JP2546308B2 - プレス成形方法 - Google Patents

プレス成形方法

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JP2546308B2
JP2546308B2 JP62319914A JP31991487A JP2546308B2 JP 2546308 B2 JP2546308 B2 JP 2546308B2 JP 62319914 A JP62319914 A JP 62319914A JP 31991487 A JP31991487 A JP 31991487A JP 2546308 B2 JP2546308 B2 JP 2546308B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、プレス成形方法に係り、より詳しくは相隣
接する二辺に逆向きの曲げフランジをプレス成形する方
法に関する。
(従来の技術) この種の曲げフランジを有する成形品としては、例え
ば、自動車のクォータパネルの内側に配されるインナサ
イドルーフパネル(以下、単にインナパネルという)が
ある。このものは、第10図〜14図に符号1で示すよう
に、クォータパネル2の内側に左右一対に配設され、ロ
アバック6と共にトランクルーム3を形成しかつ前記ク
ォータパネル2との間に工具等の収納空間4を形成する
(第11図)。インナパネル1は、上端に設けた内方フラ
ンジ11をクォータパネル2にスポット溶接し(第12図)
かつ先端(車両前方)に設けたフラット部12をクォータ
ホイルハウスパネル5にスポット溶接することにより固
定されている。インナパネル1はまた、安全性および強
度の向上を図るべく、その後端(自由端)に外方フラン
ジ13を設けている。
上記内方フランジ11はクォータパネル2とスポット溶
接する関係上、車両内側へ向けざるを得ず、一方外方フ
ランジ13は引掛かりを無くす関係上、車両の外側へ向け
ざるを得ず、結果としてインナパネル1は、相隣接する
二辺に逆向きのフランジ11,13を必要とする。なお前記
外方フランジ13は、後述するプレス成形との関係で溝14
を構成する折曲片から成っており、該溝14の高さh(通
常7〜10mm)分が一般面Aよりトランクルーム3内に突
出し、これがトランクルーム3の車幅方向のスペースを
狭くする原因となっていた。
こゝで、上記アウタパネル1をプレス成形により得る
には、従来一般には、始め外形抜きおよび絞り加工を含
む1次成形を行ない、続いてフランジ曲げおよび穴抜き
加工を含む2次成形を行なって仕上げるようにしてい
た。より詳しくは、1次成形により外形状と板面形状と
を決め、この1次成形品に対し、2次成形において前記
内方フランジ11と外方フランジ13との同時曲げを行な
い、さらに穴15,15…(第13図)の同時抜きも行なって
いる。前記外方フランジ13の曲げは、第15図(a),
(b)に示すように、下型曲刃21上にワーク(1次成形
品)22を載置してこれをパッド23で押え、該下型曲刃21
に設けた溝21aに対して上型曲刃24を嵌入させ、ワーク
の端部を断面U字状に曲げて、溝14つまり外方フランジ
13を形成する。この時、外方フランジ13と内方フランジ
11との交差部には、前出の第14図に示すように一般面A
の一部a(斜線部)をそのまゝ残し、この一部aもパッ
ド23にて押えることにより、同時曲げをする内方フラン
ジ11の稜線を明瞭に出すようにしている。
ところで、上記溝14の存在は、前記したようにトラン
クルーム3の車幅方向のスペースを狭くする原因とな
り、したがってこれを省略することができれば、スペー
ス的にきわめて有利となる。そこで、例えば第16図に示
すように、下型曲刃21aの内側にクッション25を配設
し、このクッション25と上型曲刃24とでワーク22を挾持
しつゝ該ワーク22を下降させ、プレス方向Pと反対方向
(反プレス方向)へフランジ曲げをして外方フランジ13
を形成する方法、あるいは第17図に示すように、下型曲
刃21bに段差部26を設け、この段差部26上にワーク22の
一端を載せて、パッド23に直接反プレス方向へフランジ
曲げをして外方フランジ13を形成する方法等の採用が考
えられる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記クッション25を用いる方法(第16
図)によれば、成形中、該クッション25が下降するた
め、穴抜きおよび内方フランジ11の加工を同時に行なう
ことが不能となり、別途穴抜きあるいはフランジ曲げの
ためのプレス工程を設けなければならず、製造コストの
著しい増大を招くこととなる。一方、上記パッド23によ
って直接フランジ曲げをする方法(第17図)によれば、
ワーク22が破線で示すように傾斜状態となり、パッド23
で押えた際、該ワークが位置ずれを起したり変形したり
し、成形品の品質が著しく阻害されることとなり、併せ
て内方フランジ11の成形も困難となる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもの
で、プレス成形工程の増大や成形性の悪化を招くことな
く、逆向きのフランジ曲げを有効になし得るプレス成形
方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記問題点を解決するための本発明の特徴は、相隣接
する二辺に逆向きの曲げフランジをプレス成形する方法
において、予め両フランジが交差する部分に対応するワ
ークの角部に反プレス方向へ突出する凸座を設けると共
に、該ワークの一辺に沿う周部に反プレス方向へ折曲す
る折曲部を設けておき、前記凸座を含む一般面をパッド
で押さえつゝ上・下曲刃で協働してフランジ曲げをする
ようにした点にある。
(作用) 上記構成のプレス成形方法において、凸座を設けたこ
とにより、両フランジの見切り部分をパッドにて有効に
押えることができ、曲げフランジの稜線が明瞭に出るよ
うになる。しかも予めワークに折曲部を設けたことによ
り、パッドで押えてもワークが位置ずれを起こしたり、
変形することがなくなり、溝を形成することなくフラン
ジ曲げをすることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。なお本実施例は、自動車のインナサイドルーフパネ
ル(インナパネル)を対象としたもので、以下の図にお
いて前出第10図〜第17図に示した部分と同一部分には同
一符号を付し、こゝではその説明を省略する。
第5図〜第7図は、本発明のプレス成形方法によって
得たインナパネル1とその組付状態を示したものであ
る。インナパネル1の自由端に形成された外方フランジ
13は一般面から直接立上がっており、従来の溝14が省略
されている。すなわち、前記溝14が省略された分、トラ
ンクルーム3内の車幅方向のスペースが拡大されるよう
になっている。またインナパネル1の、前記外方フラン
ジ13と前記内方フランジ11との交差部には凸座31が設け
られている。この凸座31は、後述する1次成形で予め形
成されたもので、外方フランジ13は局部的な凹部32を介
して該凸座31に連接し、一方内方フランジ11は該凸座31
に直接連接している。なお外方フランジ13および凸座31
の一般面Aからの高さhは、従来の溝14とほゞ同じ高さ
(7〜10mm)とされている。
しかして、上記のようなインナパネル1を得るには、
第1図に示すように、予め外形抜きおよび絞りを含む1
次成形により、内方フランジ11と外方フランジ13との交
差する部分に対応するワーク22の角部に突部33を形成し
て、その頂部に上記突座31を設けておくと共に、外方フ
ランジ13の曲げ部位となる周部に折曲部34を形成してお
く。凸部33および折曲部34はプレス方向P(第2図)と
反対方向へ突出あるいは折曲せられている。またワーク
22の角部には長方形の切欠35が設けられ、この切欠35に
臨む前記凸座31と折曲部34の端面との間には所定の隙s
(5〜10mm)が形成されている。
次に上記ワーク22を、第2図および第3図に示すよう
に、下型曲刃21上に載置してこれをパッド23で押え、上
型曲刃24を下降させる。この時、パッド23にて前記凸座
31を含む凸部33も押えるようにする(第1図の斜線範
囲)。第2図は凸部33を含む断面線L1(第1図)に沿う
押え状態を、第3図は一般面Aの断面線L2(第1図)に
沿う押え状態をそれぞれ表わしており、何れの場合も折
曲部34のみが下型曲刃21の段差部21bの上方に突出して
いる。そして上型曲刃24の下降により前記折曲部34は反
プレス方向へ曲げられ、第4図に示すように、外方フラ
ンジ13が形成される。この時、前記凸部33に隣接する部
分には該凸部33が壁となって局部的な凹部32が形成され
るが、その他の部分においては外方フランジ13は一般面
から直接立上がる。また前記折曲部34のフランジ曲げと
同時に、同じ上型曲刃24によって該折曲部に隣接する他
方の周部がプレス方向Pへフランジ曲げされ、そこに内
方フランジ11が形成される。この時、凸座31もパッド23
で押えられているため、前出第7図に示したように、内
方フランジ11の稜線は明瞭となる。またこのように形成
されたインナパネル1は、凸座31の存在により両フラン
ジの交差部が開放され、第7図に示すように、スポット
打点Wを端部まで設定することができ、より強固に組付
けできるようになる。
なお、上記のごとく凸座31を設けることなく、例えば
第8図に示すように、単に外方フランジ13の曲げ部位と
なる周部に折曲部34を設けたのでは、該折曲部34内で内
方フランジ11の曲げ線Lの内側をパッド23で押えること
ができず、したがってパッド23の押えが同図の斜線範囲
に限定され、内方フランジ11の稜線が不明確になった
り、シャクレによる変形を起こすこととなる。また第9
図に示すように、単に折曲部34に隣接して一般面Aの一
部a′を設けたのでは、該一部aと折曲部22aとの接続
部cが余肉となってシワが発生することとなる。つまり
何れの場合も、成形性に問題があり、品質的に良好な成
形品を得ることは困難となる。
また上記実施例において、自動車のクォータパネル内
側に配されるインナサイドルーフパネルへの適用例を述
べたが、本発明の対象とする成形品はこれに限定される
ものでなく、相隣接する二辺に逆向きの曲げフランジを
有する他の成形品にも適用できることはもちろんであ
る。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明にかゝるプレス
成形方法によれば、凸座を利用して両フランジの見切り
部分をパッドにて有効に押えることができると共に、折
曲部の存在によりワークの位置ずれや変形を防止するこ
とができ、相隣接する二辺に逆向きのフランジを精度良
く形成し得る効果がある。また上・下曲刃でフランジ曲
げを実行できるところから、穴抜きの同時加工も可能と
なってプレス成形の加工能率が向上し、さらには溝加工
が不要となって成形品の適用範囲が拡大し、本発明は総
じて大なる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で用いるワーク形状を模式的に示す斜視
図、第2図ないし第4図は本発明にかゝるプレス成形方
法の実行態様を示す断面図、第5図ないし第7図は本発
明のプレス成形方法で得た成形品(インナサイドルーフ
パネル)を示したもので、第5図は組付図、第6図は斜
視図および第7図は要部拡大斜視図、第8図と第9図は
凸座を設けない場合の不具合例を説明する斜視図、第10
図ないし第14図は従来のインナサイドルーフパネルを示
したもので、第10図ないし第12図は組付図、第13図は斜
視図および第14図は要部拡大斜視図、第15図(a),
(b)は従来のプレス成形方法の実行態様を示す断面
図、第16図および第17図は従来のプレス成形方法の変形
例を示す断面図である。 11……内方フランジ、13……外方フランジ 22……ワーク、21……下型曲刃 23……パッド、24……上型曲刃 31……凸座、34……折曲部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相隣接する二辺に逆向きの曲げフランジを
    プレス成形する方法において、予め両フランジが交差す
    る部分に対応するワークの角部に反プレス方向へ突出す
    る凸座を設けると共に、該ワークの一辺に沿う周部に反
    プレス方向へ折曲する折曲部を設けておき、前記凸座を
    含む一般面をパッドで押さえつゝ上・下曲刃で協働して
    フランジ曲げをすることを特徴とするプレス成形方法。
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