JPH0728991B2 - 洗濯脱水機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕本発明は給水、洗濯、すゝぎ、排水、脱
水等、一連の行程をタイマにより設定されたプログラム
にしたがって自動的に行なう洗濯脱水機の運転制御方式
に関するものであって、その目的とするところは、振動
および騒音の少い洗濯脱水機を提供することにある。

従来のこの種の洗濯脱水機の構造およびその運転制御方
式を第１図および第２図について説明する。第１図にお
いて、１は洗濯兼脱水槽（内槽）、２は内槽１を収容す
る水受槽（外槽）である。内槽１は上部にバランサ３
を、底部には攪拌翼４を有し、周面には多数の小孔５が
設けてある。６は攪拌翼４の減速駆動機構で、モータ７
とベルト８によって結合されている。９は外槽２の底部
に設けた排水口で、排水弁10を介して排水ホース11と結
合されている。なお上記１ないし11は支持板12によって
支持され、ダンパー13を介してロッド14により本体15に
吊持されている。

攪拌翼４は第１図に示すように、内槽１の底面より突出
しており、その外径ａは内槽１の内径ｂの約1/2又はそ
れ以下であり、その回転数は300r.p.m程度である。第２
図は第１図の従来の洗濯脱水機の運転プログラムの一般
的な例を示している。このなかで洗濯とすゝぎは攪拌翼
を一定の周期で反転動作（正転・逆転）させて洗濯物を
攪拌しており、その周期は、例えば強水流の場合は26秒
回転、４秒休止、弱水流の場合は４秒回転、７秒休止で
ある。

ところでこの従来の洗濯脱水機においてはすゝぎが終了
した後の洗濯物の内槽１内における分布が第１図に点線
ｃで示すように一方が低く、他方は高い不均一の状態と
なる。これは攪拌翼４が洗濯物をひっかけて槽内を引き
回すことによって生ずるものであって、攪拌翼４の構造
作用に基く必然的な現像である。このように内槽１内の
洗濯物の分布にアンバランスが生ずると洗濯およびすゝ
ぎが終了した後に行なわれる脱水行程において振動およ
び騒音を発生する。又洗濯物の分布のアンバランスを生
じない方法として、すすぎ行程終了前の一定期間小きざ
みの反転動作を行うものがある。しかし、このすすぎ行
程の終了前の一定期間に小きざみの反転動作を行うと、
小きざみの反転動作を行わない場合に比べ、すすぎ行程
に要する時間が長くなるという不都合が生じる。本発明
は洗濯物のアンバランスを生じない攪拌翼の構造および
運転により洗濯脱水機の振動および騒音を低減するとと
もに、すすぎ行程に要する時間が長くなるという不都合
を生じることがない洗濯機を提供することを目的とす
る。

〔発明の構成〕本発明の洗濯脱水機は皿型円盤の中心部
に球面若しくは滑らかな曲面を有する突出部を形成し、
該突出部と連続する部分に凹部を形成する山型リブを前
記突出部から放射状に複数個設けた攪拌翼を有し、設定
されたプログラムにしたがって給水、洗濯、すゝぎ、排
水、脱水等の一連の行程を自動的に行なう洗濯脱水機に
おいて、脱水行程前の排水行程の全期間又はその一部に
前記攪拌翼がその洗濯時およびすゝぎ時における反転動
作の周期よりも短かい周期の小きざみの反転動作を行な
うよう制御することを特徴とする。

以下その実施例を第３図ないし第６図について説明す
る。第３図および第４図は本発明の攪拌翼を示してい
る。16は回転の中心となる中央部に球面若しくは滑らな
曲面を有する突出部17を形成する皿型円盤で、突出部17
の周囲は深く、周辺に向って次第に浅くなる傾斜した底
面18を有する。19は突出部17から放射状に設けた複数個
の山型リブで、突出部17と連続する部分は凹部20を形成
している。この山型リブ19の山巾は皿型円盤16の中心か
ら半径の約2/3のところ（Ｃの部分）の巾が最も大き
く、中心および周辺の方向に向って次第に小さく、その
Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｇ、Ｈの各点における断面形
状は第５図に示すとおりである。なお、本発明の攪拌翼
の外径ａは、内槽１の内径ｂの0.7〜0.95である。

第６図は本発明の運転制御方式のプログラムを示してい
る。本発明においては排水行程の全期間又はその一部に
洗濯物の分布を均一にする攪拌翼の小きざみの反転動作
Ｂが行なわれる。攪拌翼の回転は洗濯およびすゝぎの行
程においては、例えば26秒正転、４秒休止、26秒逆転を
繰返す通常の反転動作Ａが行なわれるが、排水工程中に
おいては１秒正転、１秒休止、１秒逆転を繰返す小きざ
みの反転動作Ｂが行なわれる。この小きざみの反転動作
Ｂは内槽や攪拌翼の形状構造によって、１秒正転、２秒
休止、１秒逆転のように運転時間が休止時間よりも短か
い場合もあり、また、これと逆の場合もあり、さらに、
排水工程の全期間連続して行なう場合と、第６図（ロ）
に示すように中間に休止時間 をおく場合とがある。

攪拌翼の同期速度が150〜230rpm程度のものにおいて
は、通電後約１秒で同期速度の90〜95％の速度になり、
1.5〜2.0秒で同期速度に達する。本発明において、攪拌
翼の小きざみ反転動作によって洗濯物のバランスをとる
ためには、攪拌翼の回転速度が同期速度に達する以前が
好ましいので小きざみ反転動作の周期は攪拌翼を駆動す
るモータの起動特性を考慮して決定する。洗濯物のバラ
ンスをとる攪拌翼の作用は洗濯物全体をその攪拌能力に
よって引き回わすのではなく、排水行程に洗濯物を小き
ざみにゆさぶり、これに揺動を与えることによって内槽
内における洗濯物の分布を均一にすることにあるととも
に、すすぎ行程に要する時間が長くなるという不都合も
ない。

〔発明の効果〕本発明の攪拌翼は第１図の従来の攪拌翼
に比し径大であり、かつ、排水行程中の洗濯水が残存す
る期間中に低速度で小きざみの反転動作をするので内槽
内における洗濯物の分布を均一にする上で有効に作用す
る。この小きざみ反転動作は洗濯物のもつれをほごす上
でも有効である。そしてこの小きざみ反転動作は脱水行
程直前の排水工程中で行なわれるため、内槽内における
洗濯物はもつれが少く分布の均一化した状態で脱水を行
なうことができ、振動および騒音の発生を低減すること
ができるとともに、すすぎ行程に小きざみの反転動作を
行った場合に比べ、すすぎ行程に要する時間が長くかか
るという不都合もない。

【図面の簡単な説明】

第１図：従来の洗濯脱水機の縦断面図 第２図：従来の洗濯脱水機の運転プログラムを示す図 第３図：本発明の攪拌翼の平面図 第４図：第３図XY線の断面図 第５図：第３図Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｇ、Ｈの各線
における断面図 第６図：本発明の運転プログラムの実施例を示す図 １……内槽、２……外槽、３……バランサ、４……攪拌
翼、５……小孔、６……減速駆動機構、７……モータ、
８……ベルト、９……排水口、10……排水弁、11……排
水ホース、12……支持板、13……ダンパー、14……ロッ
ド、15……本体、16……皿型円盤、17……突出部、18…
…底面、19……山型リブ、20……凹部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】皿型円盤の中心部が球面若しくは滑らかな
   曲面である突出部と、前記突出部と連続する部分に凹部
   を形成する山型リブと、前記山型リブを突出部から放射
   状に複数個設けた攪拌翼を有し、設定されたプログラム
   にしたがって給水、洗濯、すすぎ、排水、脱水等の一連
   の行程を自動的に行なう洗濯脱水機において、脱水前の
   排水行程の全期間又はその一部に、前記攪拌翼が洗濯行
   程及びすすぎ行程の反転動作の周期よりも短い周期の小
   きざみの反転動作を行なうことを特徴とする洗濯脱水
   機。
2. 【請求項２】洗濯行程及びすすぎ行程の反転動作の周期
   より短い周期の小きざみの反転動作は、攪拌翼の回転速
   度が同期速度に達する以前に休止し、休止時間をおいて
   再開する動作を繰返すことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の洗濯脱水機。