JPH0728995U

JPH0728995U - 刺繍枠

Info

Publication number: JPH0728995U
Application number: JP6361393U
Authority: JP
Inventors: 郁夫田島; 明彦伏見
Original assignee: Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
Current assignee: Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
Priority date: 1993-11-01
Filing date: 1993-11-01
Publication date: 1995-05-30

Abstract

(57)【要約】【目的】被刺繍布を取付けるに際して、該被刺繍布に
傷を付けたり、被刺繍布に刺繍枠への取付跡を付けてし
まうことのない刺繍枠を提供する。【構成】被刺繍布ａを保持する環状部を有する第１保
持体１,１０,２０,３０と、弾性部材からなり前記第１
保持体１,１０,２０,３０の内側に弾性変形を伴って嵌
装される環状の第２保持体２とから構成したことを特徴
とする刺繍枠。【効果】被刺繍布が第２保持体の弾性復元力によって
第１保持体に保持されるため、従来の刺繍枠のように被
刺繍布の取付けの際に被刺繍布に傷を付けたり、被刺繍
布に刺繍枠への取付跡を付けてしまう畏れがない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、刺繍ミシンにより被刺繍布に所要の刺繍を施す際に、被刺繍布を張設して該ミシンの刺繍枠駆動部に取付けるための刺繍枠に関するものである。

【０００２】

【従来技術】

刺繍ミシンに使用される刺繍枠は、一般に環状の内枠と、該内枠の外側に被刺繍布を介して嵌着される同じく環状の外枠とから構成される。この外枠は、環状をなす本体の一部で切り離されており、その対向し合う開放端に設けた調節ねじを調整することによって周方向の長さ変更が可能で、これにより被刺繍布の厚さの大小に対応可能となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

先に述べた従来技術に係る刺繍枠では、被刺繍布を内枠の外周面と、外枠の内周面との間で挟み付けることで刺繍枠に固定するようになっている。このため被刺繍布が編成された生地のように生地質が柔らかく、かつ生地厚が大きいものの場合は、これを刺繍枠に固定する際に該生地が損傷する欠点がある。また刺繍が終了した後に該刺繍枠から取り外された被刺繍布には、容易には回復不能な「くせ」が付いてしまう欠点が指摘される。

【０００４】

【考案の目的】

この考案は、従来技術に係る刺繍枠に内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、被刺繍布の取付けの際に該被刺繍布に傷を付けたり、被刺繍布に刺繍枠への取付跡を付けてしまうことのない刺繍枠を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため本考案に係る刺繍枠は、被刺繍布を保持する環状部を有する第１保持体と、弾性部材からなり前記第１保持体の内側に弾性変形を伴って嵌装される環状の第２保持体とから構成したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

被刺繍布は、第２保持体の弾性復元力により第１保持体の内周面に押さえ付けられることで刺繍枠に確実に固定される。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案に係る刺繍枠につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。図１は、第１保持体１と第２保持体２および被刺繍布ａを斜視状態で示したものである。第１保持体１は、合成樹脂を材質として環状に成形されており、容易には変形しない程度の剛性を有している。この第１保持体１は、断面形状が略矩形をなしており、その内周面が被刺繍布ａの保持面１ａとして機能するようになっている。

【０００８】第２保持体２は、図２に拡大して示すように、例えば所定幅を有するばね鋼製の線材を所定長さに切断したものを、その弾力に抗しつつ環状に回曲して両端同士を突合わせ、突合い部をクランプ片として機能する結合部材２ａで圧着して連結するようになっている。また本実施例では、更に第２保持体２の外側全周に、発砲性ポリウレタン等からなる滑り止め帯２ｂが接着剤で貼付けられている。この第２保持体２は、外力を加えない自由状態の下で、その弾性復元力によって平面略円形の形状を保持している。その自由状態下における第２保持体２の前記第１保持体１に対する大きさは、図３に二点鎖線で示すように、直径が第１保持体１の対辺の内法より少し大きい程度に設定してある。

【０００９】前記第１保持体１および第２保持体２からなる刺繍枠に、所要の被刺繍布ａを取付けるときは、先ず第１保持体１の上に被刺繍布ａを被せて載せ、次に第２保持体２を該第１保持体１の内側に嵌装する。その際に、第２保持体２を弾力に抗して内側方向に変形させつつ第１保持体１の内側に入れた後に開放することによって、図３(被刺繍布ａは省略してある)および図４に示すように、第２保持体２が第１保持体１の内側に被刺繍布ａを介して弾力的に嵌装される。これにより被刺繍布ａは、第１保持体１の保持面１ａと第２保持体２の外周面との間で確実に保持される。

【００１０】前記したところで、第１保持体１における四つの隅部に関しては、その保持面１ａに第２保持体２の外周面が当接していないために、これらの部分では被刺繍布ａが保持されないことになるが、被刺繍布ａはこれら以外の部分における保持力により十分に保持されるものであって、刺繍を行なう上で何等支障のないことが実験的に確かめられている。本実施例で、被刺繍布ａを刺繍枠に取付けるため第２保持体２を第１保持体１に嵌装する際に、該被刺繍布ａを第１保持体１との間で強く擦り付けることがないので、この被刺繍布ａがセーター等の編成生地であっても、従来の外枠と内枠とからなる刺繍枠のように生地に損傷を与えることがなく、また被刺繍布ａを必要以上に強く張り過ぎることもない。更に被刺繍布ａは、第１保持体１の保持面１ａに対して第２保持体２により弾力的に押さえられているため、従来の刺繍枠のように被刺繍布ａに回復不可能なくせが付いてしまう不都合な事態は生じない。

【００１１】前記の実施例においては、第１保持体１として平面略方形をなすものを例に挙げたが、夫々他の形状をなす第１保持体１０,２０を、図５および図６に示す。図５に示す第１保持体１０は、平面円形をなすものであって、これに対する第２保持体２の自由状態下での大きさが二点鎖線で示されている。図から明らかなように、第２保持体２の外径が第１保持体１０の内径よりも少し大きく設定されている。そして第２保持体２を第１保持体１０に装着する際には、図に実線で例示するように、その一部が反対側へ屈曲して反ることで、第２保持体２の第１保持体１０への嵌装が行なわれるものである。

【００１２】図６に示す第１保持体２０は、平面において略楕円形をなすものであり、これに対する第２保持体２の自由状態下での大きさが二点鎖線で示されている。図から明らかなように、第２保持体２の外径が第１保持体２０の短軸部の内径よりも少し大きく設定されている。そして第２保持体２を第１保持体２０に装着する際には、図に実線で例示するように、その一部が第１保持体２０の長軸方向に膨らんで逃げることで第２保持体２の第１保持体１０への嵌装が行なわれる。

【００１３】次に、図７及至図９に基づいて、変形例になる第１保持体を用いた他の実施例について説明する。本実施例の第１保持体３０は、内枠３０ａと外枠３０ｂとからなる従来の刺繍枠に、被刺繍布を補強するための紙やビニールシートからなる芯地３０ｃを張設したものである。すなわち外枠３０ｂの上に芯地３０ｃを被せて載せ、この外枠３０ｂの内側に内枠３０ａを嵌装することによって構成される。この第１保持体３０においては、その内枠３０ａの内周面が保持面３１となっている。この第１保持体３０に用いる第２保持体２は、前記実施例のものと同一であり、その大きさは内枠３０ａの最小径よりも少し大きく設定されている。この刺繍枠に被刺繍布ａを取付ける方法は、前記実施例に述べたのと同様である。

【００１４】本実施例においては、被刺繍布ａが芯地３０ｃの上面により支えられるため、被刺繍布ａが刺繍時の刺繍枠の移動によって変形し易いものである場合や、刺繍の進行に伴って縫い縮みを生じ易いものである場合にも適正に刺繍することができる利点がある。

【００１５】

【考案の効果】

以上の説明から明らかな如く、本考案に係る刺繍枠によれば、被刺繍布が第２保持体の弾性復元力によって第１保持体に保持されるため、従来の刺繍枠のように被刺繍布の取付けの際に被刺繍布に傷を付けたり、被刺繍布に刺繍枠への取付跡を付けてしまう畏れがない。すなわち被刺繍布に損傷を与えることなく、好適に刺繍を施すことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る刺繍枠の第１実施例に係る第１保
持体、第２保持体および被刺繍布を示す斜視図である。

【図２】本考案に係る刺繍枠の第２保持体の拡大斜視図
である。

【図３】第１保持体に第２保持体を嵌装した状態の平面
図である。

【図４】第１保持体と第２保持体との間に被刺繍布を保
持した状態の断面図である。

【図５】他の実施例に係る第１保持体に第２保持体を嵌
装した状態の平面図である。

【図６】他の実施例に係る第１保持体に第２保持体を嵌
装した状態の平面図である。

【図７】変形例に係る第１保持体を含む斜視図である。

【図８】変形例に係る第１保持体を含む断面図である。

【図９】第１保持体と第２保持体との間に被刺繍布を装
着した状態の断面図である。

【図１０】第１保持体に第２保持体を装着した状態の平
面図である。

【符号の説明】

１,１０,２０,３０第１保持体２第２保持体ａ被刺繍布

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】被刺繍布を保持する環状部を有する第１
保持体と、弾性部材からなり前記第１保持体の内側に弾
性変形を伴って嵌装される環状の第２保持体とから構成
したことを特徴とする刺繍枠。
【請求項２】前記第１保持体は平面で略方形をなす請
求項１記載の刺繍枠。
【請求項３】前記第１保持体は平面で円形をなす請求
項１記載の刺繍枠。
【請求項４】前記第１保持体は平面で略楕円形をなす
請求項１記載の刺繍枠。
【請求項５】前記第１保持体は、内枠と外枠との間に
芯地を張設してなる請求項１記載の刺繍枠。