JP2907172B2 - 液晶添加剤、液晶組成物およびそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents
液晶添加剤、液晶組成物およびそれを用いた液晶表示素子Info
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Description
ディスプレイに用いられる液晶添加剤、液晶組成物及び
これを用いた液晶表示素子に関するものである。
みならず、現在では携帯端末、ノートPC、ワークステ
ーション用表示装置として実用化されており、その用途
は拡大している。そして、これら用途の要求性能として
は、高精細動画再生表示可能な高速応答性液晶デイスプ
レイが求められている。
するためには、それを構成する液晶表示素子の高速化、
即ち高速応答可能な液晶組成物が必要とされる。現在の
ところ、高速応答可能な液晶組成物を得る有効な手段と
して、液晶組成物の配合成分として環状化合物(フェニ
ル基、シクロヘキシル基等)の側鎖及び末端にフッ素原
子を導入したフッ素置換化合物が開発されている。その
例として、メルク(E.Merck)社のプロシーディ
ング・オブ・エスピーアイイー・カンファレンス(V.
Reiffenrath et.al. Proc.
of SPIEConference (1990)
p84 )からフッ素置換トラン化合物が報告されてい
る。
の手段として、シリコン原子を有する有機シリコン化合
物の開発がされている。その開発例として、信越化学の
特開平7−70148号公報「シラシクロヘキサン化合
物、その製造法及びこれを含有する液晶組成物」で示さ
れるシラシクロヘキサンが挙げられる。この化合物は高
速応答可能な液晶組成物の配合成分として有効であると
されているが、具体的な応答時間の数値については報告
されていない。
来からの時計、計算機用表示装置をはじめ、現在では携
帯用端末として用いられており、様々な製品への用途を
持っており、用途が拡大するにつれ、液晶材料に対する
要求性能が厳しいものになりつつある。高精細動画表示
可能な液晶ディスプレイを実現するためには液晶組成物
の高速化が必要とされるが、前記の従来の化合物では十
分な高速化を達成したものは得られてはいなかった。
素子を得るための液晶添加剤、液晶組成物を提供するこ
とである。
題を解決するために鋭意検討した結果、一つの環状置換
基と、一つの環状置換基をメチレン基を介して有するS
i原子を持つ有機シリコン化合物からなる液晶添加剤
と、ネマチック組成物またはスメクチック液晶組成物か
ら構成される液晶組成物が高速応答性に優れていること
見いだし、本発明に至った。
有機シリコン化合物は、一つの環状置換基と、一つの環
状置換基をメチレン基を介して有するSi原子を有する
有機シリコン化合物であり、下記一般式(1)で示され
る化合物である。ただし、式中、A、Bは相互に独立し
た好ましくは炭素数5または6の置換基であり、X、Y
はいずれもアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコ
キシル基、ハロゲン化アルコキシル基、又はハロゲン原
子、水素原子、水酸基、シアノ基である。
コン化合物が挙げられるが、これに限定されるものでは
ない。
相溶性の観点から、環状置換基A、Bのうち少なくとも
Aが、−CnH2n+1、−OCnH2n+1、−F、−Cl、
−Br、−I、−OH、−CF3、CN(式中nは0〜
10の整数)より選ばれる置換基を有することが好まし
く、この例としては以下のようなものがあげられる。
の置換基を有していることが好ましい。
A、Bは、置換もしくは非置換のフェニル基、又は置換
もしくは非置換のシクロヘキシル基であることが好まし
い。これらが置換基を有することがさらに好ましく、特
に環状置換基A、Bがともに4−置換フェニル基、もし
くは4−置換シクロヘキシル基であることが好ましい。
例えば次式で示されるようなシリコン化合物があげられ
る。
キル基、ハロゲン化アルコキシル基、ハロゲン原子、水
素原子、水酸基、シアノ基より選ばれたいずれか1種の
置換基であるが、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
アルコキシル基またはハロゲン化アルコキシル基である
場合は、母体液晶組成物に対する相溶性の観点から、炭
素数1〜10であることが望ましい。また、化学安定
性、高速応答性の観点からは、X、Yがメチル基である
ことがさらに好ましい。この例としては次式のようなも
のがある。
に対して前記のようなシリコン化合物のいずれかを1〜
50重量%含有するのが好ましい。前期シリコン化合物
は添加量50重量%を越える条件では母体液晶組成物に
対する相溶性が著しく低下する。また、前期シリコン化
合物を1重量%以下含む液晶組成物では、応答速度の向
上が殆ど見られない。このため、組成比率が母体液晶組
成物に対して前記のようなシリコン化合物のいずれかを
1〜50重量%含有するのが好ましく、5〜25重量%
含有するのがさらに好ましい。なお、母体液晶組成物と
は液晶組成物の主体をなすものであり、既存のネマチッ
ク液晶組成物やスメクチック組成物を用いることができ
る。
ており、液晶表示装置用素子として使用できる。本発明
の液晶組成物は高速応答性が優れており、液晶表示素子
に好適に使用できる。本発明の液晶表示素子は、上記液
晶組成物を用いたことを特徴としており、その構造は従
来より用いられている一般的な液晶表示素子の構造と同
等である。すなわち、電極層を備えた対向する2枚の透
明基板間に本発明の液晶組成物が配置された構造を有
し、例えば図3に示すような構造を有するものである。
するが、本発明をその旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
メチルシランの合成
00mlの三口フラスコをアルゴン置換し、ベンジルブ
ロマイド(5g、0.029mol)、無水ジエチルエ
ーテル(50ml)を入れ、−78℃で撹拌しながら、
n−ブチルリチウム/n-ヘキサン溶液(18.2ml、
0.029mol)をゆっくり滴下し、3時間撹拌さ
せ、Br−Li交換反応によりベンジルリチウムを生成
した。得られた反応溶液にクロロシクロヘキシルジメチ
ルシラン(5.1g、0.030mol)をゆっくり滴下
し、−78℃で2時間、室温まで昇温させ1時間撹拌す
る。反応溶液をガラスフィルターで濾過し、濃縮後、ヘ
キサンを投入、再びガラスフィルターで濾過し、この操
作を数回繰り返すことにより副生成物である塩化リチウ
ムを除去させた。そして、反応溶液を濃縮させ、減圧蒸
留により目的のシリコン化合物をベンジル(シクロヘキ
シル)ジメチルシランを単離した。化合物の精製は減圧
蒸留を数回繰り返すことにより行った。化合物の構造解
析は、1H、13C-NMRスペクトル分析、元素分析に
より行った。本化合物の性状は無色透明な液体で液晶性
は示さなかった。本化合物を既存液晶組成物に添加した
ところ、非常に優れた相溶性を示した。
メチルシランの合成
00mlの三口フラスコをアルゴン置換し、ベンジルブ
ロマイド(5g、0.029mol)、無水ジエチルエ
ーテル(50ml)を入れ、−78℃で撹拌しながら、
n−ブチルリチウム/n-ヘキサン溶液(18.2ml、
0.029mol)をゆっくり滴下し、3時間撹拌さ
せ、Br−Li交換反応によりベンジルリチウムを生成
した。得られた反応溶液にジクロロジメチルシラン
(3.7g、0.029mol)をゆっくり滴下し、−
78℃で2時間、0℃で1時間、撹拌させ、クロロベン
ジルジメチルシランを生成させた。一方、乾燥させた5
00mlの三口フラスコにペンチルブロマイド(4.3
g、0.029mol)、無水ジエチルエーテル(50
ml)を入れ、−78℃で撹拌しながら、n−ブチルリ
チウム/n-ヘキサン溶液(18.2ml、0.029m
ol)をゆっくり滴下し、3時間撹拌させ、Br−Li
交換反応によりシクロペンチルリチウムを生成させる。
この反応溶液を、先程得られたクロロベンジルジメチル
シランの反応溶液にゆっくり滴下し、−78℃で2時
間、室温まで昇温させ1時間撹拌させた。反応溶液をガ
ラスフィルターで濾過し、濃縮後、ヘキサンを投入、再
びガラスフィルターで濾過し、この操作を数回繰り返す
ことにより副生成物である塩化リチウムを除去させた。
そして、反応溶液を濃縮させ、減圧蒸留により目的のシ
リコン化合物ベンジル(シクロペンチル)ジメチルシラン
を単離した。化合物の精製は減圧蒸留を数回繰り返すこ
とにより行った。化合物の構造解析は、1H、13C-N
MRスペクトル分析、元素分析により行った。本化合物
の性状は無色透明な液体で液晶性は示さなかった。本化
合物を既存液晶組成物に添加したところ、非常に優れた
相溶性を示した。
ル)ジメチルシランの合成
00mlの三口フラスコをアルゴン置換し、4−ブロモ
クロロベンゼン(5g、0.026mol)、無水ジエ
チルエーテル(50ml)を入れ、−78℃で撹拌しな
がら、n−ブチルリチウム/n-ヘキサン溶液(16.5
ml、0.026mol)をゆっくり滴下し、3時間撹
拌させ、Br−Li交換反応によりクロロフェニルリチ
ウムを生成した。得られた反応溶液にベンジルジメチル
クロロシラン(4.8g、0.026mol)をゆっくり
滴下し、−78℃で2時間、室温まで昇温させ1時間撹
拌する。反応溶液をガラスフィルターで濾過し、濃縮
後、ヘキサンを投入、再びガラスフィルターで濾過し、
この操作を数回繰り返すことにより副生成物である塩化
リチウムを除去させた。そして、反応溶液を濃縮させ、
減圧蒸留により目的のシリコン化合物ベンジル(4−ク
ロロフェニル)ジメチルシランを単離した。化合物の精
製は減圧蒸留を数回繰り返すことにより行った。化合物
の構造解析は、1H、13C-NMRスペクトル分析、元
素分析により行った。本化合物の性状は無色透明な液体
で液晶性は示さなかった。本化合物を既存液晶組成物に
添加したところ、非常に優れた相溶性を示した。
ル)ジメチルシランの合成
00mlの三口フラスコをアルゴン置換し、4−ブロモ
ベンゾニトリル(5g、0.027mol)、無水ジエ
チルエーテル(50ml)を入れ、−78℃で撹拌しな
がら、n−ブチルリチウム/n-ヘキサン溶液(17.0
ml、0.027mol)をゆっくり滴下し、3時間撹
拌させ、Br−Li交換反応によりリチウムベンゾニト
リルを生成した。得られた反応溶液にベンジルジメチル
クロロシラン(5.0g、0.027mol)をゆっくり
滴下し、−78℃で2時間、室温まで昇温させ1時間撹
拌する。反応溶液をガラスフィルターで濾過し、濃縮
後、ヘキサンを投入、再びガラスフィルターで濾過し、
この操作を数回繰り返すことにより副生成物である塩化
リチウムを除去させた。そして、反応溶液を濃縮させ、
減圧蒸留により目的のシリコン化合物ベンジル(4−シ
アノフェニル)ジメチルシランを単離した。化合物の精
製は減圧蒸留を数回繰り返すことにより行った。化合物
の構造解析は、1H、13C-NMRスペクトル分析、元
素分析により行った。本化合物の性状は無色透明な液体
で液晶性は示さなかった。本化合物を既存液晶組成物に
添加したところ、非常に優れた相溶性を示した。
ル)ジメチルシランの合成
00mlの三口フラスコをアルゴン置換し、1−ブロモ
−4−ブチルベンゼン(5g、0.023mol)、無
水ジエチルエーテル(40ml)を入れ、−78℃で撹
拌しながら、n−ブチルリチウム/n-ヘキサン溶液(1
4.6ml、0.023mol)をゆっくり滴下し、3時
間撹拌させ、Br−Li交換反応によりp−ブチルフェ
ニルリチウムを生成した。得られた反応溶液にベンジル
ジメチルクロロシラン(4.2g、0.023mol)を
ゆっくり滴下し、−78℃で2時間、室温まで昇温させ
1時間撹拌する。反応溶液をガラスフィルターで濾過
し、濃縮後、ヘキサンを投入、再びガラスフィルターで
濾過し、この操作を数回繰り返すことにより副生成物で
ある塩化リチウムを除去させた。そして、反応溶液を濃
縮させ、減圧蒸留により目的のシリコン化合物ベンジル
(4−ブチルフェニル)ジメチルシランを単離した。化合
物の精製は減圧蒸留を数回繰り返すことにより行った。
化合物の構造解析は、1H、13C-NMRスペクトル分
析、元素分析により行った。本化合物の性状は無色透明
な液体で液晶性は示さなかった。本化合物を既存液晶組
成物に添加したところ、非常に優れた相溶性を示した。
ル)4−ブチルフェニルシランの合成
00mlの三口フラスコをアルゴン置換し、1−ブロモ
−4−ブチルベンゼン(5g、0.023mol)、無
水ジエチルエーテル(40ml)を入れ、−78℃で撹
拌しながら、n−ブチルリチウム/n-ヘキサン溶液(1
4.6ml、0.023mol)をゆっくり滴下し、3時
間撹拌させ、Br−Li交換反応によりp−ブチルフェ
ニルリチウムを生成した。次に、得られた反応溶液にジ
クロロジブチルシラン(5.0g、0.024mol)を
ゆっくり滴下し、−78℃で2時間、室温まで昇温させ
1時間撹拌させ、クロロブチルフェニルジブチルシラン
を生成させた。一方、乾燥させた500mlの三口をア
ルゴン置換し、4−ブチルベンジルブロマイド(5.2
g、0.023mol)、ジエチルエーテル(50ml)
を入れ、−78℃で撹拌しながら、n−ブチルリチウム
/n−ヘキサン溶液(14.6ml、0.023mol)
をゆっくり滴下し、3時間撹拌させ、Br−Li交換反
応により、4−ブチルベンジルリチウムを生成させる。
そして、この反応溶液に先程得られたクロロブチルフェ
ニルジブチルシランの反応溶液を−78℃でゆっくり滴
下し、−78℃で2時間、室温まで昇温させ、3時間撹
拌させた。得られた反応溶液をガラスフィルターで濾過
し、濃縮後、ヘキサンを投入、再びガラスフィルターで
濾過し、この操作を数回繰り返すことにより副生成物で
ある塩化リチウムを除去させ、濃縮、減圧蒸留により目
的のシリコン化合物ジブチル(4−ブチルベンジル)4−
ブチルフェニルシランを単離した。化合物の精製は減圧
蒸留を数回繰り返すことにより行った。化合物の構造解
析は、1H、13C-NMRスペクトル分析、元素分析に
より行った。本化合物の性状は無色透明な液体で液晶性
は示さなかった。本化合物を既存液晶組成物に添加した
ところ、非常に優れた相溶性を示した。
4−ブチルフェニルシランの合成
00mlの三口フラスコをアルゴン置換し、1−ブロモ
−4−ブチルベンゼン(5g、0.023mol)、無
水ジエチルエーテル(40ml)を入れ、−78℃で撹
拌しながら、n−ブチルリチウム/n-ヘキサン溶液(1
4.6ml、0.023mol)をゆっくり滴下し、3時
間撹拌させ、Br−Li交換反応によりp−ブチルフェ
ニルリチウムを生成した。得られた反応溶液にクロロメ
チルジメチルクロロシラン(1.68g、0.0118m
ol)をゆっくり滴下し、−78℃で2時間、室温まで
昇温させ1時間撹拌する。反応溶液をガラスフィルター
で濾過し、濃縮後、ヘキサンを投入、再びガラスフィル
ターで濾過し、この操作を数回繰り返すことにより副生
成物である塩化リチウムを除去させた。そして、反応溶
液を濃縮させ、減圧蒸留により目的のシリコン化合物、
ジメチル(4−ブチルベンジル)4−ブチルフェニルシラ
ンを単離した。化合物の精製は減圧蒸留を数回繰り返す
ことにより行った。化合物の構造解析は、1H、13C-
NMRスペクトル分析、元素分析により行った。本化合
物の性状は無色透明な液体で液晶性は示さなかった。本
化合物を既存液晶組成物に添加したところ、非常に優れ
た相溶性を示した。
ヘキシル)4−ブチルシクロヘキシルメチルシランの合
成
200mlの三口フラスコをアルゴン置換し、1−クロ
ロ−4−ブチルシクロヘキサン(5g、0.0356m
ol)、無水ジエチルエーテル(40ml)を入れ、−
78℃で撹拌しながら、n−ブチルリチウム/n-ヘキサ
ン溶液(22.3ml、0.0356mol)をゆっくり
滴下し、3時間撹拌させ、p−ブチルシクロヘキシルリ
チウムを生成した。得られた反応溶液にクロロメチルジ
メチルクロロシラン(2.54g、0.0178mo
l)を−78℃でゆっくり滴下し、−78℃で2時間、
室温まで昇温させ1時間撹拌した。反応溶液をガラスフ
ィルターで濾過し、濃縮後、ヘキサンを投入、再びガラ
スフィルターで濾過し、この操作を数回繰り返すことに
より副生成物である塩化リチウムを除去させた。そし
て、反応溶液を濃縮させ、減圧蒸留により目的のシリコ
ン化合物、ジメチル(4−ブチルシクロヘキシル)4−ブ
チルシクロヘキシルメチルシランを単離した。化合物の
精製は減圧蒸留を数回繰り返すことにより行った。化合
物の構造解析を1H、13C-NMRスペクトル分析より
行ったところ、生成化合物はジメチル(4−ブチルシク
ロヘキシル)4−ブチルシクロヘキシルメチルシランで
あることが確認された。本化合物の性状は無色透明な液
体で、液晶性を示さなかった。本化合物を既存液晶組成
物に添加したところ、非常に優れた相溶性を示した。
5,6−テトラフルオロベンジル)4−ブチル2,3,5,
6−テトラフルオロフェニルシランの合成
200mlの三口フラスコをアルゴン置換し、1−ブチ
ル−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン(5g、0.01
75mol)、ジエチルエーテル(50ml)を入れ、
−78℃で撹拌しながら、n−ブチルリチウム/n−ヘ
キサン溶液(11ml、0.0175mol)をゆっく
り滴下し、3時間撹拌させ、4−ブチル−2,3,5,6
テトラフルオロフェニルリチウムを生成させた。得られ
た反応溶液にクロロメチルジメチルクロロシラン(0.
13g、0.0088mol)を−78℃でゆっくり滴
下し、−78℃で2時間、室温で1時間撹拌した。反応
溶液をガラスフィルターで濾過し、濃縮後、ヘキサンを
投入、再びガラスフィルターで濾過し、この操作を数回
繰り返すことにより副生成物である塩化リチウムを除去
させた。そして、反応溶液を濃縮させ、減圧蒸留により
目的のシリコン化合物、ジメチル(4−ブチル2,3,
5,6−テトラフルオロベンジル)4−ブチル2,3,5,
6−テトラフルオロフェニルシランを単離した。化合物
の精製は減圧蒸留を数回繰り返すことにより行った。化
合物の構造解析を1H、13C-NMRスペクトル分析よ
り行ったところ、生成化合物はジメチル(4−ブチルシ
クロヘキシル)4−ブチルシクロヘキシルメチルシラン
であることが確認された。本化合物の性状は無色透明な
液体で、液晶性を示さなかった。本化合物を既存液晶組
成物に添加したところ、非常に優れた相溶性を示した。
リイミドを塗布し、表面をラビングして90゜ツイスト
配向処理を施した透明電極を備えたセル間隔5μmの液
晶セルに真空封入し、透過率−電圧曲線、応答時間を測
定した。透過率−電圧曲線は、液晶セルを2枚の直交す
る偏光子の間に設置し、液晶セルに1KHz,0〜5Vの
電圧を印加し、ノーマリーホワイトモードで測定した。
この透過率−電圧曲線において透過率の最大値を100
%、最小値を0%とし、透過率が90%を示す印加電圧
をV90、透過率が10%を示す印加電圧をV10とし
た(図1)。応答速度は、1KHz、5Vの電圧を1s間隔
で印加し、透過率が100%から10%に変化するのに
要する時間をτとした(図2)。また、液晶組成物を配
向膜としてポリイミドを塗布し、表面をラビングして1
80゜配向処理を施した透明電極を備えたセル間隔25
μmの液晶セルに真空封入し、静電容量の電圧依存性よ
り誘電率異方性Δεを測定した。
成された液晶組成物1では、V90=1.78V、V10=2.
90V、τ=15.2ms、Δε=4.4 であった。
合物のみで構成された液晶組成物2を比較例1と同様な
方法で、透過率−電圧曲線、応答時間および誘電率異方
性を測定したところ、V90=2.02V、V10=2.96V、
τ=17.6ms、Δε=5.1 であった。
物1に実施例1記載の化合物ベンジル(シクロヘキシル)
ジメチルシランを16.7重量%添加した組成物を比較例1
と同様な方法で、透過率−電圧曲線、応答時間および誘
電率異方性を測定したところ、V90=1.52V、V10=
2.68V、τ=10.8ms、Δε=3.2 であった。
物1に実施例2記載の化合物ベンジル(シクロペンチル)
ジメチルシランを16.7重量%添加した組成物を比較例1
と同様な方法で、透過率−電圧曲線、応答時間および誘
電率異方性を測定したところ、V90=1.52V、V10=
2.69V、τ=10.7ms、Δε=3.2 であった。
物1に実施例3記載の化合物ベンジル(4−クロロフェ
ニル)ジメチルシランを16.7重量%添加した組成物を比
較例1と同様な方法で、透過率−電圧曲線、応答時間お
よび誘電率異方性を測定したところ、V90=1.53V、
V10=2.64V、τ=10.6ms、Δε=4.6 であった。
物1に実施例4記載の化合物ベンジル(4−シアノフェ
ニル)ジメチルシランを16.7重量%添加した組成物を比
較例1と同様な方法で、透過率−電圧曲線、応答時間お
よび誘電率異方性を測定したところ、V90=1.52V、
V10=2.61V、τ=10.8ms、Δε=4.7 であった。
物1に実施例5記載の化合物ベンジル(4−ブチルフェ
ニル)ジメチルシランを16.7重量%添加した組成物を比
較例1と同様な方法で、透過率−電圧曲線、応答時間お
よび誘電率異方性を測定したところ、V90=1.63V、
V10=2.72V、τ=9.8ms、Δε=4.3 であった。
物1に実施例6記載の化合物ジブチル(4−ブチルベン
ジル)4−ブチルフェニルシランを16.7重量%添加した
組成物を比較例1と同様な方法で、透過率−電圧曲線、
応答時間および誘電率異方性を測定したところ、V90
=1.76V、V10=2.89V、τ=13.4ms、Δε=3.9 であ
った。
物1に実施例7記載の化合物ジメチル(4−ブチルベン
ジル)4−ブチルフェニルシランを16.7重量%添加した
組成物を比較例1と同様な方法で、透過率−電圧曲線、
応答時間および誘電率異方性を測定したところ、V90
=1.63V、V10=2.70V、τ=9.6ms、Δε=4.4 であ
った。
物2に実施例7記載の化合物ジメチル(4−ブチルベン
ジル)4−ブチルフェニルシランを16.7重量%添加した
組成物を比較例1と同様な方法で、透過率−電圧曲線、
応答時間および誘電率異方性を測定したところ、V90
=1.75V、V10=2.80V、τ=10.7ms、Δε=4.8 であ
った。
物1に実施例8記載の化合物ジメチル(4−ブチルシク
ロヘキシル)4−ブチルシクロヘキシルメチルシランを
16.7重量%添加した組成物を比較例1と同様な方法で、
透過率−電圧曲線、応答時間および誘電率異方性を測定
したところ、V90=1.51V、V10=2.68V、τ=11.1
ms、Δε=3.3 であった。
物2に実施例8記載の化合物ジメチル(4−ブチルシク
ロヘキシル)4−ブチルシクロヘキシルメチルシランを
16.7重量%添加した組成物を比較例1と同様な方法で、
透過率−電圧曲線、応答時間および誘電率異方性を測定
したところ、V90=2.80V、V10=1.70V、τ=13.1
ms、Δε=3.6 であった。
物1に実施例9記載の化合物ジメチル(4−ブチル2,
3,5,6−テトラフルオロベンジル)4−ブチル2,3,
5,6−テトラフルオロフェニルシランを16.7重量%添
加した組成物を比較例1と同様な方法で、透過率−電圧
曲線、応答時間および誘電率異方性を測定したところ、
V90=1.58V、V10=2.78V、τ=10.5ms、Δε=4.
0 であった。
物2に実施例9記載の化合物ジメチル(4−ブチル2,
3,5,6−テトラフルオロベンジル)4−ブチル2,3,
5,6−テトラフルオロフェニルシランを16.7重量%添
加した組成物を比較例1と同様な方法で、透過率−電圧
曲線、応答時間および誘電率異方性を測定したところ、
V90=1.78V、V10=2.93V、τ=11.3ms、Δε=4.
4 であった。
物は、種々の液晶組成物への相溶性が良好であり、化学
安定性もきわめて良好である。この化合物を添加した液
晶組成物は高速応答可能な液晶表示素子を提供するもの
であり、高精細動画表示可能な液晶ディスプレイを実現
するものである。
る。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表される有機シリコ
ン化合物よりなる液晶添加剤。 【化1】 (ただし、式中、A、Bは相互に独立した炭素数5また
は6の環状置換基で、X、Yはアルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシル
基、ハロゲン原子、水素原子、水酸基、シアノ基より選
ばれたいずれか1種の置換基を示す。) - 【請求項2】 前記環状置換基AおよびBが、置換もし
くは非置換のフェニル基、または、置換もしくは非置換
のシクロヘキシル基である請求項1に記載の液晶添加
剤。 - 【請求項3】 前記環状置換基AおよびBが、4−置換
フェニル基、または4−置換シクロヘキシル基である請
求項1に記載の液晶添加剤。 - 【請求項4】 前記環状置換基Aに含まれる置換基が、
−CnH2n+1、−OCnH2n+1、−F、−Cl、−Br、
−I、−OH、−CF3、または−CN(式中nは0〜
10の整数)である請求項1乃至3いずれかに記載の液
晶添加剤。 - 【請求項5】 前記X、Yがメチル基である請求項1乃
至4いずれかに記載の液晶添加剤。 - 【請求項6】 母体液晶組成物がネマチック液晶組成物
またはスメクチック組成物であって、請求項1乃至5い
ずれかに記載の液晶添加剤を前記母体液晶組成物に対し
て1〜50重量%含有することを特徴とする液晶組成
物。 - 【請求項7】 請求項6に記載の液晶組成物を用いた液
晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP388797A JP2907172B2 (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | 液晶添加剤、液晶組成物およびそれを用いた液晶表示素子 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP388797A JP2907172B2 (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | 液晶添加剤、液晶組成物およびそれを用いた液晶表示素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10195447A JPH10195447A (ja) | 1998-07-28 |
JP2907172B2 true JP2907172B2 (ja) | 1999-06-21 |
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ID=11569699
Family Applications (1)
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JP388797A Expired - Lifetime JP2907172B2 (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | 液晶添加剤、液晶組成物およびそれを用いた液晶表示素子 |
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Country | Link |
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Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP4534270B2 (ja) * | 1999-07-15 | 2010-09-01 | チッソ株式会社 | シリコン化合物、液晶組成物および液晶表示素子 |
-
1997
- 1997-01-13 JP JP388797A patent/JP2907172B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH10195447A (ja) | 1998-07-28 |
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