JPH0728990Y2

JPH0728990Y2 - 自動車用内装材

Info

Publication number: JPH0728990Y2
Application number: JP1990052462U
Authority: JP
Inventors: 敏彦太田
Original assignee: 高島屋日発工業株式会社
Priority date: 1990-05-19
Filing date: 1990-05-19
Publication date: 1995-07-05
Anticipated expiration: 2005-05-19
Also published as: JPH0411120U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は自動車用ドアトリムのような、硬質部材と、パ
ッド材や表皮で覆われたクッション性のある部材とを接
合させた自動車用内装材において、接合部における段差
や隙間が目障りとなることをなくして外観性能に優れた
ものとした自動車用内装材に関するものである。

（従来の技術）硬質部材と、パッド材や表皮で覆われたクッション性の
ある部材とを接合させた自動車用内装材としては、例え
ば実公平2-4838号公報に見られるように、硬質材からな
る第１部材の接合側端縁に深い受段部を形成する一方、
硬質基材の表面にパッド材と表皮を添装してその端縁を
硬質基材の裏面のボス部に向けて巻き込んだ第２部材を
用意し、該第２部材の接合側端縁を前記第１部材の受段
部に嵌合させて接合したものが知られているが、このよ
うなものは第２部材の主材となるボス部付の硬質基材
や、深い受段部付の第１部材を成形するための型製作に
手数を要するうえ、パッド材と表皮の端縁を硬質基材の
裏面のボス部に向けて巻き込むのに手数を要して量産性
に乏しく、コスト高となるという問題がある。そこで、
硬質基材の表面にパッド材と表皮を添装してなる第２部
材の接合側端部に硬質材からなる第１部材を重ねて両者
を押付け接合させることにより高価な成形型や組み付け
上の無駄な手数を無くすことも試みたが、第１部材の接
合端部を第２部材の表側にあるパッド材の伸縮性を利用
して表皮を硬質基材へ押圧させても第１部材と第２部材
の表面とが同一面とならないうえに第１部材の端部と第
２部材の内側へ潰された表皮との間に大きな隙間が発生
するという問題があり、たとえ第１部材が重なる第２部
材の接合側端部を内側へ凹む受段部としておいても第１
部材と第２部材の表面とが同一面となるだけで両者の間
には依然として大きな隙間が発生し安全な解決手段とは
ならなかった。

（考案が解決しようとする課題）本考案は上記のような従来の問題点を解決して、接合部
における段差と隙間をなくして外観性能に優れたものと
するとともに量産性に優れた安価な自動車用内装材を提
供することを目的として完成されたものである。

（課題を解決するための手段）上記の課題を解決するためになされた本考案に係る自動
車用内装材は、接合側端縁の裏側を隆出縁部に形成した
硬質材からなる第１部材と、主板部の一端を接合用の受
段部に形成するとともに該主板部と受段部との境界部外
角を膨出部に形成した硬質基材の表面にパッド材と表皮
を添装してなる第２部材とを、該パッド材と表皮のうち
受段部と膨出部間の屈曲部付近にある一部を前記受段部
に押付けられる第１部材の隆出縁部により部分的に圧縮
させると同時に前記第２部材の膨出部によりパッド材を
部分的に圧縮させた状態となるように接合側端部を重ね
て接合して第１部材と第２部材の表面を略同一面に位置
させるとともに第１部材の接合側端縁に表皮の折り曲げ
部を接触させたことを特徴とするものである。

（実施例）次に本考案を図示の自動車用ドアトリムを実施例として
詳細に説明する。

（１）は自動車用内装材としてのドアトリム部品であっ
て、該ドアトリム部品（１）は第１部材（２）であるト
リムロア材と、第２部材（３）であるトリムアッパーと
の２部材よりなるものとしている。第１部材（２）は合
成樹脂成形体などの硬質材からなり、その接合側端縁に
は裏側に向けて隆出縁部（４）を形成してあるもので、
他方、第２部材（３）は合成樹脂や繊維質成形体などの
硬質基板（７）の表面にクッション性のあるパッド材
（５）を介して塩化ビニルシート等の表皮（６）を重ね
て張り合わせたものであり、第１部材（２）の接合側端
縁を第２部材（３）の接合側端縁の表面側から押付けて
接合してなるものである。第２部材（３）の硬質基板
（７）は主板部（7a）の一端を内側へ凹んだ接合用の受
段部（7b）に形成するとともに該主板部（7a）と受段部
（7b）との境界部外角を縁出し用の膨出部（９）に形成
したもので、前記受段部（7b）に対応してパッド材
（５）および表皮（６）も同様に内側へ凹んだ段差部
（９）が形成されている。そして、第２部材（３）と第
１部材（２）とは、前記パッド材（５）と表皮（６）の
うち接合側端部に近い一部が前記第２部材（３）の受段
部（7b）から膨出部（９）への屈曲部（7c）付近と前記
第１部材（２）の裏側の隆出縁部（４）との間に押付け
られて圧縮されると同時に前記膨出部（９）によりパッ
ド材（５）の一部を圧縮するように接合側端部同志が重
られて接合され、第２部材（３）と第１部材（２）の表
面を略同一面に位置させるとともに、第１部材（２）の
接合側端縁に表皮（６）の折り曲げ部（6a）を接触させ
て相互間の隙間を極力無くしている。なお、前記膨出部
（９）は図示したように部分的に偏肉させて形成してい
るが、一定厚みの硬質基板（７）を波形に加工して膨出
部を形成するものであってもよい。

（作用）このように構成されたものは、第１部材（２）と第２部
材（３）とが、該第２部材（３）の受段部（7b）から膨
出部（９）への屈曲部（7c）付近と前記第１部材（２）
の隆出縁部（４）との間にパッド材（５）と表皮（６）
の一部を押付け圧縮させると同時に前記膨出部（９）に
よりパッド材（５）を部分的に圧縮させて接合している
ので、表面側における第１部材（２）と第２部材（３）
の表面は同一面となり、両者の接合部における段差が全
く生じないこととなるばかりか、第２部材（３）の主板
部（7a）と受段部（7b）との境界部外角が縁出し用の膨
出部（９）に形成されていることによって、第１部材
（２）の接合側端縁の裏側にある隆出縁部（４）が段差
部（８）側へ大きなアール形状で圧縮変形されようとす
るパッド材（５）および表皮（６）を表面側に向かって
押上げることとなって、接合表面上におけるパッド材
（５）および表皮（６）は小さなアール形状で縁出しさ
れ、第１部材（２）の接合側端縁に表皮（６）の折り曲
げ部（6a）が密接されて両者間における隙間は極めて小
さなものとなる。また、本考案においては第１部材
（２）および第２部材（３）が簡単な形状でありそれら
の接合も極めて容易に行なうことができるとともに接合
部分において両者を重ね合わせてあるので、この部分に
おける気密性にも優れており外部からの汚れた空気や湿
気の流入等も確実に防止できることとなる。

（考案の効果）以上の説明からも明らかなように、本考案においては、
第２部材と第２部材との接合部分における両者の段差お
よび隙間の発生を確実に防止して優れた外観性能を付与
することができるうえに、第１部材や第２部材の硬質基
板の成形に複雑な型を使用したり表皮を硬質基板の裏側
に巻き込むなど組立上に面倒な手数を要しないので、生
産性および組立性にも優れていて大幅なコストダウンも
実現することができるものである。

従って、本考案は従来の問題点を一掃した自動車用内装
材として、その実用的価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す要部の拡大断面図、第２
図は全体の概略斜視図である。（２）：第１部材、（３）：第２部材、（４）：隆出縁
部、（５）：パッド材、（６）：表皮、（6a）：折り曲
げ部、（７）：硬質基材、（7a）：主板部、（7b）：受
段部、（7c）：屈曲部、（９）：膨出部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】接合側端縁の裏側を隆出縁部（４）に形成
した硬質材からなる第１部材（２）と、主板部（7a）の
一端を接合用の受段部（7b）に形成するとともに該主板
部（7a）と受段部（7b）との境界部外角を膨出部（９）
に形成した硬質基材（７）の表面にパッド材（５）と表
皮（６）を添装してなる第２部材（３）とを、前記パッ
ド材（５）と表皮（６）のうち受段部（7b）と膨出部
（９）間の屈曲部（7c）付近にある一部を前記受段部
（7b）に押付けられる第１部材（２）の隆出縁部（４）
により部分的に圧縮させると同時に前記第２部材（３）
の膨出部（９）によりパッド材（５）を部分的に圧縮さ
せた状態となるように接合側端部を重ねて接合して第１
部材（２）と第２部材（３）の表面を略同一面に位置さ
せるとともに第１部材（２）の接合側端縁に表皮（６）
の折り曲げ部（6a）を接触させたことを特徴とする自動
車用内装材。