JPH07287012A - 血液成分付着防止剤、血液検査用容器および血液成分付着防止性担体 - Google Patents

血液成分付着防止剤、血液検査用容器および血液成分付着防止性担体

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JPH07287012A
JPH07287012A JP22309394A JP22309394A JPH07287012A JP H07287012 A JPH07287012 A JP H07287012A JP 22309394 A JP22309394 A JP 22309394A JP 22309394 A JP22309394 A JP 22309394A JP H07287012 A JPH07287012 A JP H07287012A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 免疫血清学検査に偽陽性を与えることなく、
血液成分の検査用容器の内壁面への付着を効果的に防止
し得る血液成分付着防止剤、該防止剤が内壁面に存在し
ている血液検査用容器および該防止剤が表面に存在して
いる血液成分付着防止性担体を提供する。 【構成】 単一重合体が水溶性を示す単量体成分(a)
(例、ビニルピロリドン又はビニルアルコール)と、単
一重合体が水不溶性を示す単量体成分(b)(例、酢酸
ビニル)とよりなるランダム共重合体であって、単量体
成分(b)の含有量が10〜90モル%である該共重合
体からなる血液成分付着防止剤、該防止剤が内壁面に存
在している血液検査用容器および該防止剤が表面に存在
している血液成分付着防止性担体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液検体を使用する臨
床検査分野、詳しくは、血液学、血液化学、免疫血清学
等の検査において使用される血液成分付着防止剤、血液
検査用容器および血液成分付着防止性担体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、検査技術の進歩に伴って血液学、
血液化学そして免疫血清学検査等の血液検査は著しく機
械化が進み、適切な前処理を施した検体さえ用意できれ
ば短時間で検査結果が得られるようになり、例えば、外
来患者が来院したその場で検査結果に基づいた医師の診
察を得ることができるようになり、疾病の診断の迅速化
に大きく貢献している。このうち検体として血液そのも
のを使用する血液学検査における前処理は、血液と抗凝
固剤を充分に混和すればよいだけであり、さほど時間を
要するものではなく、直ちに測定装置にセットできる
が、血液化学または免疫血清学検査においては、血液中
の血清を検体として使用するので、必要な血清を得るた
めには一旦、血液を凝固させ、しかる後に遠心分離など
によって血清成分を分取せねばならず、少なからず時間
を要するものである。従って、血液を前処理して検体を
得ることから測定結果を得るまでを含めた検査の全工程
に渡る所要時間を短縮するためには、単に分析工程の機
械化がなされるだけでは不充分であり、血清の分取時間
も短縮されねばならない。
【0003】ところで、検査に使用する血液を収容し、
凝固を行わしめ、遠心分離によって血清を分離するため
に用いる血液検査用容器として、従来はガラス製容器が
多用されていたが、機械的衝撃に弱く、破損した場合に
は流出あるいは飛散した血液検体による感染の恐れや再
度の採血による患者の負担増があり、昨今はプラスチッ
ク製容器の占める割合が増加している。
【0004】しかしながら、プラスチック製容器は血液
凝固第XII 、第XI因子等の活性化力が乏しく、そのまま
ではガラス製品に比べて血液凝固に格段に長い時間を要
し、実用的ではない。加えて、プラスチック表面には血
小板や血液中の各種の蛋白質、なかんずく血液凝固の最
終段階で生成するフィブリン等の血液成分が非常に強く
付着する傾向がある。
【0005】そこで、血液凝固時間の短縮を図るために
ガラス、カオリン、ベントナイト、シリカ、セライト等
の鉱物質、あるいはエラグ酸等の有機質の血液凝固促進
性を有する物質の微粉末をあらかじめ血液検査用容器の
内壁面に塗布するか、あるいは血液に実質的に不溶性か
つ化学的に不活性な不織布、プラスチックシート等の担
体に前記の微粉末を担持させたものを容器内に収容する
ことなどが行われているが、かかる方法によって血液凝
固を強制的に促進しようとすると前述の血液成分の付着
がかえって増強されるということがしばしば起こる。そ
して、検査用容器の内壁面や担体表面に付着した血液成
分は、1000〜1800G、5分間程度の通常の遠心分離条件
では容易には剥がれず、従って、容器内壁面と血液が凝
固した血餅との界面では遠心力による強い剪断力のため
に血小板や赤血球が破壊され、これらの内容物が漏出す
るために結果として種々の検査に悪影響を与える。
【0006】そこで、血液凝固促進性の物質を検査用容
器内に収容する場合は、血液成分の付着を防止する目的
で、容器内壁面や担体表面に同時に非イオン性界面活性
剤を存在させることが行われる(特開昭58-105063 号公
報、特開昭58-105064 号公報)。
【0007】ところが、近年、免疫血清学検査の高感度
化技術の進展に伴い、非イオン性界面活性剤の類縁物質
が増感剤として用いられる機会が多くなり、検査用容器
に初めからこれらの物質が使用されていると、これらが
血清中に混入し、一部の免疫血清学検査項目においては
増感過剰となることが原因と思われる偽陽性反応が起こ
る場合があり、対策が望まれている。
【0008】一方、エチレンジアミン四酢酸塩やクエン
酸塩等の抗凝固剤を用いる血液学検査においても、頻度
は小さいが、血液成分なかんずく血小板のプラスチック
表面への付着が問題となることがある。血小板が検査用
容器の内壁面に付着すると血小板の計数値が異常低値を
示したり、あるいは血液の凝固機能検査に悪影響を及ぼ
すことがある。また、一般的ではないが緊急に化学検査
を実施せねばならないときは、抗凝固剤の一種であるヘ
パリン塩を使用するが、この場合も血小板の付着が生じ
ると経時的に血小板由来の種々の酵素が血漿中に漏出
し、これらの測定項目が異常高値を示す等の問題が起こ
ることがある。従来は、血液を凝固させるときと比べ
て、その頻度が小さかったため、さほど問題視されてい
なかったのであるが、血液学、血液化学そして免疫血清
学全体の検査精度の向上が益々求められる今日にあって
は、普遍的に用いることのできる、より良い血液成分の
付着防止剤が望まれる。
【0009】以上のような血液成分の付着に係わる問題
は、プラスチック製検査用容器のみに限ったものではな
く、頻度は低いが、ガラス製検査用容器においても決し
て皆無というわけではない。実際、血小板の付着が原因
と思われる検査値への悪影響が起こることがあり、プラ
スチック製品同様に改善が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するものであり、その目的は、免疫血清学検査
に偽陽性を与えることなく、血液成分の検査用容器の内
壁面への付着を効果的に防止し得る血液成分付着防止
剤、該防止剤が内壁面に存在している血液検査用容器お
よび該防止剤が表面に存在している血液成分付着防止性
担体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、上記の課題を効果的に解決し得る物質を見いだし
本発明を完成させた。本発明の血液成分付着防止剤は、
単一重合体が水溶性を示す単量体成分(a)と、単一重
合体が水不溶性を示す単量体成分(b)とよりなるラン
ダム共重合体であって、単量体成分(b)の含有量が1
0〜90モル%である該共重合体からなるものである。
【0012】単一重合体が水溶性を示す単量体成分
(a)としては、ビニルアルコール、ビニルピロリド
ン、エチレンオキサイド、アクリル酸塩、スチレンスル
フォン酸塩、ビニルホスホン酸塩、アリルアミン塩、ヒ
ドロキシメチル(メタ)アクリレート、グリコシルエチ
ル(メタ)アクリレート、グルコース等の糖、グルタミ
ン酸等のアミノ酸などが挙げられ、これらは2種以上併
用してもよい。
【0013】単一重合体が水不溶性を示す単量体成分
(b)としては、エチレン、プロピレン、プロピレンオ
キサイド、酢酸ビニル、塩化ビニル、アルキル(メタ)
アクリレート、スチレン、アクリロニトリル、アクロレ
イン等が挙げられ、これらは2種以上併用してもよい。
【0014】単量体成分(a)と単量体成分(b)との
ランダム共重合体は、公知の付加重合、縮合重合等によ
って得られるが、単量体成分(a)としてビニルピロリ
ドンまたはビニルアルコールとし、単量体成分(b)と
して酢酸ビニルよりなるランダム共重合体が入手しやす
く好適である。市販品としては、ビニルピロリドンと酢
酸ビニルよりなるランダム共重合体としては、後述の表
1記載のBASF社製、商品名「ルビスコールVA」、
グレード番号VA73、VA64、VA55、VA3
7、VA28等がある。また、ビニルアルコールと酢酸
ビニルよりなるランダム共重合体としては、後述の表1
記載のユニチカ社製、商品名「ユニチカポバール」、グ
レード番号 E−180、UMR−10M、UMR−3
0L、UMR−150L等がある。
【0015】本発明の血液成分付着防止剤に使用するラ
ンダム共重合体において、単一重合体が水不溶性を示す
単量体成分(b)の量が少なくなると、実質的に単量体
成分(a)の単一重合体と大差なく、検査用容器の内壁
面や担体表面への吸着率が小さくなり、血液中への溶解
性が大きすぎるため、検査用容器に採血されたときに容
器内壁面や担体表面から洗い出されてしまい、血液成分
の付着防止剤としての効果が果たせなくなり、免疫血清
学検査の偽陽性を招きやすくなる。
【0016】また、逆に、単一重合体が水不溶性を示す
単量体成分(b)の量が多くなると、実質的に単量体成
分(b)の単一重合体と大差なく、血液中への溶解性が
実質的に失われるため、やはり血液成分の付着防止剤と
しての効果が小さくなる上に、さらに、血液成分付着防
止剤と血液凝固促進性の物質または抗凝固剤等とを併用
して、検査用容器の内壁面や担体表面に塗布、乾燥させ
た場合は、該凝固促進性物質や抗凝固剤等の表面に血液
に不溶性の皮膜を形成し、血液凝固第XII 、第XI因子等
が該凝固促進性物質の表面に結合できず、その結果、血
液凝固が促進され難いといった不都合や、抗凝固剤の溶
解性が損なわれるために抗凝固が充分に行われないとい
った不都合を生じやすくなる。以上の理由により、本発
明で使用されるランダム共重合体において、単量体成分
(b)の含有量は10〜90モル%に限定される。以上
のことからみて、血液成分の付着防止のためには、検査
用容器の内壁面や担体表面への吸着性と血液中への微弱
な溶解性を併せ持つことが必要と考えられる。
【0017】本発明の血液検査用容器は、本発明の、ラ
ンダム共重合体からなる血液成分付着防止剤がその内壁
面に存在していることを特徴とする。検査用容器の内壁
面に存在しているランダム共重合体の量は、少なくなる
と、血液成分の充分な付着防止効果が得られなくなり、
多くなると、種々の検査値に悪影響を及ぼす恐れが強く
なるので、1×10-10 〜1×10-2g/cm2 が好ま
しい。
【0018】上記の血液検査用容器の素材としては、公
知の材料から構成されたものを使用すればよく、血液に
実質的に不溶性かつ化学的に不活性な各種のプラスチッ
ク、熱可塑性エラストマー、エラストマー、化学変性セ
ルロース等、あるいは硬質、軟質、硼珪酸、石英ガラス
等のものが用いられる。
【0019】本発明の血液検査用容器を製造するには、
本発明の血液成分付着防止剤を検査用容器の内壁面に公
知の種々の方法により存在させればよい。この方法とし
ては、例えば、検査用容器を構成するプラスチック材料
に血液成分付着防止剤をあらかじめ練り込み、射出成形
やブロー成形などにより容器を成形する方法、血液成分
付着防止剤を精製水あるいはアルコール等に溶解させた
後、容器の内壁面にスプレーまたは浸漬塗布し、乾燥さ
せる方法がある。
【0020】本発明の血液検査用容器には、本発明のラ
ンダム共重合体からなる血液成分付着防止剤がその内壁
面に存在していることに加えて、更に、容器内に、チク
ソトロピー性の流体からなる血漿分離剤や分離部材等
の、血清または血漿層と血液の固形成分層との間に隔壁
を設け得る材料が収容されてもよい。血清または血漿分
離剤としては、例えば、液状アクリル樹脂、塩素化ポリ
ブテンあるいは液状ジシクロペンタジエン(DCPD)
樹脂を主成分とし、比重調整とチクソトロピー性の付与
のために微粉末シリカ、アルミナ、ガラス等の無機物粉
末が添加されたものが挙げられる。このような隔壁形成
物質を存在させると、血清または血漿を長期間検査値に
影響を及ぼすことなく保存できる。
【0021】本発明の血液成分付着防止性担体は、本発
明の、ランダム共重合体からなる血液成分付着防止剤が
担体の表面に存在していることを特徴とする。
【0022】本発明の血液成分付着防止性担体は、血液
検査用容器の内部に収容して使用される。
【0023】上記の担体としては、公知の担体が使用さ
れ、その形状としては、ペレット、シート、不織布、織
布等、種々の形状のものが使用できる。
【0024】上記担体の素材としては、血液検査用容器
と同様に、公知の材料から構成されたものを使用すれば
よく、血液に実質的に不溶性かつ化学的に不活性な各種
のプラスチック、熱可塑性エラストマー、エラストマ
ー、化学変性セルロース等、あるいは硬質、軟質、硼珪
酸、石英ガラス等のものが用いられる。
【0025】上記担体の表面に存在しているランダム共
重合体の量は、少なくなると、血液成分の充分な付着防
止効果が得られなくなり、多くなると、種々の検査値に
悪影響を及ぼす恐れが強くなるので、1×10-10 〜1
×10-2g/cm2 が好ましい。
【0026】本発明の血液成分付着防止性担体を製造す
るには、本発明の血液成分付着防止剤を担体の表面に公
知の種々の方法により存在させればよい。この方法とし
ては、例えば、担体を構成するプラスチック材料に血液
成分付着防止剤をあらかじめ練り込み、射出成形やブロ
ー成形などにより担体を成形する方法、血液成分付着防
止剤を精製水あるいはアルコール等に溶解させた後、担
体の表面にスプレーまたは浸漬塗布し、乾燥させる方法
がある。
【0027】本発明の血液成分付着防止剤は、前記のよ
うに単独で用いてもよいが、ガラス、カオリン、ベント
ナイト、シリカ、セライト等の鉱物質、あるいはエラグ
酸等の有機質の血液凝固促進性を有する物質と併用して
もよいし、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、ヘ
パリン塩、シュウ酸塩等の抗凝固剤やフッ化塩、マンノ
ース等の解糖阻止剤と併用することも可能である。
【0028】上記の血液成分付着防止剤として、ビニル
ピロリドン−酢酸ビニル共重合体とし、ガラス、カオリ
ン、ベントナイト、シリカ、セライト等から構成される
群から選択される1又は2以上の混合物とからなる吸着
性無機物を併用して使用する場合、上記ビニルピロリド
ン−酢酸ビニル共重合体中のビニルピロリドン含有量は
10〜70モル%が好ましく、酢酸ビニル含有量は30
〜90モル%が好ましい。ビニルピロリドンの量が少な
くなると、管内壁面に固着するようになって血餅剥離作
用がなくなり、ビニルピロリドンの量が多くなると血液
中に溶解して管内壁面に残らなくなるので血餅剥離作用
がなくなる。
【0029】上記の吸着性無機物は粒径が50μm以下
であって、平均粒径が30μm以下のものを使用するの
が好適である。そして特に血液凝固時間を短縮させるに
有効な吸着性無機物はシリカであり、とりわけ無定形成
分を20重量%以上含有する多孔性のシリカが優れた効
果を発揮する。かかる吸着性無機物は、血液と接触した
場合に血液凝固因子の活性化を促進し、また血小板の凝
集を促す作用を有する。
【0030】この場合、血液検査用容器内壁面に存在さ
せるビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体の量は、少
なくなると血清分離効果を喪失し、多くなると血液検査
値に影響を及ぼすので、1×10-10 〜1×10-2g/
cm2 が好ましい。また、血液検査用容器内壁面に存在
させる吸着性無機物の量は、少なくなると凝固促進効果
を喪失し、多くなると血液検査値に影響を及ぼすので、
1×10-6〜1×10 -2g/cm2 が好ましい。また、
各成分の合計量は、1×10-2g/cm2 以下であるこ
とが望ましい。
【0031】このように、ビニルピロリドン−酢酸ビニ
ル共重合体と吸着性無機物を併用した血液検査用容器に
よれば、血液凝固因子が迅速に活性化され、血液凝固に
要する時間が著しく短縮されるとともに血液凝固の結果
生じる血餅の容器内壁面への付着を生じないものとな
り、血清と血餅との分離が容易に行われ、分離採取され
た血清中に残存する血餅成分が混入する問題も解消さ
れ、また、血清の収量が著しく大きくなる。
【0032】前記の血液成分付着防止剤として、ビニル
ピロリドン−酢酸ビニル共重合体とし、エチレンジアミ
ン四酢酸塩、クエン酸塩、ヘパリン塩、シュウ酸塩等の
抗凝固剤を併用して使用する場合、上記ビニルピロリド
ン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル含有量は30〜
90モル%が好ましい。
【0033】上記のエチレンジアミン四酢酸塩系化合物
としては、従来から血液抗凝固剤として使用されている
ものが使用され得、例えば、エチレンジアミン四酢酸二
ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二カリウム、エチ
レンジアミン四酢酸三カリウム等が挙げられる。
【0034】ヘパリン系化合物としては、従来から血液
抗凝固剤として使用されているものが使用され得、例え
ば、ヘパリンナトリウム、ヘパリンリチウム等が挙げら
れる。
【0035】クエン酸系化合物としては、従来から血液
抗凝固剤として使用されているものが使用され得、例え
ば、クエン酸三ナトリウムが挙げられる。
【0036】シュウ酸系化合物としては、従来から血液
抗凝固剤として使用されているものが使用され得、例え
ば、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム等が挙げら
れる。
【0037】これらの血液凝固促進性物質、抗凝固剤や
解糖阻止剤を、検査用容器の内壁面に、あるいは該容器
に収容すべき担体表面に存在させるためには、前記と同
様に公知の種々の方法によればよい。例えば、あらかじ
め血液成分付着防止剤を内壁面や担体表面に存在させた
後、血液凝固促進性物質や抗凝固剤等を別工程で内壁面
または担体表面にスプレーまたは含浸等させればよい。
または、すべての成分を同時にしかるべき媒体に溶解ま
たは懸濁させたものを調製し、該溶液または懸濁液をス
プレーまたは浸漬塗布して乾燥させてもよい。
【0038】
【作用】本発明の血液成分付着防止剤は、単一重合体が
水溶性を示す単量体成分(a)と、単一重合体が水不溶
性を示す単量体成分(b)とよりなるランダム共重合体
であって、単量体成分(b)の含有量が10〜90モル
%である該共重合体からなるものであることを特徴とす
る。従来の血液成分付着防止剤である、いわゆる非イオ
ン性界面活性剤と呼ばれる物質群は、親水性の単量体成
分と疎水性の単量体成分がブロック共重合したもの、あ
るいはブロックがグラフト重合したものであり、かかる
化学構造は従来、優れた血液成分の付着防止剤を得る上
で極めて重要な指標であると考えられてきた。
【0039】しかしながら、非イオン性界面活性剤は、
しばしば免疫血清学検査の優れた増感剤としての性質を
持つことが知られるにつれ、該分野で多用されるように
なっている。本発明の血液成分付着防止剤は、従来の認
識からは予想し難い化学構造を有するにもかかわらず、
優れた付着防止性を持つ上に、免疫血清学検査の増感剤
としての性質を実質的に示さないので、免疫血清学検査
において増感過剰となることがなく偽陽性反応を起こす
ことがない。
【0040】
【実施例】以下に、表1に記載の9種類のランダム共重
合体を用いた実施例を挙げて本発明を説明する。なお、
実施例2および3は血液凝固促進性の物質、実施例4お
よび5は、抗凝固剤を併用した場合の実施例であるが、
本発明の趣旨によれば、該凝固促進性物質、抗凝固剤に
ついて、これらの種類を特定のものに限定するいかなる
物理的、化学的理由も有しない。従って、実施例2およ
び3では凝固促進性物質としてシリカを、また実施例4
および5では、抗凝固剤としてヘパリンナトリウム、ヘ
パリンリチウムを例示するに止めたが、このことによっ
て発明の構成が、いささかの制限も受けるものではない
ことは言うまでもない。
【0041】
【表1】
【0042】(実施例1−1〜1−27)血液成分付着
防止剤として、表2に記載した、ビニルピロリドンと酢
酸ビニルよりなるランダム共重合体(表2には、グレー
ド番号のみで示した)の表2に記載の所定濃度(重量
%)の通りの精製水溶液を調製した。また、表3に記載
した、ビニルアルコールと酢酸ビニルよりなるランダム
共重合体(表3には、グレード番号のみで示した)の表
3に記載の所定濃度(重量%)の通りの精製水溶液を調
製した。ただし、UMR−150Lのみは、メタノール
溶液とした。
【0043】表2または表3に記載の通り、各溶液を1
0ml容量のポリエチレンテレフタレート製採血管に約
50μlスプレーし、60℃の送風乾燥機で乾燥させて
血液検査用容器を得た。この血液検査用容器にうさぎ新
鮮血3mlを採血して、23〜25℃の室温にて静置し
た。4時間後に血液が完全に凝固したのを確認して、血
液検査用容器の内壁面への血餅の付着の有無を目視観察
したところ、いずれも付着していなかった。続いて、2
5℃、1300G、5分間の条件で遠心分離を行い、血
液検査用容器の内壁面への血餅の付着の有無を目視観察
すると共に、分離された血清の収量を測定した。この結
果、血液検査用容器の内壁面への血餅の付着はいずれも
なかった。また、血清の収量は表2および表3に示した
通りであった。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】(比較例1−1)血液成分付着防止剤とし
て、ビニルピロリドンと酢酸ビニルよりなるランダム共
重合体の0.05重量%水溶液の代わりに、ビニルピロ
リドンの単一重合体(BASF社製、商品名「ルビスコ
ールK−30」、重量平均分子量3万)の0.05重量
%水溶液を使用したことの他は、実施例1−1と同様に
して試験した。その結果、採血4時間後に血液が完全に
凝固したのを確認して、血液検査用容器の内壁面への血
餅の付着の有無を目視観察したところ、付着が点在して
いた。遠心分離後の血液検査用容器の内壁面への血餅の
付着の有無は、付着が点在していると共に、強い溶血が
みられた。遠心分離後の血清の収量は、1.4mlであ
った。
【0047】(比較例1−2)血液成分付着防止剤とし
て、ビニルピロリドンと酢酸ビニルよりなるランダム共
重合体の0.05重量%水溶液の代わりに、ビニルアル
コールの単一重合体(ユニチカ社製、商品名「ユニチカ
ポバールUF200G」)の0.05重量%水溶液を使
用したことの他は、実施例1−1と同様にして試験し
た。その結果、採血4時間後に血液が完全に凝固したの
を確認して、血液検査用容器の内壁面への血餅の付着の
有無を目視観察したところ、付着が点在していた。遠心
分離後の血液検査用容器の内壁面への血餅の付着の有無
は、付着が点在していると共に、弱い溶血がみられた。
遠心分離後の血清の収量は、1.4mlであった。
【0048】(比較例1−3)血液成分付着防止剤とし
て、ビニルピロリドンと酢酸ビニルよりなるランダム共
重合体の0.05重量%水溶液の代わりに、酢酸ビニル
とエチレンよりなる共重合体(ヘキスト合成社製、商品
名「モビニール E45」)の0.05重量%メタノー
ル溶液を使用したことの他は、実施例1−1と同様にし
て試験した。その結果、採血4時間後に血液が完全に凝
固したのを確認して、血液検査用容器の内壁面への血餅
の付着の有無を目視観察したところ、著しく付着してい
た。遠心分離後の血液検査用容器の内壁面への血餅の付
着の有無は、著しく付着していた。このため、遠心分離
後の血清の収量は、0.0mlであった。
【0049】(比較例1−4)血液検査用容器として、
血液成分付着防止剤を使用しないもの(すなわち、無処
理の10ml容量のポリエチレンテレフタレート製採血
管)を用いたことの他は、実施例1−1と同様にして試
験した。その結果、採血4時間後に血液が完全に凝固し
たのを確認して、血液検査用容器の内壁面への血餅の付
着の有無を目視観察したところ、強い付着があった。遠
心分離後の血液検査用容器の内壁面への血餅の付着の有
無は、強い付着があると共に、溶血がみられた。遠心分
離後の血清の収量は、0.5ml以下であった。
【0050】実施例1および比較例1の結果から、本
来、血液成分を強く付着させる性質のあるポリエチレン
テレフタレート製採血管(比較例1−4)に対して、本
発明の血液成分付着防止剤であるランダム共重合体が優
れた付着防止効果を有することがわかる。実施例1の血
清収量は全血量の50%前後あり、ほぼ全量回収できて
いる。比較例1−1および1−2は、本発明で使用する
ランダム共重合体を構成する単量体成分のうち、単一重
合体が水不溶性である単量体成分の割合が0モル%の場
合であり、比較例1−3は、該単量体成分の割合が10
0モル%の場合を表わす。比較例1−1および1−2
は、血清収量に悪影響を及ぼすほどではなかったが、内
壁面に血餅付着が点在しており付着防止性が明らかに劣
り、また、溶血が生じていた。他方、比較例1−3では
強度の血餅付着があり、血清も回収できなかった。これ
らの比較例は、いずれも、単一重合体が水不溶性である
単量体成分の割合が10〜90モル%とする本発明の要
件を外れており、血液成分の付着防止効果が認められな
かった。
【0051】(実施例2−1)血液成分付着防止剤とし
てビニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体(B
ASF社製、ルビスコールVA73、酢酸ビニルの含有
量約36モル%)、血液凝固促進性物質として吸着性無
機物である微粉末シリカ(平均粒径4.0μm、日本工
業規格K−5101に準拠して測定されるアマニ油吸油
量30ml/100g、BET比表面積値12000c
2 /g、電気伝導度の逆数である比抵抗値2.6×1
4 Ω・cm)を使用し、これらの各成分の濃度がそれ
ぞれ0.1重量%、1.0重量%となるようにメチルア
ルコール分散液を調製し、これを10ml容量のポリプ
ロピレン樹脂製採血管の内壁面にスプレー塗布し、風乾
して血液検査用容器を得た。各成分の容器内壁面への単
位面積当たりの付着量は、ビニルピロリドン−酢酸ビニ
ル共重合体2×10-6g/cm2 、微粉末シリカ2×1
-5g/cm2 であった。
【0052】この血液検査用容器内に人新鮮血8mlを
注入した後20℃で放置して、全血が完全に流動しなく
なるまでに要した時間を血液凝固時間として測定し、血
液凝固性を評価した。凝固確認後、直ちに3000回転
/分の回転速度で5分間遠心分離を行い、血清分離状態
を観察すると共に上澄み血清をピペットで採取し、その
量を血清収量とした。結果を表4に示した。
【0053】(実施例2−2)血液成分付着防止剤とし
てビニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体(B
ASF社製、ルビスコールVA28、酢酸ビニルの含有
量約84モル%)、血液凝固促進性物質として実施例2
−1と同様の微粉末シリカを使用し、これらの各成分の
濃度がそれぞれ0.02重量%、1.0重量%となるよ
うにメチルアルコール分散液を調製し、これを10ml
容量のポリプロピレン樹脂製採血管の内壁面にスプレー
塗布し、風乾して血液検査用容器を得た。各成分の容器
内壁面への単位面積当たりの付着量は、ビニルピロリド
ン−酢酸ビニル共重合体5×10-7g/cm2 、微粉末
シリカ3×10-5g/cm2 であった。ついで実施例2
−1と同様にして血液凝固性、血清分離状態、血清収量
を評価した。その結果を表4に示した。
【0054】(比較例2−1)血液成分付着防止剤とし
てビニルピロリドンの単一重合体(BASF社製、ルビ
スコールK30、重量平均分子量3万)、血液凝固促進
性物質として実施例2−1と同様の微粉末シリカを使用
し、これらの各成分の濃度がそれぞれ0.1重量%、
1.0重量%となるようにメチルアルコール分散液を調
製し、これを10ml容量のポリプロピレン樹脂製採血
管の内壁面にスプレー塗布し、風乾して血液検査用容器
を得た。各成分の容器内壁面への単位面積当たりの付着
量は、ビニルピロリドンの単一重合体3×10-6g/c
2 、微粉末シリカ3×10-5g/cm2 であった。つ
いで実施例2−1と同様にして血液凝固性、血清分離状
態、血清収量を評価した。その結果を表4に示した。
【0055】(比較例2−2)血液成分付着防止剤を使
用しないものとし、血液凝固促進性物質として実施例2
−1と同様の微粉末シリカを使用し、この成分の濃度が
1.0重量%となるようにメチルアルコール分散液を調
製し、10ml容量のポリプロピレン樹脂製採血管の内
壁面にスプレー塗布し、風乾して血液検査用容器を得
た。この成分の容器内壁面への単位面積当たりの付着量
は、3×10-5g/cm2であった。ついで実施例2−
1と同様にして血液凝固性、血清分離状態、血清収量を
評価した。その結果を表4に示した。
【0056】
【表4】
【0057】(実施例3−1)血液成分付着防止剤とし
てビニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体(B
ASF社製、ルビスコールVA64、酢酸ビニルの含有
量約46モル%)を使用し、濃度が1.0重量%となる
ように精製水溶液を調製した。また、血液凝固促進性物
質として実施例2−1と同様の微粉末シリカを使用し、
濃度が1.0重量%となるように精製水懸濁液を調製し
た。10ml容量のポリエチレンテレフタレート製採血
管にビニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体精
製水溶液を約50μlスプレーし、60℃の送風乾燥機
で乾燥させ、これに微粉末シリカの精製水懸濁液を約5
0μlスプレーし、60℃の送風乾燥機で乾燥させて血
液検査用容器を得た。この血液検査用容器にうさぎ新鮮
血5mlを採血して、23〜25℃の室温にて静置し
た。血液が流動性を消失し、血清が滲出し始める時間を
血液凝固時間として測定した。続いて、採血1時間後お
よび遠心分離後に、実施例1−1と同様にして血液検査
用容器の内壁面への血餅の付着の有無を目視観察し、血
清収量を測定した。結果を表5に示した。
【0058】次に、血液成分付着防止剤の免疫血清検査
値に及ぼす影響を確認するために、上記の評価を終えた
後、直ちに血清全量を分取し、清浄な硬質ガラス製試験
管に移し替えた。該血清を用いて、免疫血清学検査とし
てHBs−Ab検査試薬(東亜医用電子社製)およびF
ree T4検査試薬(コダック社製)を用いて、HB
s−AbおよびFree T4の検査をしたところ、検
査値は陰性を示し偽陽性ではなかった。この結果を表5
に示した。
【0059】(実施例3−2)実施例3−1における、
濃度が1.0重量%のビニルピロリドン−酢酸ビニルラ
ンダム共重合体精製水溶液の代わりに、濃度が1.0重
量%のビニルアルコール−酢酸ビニルランダム共重合体
(ユニチカ社製、ユニチカポバールUMR−30L、酢
酸ビニルの含有量約60モル%)精製水溶液を使用した
他は実施例3−1と同様にして血液検査用容器を得、実
施例3−1と同様にして試験し結果を表5に示した。
【0060】(比較例3−1)実施例3−1において、
ビニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体を使用
しなかった他は、実施例3−1と同様にして血液検査用
容器を得(すなわち、シリカのみ使用)、実施例3−1
と同様にして試験し結果を表5に示した。ただし、免疫
血清学検査については、血餅が採血管の内壁面から剥離
しないため、血清を回収することができなかったので、
検査できなかった。
【0061】(比較例3−2)実施例3−1における、
ビニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体とシリ
カを収容したポリエチレンテレフタレート製採血管から
なる血液検査用容器の代わりに、10ml容量の硬質ガ
ラス製採血管を使用し、ビニルピロリドン−酢酸ビニル
ランダム共重合体もシリカも収容せずに、実施例3−1
と同様に試験し結果を表5に示した。
【0062】(比較例3−3)実施例3−1における、
ビニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体の精製
水溶液の代わりに、濃度が1.0重量%のポリエーテル
変性シリコーンオイル系非イオン性界面活性剤(トーレ
・ダウ・シリコーン社製、SH3749)精製水溶液を
使用した他は、実施例3−1と同様にして血液検査用容
器を得、実施例3−1と同様にして試験し結果を表5に
示した。
【0063】
【表5】
【0064】実施例2、3および比較例2、3の結果
は、血液の凝固促進物質であるシリカのみを内壁面にス
プレーしたポリプロピレン製採血管(比較例2−2)や
ポリエチレンテレフタレート製採血管(比較例3−1)
が、内壁面に何等の処理も施さない場合に比べて、さら
に著しい血餅の付着を招き、血清が全く回収されないの
に対し、シリカに本発明の血液成分付着防止剤を併用す
るとシリカの有する凝固促進活性を阻害することなく良
好な分離性が得られることを示している。また、実施例
3および比較例3の結果は、本発明の血液成分付着防止
剤が免疫血清学検査である2種類の項目、すなわちHB
s−Ab、Free T4に対して偽陽性を誘発しない
ことを示しているのに対して、従来の非イオン性界面活
性剤では、偽陽性を誘発している。
【0065】(実施例4)血液成分付着防止剤としてビ
ニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体(BAS
F社製、商品名「ルビスコールVA28」、酢酸ビニル
の含有量約84モル%)を使用し、濃度が0.02重量
%となるようにメチルアルコール溶液を調製し、これを
10ml容量(内径16mm×長さ100mm)のポリ
エチレンテレフタレート(PET)樹脂製チューブの内
壁面にスプレー塗布し風乾した。容器内壁面への単位面
積あたりの付着量は、ビニルピロリドン−酢酸ビニルラ
ンダム共重合体5×10-7g/cm2 であった。
【0066】更に、血漿分離剤としてジシクロペンタジ
エン(DCPD)液状樹脂(エクソン社製、商品名「E
CR−327」)に微粉末シリカ(日本アエロジル社
製、商品名「アエロジルA−200」)を攪拌混合して
比重が1.05になるように調製したものを該容器内に
1.2g収容し、更に、血液抗凝固剤としてヘパリンナ
トリウムを120U収容して血液検査用容器を製造し
た。
【0067】得られた血液検査用容器内に人新鮮血8m
lを注入し、密栓を行い3回転倒混和し、20℃で10
分間放置した後に3000回転/分の回転速度で5分間
遠心分離を行い、血漿の分離状態を観察すると共に、直
ちに上澄みの血漿の1/2量をピペットで採取し遠心分
離後のサンプルとした。更に、遠心分離後の血液検査用
容器を4℃で保存し、24時間後にも上澄みの血漿をピ
ペットで採取し24時間保存後のサンプルとした。上記
の遠心分離後のサンプルと24時間保存後のサンプルに
ついて、乳酸脱水素酵素(LDH)、クレアチンキナー
ゼ(CPK)およびカリウム(K)の濃度を測定し表6
に示した。なお、表6に示した測定値は、遠心分離後の
サンプルの測定値を100として、24時間保存後のサ
ンプルの測定値を比較した数値である。
【0068】(比較例4−1)10ml容量(内径16
mm×長さ100mm)のガラス製チューブに、血液抗
凝固剤としてヘパリンナトリウムを120U収容して血
液検査用容器を製造した(ビニルピロリドン−酢酸ビニ
ルランダム共重合体および血漿分離剤は使用しなかっ
た)。この血液検査用容器の性能評価は、実施例4の性
能評価において「遠心分離後の血液検査用容器を4℃で
保存し、24時間後にも上澄みの血漿をピペットで採取
し24時間保存後のサンプルとした」ことの代わりに、
「遠心分離後の血液検査用容器から血漿を全量採取し、
このうち1/2量を遠心分離後のサンプルとし、残りは
別のガラス製容器に移し替えこれを4℃で24時間保存
し、24時間保存後のサンプルとした」ことの他は、実
施例4の性能評価と同様にして行ない、結果を表6に示
した。
【0069】(比較例4−2)ビニルピロリドン−酢酸
ビニルランダム共重合体を使用しなかったことの他は、
実施例4と同様にして血液検査用容器を製造した(すな
わち、血漿分離剤および血液抗凝固剤のみが収容されて
いる)。この血液検査用容器を使用して実施例4と同様
にして性能評価し結果を表6に示した。
【0070】
【表6】
【0071】(実施例5−1)血液成分付着防止剤とし
てビニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体(B
ASF社製、ルビスコールVA64、酢酸ビニルの含有
量約46モル%)、血液抗凝固剤としてヘパリンリチウ
ムを使用し、各々、1.0重量%、4000IU/ml
の精製水混合溶液を調製した。この溶液を7ml容量の
ポリエチレンテレフタレート製採血管に約25μlスプ
レーし、60℃の送風乾燥機で乾燥させた。続いて、ペ
ースト状の血清/血漿分離剤(積水化学工業社製、商品
名「エスコレクト」)約1gを、この乾燥後の採血管の
底部に注入して血液検査用容器を得た。
【0072】この血液検査用容器にうさぎ新鮮血6ml
を採血して、充分に転倒混和を行い、25℃、1300
G、5分間の条件で遠心分離を行い、分離状況を目視観
察した。その後、直ちに約半量の血漿を分取して清浄な
硬質ガラス製試験管に移し替え(初期値用サンプル)、
残りはポリエチレンテレフタレート製採血管そのままの
状態で、両者を一緒に4℃で24時間冷蔵した。24時
間後にポリエチレンテレフタレート製採血管そのままの
状態で保存していた残余の血漿を分取し、清浄な硬質ガ
ラス製試験管に移し替えた(24時間保存値用サンプ
ル)。硬質ガラス製試験管に移し替えた2種類の血漿検
体について、血液化学検査項目(酵素としてLDH、電
解質としてK)への影響を調べ、結果を表7に示した。
【0073】(実施例5−2)実施例5−1における、
ビニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体の代わ
りに、ビニルアルコール−酢酸ビニルランダム共重合体
(ユニチカ社製、ユニチカポバールUMR−30L、酢
酸ビニルの含有量約60モル%)を使用した他は実施例
5−1と同様にして血液検査用容器を製造し、実施例5
−1と同様にして試験し結果を表7に示した。
【0074】(比較例5−1)血液成分付着防止剤とし
てビニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体を使
用しなかったことの他は実施例5−1と同様にして血液
検査用容器(すなわち、ヘパリンリチウムと血清/血漿
分離剤が使用されている)を得た。この血液検査用容器
を使用し、実施例5−1と同様にして試験し結果を表7
に示した。
【0075】(比較例5−2)7ml容量の清浄な硬質
ガラス製採血管に血液抗凝固剤としてヘパリンリチウム
の4000IU/ml精製水溶液を約25μlスプレー
し、60℃の送風乾燥機で乾燥させて血液検査用容器を
得た(なお、血清/血漿分離剤の注入は行わなかっ
た)。この血液検査用容器にうさぎ新鮮血6mlを採血
して、充分に転倒混和を行い、25℃、1300G、5
分間の条件で遠心分離を行い、実施例5−1と同様にし
て、遠心分離後の分離状況を観察した。次いで、直ちに
血漿全量を別の清浄な硬質ガラス製試験管に移し替えて
(初期値用サンプル)、4℃で24時間冷蔵した。24
時間後、実施例5−1と同様に試験し結果を表7に示し
た。
【0076】
【表7】
【0077】実施例5および比較例5の結果は、抗凝固
剤であるヘパリン塩のみを内壁面にスプレーしたポリエ
チレンテレフタレート製採血管では、血小板の付着が生
じ、そのために検体を4℃にて保存中に血小板から漏出
するLDHおよびK等のために血漿中のこれらの値が上
昇していることを示す。しかし、このような場合におい
ても本発明の血液成分付着防止剤が効果的に血小板の付
着を抑制し、検査値を安定に保っていることがわかる。
また、実施例4および比較例4も同様な結果を示してい
る。
【0078】(実施例6)血液成分付着防止剤としてビ
ニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体(BAS
F社製、ルビスコールVA64、酢酸ビニルの含有量約
46モル%)、血液凝固促進性物質として実施例2−1
と同様の微粉末シリカを使用し、各々の濃度が1.0重
量%、2.0重量%となるようにメタノール懸濁液を調
製した。該懸濁液を直径約3mmのポリスチレン製ペレ
ットに60℃の防爆型送風乾燥機中で混合攪拌しつつコ
ーティングし、乾燥させて、血液成分付着防止性担体を
製造した。該ペレット表面上への各成分の付着量は、ビ
ニルピロリドン−酢酸ビニルランダム共重合体が約2×
10-5g/cm2 、微粉末シリカが約7×10-5g/c
2 であった。
【0079】得られた血液成分付着防止性担体0.6g
を10ml容量の清浄な硬質ガラス製採血管に収容して
血液検査用採血管を得た。この血液検査用採血管にうさ
ぎ新鮮血4mlを採血して、23〜25℃の室温にて静
置した。血液の凝固時間を測定した後、25℃、130
0G、5分間の条件で遠心分離を行い、血清の分離状況
を目視観察するとともに血清の収量を測定した。この結
果、ペレットは血餅の頭部付近に散在するように血餅中
に埋没していたが、溶血のない清澄な血清が得られた。
また、凝固時間、血清の収量は表8に示した通りであっ
た。
【0080】(比較例6−1)ビニルピロリドン−酢酸
ビニルランダム共重合体を使用しないことの他は実施例
6と同様にして、微粉末シリカのみがコーティングされ
たポリスチレン製ペレットを得た。微粉末シリカの付着
量は約5×10-5g/cm2 であった。得られたポリス
チレン製ペレット0.6gを10ml容量の清浄な硬質
ガラス製採血管に収容して血液検査用採血管を得た。こ
の血液検査用採血管にうさぎ新鮮血4mlを採血して、
実施例6と同様にして、血液の凝固時間、血清の分離状
況、血清の収量を測定した。この結果、ペレットは実施
例6と同様に血餅の頭部付近に埋没しており、血清の収
量そのものは実施例6と遜色なかったが、著しく強度の
溶血が見られた。また、凝固時間、血清の収量は表8に
示した通りであった。
【0081】(比較例6−2)何もコーティングしてい
ないポリスチレン製ペレット0.6gを10ml容量の
清浄な硬質ガラス製採血管に収容して血液検査用採血管
を得た。この血液検査用採血管にうさぎ新鮮血4mlを
採血して、実施例6と同様にして、血液の凝固時間、血
清の分離状況、血清の収量を測定した。この結果、ペレ
ットは実施例6と同様に血餅の頭部付近に埋没してお
り、血清の収量そのものは実施例6と遜色なかったが、
強度の溶血が見られた。また、凝固時間、血清の収量は
表8に示した通りであった。
【0082】
【表8】
【0083】
【発明の効果】本発明の血液成分付着防止剤は、免疫血
清学検査に対して偽陽性を引き起こすことなく、血液成
分の検査用容器の内壁面への付着を効果的に防止し得る
ので、それ自体単独で、あるいはガラス、カオリン、ベ
ントナイト、シリカ、セライト等の鉱物質、またはエラ
グ酸等の有機質の血液凝固促進性を有する物質、さらに
エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、ヘパリン塩等
の抗凝固剤やフッ化塩、マンノース等の解糖阻止剤等と
併用することにより血液化学、免疫血清学、血液学検査
等の検査精度を向上させる点において極めて有用であ
る。
【0084】本発明の血液検査用容器は、本発明の血液
成分付着防止剤がその内壁面に存在しており、免疫血清
学検査に対して偽陽性を引き起こすことなく、血液成分
の検査用容器の内壁面への付着を効果的に防止し得るの
で、それ自体単独で、あるいはガラス、カオリン、ベン
トナイト、シリカ、セライト等の鉱物質、またはエラグ
酸等の有機質の血液凝固促進性を有する物質、さらにエ
チレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、ヘパリン塩等の
抗凝固剤やフッ化塩、マンノース等の解糖阻止剤等と併
用することにより血液化学、免疫血清学、血液学検査等
の検査精度を向上させる点において極めて有用である。
【0085】本発明の血液成分付着防止性担体は、本発
明の血液成分付着防止剤がその表面に存在しており、免
疫血清学検査に対して偽陽性を引き起こすことなく、血
液成分の担体表面への付着を効果的に防止し得るので、
それ自体単独で、あるいはガラス、カオリン、ベントナ
イト、シリカ、セライト等の鉱物質、またはエラグ酸等
の有機質の血液凝固促進性を有する物質、さらにエチレ
ンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、ヘパリン塩等の抗凝
固剤やフッ化塩、マンノース等の解糖阻止剤等と併用す
ることにより血液化学、免疫血清学、血液学検査等の検
査精度を向上させる点において極めて有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一重合体が水溶性を示す単量体成分
    (a)と、単一重合体が水不溶性を示す単量体成分
    (b)とよりなるランダム共重合体であって、単量体成
    分(b)の含有量が10〜90モル%である該共重合体
    からなる血液成分付着防止剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の血液成分付着防止剤が内
    壁面に存在していることを特徴とする血液検査用容器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の血液成分付着防止剤が表
    面に存在していることを特徴とする血液成分付着防止性
    担体。
JP22309394A 1993-09-20 1994-09-19 血液成分付着防止剤、血液検査用容器および血液成分付着防止性担体 Expired - Fee Related JP3495106B2 (ja)

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