JPH07289145A - パン類の品質改良剤及びこれを用いたパン類の製造方法 - Google Patents

パン類の品質改良剤及びこれを用いたパン類の製造方法

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JPH07289145A
JPH07289145A JP6082121A JP8212194A JPH07289145A JP H07289145 A JPH07289145 A JP H07289145A JP 6082121 A JP6082121 A JP 6082121A JP 8212194 A JP8212194 A JP 8212194A JP H07289145 A JPH07289145 A JP H07289145A
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bread
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JP6082121A
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Yutaka Ogasawara
裕 小笠原
Naruhiro Egawa
成宏 江川
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Shinka Shokuhin Co Ltd
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Shinka Shokuhin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペクチンを品質改良剤として用いた場合に、
十分なボリュームを出すことが可能で、しかも食物繊維
の生理活性を付与することが可能なパン類の製造方法を
提供する。 【構成】 本発明は、ペクチンを品質改良剤として使用
するパン類の製造方法である。本発明においては、ペク
チンまたはペクチンとガム類を糖類、粉乳及び温湯と共
に液状混合物あるいはペースト状混合物にしてパン生地
に添加混捏する。ペクチンとしては、低メトキシルペク
チン、高メトキシルペクチンの何れも使用できる。ペク
チンの添加量は、小麦粉に対して0.01重量%〜10
重量%である。本発明は、中種生地法、直捏生地法の何
れにも適用することができ、例えば中種生地法による場
合、液状混合物あるいはペースト状混合物の添加時期は
問わず、中種あるいは本捏の段階でパン生地に添加混捏
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パン類の品質改良剤及
びこれを用いたパン類の製造方法に関するものであり、
特にペクチンを用いたパン類の品質改良剤の改良、並び
にペクチンを品質改良剤とするパン類の製造方法の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、パン類の製造に際しては、パン
用品質改良剤と言われる食品添加物を使用しており、パ
ンのボリュームを出すためにL−アスコルビン酸やL−
シスチン等の生地強化剤を臭素酸カリウムの代替品とし
て添加することが広く行われている。
【0003】ただし、前記L−アスコルビン酸やL−シ
スチンを生地強化剤として添加した場合、得られるパン
類は品質の点で必ずしも十分とは言えず、またこれらを
添加することによる副次的効果も期待できない。
【0004】そこで、このパン用品質改良剤として、ペ
クチンを添加することが検討されている。ペクチンは全
くの天然物であり、これを添加することで生地強化剤と
してボリューム増大効果が期待できるばかりでなく、食
物繊維を強化するという副次的効果も期待することがで
きる。
【0005】しかしながら、前記ペクチンの利用にあっ
ては、これまで中種生地法での事例はなく、専ら直捏生
地法(いわゆるストレート法)においてのものである。
ストレート法は、小規模ベーカリーに向いた方法であ
り、大規模な機械製パンを考慮すると、中種生地法への
適用が必要不可欠である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、中種生地法
では、改良剤類は中種の段階で添加混合するのが一般的
であり、ペクチンを品質改良剤として用いる場合にも、
当然、中種の段階で添加混合することが考えられる。
【0007】ところが、ペクチンをそのまま中種の段階
で添加混合したのでは、ボリュームの不充分なパンにな
ることが本発明者の実験により判明した。また、この場
合、ペクチンが高メトキシルペクチン(HMペクチン)
であっても、低メトキシルペクチン(LMペクチン)で
あっても同じ結果であった。
【0008】そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑み
て提案されたものであって、ペクチンを用いた場合に製
パン方法や添加時期によらず十分にボリュームを出すこ
とが可能なパン類の品質改良剤を提供することを目的と
し、さらにはパン類の製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ペクチンの
パン類の製造方法への応用を目指して種々の検討を重ね
てきた。その結果、ペクチンの添加する際の形態が重要
であって、液状あるいはペースト状で添加すれば、製造
方法の種類や添加時期によらず生地強化剤として有効に
機能するとの結論を得るに至った。
【0010】本発明は、このような知見に基づいて完成
されたものである。すなわち、本発明のパン類の品質改
良剤は、ペクチンまたはペクチンとガム類を糖類、粉乳
及び水と共に液状混合物あるいはペースト状混合物にし
てなることを特徴とするものである。
【0011】また、本発明のパン類の製造方法は、パン
類を製造するに際し、ペクチンまたはペクチンとガム類
を糖類、粉乳及び水と共に液状混合物あるいはペースト
状混合物にしてパン生地に添加混捏し、次いで常法によ
って前記パン生地を焼成することを特徴とするものであ
る。
【0012】ペクチンは、可食性の植物体で、通常は柑
橘類またはりんごから水で抽出し精製して得られる高分
子多糖類である。すべての緑色の地上植物はペクチン質
を含んでおり、セルロースと共に果実や野菜の構造を作
っている。
【0013】食品のグレードのペクチンは、部分的にメ
チル化されたポリガラクチュロン酸を主体としたもので
あり、通常、エステル化度(メトキシル基の含量)によ
って性質が異なる。
【0014】高エステル(HE)あるいは、高メトキシ
ル(HM)ペクチンは、メチル化されたカルボキシル基
の比率が高く、残りはフリーの酸、あるいはそのアンモ
ニウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩の
型で存在する。そして、ペクチンの性質は、エステル化
度及び重合度によって決まる。
【0015】低メトキシルペクチン(LMペクチン)
は、全体のカルボキシル基のうちメチルエステルの型の
ものが50%以下のペクチンである。一般にLMペクチ
ンはHMペクチンを弱い酸性かアルカリ性で処理する事
によって製造する。
【0016】脱エステルにアンモニアを用いた場合に
は、アミドタイプのLMペクチンができる。このタイプ
のペクチンの場合、メチルエステル以外のカルボキシル
基のうち、いくつかは酸アミドの型になっている。アミ
ドタイプのペクチンの性質は、メトキシル基とアミド基
の含有量及び重合度によって変えることができる。
【0017】市販のペクチンは、通常、砂糖とブレンド
して標準化してあり、ある種のタイプでは、特別なセッ
ト条件を満たすために、適当な食品グレードの緩衝塩を
添加してpH調整をしたものもある。
【0018】このようなペクチンのうち、本発明におい
ては、エステル化度に左右されず、すべてのタイプのペ
クチンを使用できる。したがってHMペクチンでもLM
ペクチンでも使用でき、柑橘類由来のものやリンゴ由来
のものでも利用できる。
【0019】ペクチンの添加前の加工処理の方法として
は、試験室的規模においては、ジューサーミキサーに水
(この場合、ある程度加熱した水を用いることが好まし
く、例えば温湯や熱湯を用いる。)を所定量入れ、その
後にペクチンまたはペクチンとガム類や糖類や粉乳等を
入れ、撹拌混合することによって得られる。水の量は、
小麦粉に対して10重量%〜50重量%となるように設
定することが好ましい。
【0020】使用に際しては、多少空冷してあら熱を除
去させてから添加するものとする。
【0021】本発明におけるペクチンの添加量は、小麦
粉に対して0.01%〜10%の範囲であり、好ましく
は、小麦粉に対して0.1%〜3%である。(本明細書
において、%とある記載は全て重量%である。) ペクチンの添加量が少なすぎると、生地強化剤としての
効果が不足し、十分なボリュームを確保することができ
ない。逆に、ペクチンの添加量が多すぎると、得られる
パン類の品質に悪影響を及ぼす虞れがある。
【0022】また、本発明における糖類の添加量は、小
麦粉に対して0.01%〜10%の範囲とすることが好
ましい。より好ましくは、小麦粉に対して0.1%〜3
%の添加である。糖類としては、上白糖、乳糖、ブドウ
糖などが利用できる。
【0023】粉乳は、小麦粉に対して0.01%〜5%
の範囲で添加される。好ましくは、小麦粉に対して0.
5%〜3%の添加である。粉乳としては、脱脂粉乳、全
脂粉乳などであるが、無糖練乳、加糖練乳、加糖脱脂練
乳、牛乳等の乳製品も利用できる。
【0024】ガム類は、小麦粉に対して0.005%〜
5%の範囲で添加される。好ましくは、小麦粉に対して
0.01%〜1%の添加である。ガム類としては、アラ
ビアガム、グアガム、ローストビーンガム、キサンタン
ガム、タマリンドシードガム、カラヤガム等が挙げられ
るが、ボリューム増大効果に対しては、キサンタンガム
が有効である。
【0025】本発明は、中種生地法、直捏生地法の何れ
にも適用することができ、またその添加時期は問わな
い。例えば、中種生地法に適用した場合、ペクチンを含
む液状混合物あるいはペースト状混合物を、中種段階で
パン生地に添加混捏してもよいし、本捏段階でパン生地
に添加混捏してもよい。
【0026】また、従来のパン用品質改良剤との併用も
有効であり、例えば中種生地法において、従来のパン用
品質改良剤を中種に添加したり、本捏段階で添加すると
いう条件で、さらにペクチンを含む液状混合物あるいは
ペースト状混合物を中種段階あるいは本捏段階で添加混
捏することにより、ペクチンを単独で使用した場合に比
べてボリューム増大効果をさらに大きくできる。
【0027】
【作用】ジャム類やゼリー類及びフルーツドリンク類等
においては、ペクチンの効用が理論的に確立されている
が、パン類への応用としては、色々な点において不明な
点が多々あるのが現状である。
【0028】本発明は、ペクチンをパン類の製造に応用
するための最適化を図ったもので、本発明においては、
パン類を製造するに際し、ペクチンまたはペクチンとガ
ム類を糖類、粉乳及び水と共に液状混合物あるいはペー
スト状混合物にしてパン生地に添加混捏し、次いで常法
によって前記パン生地を焼成する。
【0029】これにより、ペクチンのパン生地中への分
散が良くなり、例えばLMペクチンのようなカルシウム
との反応性が高いことが原因と思われる生地のバッキー
さやボリューム低下等の問題が改善され、従来から使用
されてきたL−アスコルビン酸やL−シスチン等の生地
強化剤を添加することなくパンのボリュームをだすこと
ができ、また同時に食物繊維の生理活性も付与される。
【0030】ペクチンは、ポリガラクチュロン酸という
高分子多糖類で、中性ではマイナスにチャージしてお
り、したがってプラスにチャージした巨大分子、例えば
等電点より低いpHの系で溶けている蛋白質と反応す
る。実際、ペクチンを中性(pH6.6)のミルクに添
加すると、牛乳蛋白質とペクチンが反応して沈澱を作
る。このように考えると、本願発明においては、小麦粉
に含まれるグルテン蛋白にペクチンが反応し、特にボリ
ューム増加の点において製パン性の向上という機能を発
揮するものと推測される。
【0031】この機構的なことは、詳細は不明である
が、次のようなことが推測される。先ず第1に、ペクチ
ン溶液はかなりの酸性であり、このことにより中種のグ
ルテンがかなり軟弱化してしまう可能性がある。第2
に、LMペクチンにおいてはカルシウムがゲル化の因子
となることがある。このことによって中種の仕込水中の
硬度に由来するカルシウムが中種の適正な結合に対して
何らかの阻害を与えている可能性がある。
【0032】本発明におけるペクチンの加工処理におい
ては、第1にペクチンの酸性物質であるためのPHの低
下度の大きさを粉乳のバッファー的な効果で抑え、第2
にペクチンと粉乳と糖の水(熱湯)のミックス処理によ
りペクチンに初めからカルシウムが結合され、生地での
ペクチンの反応性をより穏やかにしているのではないか
と考えられる。
【0033】すなわち、本発明においては、ペクチンを
液状あるいはペースト状のミックスに配合したことによ
り、分散性が向上し、さらに乳製品を配合したことによ
って、ペクチンと乳製品(粉乳)と糖類とがゲル状にコ
ンプレックスを形成し、このコンプレックスがグルテン
との反応に関与している可能性が考えられる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を適用した実施例について、具
体的な実験結果に基づいて詳細に説明する。
【0035】実験例1 標準中種法において、表1に示す配合・工程により製パ
ン試験を行った。結果を表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】ペクチンミックス1の調製としては、ジュ
ーサーミキサーに沸騰させた熱湯を小麦粉に対して10
重量部用意し、これに対してペクチンを1重量部、砂糖
を1重量部、粉乳を2重量部投入し、撹拌混合し、所定
のミックス1を得た。
【0039】表2の結果より、HMペクチンとLMペク
チンをペクチンミックス1の状態にして中種段階で添加
することにより、本来ならばかなりのボリュームの低下
が起こるはずが、ずいぶん比較例1の値に近づいている
ことが分かる。このデータから見るとHMペクチンより
LMペクチンの方が中種添加においてはやや良好のよう
であるが、HMペクチンの方もボリュームの増加が認め
られる。さらには、パンの老化性においてもLMペクチ
ンでのペクチンミックス1では、比較例1より良好とな
っている。
【0040】次に、参考としてHMペクチンの中でエス
テル化度が72%以上のペクチン粉末の中種への粉末状
態での添加の結果を表3と表4に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】表4の結果より、実施例5〜7のように、
HMペクチン(DE72以上)粉末を中種の段階で0・
5%〜2・0%までの範囲で小麦粉に添加した時には、
明らかにボリュームの増大効果が少なく添加量の増加と
大きく比例関係がないことが分かる。さらに、比較例2
によるパンの老化度合よりもさらに悪い数値となってい
ることが分かる。他の項目も同様であり、前述の実施例
1〜4までのボリュームの出方を参照にしてみるとペク
チンミックス1にした時の効果がよく理解できるものと
思われる。
【0044】さらに、HMペクチンとLMペクチンの各
粉末における試験結果を表5と表6に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】表6の結果より、ペクチンのエステル化度
が51%以下のものが中種法における粉末での中種添加
に対して有効であることが分かる。エステル化度が72
%以上のものでは、あまり効果が期待できない。ボリュ
ームでは比較例3に較べてかなり劣っており、老化性に
おいても比較例3よりも劣っている。
【0048】また、表6より、LMペクチンのエステル
化度が5%以内のものからHMペクチンのエステル化度
が51%の一番低いものまでの中で、ボリュームが若干
ずつ増加する傾向があることが分かる。その中で、LM
ペクチンのエステル化度が5%以内のものの老化性がや
や良好のようであった。
【0049】実験例2 標準中種法において、表7に示す配合・工程により製パ
ン試験を行った。結果を表8に示す。
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】ペクチンミックス1の調整は、前述のとお
りとする。表8の結果より、HMペクチンとLMペクチ
ンをペクチンミックス1の状態にして中種段階で添加す
ることにより、HMペクチンの中でもエステル化度が5
1%のものがボリューム的にはかなり比較例1に近づい
ている。そして、LMペクチンの中でもエステル化度が
28%のものがボリューム的に良好であった。
【0053】老化性においては、LMペクチンの中でエ
ステル化度が38%以下ぐらいのものが良好であった。
吸水性においては、HMペクチンのミックスでもLMペ
クチンミックスでもかなりの高吸水であった。その中で
も、LMペクチンの中でエステル化度が38%以下ぐら
いのものがより高い値であった。
【0054】実験例3 標準中種法において、表9に示す配合・工程により製パ
ン試験を行った。結果を表10に示す。
【0055】
【表9】
【0056】
【表10】
【0057】ペクチンミックス1の調整は、前述の通り
とする。表10の結果により、本捏段階でのHMペクチ
ン粉末添加は、比較例5の気孔率を100にした時の比
率は96.4%でかなりのボリュームがでている。
【0058】実施例18のエステル化度(DE38)の
ペクチンミックス1の状態での本捏添加のものは、さら
に、ボリュームがでている(100.2%)。同じよう
に、実施例19のエステル化度(DE28)のペクチン
ミックス1の状態での本捏添加のものもHMペクチン
(DE72以上)にほぼ近いボリュームがでている。
【0059】通常の粉末状態でのLMペクチンの中種法
での本捏段階での添加は、比較例の気孔率を100とし
た時には、ほぼ90%以下の数値であり、老化防止効果
の点でも比較例より劣っている。したがって、このこと
からも本発明のようなペクチンミックスにした時のボリ
ューム増大効果と老化防止効果と吸水性の増加という点
で大きな特徴を有していることが理解できる。
【0060】実験例4 標準中種法において、表11に示す配合・工程により製
パン試験を行った。結果を表12に示す。
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】ペクチンミックス1の調製は、前述の通り
とする。 ペクチンミックス2・・・LMペクチン(DE28)1
%、上白糖1%、粉乳1%、熱湯10%の組成で調製法
は、ミックス1に準ずる。 ペクチンミックス3・・・LMペクチン(DE28)
1.5%、上白糖1.5%、粉乳1%、熱湯10%の組
成で調製法は、ミックス1に準ずる。
【0064】ペクチンミックス4・・・LMペクチン
(DE28)2.0%、上白糖2.0%、粉乳1%、熱
湯10%の組成で調製法は、ミックス1に準ずる。
【0065】表12より、エステル化度(DE)28%
のLMペクチンについて、小麦粉に対して1%、1.5
%、2%のレベルにて中種添加による試験を行った。そ
の結果は、エステル化度(DE)28%のLMペクチン
では、1.5%と2%のレベルが、ボリュームでは良好
であった。比較例6の気孔率を100とした時の比率も
96.7と95.6になっている。
【0066】パンの老化の面では、ペクチン量が1.5
%より多い量で、比較例に比べて効果がででいる。2%
の量ではその効果はかなり大きい。
【0067】実験例5 標準中種法において、表13に示す配合・工程により製
パン試験を行った。結果を表14に示す。
【0068】
【表13】
【0069】
【表14】
【0070】ペクチンミックスの調製 ペクチンミックス1・・・LMペクチン(DE38)1
%、上白糖1%、粉乳2%、熱湯10%の組成で調製法
は、ミックス1に準ずる。 ペクチンミックス5・・・LMペクチン(DE38)1
%、上白糖1%、粉乳2%、熱湯15%の組成で調製法
は、ミックス1に準ずる。
【0071】ペクチンミックス6・・・LMペクチン
(DE38)1%、上白糖1%、粉乳2%、熱湯20%
の組成で調製法は、ミックス1に準ずる。
【0072】表14に示すように、エステル化度(D
E)38%のLMペクチンについて、ペクチンミックス
1の中の熱湯の量を15、20と増加させて調製したミ
ックスにて、中種添加の試験を行った。その結果は、エ
ステル化度(DE)38%のLMペクチンではペクチン
ミックスの熱湯の量は10%のペクチンミックス1の調
製品がボリューム的には良好であった。
【0073】パンの老化の面では、ペクチンミックスの
熱湯の量の増加は、ほとんど影響としてでなかった。
【0074】実験例6 標準中種法において、表15に示すような配合・工程に
より製パン試験を行った。結果を表16に示す。
【0075】
【表15】
【0076】
【表16】
【0077】ペクチンミックスの調製 ペクチンミックス1・・・LMペクチン(DE28)1
%、上白糖1%、粉乳2%、熱湯10%の組成で調製法
は、ミックス1に準ずる。 ペクチンミックス7・・・LMペクチン(DE28)1
%、上白糖1%、粉乳2%、アラビアガム0.1%、熱
湯10%の組成で調製法は、ミックス1に準ずる。
【0078】ペクチンミックス8・・・LMペクチン
(DE28)1%、上白糖1%、粉乳2%、アラビアガ
ム0.5%、熱湯10%の組成で調製法は、ミックス1
に準ずる。
【0079】表16に示すように、エステル化度(D
E)28%のLMペクチンについて、ペクチンミックス
1の中にアラビアガムを配合して調製したミックスに
て、中種添加の試験を行った。その結果は、エステル化
度(DE)28%のLMペクチンでは、ペクチンミック
スにアラビアガムを配合してもボリューム的にはほとん
ど差がなかった。
【0080】しかし、パンの老化の面では、アラビアガ
ムの添加により老化性が改善され、ホイロ時間がやや短
縮されることが分かった。
【0081】実験例7 標準中種法において、表17に示すような配合・工程に
より製パン試験を行った。結果を表18に示す。
【0082】
【表17】
【0083】
【表18】
【0084】ペクチンミックスの調製 ペクチンミックス1・・・LMペクチン(DE28)1
%、上白糖1%、粉乳2%、熱湯10%の組成で調製法
は、ミックスaに準ずる。 ペクチンミックス9・・・LMペクチン(DE28)1
%、上白糖1%、粉乳2%、グアガム0.1%、熱湯1
0%の組成で調製法は、ミックス1に準ずる。
【0085】ペクチンミックス10・・LMペクチン
(DE28)1%、上白糖1%、粉乳2%、グアガム
0.5%、熱湯10%の組成で調製法は、ミックス1に
準ずる。
【0086】表18に示すように、エステル化度(D
E)28%のLMペクチンについて、ペクチンミックス
1のなかにグアガムを配合して調製したミックスにて、
中種添加の試験を行った。その結果は、エステル化度
(DE)28%のLMペクチンでは、ペクチンミックス
にグアガムを配合してもボリューム増加効果はなく、小
麦粉に対して0.1%添加の場合は、逆に多少の低下を
きたした。
【0087】しかし、パンの老化の面では、アラビアガ
ムの時と同様にグアガムの添加により老化性が改善さ
れ、ホイロ時間がやや短縮されることが分かった。
【0088】実験例8 標準中種法において、表19に示すような配合・工程に
より製パン試験を行った。結果を表20に示す。
【0089】
【表19】
【0090】
【表20】
【0091】ペクチンミックスの調製 ペクチンミックス1・・・LMペクチン(DE28)1
%、上白糖1%、粉乳2%、熱湯10%の組成で調製法
は、ミックス1に準ずる。 ペクチンミックス11・・LMペクチン(DE28)1
%、上白糖1%、粉乳2%、キサンタンガム0.1%、
熱湯10%の組成で調製法は、ミックス1に準ずる。
【0092】ペクチンミックス12・・LMペクチン
(DE28)1%、上白糖1%、粉乳2%、キサンタン
ガム0.5%、熱湯10%の組成で調製法は、ミックス
1に準ずる。
【0093】表20に示すように、エステル化度(D
E)28%のLMペクチンについて、ペクチンミックス
1の中にキサンタンガムを配合して調製したミックスに
て、中種添加の試験を行った。その結果は、エステル化
度(DE)28%のLMペクチンでは、ペクチンミック
スにキサンタンガムを配合してした時には、前述のガム
類とは違いボリュームの増加効果が認められた。
【0094】パンの老化の面では、他のガム類と同様に
老化性が改善され、ホイロ時間がやや短縮されることが
分かった。
【0095】
【発明の効果】以上の説明からも明かなように、本発明
によれば、ペクチンをパン類の製造法にとらわれず、か
つ添加時期にとらわれないで生地強化剤として利用する
ことができ、従来から使用されてきたL−アスコルビン
酸やL−シスチン等を添加することなくパンのボリュー
ムを出し、同時に食物繊維の生理活性を付与することが
可能である。
【0096】したがって、このことにより、ペクチンの
パン類への利用のしやすさは飛躍的に大きくなる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペクチンまたはペクチンとガム類を糖
    類、粉乳及び水と共に液状混合物あるいはペースト状混
    合物にしてなるパン類の品質改良剤。
  2. 【請求項2】 パン類を製造するに際し、ペクチンまた
    はペクチンとガム類を糖類、粉乳及び水と共に液状混合
    物あるいはペースト状混合物にしてパン生地に添加混捏
    し、次いで常法によって前記パン生地を焼成することを
    特徴とするパン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 ペクチンが低メトキシルペクチンまたは
    高メトキシルペクチンであることを特徴とする請求項1
    記載のパン類の製造方法。
  4. 【請求項4】 中種生地法によってパン類を製造するに
    際し、ペクチンを含む液状混合物あるいはペースト状混
    合物を中種段階でパン生地に添加混捏することを特徴と
    する請求項1記載のパン類の製造方法。
  5. 【請求項5】 中種生地法によってパン類を製造するに
    際し、ペクチンを含む液状混合物あるいはペースト状混
    合物を本捏段階でパン生地に添加混捏することを特徴と
    する請求項1記載のパン類の製造方法。
  6. 【請求項6】 ペクチンの添加量が小麦粉に対して0.
    01重量%〜10重量%の範囲であることを特徴とする
    請求項1記載のパン類の製造方法。
  7. 【請求項7】 糖類の添加量が小麦粉に対して0.01
    重量%〜10重量%であることを特徴とする請求項1記
    載のパン類の製造方法。
  8. 【請求項8】 粉乳の添加量が小麦粉に対して0.1重
    量%〜6重量%であることを特徴とする請求項1記載の
    パン類の製造方法。
  9. 【請求項9】 水の添加量が小麦粉に対して10重量%
    〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載のパ
    ン類の製造方法。
  10. 【請求項10】 ガム類の添加量が小麦粉に対して0.
    005重量%〜5重量%であることを特徴とする。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005261221A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Unitec Foods Co Ltd パン用品質改良剤
US8057832B2 (en) 2006-09-13 2011-11-15 Kraft Foods Global Brands Llc Microwavable food products
US8354131B2 (en) 2006-09-13 2013-01-15 Kraft Foods Global Brands Llc Microwavable food products
JP2014000028A (ja) * 2012-06-18 2014-01-09 Ina Food Industry Co Ltd 製パン用改良剤、並びにそれを用いた製パン生地よりなるパン製品、米粉パン及びグルテンフリー米粉パン

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