水溶液または有
    機系溶液を酸化第2鉄が10〜90重量%、酸化アルミニウ
    ムおよび酸化珪素、またはこれらの複合酸化物が90〜10
    重量%となるように含浸担持させた後、乾燥・焼成する
    方法であって、高温の水またはメタノール・アセトン・
    エタノールなどの有機系溶媒に、飽和溶解度以上まで塩
    化鉄、硝酸鉄または硫酸鉄などの鉄塩を溶解し、多孔質
    担体に含浸させた後、溶液を冷却して過飽和状態とする
    ことにより、多孔質担体の空孔に含浸された溶液から、
    担体空孔の壁面および空孔内部に晶析させた後、固液分
    離し、鉄塩を細孔内に含んだ担体を乾燥した後、焼成し
    て、担体内に含まれた鉄塩を酸化第2鉄に変成すること
    を特徴とする石炭ガス化ガス脱硫・脱塵剤の製造方法。
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