JPH07290271A - 耐孔食性のすぐれた真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシート - Google Patents
耐孔食性のすぐれた真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートInfo
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- JPH07290271A JPH07290271A JP11395494A JP11395494A JPH07290271A JP H07290271 A JPH07290271 A JP H07290271A JP 11395494 A JP11395494 A JP 11395494A JP 11395494 A JP11395494 A JP 11395494A JP H07290271 A JPH07290271 A JP H07290271A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱交換器の構造部材として用いるのに適した
すぐれた耐孔食性を有する真空ろう付け用Ａｌ合金ブレ
ージングシートを提供する。 【構成】 Ａｌ合金ブレージングシートが、Ａｌ−Ｍｎ
系合金の芯材の片面または両面に、重量％で、Ｓｉ：７
〜１３％、Ｍｇ：０．２〜２％、Ｚｎ：０．５〜３％、
を含有し、必要に応じてＢｉ：０．０１〜０．３％およ
び／またはＢｅ：０．０００１〜０．００２％、を含有
し、残りがＡｌと不純物からなる組成のＡｌ合金のろう
材と、Ｓｉ：１．７〜１３％を含有し、必要に応じてＢ
ｉ：０．０１〜０．３％、Ｂｅ：０．０００１〜０．０
０２％、およびＭｇ：０．２〜２％のうちの１種または
２種以上を含有し、残りがＡｌと不純物からなる組成の
Ａｌ合金のＺｎ蒸発抑制材とを重ねてクラッドしたもの
からなる。
すぐれた耐孔食性を有する真空ろう付け用Ａｌ合金ブレ
ージングシートを提供する。 【構成】 Ａｌ合金ブレージングシートが、Ａｌ−Ｍｎ
系合金の芯材の片面または両面に、重量％で、Ｓｉ：７
〜１３％、Ｍｇ：０．２〜２％、Ｚｎ：０．５〜３％、
を含有し、必要に応じてＢｉ：０．０１〜０．３％およ
び／またはＢｅ：０．０００１〜０．００２％、を含有
し、残りがＡｌと不純物からなる組成のＡｌ合金のろう
材と、Ｓｉ：１．７〜１３％を含有し、必要に応じてＢ
ｉ：０．０１〜０．３％、Ｂｅ：０．０００１〜０．０
０２％、およびＭｇ：０．２〜２％のうちの１種または
２種以上を含有し、残りがＡｌと不純物からなる組成の
Ａｌ合金のＺｎ蒸発抑制材とを重ねてクラッドしたもの
からなる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、特に熱交換器を真空
ろう付けにより製造するに際して、これの構造部材とし
て用いた場合にすぐれた耐孔食性を発揮するＡｌ合金ブ
レージングシートに関するものである。
ろう付けにより製造するに際して、これの構造部材とし
て用いた場合にすぐれた耐孔食性を発揮するＡｌ合金ブ
レージングシートに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、一般に、例えば自動車のラジエー
タやエアコンなどの熱交換器が、少なくともいずれかが
Ａｌ合金ブレージングシートより形成された管材および
フィン材、さらにヘッダープレートなどの構造部材を所
定の形状に組み立て、これを前記Ａｌ合金ブレージング
シートを構成するろう材の作用で真空ろう付けすること
により製造されることは良く知られるところである。ま
た、上記Ａｌ合金ブレージングシートとして、Ａｌ−Ｍ
ｎ系合金の芯材の片面または両面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金
のろう材をクラッドしたものが知られている。さらに、
上記Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材に、合金成分としてＭｇ
およびＺｎを含有せしめて、ろう材の酸化防止をはかる
と共に、これに芯材に対する犠牲陽極効果を付与せしめ
たＡｌ合金ブレージングシートも提案されている。
タやエアコンなどの熱交換器が、少なくともいずれかが
Ａｌ合金ブレージングシートより形成された管材および
フィン材、さらにヘッダープレートなどの構造部材を所
定の形状に組み立て、これを前記Ａｌ合金ブレージング
シートを構成するろう材の作用で真空ろう付けすること
により製造されることは良く知られるところである。ま
た、上記Ａｌ合金ブレージングシートとして、Ａｌ−Ｍ
ｎ系合金の芯材の片面または両面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金
のろう材をクラッドしたものが知られている。さらに、
上記Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材に、合金成分としてＭｇ
およびＺｎを含有せしめて、ろう材の酸化防止をはかる
と共に、これに芯材に対する犠牲陽極効果を付与せしめ
たＡｌ合金ブレージングシートも提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のＡｌ−
Ｓｉ系合金にＭｇおよびＺｎを含有させたＡｌ−Ｓｉ−
Ｍｇ−Ｚｎ系合金のろう材をクラッドしてなる従来Ａｌ
合金ブレージングシートにおいては、熱交換器への組み
立てろう付け時に昇温時からＺｎ蒸発が始まり、ろう付
け後の熱交換器構造部材は、Ｚｎ減少による犠牲陽極効
果の低下は避けられず、孔食が発生し易くなるのが現状
である。
Ｓｉ系合金にＭｇおよびＺｎを含有させたＡｌ−Ｓｉ−
Ｍｇ−Ｚｎ系合金のろう材をクラッドしてなる従来Ａｌ
合金ブレージングシートにおいては、熱交換器への組み
立てろう付け時に昇温時からＺｎ蒸発が始まり、ろう付
け後の熱交換器構造部材は、Ｚｎ減少による犠牲陽極効
果の低下は避けられず、孔食が発生し易くなるのが現状
である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記の従来Ａｌ合金ブレージン
グシートに着目し、これの真空ろう付け時のＺｎ蒸発を
抑制すべく研究を行なった結果、Ａｌ合金ブレージング
シートを構成するろう材を、重量％で（以下、％は重量
％を示す）、Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．
２〜３％、Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、さらに必要
に応じて、Ｂｉ：０．０１〜０．３％および／またはＢ
ｅ：０．０００１〜０．００２％、を含有し、残りがＡ
ｌと不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金に特定
した上で、これの上に、Ｓｉ：１．７〜１３％、を含有
し、さらに必要に応じて、（ａ） Ｂｉ：０．０１〜
０．３％および／またはＢｅ：０．０００１〜０．００
２％、（ｂ） Ｍｇ：０．２〜２％、上記（ａ）および
／または（ｂ）、を含有し、残りがＡｌと不可避不純物
からなる組成を有するＡｌ合金をクラッドすると、これ
が、ろう付け温度への昇温過程での上記ろう材からのＺ
ｎ蒸発を阻止すると共に、ろう付け加熱温度ではろう材
の溶融に遅れて溶融して自からもろう付けに作用するこ
とから、前記ろう材のＺｎ含有量がほとんど変らずに維
持された状態で、強固なろう付けを満足に行なうことが
できるようになるという研究結果を得たのである。
上述のような観点から、上記の従来Ａｌ合金ブレージン
グシートに着目し、これの真空ろう付け時のＺｎ蒸発を
抑制すべく研究を行なった結果、Ａｌ合金ブレージング
シートを構成するろう材を、重量％で（以下、％は重量
％を示す）、Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．
２〜３％、Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、さらに必要
に応じて、Ｂｉ：０．０１〜０．３％および／またはＢ
ｅ：０．０００１〜０．００２％、を含有し、残りがＡ
ｌと不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金に特定
した上で、これの上に、Ｓｉ：１．７〜１３％、を含有
し、さらに必要に応じて、（ａ） Ｂｉ：０．０１〜
０．３％および／またはＢｅ：０．０００１〜０．００
２％、（ｂ） Ｍｇ：０．２〜２％、上記（ａ）および
／または（ｂ）、を含有し、残りがＡｌと不可避不純物
からなる組成を有するＡｌ合金をクラッドすると、これ
が、ろう付け温度への昇温過程での上記ろう材からのＺ
ｎ蒸発を阻止すると共に、ろう付け加熱温度ではろう材
の溶融に遅れて溶融して自からもろう付けに作用するこ
とから、前記ろう材のＺｎ含有量がほとんど変らずに維
持された状態で、強固なろう付けを満足に行なうことが
できるようになるという研究結果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の片面
または両面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材をクラッドし
てなる真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートにお
いて、上記ろう材を、Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍ
ｇ：０．２〜３％、Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、さ
らに必要に応じて、Ｂｉ：０．０１〜０．３％および／
またはＢｅ：０．０００１〜０．００２％、を含有し、
残りがＡｌと不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合
金で構成すると共に、このろう材の上に、Ｓｉ：１．７
〜１３％、を含有し、さらに必要に応じて、（ａ） Ｂ
ｉ：０．０１〜０．３％および／またはＢｅ：０．００
０１〜０．００２％、（ｂ） Ｍｇ：０．２〜２％、上
記（ａ）および／または（ｂ）、を含有し、残りがＡｌ
と不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金（以下、
Ｚｎ蒸発抑制材という）をクラッドしてなる、耐孔食の
すぐれた真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートに
特徴を有するものである。
なされたものであって、Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の片面
または両面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材をクラッドし
てなる真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートにお
いて、上記ろう材を、Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍ
ｇ：０．２〜３％、Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、さ
らに必要に応じて、Ｂｉ：０．０１〜０．３％および／
またはＢｅ：０．０００１〜０．００２％、を含有し、
残りがＡｌと不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合
金で構成すると共に、このろう材の上に、Ｓｉ：１．７
〜１３％、を含有し、さらに必要に応じて、（ａ） Ｂ
ｉ：０．０１〜０．３％および／またはＢｅ：０．００
０１〜０．００２％、（ｂ） Ｍｇ：０．２〜２％、上
記（ａ）および／または（ｂ）、を含有し、残りがＡｌ
と不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金（以下、
Ｚｎ蒸発抑制材という）をクラッドしてなる、耐孔食の
すぐれた真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートに
特徴を有するものである。
【０００６】つぎに、この発明のＡｌ合金ブレージング
シートにおいて、これを構成するろう材およびＺｎ蒸発
抑制材の成分組成を上記の通りに限定した理由を説明す
る。 Ａ． ろう材 （ａ） Ｓｉ Ｓｉ成分には、融点を下げ、流動性を付与せしめてろう
付けを可能ならしめる作用があるが、その含有量が７％
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その含
有量が１３％を越えると流動性の低下が起るようになる
ことから、その含有量を７〜１３％と定めた。
シートにおいて、これを構成するろう材およびＺｎ蒸発
抑制材の成分組成を上記の通りに限定した理由を説明す
る。 Ａ． ろう材 （ａ） Ｓｉ Ｓｉ成分には、融点を下げ、流動性を付与せしめてろう
付けを可能ならしめる作用があるが、その含有量が７％
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その含
有量が１３％を越えると流動性の低下が起るようになる
ことから、その含有量を７〜１３％と定めた。
【０００７】（ｂ） Ｍｇ Ｍｇ成分には、雰囲気中に含有する酸化性ガスと反応し
て、ろう材が酸化するのを防止し、もってろう付け強度
の低下を抑制する作用があるが、その含有量が０．２％
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その含
有量が３％を越えると犠牲陽極効果が損なわれるように
なることから、その含有量を０．２〜３％と定めた。な
お、望ましくは０．５〜１．５％の含有がよい。
て、ろう材が酸化するのを防止し、もってろう付け強度
の低下を抑制する作用があるが、その含有量が０．２％
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その含
有量が３％を越えると犠牲陽極効果が損なわれるように
なることから、その含有量を０．２〜３％と定めた。な
お、望ましくは０．５〜１．５％の含有がよい。
【０００８】（ｃ） Ｚｎ Ｚｎ成分には、素地に固溶して、これを電気化学的に卑
にし、もって芯材に比して相対的に低い電位とすること
により犠牲陽極効果を発揮せしめて、芯材を防食する作
用があるが、その含有量が０．５％未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方その含有量が３％を越える
と、腐食進行が促進されるようになることから、その含
有量を０．５〜３％と定めた。なお、望ましくは１〜２
％の含有がよい。
にし、もって芯材に比して相対的に低い電位とすること
により犠牲陽極効果を発揮せしめて、芯材を防食する作
用があるが、その含有量が０．５％未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方その含有量が３％を越える
と、腐食進行が促進されるようになることから、その含
有量を０．５〜３％と定めた。なお、望ましくは１〜２
％の含有がよい。
【０００９】（ｄ） ＢｉおよびＢｅ これらの成分には、ろうの流動性を高めてろう付け性を
一段と向上させる作用があるので、必要に応じて含有さ
せるが、その含有量がそれぞれＢｉ：０．０１％未満お
よびＢｅ：０．０００１％未満では所望のろう付け性向
上効果が得られず、一方その含有量がＢｉ：０．３％お
よびＢｅ：０．００２％を越えても作用が飽和し、より
一段の向上効果が現われないことから、その含有量をそ
れぞれＢｉ：０．０１〜０．３％、Ｂｅ：０．０００１
〜０．００２％と定めた。なお、望ましくは、Ｂｉ：
０．０５〜０．１５％、Ｂｅ：０．０００５〜０．００
１５％の含有がよい。
一段と向上させる作用があるので、必要に応じて含有さ
せるが、その含有量がそれぞれＢｉ：０．０１％未満お
よびＢｅ：０．０００１％未満では所望のろう付け性向
上効果が得られず、一方その含有量がＢｉ：０．３％お
よびＢｅ：０．００２％を越えても作用が飽和し、より
一段の向上効果が現われないことから、その含有量をそ
れぞれＢｉ：０．０１〜０．３％、Ｂｅ：０．０００１
〜０．００２％と定めた。なお、望ましくは、Ｂｉ：
０．０５〜０．１５％、Ｂｅ：０．０００５〜０．００
１５％の含有がよい。
【００１０】Ｂ． Ｚｎ蒸発抑制材 （ａ） Ｓｉ Ａｌ−Ｓｉ２元状態図で、Ｓｉ：約１２％含有の点に共
晶点があり、したがってＳｉ含有量の変化が共晶点付近
であれば溶融温度の変化は相対的に小さく、むしろ上記
Ｚｎ蒸発抑制材が合金成分としてＺｎを含有しない点
で、これを含有する上記ろう材に比して高い溶融温度を
もつようになる。したがって、Ｓｉ成分には、ろう付け
温度で上記Ｚｎ蒸発抑制材を上記ろう材に遅れて溶融さ
せ、この間前記Ｚｎ蒸発抑制材が上記ろう材からのＺｎ
の蒸発およびろう材の酸化を防止すると共に、先に溶融
したろう材と一緒になってろう付けに加わるようになる
作用があるが、その含有量が１．７％未満ではろう付け
温度での前記Ｚｎ蒸発抑制材の流動性が低く、ろう付け
が阻害されるようになり、一方その含有量が１３％を越
えても同様に流動性が低下するようになることから、そ
の含有量を１．７〜１３％と定めた。なお、望ましくは
２〜１０％の含有がよい。
晶点があり、したがってＳｉ含有量の変化が共晶点付近
であれば溶融温度の変化は相対的に小さく、むしろ上記
Ｚｎ蒸発抑制材が合金成分としてＺｎを含有しない点
で、これを含有する上記ろう材に比して高い溶融温度を
もつようになる。したがって、Ｓｉ成分には、ろう付け
温度で上記Ｚｎ蒸発抑制材を上記ろう材に遅れて溶融さ
せ、この間前記Ｚｎ蒸発抑制材が上記ろう材からのＺｎ
の蒸発およびろう材の酸化を防止すると共に、先に溶融
したろう材と一緒になってろう付けに加わるようになる
作用があるが、その含有量が１．７％未満ではろう付け
温度での前記Ｚｎ蒸発抑制材の流動性が低く、ろう付け
が阻害されるようになり、一方その含有量が１３％を越
えても同様に流動性が低下するようになることから、そ
の含有量を１．７〜１３％と定めた。なお、望ましくは
２〜１０％の含有がよい。
【００１１】（ｂ） Ｍｇ Ｍｇ成分には、ろう材におけるＭｇ成分と同様に雰囲気
の酸化性ガスと反応して、Ｚｎ蒸発抑制材の酸化を防止
する作用があるので、必要に応じて含有されるが、その
含有量が０．２％未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方その含有量が２％を越えると、電位が上昇し
て犠牲陽極効果が損なわれるようになることから、その
含有量を０．２〜２％と定めた。なお、望ましくは０．
５〜１５％の含有がよい。
の酸化性ガスと反応して、Ｚｎ蒸発抑制材の酸化を防止
する作用があるので、必要に応じて含有されるが、その
含有量が０．２％未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方その含有量が２％を越えると、電位が上昇し
て犠牲陽極効果が損なわれるようになることから、その
含有量を０．２〜２％と定めた。なお、望ましくは０．
５〜１５％の含有がよい。
【００１２】（ｃ） ＢｉおよびＢｅ これらの成分には、ろう材におけると同様にろう付け温
度での流動性を高め、もってろう付け性の向上に寄与す
る作用があるので、必要に応じて含有されるが、その含
有量がそれぞれＢｉ：０．０１％未満およびＢｅ：０．
０００１％未満では所望のろう付け性向上効果が得られ
ず、一方その含有量がそれぞれＢｉ：０．３％およびＢ
ｅ：０．００２％を越えてもより一層の向上効果が得ら
れないことから、その含有量をＢｉ：０．０１〜０．３
％、Ｂｅ：０．０００１〜０．００２％と定めた。な
お、望ましくはＢｉ：０．０５〜０．１５％、Ｂｅ：
０．０００５〜０．００１５％の含有がよい。
度での流動性を高め、もってろう付け性の向上に寄与す
る作用があるので、必要に応じて含有されるが、その含
有量がそれぞれＢｉ：０．０１％未満およびＢｅ：０．
０００１％未満では所望のろう付け性向上効果が得られ
ず、一方その含有量がそれぞれＢｉ：０．３％およびＢ
ｅ：０．００２％を越えてもより一層の向上効果が得ら
れないことから、その含有量をＢｉ：０．０１〜０．３
％、Ｂｅ：０．０００１〜０．００２％と定めた。な
お、望ましくはＢｉ：０．０５〜０．１５％、Ｂｅ：
０．０００５〜０．００１５％の含有がよい。
【００１３】なお、この発明のＡｌ合金ブレージングシ
ートを構成する上記Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材としては、
Ｍｎ：０．７〜２％、を含有し、さらに必要に応じて、
上記のＭｎ成分による強度付与に加えて、さらに一段の
強度向上をはかる目的で、Ｍｇ：０．１〜５％、
Ｓｉ：０．３〜２％、Ｃｕ：０．０１〜０．２％、
Ｚｒ：０．０５〜０．２５％、Ｔｉ：０．０５〜
０．２５％、 Ｖ：０．０５〜０．２５％、Ｃｒ：０．
０５〜０．２５％、 Ｆｅ：０．５〜１．５％、のうち
の１種または２種以上、を含有し、残りがＡｌと不可避
不純物からなる組成を有するＡｌ−Ｍｎ系合金で構成す
るのが望ましい。
ートを構成する上記Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材としては、
Ｍｎ：０．７〜２％、を含有し、さらに必要に応じて、
上記のＭｎ成分による強度付与に加えて、さらに一段の
強度向上をはかる目的で、Ｍｇ：０．１〜５％、
Ｓｉ：０．３〜２％、Ｃｕ：０．０１〜０．２％、
Ｚｒ：０．０５〜０．２５％、Ｔｉ：０．０５〜
０．２５％、 Ｖ：０．０５〜０．２５％、Ｃｒ：０．
０５〜０．２５％、 Ｆｅ：０．５〜１．５％、のうち
の１種または２種以上、を含有し、残りがＡｌと不可避
不純物からなる組成を有するＡｌ−Ｍｎ系合金で構成す
るのが望ましい。
【００１４】
【実施例】つぎに、この発明のＡｌ合金ブレージングシ
ートを実施例により具体的に説明する。通常の溶解法に
より表１〜３に示される成分組成をもった芯材用Ａｌ合
金、ろう材用Ａｌ合金、およびＺｎ蒸発抑制材用Ａｌ合
金をそれぞれ溶製し、鋳造して鋳塊とし、以下いずれも
通常の条件で、均質化熱処理を施した後、熱間圧延にて
板厚：８mmの熱延板とし、さらにろう材用およびＺｎ蒸
発抑制材用熱延板に対しては冷間圧延を施して、所定厚
さの冷延板とし、この状態で前記芯材用熱延板、ろう材
用冷延板、およびＺｎ蒸発抑制材用冷延板を表４〜７に
示される組み合せにしたがって重ね合わせ、熱間圧延に
てクラッドし、引続いて冷間圧延を施すことにより同じ
く表４〜７に示される厚さ構成の本発明Ａｌ合金ブレー
ジングシート１〜２０、および上記Ｚｎ蒸発抑制材をク
ラッドしない従来Ａｌ合金ブレージングシート１〜２０
をそれぞれ製造した。
ートを実施例により具体的に説明する。通常の溶解法に
より表１〜３に示される成分組成をもった芯材用Ａｌ合
金、ろう材用Ａｌ合金、およびＺｎ蒸発抑制材用Ａｌ合
金をそれぞれ溶製し、鋳造して鋳塊とし、以下いずれも
通常の条件で、均質化熱処理を施した後、熱間圧延にて
板厚：８mmの熱延板とし、さらにろう材用およびＺｎ蒸
発抑制材用熱延板に対しては冷間圧延を施して、所定厚
さの冷延板とし、この状態で前記芯材用熱延板、ろう材
用冷延板、およびＺｎ蒸発抑制材用冷延板を表４〜７に
示される組み合せにしたがって重ね合わせ、熱間圧延に
てクラッドし、引続いて冷間圧延を施すことにより同じ
く表４〜７に示される厚さ構成の本発明Ａｌ合金ブレー
ジングシート１〜２０、および上記Ｚｎ蒸発抑制材をク
ラッドしない従来Ａｌ合金ブレージングシート１〜２０
をそれぞれ製造した。
【００１５】ついで、この結果得られた各種のＡｌ合金
ブレージングシートから試験片を切り出し、この試験片
を真空ろう付け処理に相当する条件、すなわち１０-4to
rrの真空中、温度：６００℃に５分間保持後空冷の条件
で加熱した状態で、常温の３．５％ＮａＣｌ溶液中で前
記加熱で溶融した部分、すなわち芯材を除くろう材とＺ
ｎ蒸発抑制材部分、並びにろう材部分の孔食電位を測定
し、さらに１ppm のＣｕ++イオンを含有した４０℃の水
道水中に６週間浸漬の水道水浸漬試験、並びに３０００
時間の塩水噴霧試験を行ない、最大孔食深さを測定し
た。これらの測定結果を表４〜５に示した。
ブレージングシートから試験片を切り出し、この試験片
を真空ろう付け処理に相当する条件、すなわち１０-4to
rrの真空中、温度：６００℃に５分間保持後空冷の条件
で加熱した状態で、常温の３．５％ＮａＣｌ溶液中で前
記加熱で溶融した部分、すなわち芯材を除くろう材とＺ
ｎ蒸発抑制材部分、並びにろう材部分の孔食電位を測定
し、さらに１ppm のＣｕ++イオンを含有した４０℃の水
道水中に６週間浸漬の水道水浸漬試験、並びに３０００
時間の塩水噴霧試験を行ない、最大孔食深さを測定し
た。これらの測定結果を表４〜５に示した。
【００１６】
【表１】
【００１７】
【表２】
【００１８】
【表３】
【００１９】
【表４】
【００２０】
【表５】
【００２１】
【表６】
【００２２】
【表７】
【００２３】
【発明の効果】表４〜７に示される結果から、本発明Ａ
ｌ合金ブレージングシート１〜２０は、いずれもＺｎ蒸
発抑制材の作用で、ろう付け処理時におけるろう材から
のＺｎの蒸発が著しく抑制されるので、前記Ｚｎ蒸発抑
制材のクラッドがなく、このためろう付け処理における
ろう材中のＺｎの蒸発が著しく、この結果ろう材の電位
が上昇し、芯材に孔食の発生が避けられない従来Ａｌ合
金ブレージングシート１〜２０に比して、ろう材の電位
が相対的に卑の状態に保持されることから、前記ろう材
およびＺｎ蒸発抑制材が芯材をよく防食して孔食の発生
を防止することが明らかである。上述のように、この発
明の真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートは、真
空ろう付け処理時におけるろう材からのＺｎ蒸発が良好
なろう付け状態を保持したままで著しく抑制されるの
で、前記Ｚｎ蒸発抑制材を含むろう材の芯材に対する電
位が常に卑の状態に保持されることから、芯材に対する
犠牲陽極効果が十分に発揮され、芯材をよく防食するな
ど工業上有用な効果をもたらすものである。
ｌ合金ブレージングシート１〜２０は、いずれもＺｎ蒸
発抑制材の作用で、ろう付け処理時におけるろう材から
のＺｎの蒸発が著しく抑制されるので、前記Ｚｎ蒸発抑
制材のクラッドがなく、このためろう付け処理における
ろう材中のＺｎの蒸発が著しく、この結果ろう材の電位
が上昇し、芯材に孔食の発生が避けられない従来Ａｌ合
金ブレージングシート１〜２０に比して、ろう材の電位
が相対的に卑の状態に保持されることから、前記ろう材
およびＺｎ蒸発抑制材が芯材をよく防食して孔食の発生
を防止することが明らかである。上述のように、この発
明の真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートは、真
空ろう付け処理時におけるろう材からのＺｎ蒸発が良好
なろう付け状態を保持したままで著しく抑制されるの
で、前記Ｚｎ蒸発抑制材を含むろう材の芯材に対する電
位が常に卑の状態に保持されることから、芯材に対する
犠牲陽極効果が十分に発揮され、芯材をよく防食するな
ど工業上有用な効果をもたらすものである。
Claims (8)
- 【請求項１】 Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の片面または両
面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材をクラッドしてなる真
空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートにおいて、 上記ろう材を、重量％で、 Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．２〜２％、 Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなる組成を有するＡｌ合金で構成すると共に、
このろう材の上に、さらに、重量％で、 Ｓｉ：１．７〜１３％、を含有し、残りがＡｌと不可避
不純物からなる組成を有するＡｌ合金のＺｎ蒸発抑制材
をクラッドしてなる、耐孔食性のすぐれた真空ろう付け
用Ａｌ合金ブレージングシート。 - 【請求項２】 Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の片面または両
面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材をクラッドしてなる真
空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートにおいて、 上記ろう材を、重量％で、 Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．２〜２％、 Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、さらに、 Ｂｉ：０．０１〜０．３％、 Ｂｅ：０．０００１〜
０．００２％、のうちの１種または２種、を含有し、残
りがＡｌと不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金
で構成すると共に、このろう材の上に、さらに、重量％
で、 Ｓｉ：１．７〜１３％、を含有し、残りがＡｌと不可避
不純物からなる組成を有するＡｌ合金のＺｎ蒸発抑制材
をクラッドしてなる、耐孔食性のすぐれた真空ろう付け
用Ａｌ合金ブレージングシート。 - 【請求項３】 Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の片面または両
面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材をクラッドしてなる真
空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートにおいて、 上記ろう材を、重量％で、 Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．２〜２％、 Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなる組成を有するＡｌ合金で構成すると共に、
このろう材の上に、さらに、重量％で、 Ｓｉ：１．７〜１３％、を含有し、さらに、 Ｍｇ：０．２〜２％、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなる組成を有するＡｌ合金のＺｎ蒸発抑制材を
クラッドしてなる、耐孔食性のすぐれた真空ろう付け用
Ａｌ合金ブレージングシート。 - 【請求項４】 Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の片面または両
面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材をクラッドしてなる真
空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートにおいて、 上記ろう材を、重量％で、 Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．２〜２％、 Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、さらに、 Ｂｉ：０．０１〜０．３％、 Ｂｅ：０．０００１〜
０．００２％、のうちの１種または２種、を含有し、残
りがＡｌと不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金
で構成すると共に、このろう材の上に、さらに、重量％
で、 Ｓｉ：１．７〜１３％、を含有し、さらに、 Ｍｇ：０．２〜２％、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなる組成を有するＡｌ合金のＺｎ蒸発抑制材を
クラッドしてなる、耐孔食性のすぐれた真空ろう付け用
Ａｌ合金ブレージングシート。 - 【請求項５】 Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の片面または両
面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材をクラッドしてなる真
空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートにおいて、 上記ろう材を、重量％で、 Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．２〜２％、 Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなる組成を有するＡｌ合金で構成すると共に、
このろう材の上に、さらに、重量％で、 Ｓｉ：１．７〜１３％、を含有し、さらに、 Ｂｉ：０．０１〜０．３％、 Ｂｅ：０．０００１〜
０．００２％、のうちの１種または２種、を含有し、残
りがＡｌと不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金
のＺｎ蒸発抑制材をクラッドしてなる、耐孔食性のすぐ
れた真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシート。 - 【請求項６】 Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の片面または両
面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材をクラッドしてなる真
空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートにおいて、 上記ろう材を、重量％で、 Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．２〜２％、 Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、さらに、 Ｂｉ：０．０１〜０．３％、 Ｂｅ：０．０００１〜
０．００２％、のうちの１種または２種、を含有し、残
りがＡｌと不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金
で構成すると共に、このろう材の上に、さらに、重量％
で、 Ｓｉ：１．７〜１３％、を含有し、さらに、 Ｂｉ：０．０１〜０．３％、 Ｂｅ：０．０００１〜
０．００２％、のうちの１種または２種、を含有し、残
りがＡｌと不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金
のＺｎ蒸発抑制材をクラッドしてなる、耐孔食性のすぐ
れた真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシート。 - 【請求項７】 Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の片面または両
面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材をクラッドしてなる真
空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートにおいて、 上記ろう材を、重量％で、 Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．２〜２％、 Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなる組成を有するＡｌ合金で構成すると共に、
このろう材の上に、さらに、重量％で、 Ｓｉ：１．７〜１３％、を含有し、さらに、 Ｂｉ：０．０１〜０．３％、 Ｂｅ：０．０００１〜
０．００２％、のうちの１種または２種と、 Ｍｇ：０．２〜２％、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなる組成を有するＡｌ合金のＺｎ蒸発抑制材を
クラッドしてなる、耐孔食性のすぐれた真空ろう付け用
Ａｌ合金ブレージングシート。 - 【請求項８】 Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の片面または両
面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金のろう材をクラッドしてなる真
空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシートにおいて、 上記ろう材を、重量％で、 Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．２〜２％、 Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し、さらに、 Ｂｉ：０．０１〜０．３％、 Ｂｅ：０．０００１〜
０．００２％のうちの１種または２種、を含有し、残り
がＡｌと不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金で
構成すると共に、このろう材の上に、さらに、重量％
で、 Ｓｉ：１．７〜１３％、を含有し、さらに、 Ｂｉ：０．０１〜０．３％、 Ｂｅ：０．０００１〜
０．００２％、のうちの１種または２種と、 Ｍｇ：０．２〜２％、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなる組成を有するＡｌ合金のＺｎ蒸発抑制材を
クラッドしてなる、耐孔食性のすぐれた真空ろう付け用
Ａｌ合金ブレージングシート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11395494A JPH07290271A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 耐孔食性のすぐれた真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11395494A JPH07290271A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 耐孔食性のすぐれた真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07290271A true JPH07290271A (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=14625375
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11395494A Pending JPH07290271A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 耐孔食性のすぐれた真空ろう付け用Ａｌ合金ブレージングシート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07290271A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012236201A (ja) * | 2011-05-10 | 2012-12-06 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | アルミニウム合金製ブレージングシート |
| JP2013505135A (ja) * | 2009-09-17 | 2013-02-14 | エスアーペーアー・ヒート・トランスファー・アーベー | アルミニウムブレージングシート |
| JP5456920B1 (ja) * | 2013-02-18 | 2014-04-02 | 株式会社Ｕａｃｊ | 無フラックスろう付け用ブレージングシート |
-
1994
- 1994-04-28 JP JP11395494A patent/JPH07290271A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013505135A (ja) * | 2009-09-17 | 2013-02-14 | エスアーペーアー・ヒート・トランスファー・アーベー | アルミニウムブレージングシート |
| JP2012236201A (ja) * | 2011-05-10 | 2012-12-06 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | アルミニウム合金製ブレージングシート |
| JP5456920B1 (ja) * | 2013-02-18 | 2014-04-02 | 株式会社Ｕａｃｊ | 無フラックスろう付け用ブレージングシート |
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