JPH072878A - シクロヘキシルベンゾニトリル誘導体及びこれを含有する液晶組成物 - Google Patents

シクロヘキシルベンゾニトリル誘導体及びこれを含有する液晶組成物

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JPH072878A
JPH072878A JP6024989A JP2498994A JPH072878A JP H072878 A JPH072878 A JP H072878A JP 6024989 A JP6024989 A JP 6024989A JP 2498994 A JP2498994 A JP 2498994A JP H072878 A JPH072878 A JP H072878A
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cyclohexylbenzonitrile
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crystal composition
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JP6024989A
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Tsutomu Ogiwara
勤 荻原
Takaaki Shimizu
孝明 清水
Seigou Kin
剛 金生
Tatsushi Kaneko
達志 金子
Yamato Miura
大和 三浦
Ryuichi Saito
隆一 斎藤
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式(1)または(2)で示されるシクロヘ
キシルベンゾニトリル誘導体及びこれを含有する液晶組
成物である。 【化1】 式中、R1、R2、R3はいずれも1価の直鎖状のオルガ
ノ基、R4は2価の直鎖状のオルガノ基であって、それ
らの骨格原子数はR1、R2、R4が1乃至10の任意の
整数、R3が1乃至4の任意の整数である。nは繰り返
し数を表わし0乃至5の任意の整数を表わす。 【化2】 式中、R1、R2、R3はいずれも1価の直鎖状のオルガ
ノ基であって、それらの骨格原子数はR1、R2が1乃至
10の任意の整数、R3が1乃至4の任意の整数であ
る。mは繰り返し数を表わし0乃至5の任意の整数を表
わす。 【効果】低い駆動電圧で動作可能な液晶組成物を提供で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なシクロヘキシルベ
ンゾニトリル誘導体及びこれを含有する液晶組成物に関
する。
【0002】本発明のシクロヘキシルベンゾニトリル誘
導体は、例えば、低い動作電圧で駆動可能な表示用液晶
組成物の構成成分して利用される。
【0003】本発明の液晶組成物は、例えば、パーソナ
ルコンピューター及びワードプロセッサなどの電気機器
の表示用素子として利用できる。
【0004】
【関連技術】一般に、液晶材料は光学的及び電気的に異
方性を有していることが知られている。そのため、一定
方向に配列されている液晶材料の分子に電界を与える
と、その配向性に変動が生じて光の透過量が著しく変化
する現象が見られる。
【0005】近年、この物性を用いた液晶表示素子が広
く利用されている。しかしながら、現在表示素子に使用
されている液晶材料は、表示素子として要求される多く
の物性を単一の化合物で達成することは事実上不可能で
あるため、数種類の液晶性化合物や非液晶性化合物を混
合することにより、要求される物性を達成している。
【0006】このような液晶表示素子は持ち運び型のワ
ードプロセッサやパーソナルコンピューターによく使用
されている。
【0007】これらの機器のほとんどはバッテリー駆動
で使用されているため、限定されたバッテリー容量に対
して機器の駆動時間の延長化が要求されており、そのた
め特に近年低消費電力型の機器が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、これらの
機器に使用される表示用液晶組成物の駆動電圧の低減化
が可能となれば、液晶表示に使用される消費電力を少な
くすることができるので低消費電力型の機器の製造が可
能となる。
【0009】本発明者らは上記の観点に鑑み駆動電圧の
低減化が可能となる液晶組成物を得るべく鋭意研究した
結果、新規な化合物であるシクロヘキシルベンゾニトリ
ル誘導体を含有する液晶組成物は駆動電圧が低いという
極めて有用な物性を有することを見出し本発明を完成す
るに致った。
【0010】本発明の目的は、低い駆動電圧をその物性
として有する表示用液晶組成物に利用できる新規なシク
ロヘキシルベンゾニトリル誘導体を提供し、新規なシク
ロヘキシルベンゾニトリル誘導体を含有する液晶組成物
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は下記一
般式(1)で表わされることを特徴とする新規なシクロ
ヘキシルベンゾニトリル誘導体である。
【化5】 式中、R1、R2、R3はいずれも1価の直鎖状のオルガ
ノ基、R4は2価の直鎖状のオルガノ基であって、それ
らの骨格原子数はR1、R2、R4が1乃至10の任意の
整数、R3が1乃至4の任意の整数である。nは繰り返
し数を表わし0乃至5の任意の整数を表わす。
【0012】また、本発明は、下記一般式(2)で表わ
されることを特徴とするシクロヘキシルベンゾニトリル
誘導体である。
【化6】 式中、R1、R2、R3はいずれも1価の直鎖状のオルガ
ノ基であって、それらの骨格原子数はR1、R2が1乃至
10の任意の整数、R3が1乃至4の任意の整数であ
る。mは繰り返し数を表わし0乃至5の任意の整数を表
わす。
【0013】さらに、本発明は、下記一般式(1)及び
/又は一般式(2)で表わされるシクロヘキシルベンゾ
ニトリル誘導体を含有することを特徴とする液晶組成物
である。
【化7】 式中、R1、R2、R3はいずれも1価の直鎖状のオルガ
ノ基、R4は2価の直鎖状のオルガノ基であって、それ
らの骨格原子数はR1、R2、R4が1乃至10の任意の
整数、R3が1乃至4の任意の整数である。nは繰り返
し数を表わし0乃至5の任意の整数を表わす。 (以下余白)
【化8】 式中、R1、R2、R3はいずれも1価の直鎖状のオルガ
ノ基であって、それらの骨格原子数はR1、R2が1乃至
10の任意の整数、R3が1乃至4の任意の整数であ
る。mは繰り返し数を表わし0乃至5の任意の整数を表
わす。
【0014】以下、本発明を詳しく説明する。一般式
(1)及び(2)で示されるシクロヘキシルベンゾニト
リル誘導体は新規化合物である。一般式(1)及び
(2)の化合物の構造的な関係は、一般式(1)の式中
において、R4が存在せずに、-OSi(R3)-で表わさ
れるシロキサン単位が直接シクロヘキサン環に接続して
いる場合が一般式(2)で示される化合物である。ま
た、n及びmは、式中、-OSi(R3)-で表わされるシ
ロキサン単位の繰り返し数を表わすが、繰り返し数が0
の場合とは一般式(1)及び(2)の式中にシロキサン
単位がない化合物を表わしている。
【0015】R1、R2、R3及びR4はいずれも直鎖状の
オルガノ基である。R1、R2、R3は1価の基で、例え
ば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などの炭
化水素基が挙げられる。
【0016】R4は2価の基で、例えば、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基などの炭化水素基
が挙げられる。
【0017】また、R1、R2、R3のいずれのオルガノ
基については、珪素原子に直結する骨格原子を除けばそ
の主鎖(骨格構造)中にエーテル基やスルフィド基が入
っていてもよい。R4は2価の基であるので珪素原子に
直結する骨格原子及びシクロヘキサン環に直結する骨格
原子を除けば、その主鎖中にエーテル基やスルフィド基
を含むオルガノ基でもよい。
【0018】R1で示されるオルガノ基として、具体的
には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基など、炭素数1乃至10の直鎖のアルキ
ル基が挙げられる。また、ビニル基、プロペニル基、ブ
テニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル
基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基などの炭素
数2乃至10の直鎖のアルケニル基が挙げられる。さら
に、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニ
ル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノ
ニニル基、デシニル基などの炭素数2乃至10の直鎖の
アルキニル基なども挙げられる。
【0019】R1の主鎖(骨格構造)中にエーテル基を
含む具体例としては、例えば、メトキシエチル基、メト
キシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル
基、メトキシヘプチル基、メトキシオクチル基などのメ
トキシアルキル基が挙げられる。また、R1はエトキシ
基を有していてもよく、例えば、エトキシエチル基、エ
トキシプロピル基、エトキシブチル基、エトキシペンチ
ル基、エトキシヘキシル基、エトキシヘプチル基、エト
キシオクチル基などが挙げられる。
【0020】また、R1の主鎖(骨格構造)中にスルフ
ィド基を含む具体例としては、例えば、メチルチオエチ
ル基、メチルチオブチル基、メチルチオヘキシル基、メ
チルチオオクチル基などが挙げられる。エチルチオ基を
有していてもよく、例えば、エチルチオプロピル基、エ
チルチオペンチル基、エチルチオヘプチル基などが挙げ
られる。
【0021】なお、R1は上記の具体的なオルガノ基を
上記の骨格原子の数の制限内で直鎖状に組み合せたオル
ガノ基でもよい。
【0022】R2、R3で示されるオルガノ基は、具体的
には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など
が好ましく、特にメチル基、エチル基が好ましい。R4
で示されるオルガノ基の具体例としては、メチレン基、
エチレン基、ポリメチレン基などが挙げられる。
【0023】なお、一般式(1)及び(2)中には、1
分子中にそれぞれ2個のR2及びR3を存在しているが、
2個のR2は同一のオルガノ基であってもまた異なるオ
ルガノ基であってもよい。2個のR3についても同様
で、同一のオルガノ基であってもよくまた異なるオルガ
ノ基であってもよい。
【0024】一般式(1)及び(1)で示される本発明
のシクロヘキシルベンゾニトリル誘導体を以下に列挙す
る。
【0025】「〔表1〕に示した、R1が炭素数1乃至
10のアルキル基、R2及びR3がメチル基、m及びnが
0(シロキサン単位がなし)であって、R4がメチレン
基又はポリメチレン基(重合数2乃至10)の一般式
(1)またはR4がない一般式(2)のシクロヘキシル
ベンゾニトリル誘導体」 (以下余白)
【表1】
【0026】「〔表2〕に示した、R1が骨格原子数5
乃至10のメトキシアルキル基、R2及びR3がメチル
基、nが0(シロキサン単位がなし)であって、R4
メチレン基又はエチレン基の一般式(1)のシクロヘキ
シルベンゾニトリル誘導体」
【表2】
【0027】「〔表3〕に示した、R1が炭素数3乃至
7のアルケニル基、R2及びR3がメチル基、nが0(シ
ロキサン単位がなし)であって、R4がポリメチレン基
(骨格原子数3乃至7)の一般式(1)のシクロヘキシ
ルベンゾニトリル誘導体」
【表3】
【0028】「〔表4〕に 示した、R1が炭素数3乃
至7のアルキニル基、R2及びR3がメチル基、nが0
(シロキサン単位がなし)であって、R4がポリメチレ
ン基(骨格原子数3乃至7)の一般式(1)のシクロヘ
キシルベンゾニトリル誘導体」
【表4】
【0029】「〔表5〕に示した、MR1、R2及びR3
がエチル基、nが0(シロキサン単位がなし)であっ
て、R4がポリメチレン基(骨格原子数3乃至8)の一
般式(1)のシクロヘキシルベンゾニトリル誘導体」
【表5】
【0030】「〔表6〕に示した、R1が炭素数3乃至
5のアルキル基、R2及びR3がエチル基、nが0(シロ
キサン単位がなし)であって、R4がメチレン基又はエ
チレン基の一般式(1)のシクロヘキシルベンゾニトリ
ル誘導体」
【表6】
【0031】「〔表7〕に示した、R1が炭素数3乃至
7のアルケニル基、R2及びR3がエチル基、nが0(シ
ロキサン単位がなし)であって、R4がポリメチレン基
(骨格原子数3乃至7)の一般式(1)のシクロヘキシ
ルベンゾニトリル誘導体」
【表7】
【0032】「〔表8〕に示した、R1が炭素数3乃至
7のアルキニル基、R2及びR3がエチル基、nが0(シ
ロキサン単位がなし)であって、R4がポリメチレン基
(骨格原子数3乃至7)の一般式(1)のシクロヘキシ
ルベンゾニトリル誘導体」
【表8】
【0033】「〔表9〕に示した、R1、R2及びR3
メチル基、m及びnが1であって、R4がメチレン基又
はポリメチレン基(重合数2乃至10)の一般式(1)
またはR4がない一般式(2)のシクロヘキシルベンゾ
ニトリル誘導体」
【表9】
【0034】「〔表10〕に示した、R1が炭素数2乃
至10のアルキル基、R2及びR3がメチル基、m及びn
が1であって、R4がメチレン基又はエチレン基の一般
式(1)またはR4がない一般式(2)のシクロヘキシ
ルベンゾニトリル誘導体」
【表10】
【0035】「〔表11〕に示した、R1、R2及びR3
がメチル基、m及びnが2であって、R4がメチレン基
又はポリメチレン基(重合数2乃至10)の一般式
(1)またはR4がない一般式(2)のシクロヘキシル
ベンゾニトリル誘導体」 (以下余白)
【表11】
【0036】「〔表12〕に示した、R1が炭素数2乃
至10のアルキル基、R2及びR3がメチル基、m及びn
が2であって、R4がメチレン基又はエチレン基の一般
式(1)またはR4がない一般式(2)のシクロヘキシ
ルベンゾニトリル誘導体」 (以下余白)
【表12】
【0037】「〔表13〕に示した、R1、R2及びR3
がメチル基、m及びnが3であって、R4がメチレン基
又はポリメチレン基(重合数2乃至10)の一般式
(1)またはR4がない一般式(2)のシクロヘキシル
ベンゾニトリル誘導体」 (以下余白)
【表13】
【0038】「〔表14〕に示した、R1が炭素数2乃
至10のアルキル基、R2及びR3がメチル基、m及びn
が3であって、R4がメチレン基又はエチレン基の一般
式(1)またはR4がない一般式(2)のシクロヘキシ
ルベンゾニトリル誘導体」 (以下余白)
【表14】
【0039】「〔表15〕に示した、R1、R2及びR3
がメチル基、m及びnが4であって、R4がメチレン基
又はポリメチレン基(重合数2乃至10)の一般式
(1)またはR4がない一般式(2)のシクロヘキシル
ベンゾニトリル誘導体」 (以下余白)
【表15】
【0040】「〔表16〕に示した、R1が炭素数2乃
至10のアルキル基、R2及びR3がメチル基、m及びn
が4であって、R4がメチレン基又はエチレン基の一般
式(1)またはR4がない一般式(2)のシクロヘキシ
ルベンゾニトリル誘導体」 (以下余白)
【表16】
【0041】「〔表17〕に示した、R1、R2及びR3
がメチル基、m及びnが5であって、R4がメチレン基
又はポリメチレン基(重合数2乃至10)の一般式
(1)またはR4がない一般式(2)のシクロヘキシル
ベンゾニトリル誘導体」 (以下余白)
【表17】
【0042】「〔表18〕に示した、R1が炭素数2乃
至10のアルキル基、R2及びR3がメチル基、m及びn
が5であって、R4がメチレン基又はエチレン基の一般
式(1)またはR4がない一般式(2)のシクロヘキシ
ルベンゾニトリル誘導体」 (以下余白)
【表18】
【0043】上記一般式(1)及び(2)で示される本
発明のシクロヘキシルベンゾニトリル誘導体は、例え
ば、トランスー4ー置換ー1ーフェニルシクロヘキサンにフリ
ーデル−クラフツ反応によりベンゼン環にアセチル基を
導入し、このアセチル基を常法に従ってシアノ基に官能
基変換することにより製造することができる。
【0044】本発明のシクロヘキシルベンゾニトリルは
液晶組成物として利用できる。例えば、既存の液晶組成
物に本発明のシクロヘキシルベンゾニトリル誘導体を添
加すれば本発明の液晶組成物が得られる。一般式(1)
又は(2)のシクロヘキシルベンゾニトリル誘導体をそ
れぞれ単独又は混合して添加すればよく、液晶組成物と
して機能する限りにおいて他の化合物が添加されてもよ
い。すなわち、液晶組成物の構成成分として一般式
(1)及び/又は(2)で示されるのシクロヘキシルベ
ンゾニトリル誘導体を含有する場合は本発明の液晶組成
物を構成する。
【0045】本発明の液晶組成物は特に表示用液晶素子
に利用される表示用液晶組成物として開発されたもので
あり、その特徴は液晶組成物の駆動電圧が低いという優
れた物性を有することである。しかしながら本発明の液
晶組成物の用途は特に表示用に限定されるものではな
い。
【0046】本発明の液晶組成物を表示用液晶組成物と
して用いる場合、一般式(1)及び/又は(2)で示さ
れるシクロヘキシルベンゾニトリル誘導体の含有量は液
晶組成物全量に対して30重量%以下が好ましい。さら
に好ましくは15%重量以下である。30重量%以下で
はその含有量に対して比例的に充分な駆動電圧の低減化
効果を見ることが出来る。30重量%を越えて添加して
も添加量に比例する駆動電圧低減効果は必ずしも期待で
きず過剰に添加すると他の特性に悪影響を与えてしまう
可能性がある。
【0047】
【実施例】実施例により本発明の化合物の製法及び液晶
組成物の物性について説明する。 [実施例1] 4ー[トランス-[4-(2-n-ヘキシルジメチルシリルエチル)
シクロヘキシル]]ベンゾニトリルの製造 4ー[トランス-[4-(2-n-ヘキシルジメチルシリルエチル)
シクロヘキシル]]ベンゼルの塩化メチレン溶液中、塩化
アルミニウムを触媒として塩化アセチルを反応させてメ
チルケトンを得た。得られたメチルエチルケトンをヘキ
サンを溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトで精製
した。次に、精製したメチルケトンのテトラヒドロフラ
ン溶液を水酸化ナトリウム及び臭素の水溶液中に滴下し
た。滴下終了後この溶液を85℃まで加熱しこの温度で
1時間撹拌した。冷却後、希塩酸を加えpHを4以下と
して、分液ロートにて塩化メチレンで抽出を行なった。
この塩化メチレン層を重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに減圧濃縮して対
応するカルボン酸を得た。得られたカルボン酸粗製物に
塩化チオニルを加え、30分間還流させた後、過剰の塩
化チオニルを留去して対応する酸塩化物を得た。これを
氷冷したアンモニア水に滴下した。これを希塩酸で中和
した後、分液ロートにて塩化メチレンで抽出した。この
塩化メチレン層を重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに減圧濃縮して対応す
るアミドを得た。得られたアミド粗製物をN,N-ジメチル
ホルムアミドに溶かし、この溶液にオキシ塩化リンを室
温で滴下した。混合物を50〜60℃に加熱し、この温度で
1時間撹拌した。これを冷却後氷水に注ぎ、分液ロート
にて塩化メチレンで抽出した。この塩化メチレン層を重
曹水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥しさらに減圧濃縮した。得られた残渣を、シリカゲ
ルカラムクロマトで精製して、目的物の4ー[トランス-[4
-(2-n-ヘキシルジメチルシリルエチル)シクロヘキシ
ル]]ベンゾニトリルを得た。赤外吸収スペクトルを図1
に、1 H−NMR スペクトルを図2に示す。
【0048】[実施例2〜7]実施例1の製造方法と同
様にして、それぞれ対応する既存のベンゾニトリル誘導
体を出発物質に用い、一般式(1)で示されるシクロヘ
キシルベンゾニトリル誘導体のR1、R2、R3、R4の炭
素数及びn(シロキサン単位の繰り返し数)が異なる化
合物を合成した。結果を〔表19〕に示す。
【0049】(以下余白)
【表19】
【0050】次に上記実施例で得られた本発明のシクロ
ヘキシルベンゾニトリル誘導体を既存の液晶組成物に添
加して本発明の液晶組成物を製造した。得られた液晶組
成物の閾値電圧及び飽和電圧を測定した。
【0051】[実施例8]実施例1で得られたシクロヘ
キシルベンゾニトリル誘導体を、市販の液晶組成物であ
るE−77A(BDH社製)に5%添加して本発明の液
晶組成物を製造した。TNセルにおける電気特性を測定
したところ、閾値電圧は1.2V、飽和電圧は1.7V
であった。
【0052】[実施例9]実施例1で得られたシクロヘ
キシルベンゾニトリル誘導体を、市販の液晶組成物であ
るE−77A(BDH社製)に25%添加して本発明の
液晶組成物を製造した。TNセルにおける電気特性を測
定したところ、閾値電圧は1.1V、飽和電圧は1.6
Vであった。
【0053】[比較例]市販の液晶組成物であるE−7
7A(BDH社製)に本発明のシクロヘキシルベンゾニ
トリル誘導体を添加せずにTNセルにおける電気特性を
測定したところ、閾値電圧は1.5V、飽和電圧は2.
0Vであった。
【0054】実施例8及び実施例9の液晶組成物の飽和
電圧及び閾値電圧は、比較例の液晶組成物に比べ低く、
したがって本発明の液晶組成物は駆動電圧の低減化が可
能である。
【0055】
【発明の効果】本発明のシクロヘキシルベンゾニトリル
誘導体は液晶組成物の構成成分を提供することができ
る。本発明の液晶組成物は飽和電圧及び閾値電圧を低減
することができる。したがって低い駆動電圧で動作可能
な液晶表示剤を提供することができる。
【0056】本発明の液晶組成物を液晶表示剤として表
示素子に利用すれば消費電力の低い電気光学表示装置を
作ることができるので、例えば低消費電力型のパーソナ
ルコンピューターやワードプロセッサが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の化合物の赤外吸収スペクトルであ
る。
【図2】実施例1の化合物の1H−NMRスペクトルで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金生 剛 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 金子 達志 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 三浦 大和 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 斎藤 隆一 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされることを特
    徴とするシクロヘキシルベンゾニトリル誘導体。 【化1】 式中、R1、R2、R3はいずれも1価の直鎖状のオルガ
    ノ基、R4は2価の直鎖状のオルガノ基であって、それ
    らの骨格原子数はR1、R2、R4が1乃至10の任意の
    整数、R3が1乃至4の任意の整数である。nは繰り返
    し数を表わし0乃至5の任意の整数を表わす。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表わされることを特
    徴とするシクロヘキシルベンゾニトリル誘導体。 【化2】 式中、R1、R2、R3はいずれも1価の直鎖状のオルガ
    ノ基であって、それらの骨格原子数はR1、R2は1乃至
    10の任意の整数、R3は1乃至4の任意の整数であ
    る。mは繰り返し数を表わし0乃至5の任意の整数を表
    わす。
  3. 【請求項3】 R2、R3がメチル基又はエチル基のいず
    れかである請求項1又は請求項2記載のシクロヘキシル
    ベンゾニトリル誘導体。
  4. 【請求項4】 下記一般式(1)及び/又は一般式
    (2)で表わされるシクロヘキシルベンゾニトリル誘導
    体を含有することを特徴とする液晶組成物。 【化3】 式中、R1、R2、R3はいずれも1価の直鎖状のオルガ
    ノ基、R4は2価の直鎖状のオルガノ基であって、それ
    らの骨格原子数はR1、R2、R4が1乃至10の任意の
    整数、R3が1乃至4の任意の整数である。nは繰り返
    し数を表わし0乃至5の任意の整数を表わす。 【化4】 式中、R1、R2、R3はいずれも1価の直鎖状のオルガ
    ノ基であって、それらの骨格原子数はR1、R2は1乃至
    10の任意の整数、R3は1乃至4の任意の整数であ
    る。mは繰り返し数を表わし0乃至5の任意の整数を表
    わす。
  5. 【請求項5】 R2、R3がメチル基又はエチル基のいず
    れかである請求項4記載の液晶組成物。
JP6024989A 1993-04-23 1994-01-28 シクロヘキシルベンゾニトリル誘導体及びこれを含有する液晶組成物 Pending JPH072878A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5993690A (en) * 1995-07-27 1999-11-30 Chisso Corporation Organosilicon compound, liquid crystal composition, and liquid-crystal display element
JP2013522418A (ja) * 2010-03-15 2013-06-13 ケンブリッジ・エンタープライズ・リミテッド スメクチックa光学素子のための液晶配合および構造

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