JPH07289144A - パン類の製造方法 - Google Patents

パン類の製造方法

Info

Publication number
JPH07289144A
JPH07289144A JP6082120A JP8212094A JPH07289144A JP H07289144 A JPH07289144 A JP H07289144A JP 6082120 A JP6082120 A JP 6082120A JP 8212094 A JP8212094 A JP 8212094A JP H07289144 A JPH07289144 A JP H07289144A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pectin
bread
added
dough
kneading
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6082120A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Ogasawara
裕 小笠原
Naruhiro Egawa
成宏 江川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinka Shokuhin Co Ltd
Original Assignee
Shinka Shokuhin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinka Shokuhin Co Ltd filed Critical Shinka Shokuhin Co Ltd
Priority to JP6082120A priority Critical patent/JPH07289144A/ja
Publication of JPH07289144A publication Critical patent/JPH07289144A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペクチンを品質改良剤として用いた場合に、
十分なボリュームを出すことが可能で、しかも食物繊維
の生理活性を付与することが可能なパン類の製造方法を
提供する。 【構成】 本発明は、中種生地法によるパン類の製造方
法である。本発明においては、ペクチンを品質改良剤と
して添加するが、パン生地への添加時期は本捏段階とす
る。すなわち、ペクチンをパン生地へ本捏段階で添加混
捏し、次いで常法によってパン生地を焼成する。ペクチ
ンとしては、エステル化度50%以上の高メトキシルペ
クチンを使用する。ペクチンの添加量は、小麦粉に対し
て0.01重量%〜10重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パン類の製造方法に関
するものであり、特にペクチンを品質改良剤とするパン
類の製造方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、パン類の製造に際しては、パン
用品質改良剤と言われる食品添加物を使用しており、パ
ンのボリュームを出すためにL−アスコルビン酸やL−
シスチン等の生地強化剤を臭素酸カリウムの代替品とし
て添加することが広く行われている。
【0003】ただし、前記L−アスコルビン酸やL−シ
スチンを生地強化剤として添加した場合、得られるパン
類は品質の点で必ずしも十分とは言えず、またこれらを
添加することによる副次的効果も期待できない。
【0004】そこで、このパン用品質改良剤として、ペ
クチンを添加することが検討されている。ペクチンは全
くの天然物であり、これを添加することで生地強化剤と
してボリューム増大効果が期待できるばかりでなく、食
物繊維を強化するという副次的効果も期待することがで
きる。
【0005】しかしながら、前記ペクチンの利用にあっ
ては、これまで中種生地法での事例はなく、専ら直捏生
地法(いわゆるストレート法)においてのものである。
ストレート法は、小規模ベーカリーに向いた方法であ
り、大規模な機械製パンを考慮すると、中種生地法への
適用が必要不可欠である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、中種生地法
では、改良剤類は中種の段階で添加混合するのが一般的
であり、ペクチンを品質改良剤として用いる場合にも、
当然、中種の段階で添加混合することが考えられる。
【0007】ところが、ペクチンを中種の段階で添加混
合し、常法により焼成した場合、ボリュームの不充分な
パンになることが本発明者の実験により判明した。ま
た、この場合、ペクチンが高メトキシルペクチン(HM
ペクチン)であっても、低メトキシルペクチン(LMペ
クチン)であっても同じ結果であった。
【0008】そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑み
て提案されたものであって、中種生地法においてもペク
チンを品質改良剤として用いることにより十分にボリュ
ームを出すことが可能なパン類の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ペクチンの
中種生地法への応用を目指して種々の検討を重ねてき
た。その結果、ペクチンの添加時期が非常に重要で、ペ
クチンを中種の段階ではなく本捏の段階で添加する必要
があるとの結論を得るに至った。
【0010】本発明は、このような知見に基づいて完成
されたものであって、中種生地法によってパン類を製造
するに際し、ペクチンを本捏段階でパン生地に添加混捏
し、次いで常法によってパン生地を焼成することを特徴
とするものである。
【0011】ペクチンは、可食性の植物体で、通常は柑
橘類またはりんごから水で抽出し精製して得られる高分
子多糖類である。すべての緑色の地上植物はペクチン質
を含んでおり、セルロースと共に果実や野菜の構造を作
っている。
【0012】食品のグレードのペクチンは、部分的にメ
チル化されたポリガラクチュロン酸を主体としたもので
あり、通常、エステル化度(メトキシル基の含量)によ
って性質が異なる。
【0013】高エステル(HE)あるいは、高メトキシ
ル(HM)ペクチンは、メチル化されたカルボキシル基
の比率が高く、残りはフリーの酸、あるいはそのアンモ
ニウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩の
型で存在する。そして、ペクチンの性質は、エステル化
度及び重合度によって決まる。
【0014】低メトキシルペクチン(LMペクチン)
は、全体のカルボキシル基のうちメチルエステルの型の
ものが50%以下のペクチンである。一般にLMペクチ
ンはHMペクチンを弱い酸性かアルカリ性で処理する事
によって製造する。
【0015】脱エステルにアンモニアを用いた場合に
は、アミドタイプのLMペクチンができる。このタイプ
のペクチンの場合、メチルエステル以外のカルボキシル
基のうち、いくつかは酸アミドの型になっている。アミ
ドタイプのペクチンの性質は、メトキシル基とアミド基
の含有量及び重合度によって変えることができる。
【0016】市販のペクチンは、通常、砂糖とブレンド
して標準化してあり、ある種のタイプでは、特別なセッ
ト条件を満たすために、適当な食品グレードの緩衝塩を
添加してpH調整をしたものもある。
【0017】このようなペクチンのうち、本発明におい
てはエステル化度が50%以上のHMペクチンを使用す
ることが好ましい。LMペクチンでは、ボリューム増大
効果が不足し、老化性等の点においても不満が残る。
【0018】本発明におけるペクチンの添加量は、本捏
段階で小麦粉に対して0.01%〜10%の範囲であ
り、好ましくは、小麦粉に対して0.1%〜3%であ
る。(本明細書において、%とある記載は全て重量%で
ある。) ペクチンの添加量が少なすぎると、生地強化剤としての
効果が不足し、十分なボリュームを確保することができ
ない。逆に、ペクチンの添加量が多すぎると、得られる
パン類の品質に悪影響を及ぼす虞れがある。
【0019】したがって、本発明においては、エステル
化度50%以上のHMペクチンを、中種法における本捏
段階に小麦粉に対して0.01%〜10%の範囲で添加
混捏し、次いで常法により焼成することが最も好まし
い。
【0020】なお、従来のパン用品質改良剤を中種に添
加したり、本捏段階で添加するという条件で、さらにペ
クチンを本捏段階で添加混捏することにより、ペクチン
を単独で使用した場合に比べてボリューム増大効果をさ
らに大きくできる。
【0021】
【作用】ジャム類やゼリー類及びフルーツドリンク類等
においては、ペクチンの効用が理論的に確立されている
が、パン類への応用としては、色々な点において不明な
点が多々あるのが現状である。
【0022】本発明は、ペクチンをパン類の製造に応用
するための最適化を図ったもので、中種生地法によって
パン類を製造するに際し、ペクチンを本捏段階でパン生
地に添加混捏し、次いで常法によってパン生地を焼成す
ることにより、従来から使用されてきたL−アスコルビ
ン酸やL−シスチン等の生地強化剤を添加することなく
パンのボリュームをだすことができ、また同時に食物繊
維の生理活性も付与される。
【0023】ペクチンは、ポリガラクチュロン酸という
高分子多糖類で、中性ではマイナスにチャージしてお
り、したがってプラスにチャージした巨大分子、例えば
等電点より低いpHの系で溶けている蛋白質と反応す
る。実際、ペクチンを中性(pH6.6)のミルクに添
加すると、牛乳蛋白質とペクチンが反応して沈澱を作
る。このように考えると、本願発明においては、小麦粉
に含まれるグルテン蛋白にペクチンが反応し、特にボリ
ューム増加の点において製パン性の向上という機能を発
揮するものと推測される。
【0024】なお、本発明において、HMペクチンの方
がLMペクチンよりも良好な理由については、ゲル化に
関与する因子が糖度とpHであり、LMペクチンのよう
にカルシウムイオンに左右されないことが考えられる。
このように考えると、HMペクチンは、パンの仕込水の
硬度や改良剤中のカルシウム塩及び本捏時に添加混合さ
れるミルク成分中のカルシウム等の影響を受けず、生地
中のグルテンの弾性を強化してボリュームを増加させる
ものと考えられる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を適用した実施例について、具
体的な実験結果に基づいて詳細に説明する。
【0026】実験例1 標準中種法において、市販の品質改良剤を中種添加した
場合とペクチンを本捏添加した場合の比較試験を行っ
た。 配合・工程を表1に示し、結果を表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】表2の結果より、HMペクチン(DE72
以上)を粉末のまま小麦粉に2%添加した実施例3にお
いて、比較例1に較べてほぼ近いボリュームがでてい
る。さらに、3日の老化試験においても2%添加した実
施例3のものが、比較例1よりもわずかに軟らかい結果
となり、吸水性においても比較例1に較べて3%程増加
する。内相のキメにおいては、比較例1に遜色無いもの
であった。
【0030】実験例2 標準中種法において、ペクチンの添加時期を変えて製パ
ン試験を行った。 配合・工程を表3に示し、結果を表4に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】表4の結果より、実施例5と実施例6で
は、本捏段階でHMペクチン(DE72以上)を1%添
加しており、弊社市販ビタミンC型パン用品質改良剤を
中種添加した場合に比べて、ボリュームの増大効果は著
しいものであることが分かる。さらには、比較例2によ
るパンに較べて老化度合がかなり小さいことが分かる。
【0034】しかしながら、実施例4の結果からも分か
るように、中種段階でHMペクチン(DE72以上)を
1%添加しても、ボリュームの増大効果はなく、比較例
2のものと大差がなかった。しかし、老化の度合は、実
施例4のものは、明らかに比較例2のものより良好であ
った。
【0035】比較実験 標準中種法において、ペクチンを中種添加して試験を行
った。配合・工程を表5に示し、結果を表6に示す。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】表6の結果より、実施例7〜9のように、
HMペクチン(DE72以上)を中種の段階で0.5%
〜2.0%までの範囲で小麦粉に添加しても、本捏段階
で添加したものに較べて明らかにボリューム増大効果が
少なく、添加量の増加と比例関係にないことが分かる。
【0039】さらに、比較例2によるパンの老化度合よ
りもさらに悪い数値となっていることが分かる。他の項
目も同様であり、本発明の如く中種法においては、中種
の段階でHMペクチン(DE72以上)を添加してもパ
ン品質において改善効果は期待できない。
【0040】実験例3 標準中種法において、ペクチンの種類による相違を調べ
る試験を行った。配合・工程を表7に示し、結果を表8
に示す。
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
【0043】表8の結果より、本捏段階での添加におい
ては、HMペクチンのエステル化度(DE)が72以上
のものも51という最低のものも、パン品質においては
大差が無いことがわかる。しかしながら、LMペクチン
を用いた場合には、明らかにボリュームの低下が見ら
れ、パンの老化性においても良くない結果となった。
【0044】
【発明の効果】以上の説明からも明かなように、本発明
においては、ペクチンを中種法での本捏段階で添加混捏
しているので、従来から使用されてきたL−アスコルビ
ン酸やL−シスチン等の生地強化剤を添加することなく
パンのボリュームをだすことができる。
【0045】また、このようにして焼成されたパン類
は、ペクチンという食物繊維を更に強化したパン類であ
り、食物繊維の生理活性を有しているものと言える。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中種生地法によってパン類を製造するに
    際し、ペクチンを本捏段階でパン生地に添加混捏し、次
    いで常法によってパン生地を焼成することを特徴とする
    パン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 ペクチンがエステル化度50%以上の高
    メトキシルペクチンであることを特徴とする請求項1記
    載のパン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 ペクチンの添加量が小麦粉に対して0.
    01重量%〜10重量%であることを特徴とする請求項
    1記載のパン類の製造方法。
JP6082120A 1994-04-20 1994-04-20 パン類の製造方法 Withdrawn JPH07289144A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6082120A JPH07289144A (ja) 1994-04-20 1994-04-20 パン類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6082120A JPH07289144A (ja) 1994-04-20 1994-04-20 パン類の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07289144A true JPH07289144A (ja) 1995-11-07

Family

ID=13765559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6082120A Withdrawn JPH07289144A (ja) 1994-04-20 1994-04-20 パン類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07289144A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997025869A1 (en) * 1996-01-16 1997-07-24 Unilever N.V. Ready-to-bake parproofed laminated doughs
JP2009060831A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Riken Vitamin Co Ltd パン用品質改良剤
US8057832B2 (en) 2006-09-13 2011-11-15 Kraft Foods Global Brands Llc Microwavable food products
US8354131B2 (en) 2006-09-13 2013-01-15 Kraft Foods Global Brands Llc Microwavable food products

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997025869A1 (en) * 1996-01-16 1997-07-24 Unilever N.V. Ready-to-bake parproofed laminated doughs
US8057832B2 (en) 2006-09-13 2011-11-15 Kraft Foods Global Brands Llc Microwavable food products
US8354131B2 (en) 2006-09-13 2013-01-15 Kraft Foods Global Brands Llc Microwavable food products
JP2009060831A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Riken Vitamin Co Ltd パン用品質改良剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2692631C (en) Dispersion improver for gluten, and dispersion solution of gluten
CN112400950A (zh) 一种提高全麦面包品质制作方法
JPH10262541A (ja) ドウ組成物
RU2290814C1 (ru) Способ приготовления хлеба
JPH07289144A (ja) パン類の製造方法
JPH08173013A (ja) パン類の品質改良剤及びこれを用いたパン類の製造方法
JPH09107869A (ja) 製パン改良剤およびその製造方法
JPH07289145A (ja) パン類の品質改良剤及びこれを用いたパン類の製造方法
JPH057449A (ja) ベーカリー製品及びその製造法
JP3029083B2 (ja) 麺質改良方法および麺質改良剤
JP4357445B2 (ja) 国内産小麦粉を使用したパン及びその製造方法並びにパン用ミックス粉
RU2325808C2 (ru) Низкокалорийный заменитель зерновой муки и тесто для хлебобулочных изделий
JP2688525B2 (ja) 製パン改良剤およびパン類の製造法
RU2694574C2 (ru) Ингредиентный состав (композиция) и способ производства овсяного печенья с применением функционального ингредиента - пектина древесной зелени сосны обыкновенной
JP3016679B2 (ja) 麺類の品質改良剤およびテクスチャーの改良された麺類
JP3496854B2 (ja) 麺類の製造方法
JP3153117B2 (ja) 麺類の製造方法
JPH08173012A (ja) パン類の品質改良剤及びこれを用いたパン類の製造方法
CN115530200B (zh) 一种面包改良剂及其制备方法和应用
RU2242879C2 (ru) Композиция для приготовления улучшителя хлебопекарного
CN114271473B (zh) 一种酱牛肉复配增稠剂及其制备方法和应用
KR20190112964A (ko) 멥쌀가루와 증점제를 주재로 하는 신규한 만두피 및 그 제조방법
JP3235647B2 (ja) 米菓製造用原料粉及び米菓の製造方法
RU2765059C1 (ru) Способ приготовления хлебобулочных изделий из композитной смеси
RU2223664C2 (ru) Корректирующая добавка для производства макаронных изделий и пельменного теста и способ производства макаронных изделий

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010703