JPH1172493A - 血液検査用容器及び血液抗凝固方法 - Google Patents

血液検査用容器及び血液抗凝固方法

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JPH1172493A
JPH1172493A JP10173217A JP17321798A JPH1172493A JP H1172493 A JPH1172493 A JP H1172493A JP 10173217 A JP10173217 A JP 10173217A JP 17321798 A JP17321798 A JP 17321798A JP H1172493 A JPH1172493 A JP H1172493A
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JP
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fibrinogen
precursor
enzyme
fibrin
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JP10173217A
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Hideo Anraku
秀雄 安楽
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生化学、血清学検査等に悪影響を与えることな
く、検体の前処理時間を可能な限りゼロにするための血
液検査用容器及び血液抗凝固方法を提供する。 【解決手段】フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵
素、該酵素の前駆体、並びに該酵素の前駆体の活性化因
子からなる群より選ばれる少なくとも1種が収容された
血液検査用容器。さらに、ヘパリン、トロンボモジュリ
ン、ヘパリノイド、及びこれらの塩からなる群より選ば
れる少なくとも1種が収容される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液検査用容器及
び血液抗凝固方法に関し、詳しくは血液検体を凝固させ
ることなく全血のままで、あるいは遠心分離操作によっ
て分別され得る血漿成分又は血球細胞成分を検体とし
て、なかんずく生化学検査、血清学検査などに用いられ
る血液検査用容器及び血液抗凝固方法に関する。
【0002】
【従来の技術】血液は体外に取り出され、放置されると
自然に凝固する性質がある。血液凝固は血液中に含まれ
ている血液凝固に特異的な種々の蛋白質分解酵素、リン
脂質、カルシウムイオン等が幾重にも関与する化学反応
である。反応の最終段階では、水溶性蛋白質であるフィ
ブリノーゲンがトロンビンによって不溶性ゲル状のフィ
ブリンとなり、赤血球をはじめとする血球成分がからめ
とられて血餅を形成する。血液のこのような性質を無視
して検査を強行しようとすると、検査工程中に凝固反応
が進行し、検査機器の配管を詰まらせたり、試薬反応を
妨害したりして、誤った検査結果を与える。
【0003】そこで、生化学検査や血清学検査を行なう
場合は、凝固が十分に完了した後、遠心分離して得られ
る液体成分である血清が用いられる。一方、血液学検
査、凝固機能検査、血糖検査、血液ガス検査等では、血
球や血漿を検体とするために、血液が凝固してしまうと
検査ができなくなる。そこで血液凝固を防ぐ抗凝固剤と
して、例えばカルシウムイオンを除去するためにはエチ
レンジアミンテトラアセテート塩(EDTA塩)、クエ
ン酸塩、フッ化塩等が、またトロンビンを阻害するため
にはヘパリン塩が、あらかじめ収容された血液検査用容
器が頻用されている(例えば、特開平4−249767
号公報、特開昭57−103647号公報等)。これら
の血液抗凝固剤は、全ての検査に汎用的に用いられるわ
けではなく、通常は、EDTA塩は血液学検査、クエン
酸塩は凝固機能検査、フッ化塩は解糖阻止剤でもあるこ
とから血糖検査、ヘパリン塩は血液ガス検査というよう
に限定的に用いられている。これは他の検査項目に適用
しようとすると、測定値への悪影響が大きいからであ
る。
【0004】ところで、近年の分析機器の高性能化によ
り、分析測定自体は人手を煩わすことなく、極めて短時
間で完了するようになっている。そのため、診療サイド
へ検査結果のフィードバックを迅速に行い、遠来の外来
患者が何度も病院に足を運ばずとも、一度の来院で、医
師の診断を受け、的確な診療を得られるようにしようと
の患者サービス向上の機運が盛り上がっている。この場
合、採血から検査結果の報告までの全工程は、30分程
度に納まることが望まれる。
【0005】この結果、前処理時間の長短が全工程に及
ぼす影響は無視できなくなっている。ちなみに、先述の
血液学検査や血糖検査等は、血液と試薬とを混和するだ
けであり、必要であれば直ちに遠心分離して、血漿を分
取することもできるので、ほとんど律速とはならない。
一方、生化学あるいは血清学検査では、血清を検体とす
るために、血液の凝固に1〜2時間を要することが大き
な律速となっている。そこで、凝固時間の短縮のため
に、シリカ、カオリン、珪藻土といったシリカ系の微粉
末を収容した採血管を利用するのが、一般的になってき
ている。凝固促進度は、これらの微粉末の使用量に依存
するが、溶血のような好ましくない副作用を考慮する
と、20〜30分程度に短縮するのが限度であり、とて
も上記要望を満たすものではない。
【0006】また、特開昭58−1460号公報、実開
昭60−106610号公報、特開昭60−17495
2号公報等に提案されるようなトロンビンや蛇毒由来の
トロンビン様酵素を用いれば、原理的には5分程度で凝
固可能である。しかしながら、血液との速やか且つ十分
な混和を怠ると、かえって異常な凝固遅延現象を引き起
こし、血清の回収率を大きく減ずることがある等、採血
現場での使い勝手には、今だ改善の余地が多い。
【0007】そこで、発想を180度転換して、凝固の
ための待ち時間が原理的にゼロである、血漿を生化学あ
るいは血清学検査に用いるべく、従来から緊急時に一部
の生化学項目に対して用いられてきたヘパリン塩を汎用
しようとする試みもある。しかしながら、多くの検査項
目の中には、ヘパリン塩それ自体に起因し、あるいはヘ
パリンによって惹起される血球細胞成分の凝集崩壊の結
果として、あるいはまた血漿中に残存するフィブリノー
ゲンのために、血清とは異なった測定値を与える項目が
ある。これは、多くの手間と時間をかけて構築された血
清検体での正常値範囲データーの再構築を求められるこ
とを意味し、現実的ではない。もちろん、ヘパリン塩自
体の悪影響を回避すべく、血中濃度を通常量の15〜1
7IU/mlから、1〜2IU/ml程度に減ずること
も行われたが、ヘパリンが血中で次第に失活し、徐々に
凝固が進むこと、さらに採血時には強力な凝固活性を有
する組織液がしばしば混入するものであり、少量のヘパ
リンではこれに対抗できないことから、やはり実用には
至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するものであり、その目的は、生化学、血清学検査
等に悪影響を与えることなく、検体の前処理時間を可能
な限りゼロにするための血液検査用容器及び血液抗凝固
方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の血液検査用容器
には、フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵素、該
酵素の前駆体、並びに該酵素の前駆体の活性化因子から
なる群より選ばれる少なくとも1種が収容されている。
【0010】上記フィブリノーゲン又はフィブリンの分
解酵素は、線溶酵素とも呼ばれ、例えば、プラスミン、
ミニプラスミン等があげられる。上記フィブリノーゲン
又はフィブリンの分解酵素の前駆体としては、例えば、
プラスミノーゲン、ミニプラスミノーゲン等があげられ
る。ミニプラスミノーゲンはプラスミノーゲンをエラス
ターゼで限定分解した時に得られるリジン親和性の弱い
分画成分である。上記フィブリノーゲン又はフィブリン
の分解酵素の前駆体の活性化因子としては、例えば、ウ
ロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、組織又は血管壁プラ
スミノーゲン活性化因子等があげられる。
【0011】フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵
素、該酵素の前駆体、並びに該酵素の前駆体の活性化因
子などは、生体組織や培養物から抽出されるが、これら
を構成するアミノ酸残基のうち、活性に係わる部分のみ
を選択的に切り出したり、遺伝子工学的あるいは蛋白工
学的に作製した変性物あるいは誘導体を用いてもよい。
【0012】フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵
素、該酵素の前駆体、並びに該酵素の前駆体の活性化因
子からなる群より選ばれる少なくとも1種の、血液検査
用容器中の収容量は、少なくなると血液抗凝固効果が不
十分となり、多くなると検査値に影響を与える恐れがあ
るので、合計で血液1mlあたり10-4μg〜104μ
gが好ましく、より好ましくは10-3μg〜103 μg
である。
【0013】本発明の血液検査用容器には、さらに、ヘ
パリン、トロンボモジュリン、ヘパリノイド、及びこれ
らの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が収容さ
れていることが好ましい。上記ヘパリンは、酸性の多糖
類であり、アンチトロンビン-IIIと複合化してトロンビ
ンの酵素作用を阻害する働きがあるが、 溶解性をあげる
ためヘパリン塩として用いられることが多い。上記ヘパ
リン塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩等があげられる。上記トロンボ
モジュリンは、トロンビンに親和性の高い蛋白質であ
り、トロンビンと複合化して血液凝固酵素としての働き
を消失させる。またトロンボモジュリンのエラスターゼ
部分分解物も用いることができる。上記ヘパリノイド
は、ヘパリン類似の血液凝固阻止作用を有し、例えば、
デキストラン硫酸、コンドロイチンポリ硫酸、ポリビニ
ルアルコール硫酸等があげられる。上記トロンボモジュ
リン、ヘパリノイドの塩としては、ヘパリン塩と同様の
塩があげられる。ヘパリン、トロンボモジュリン、ヘパ
リノイド、及びこれらの塩からなる群より選ばれる少な
くとも1種の、血液検査用容器中の収容量は、少なくな
ると血液抗凝固効果が不十分となり、多くなると検査値
に影響を与える恐れがあるので、合計で血液1mlあた
り0.1〜104 μgが好ましく、より好ましくは1〜
100μgである。
【0014】さらに上記各成分の保存安定性や容器壁
面、後述の担体等への付着保持性を高めるために、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ングリコール、多糖類等の水溶性高分子や塩化ナトリウ
ム等の無機塩類などを併用してもよい。
【0015】上記血液検査用容器の材質は、ガラス、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、変性天然樹脂等の従来公知
のものが用いられ、形状も特に限定されず、従来公知の
ものを用いればよい。上記各成分を血液検査用容器に収
容する際は、これらの溶液又は懸濁液を公知の方法によ
り容器底部に分注したり、容器や栓体の内壁面に塗布又
はスプレーしたりする。また容器に収容後、公知の方法
により、好ましくは60℃以下の温度での加熱乾燥、真
空乾燥、凍結乾燥等をしてもよい。さらに、ガラス、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、変性天然樹脂等からなるビ
ーズ、シート、発泡体等、あるいはカップや多穴形状等
の成形物などの担体に、上記各成分を担持させて、これ
を収容してもよい。上記各成分は、混合物として収容さ
れてもよく、それぞれ単独で容器内面の異なる場所に収
容されてもよい。また層状に重ねて収容されてもよい。
【0016】本発明の血液検査用容器は、通常の血液検
査用容器のほか、真空採血管としても使用できる。この
真空採血管は、従来公知のガラスもしくは合成樹脂製採
血管内部に上記各成分を収容し、排気して、やはり従来
公知のブチルゴム製、あるいはアルミラミネートシート
製等の密封性の優れた栓で密封することにより調製され
る。
【0017】本発明2の血液抗凝固方法は、抗凝固血を
用いて臨床血液検査を行なうための血液抗凝固方法にお
いて、血液検査用容器に採取した血液に、フィブリノー
ゲン又はフィブリンの分解酵素、該酵素の前駆体、並び
に該酵素の前駆体の活性化因子からなる群より選ばれる
少なくとも1種を添加し、血液の凝固を阻止する方法で
ある。好ましくは、ヘパリン、トロンボモジュリン、ヘ
パリノイド、及びこれらの塩からなる群より選ばれる少
なくとも1種が併用される。上記各成分としては、本発
明1の血液検査用容器と同様のものを用いることができ
る。また各成分の添加量も本発明1の血液検査用容器の
場合と同様である。
【0018】
【作用】本発明の血液検査用容器には、プラスミン、ミ
ニプラスミン等のフィブリノーゲン又はフィブリンの分
解酵素;プラスミノーゲン、ミニプラスミノーゲン等の
該酵素の前駆体;ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、
組織又は血管壁プラスミノーゲン活性化因子等の該酵素
の前駆体の活性化因子などが収容され、さらに好ましく
はヘパリン、トロンボモジュリン、ヘパリノイド、及び
これらの塩等が併用される。
【0019】フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵
素は、血液中のフィブリノーゲンを分解することができ
るので、これらが収容された本発明の血液検査用容器を
用いることにより、あるいはこれらを用いた抗凝固方法
により、検体保存中もフィブリンが析出することがな
く、安定した抗凝固状態を維持できる。フィブリノーゲ
ン又はフィブリンの分解酵素の前駆体は、血液中の第X
II因子が検査用容器の内壁面に接触して活性化される
ことにより、引き続き活性化されて血液中のフィブリノ
ーゲンを分解することができるので、これらが収容され
た本発明の血液検査用容器を用いることにより、あるい
はこれらを用いた抗凝固方法により、検体保存中もフィ
ブリンが析出することがなく、安定した抗凝固状態を維
持できる。フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵素
の前駆体の活性化因子は、血液中にもともと含まれてい
るプラスミノーゲンをプラスミンに変えるため、血液中
のフィブリノーゲンを分解することができるので、これ
らが収容された本発明の血液検査用容器を用いることに
より、あるいはこれらを用いた抗凝固方法により、血液
凝固を完全に阻止することができる。
【0020】しかしながら採血された血液中のフィブリ
ノーゲンがプラスミンにより分解されていく反応と、も
ともと血液中に含まれるトロンビンがフィブリノーゲン
をフィブリンに転換する凝固反応とは、互いに競合する
反応である。そこでヘパリンやトロンボモジュリン等を
併用することにより、トロンビンの反応を阻害し、抗凝
固作用を一層確実なものとすることができる。さらにヘ
パリン単独で血液を抗凝固させた場合に、ヘパリンが血
液中で徐々に失活することによって生じるフィブリン析
出の問題も、本質的にはフィブリノーゲンが分解される
ことにより発生しなくなるので、検体保存中、安定的に
抗凝固状態を維持できる。
【0021】本発明の最も好ましい態様は、フィブリノ
ーゲン又はフィブリンの分解酵素と、ヘパリン、トロン
ボモジュリン又はヘパリノイドを併用することである。
両者の作用原理は異なるので、互いに協調的に血液に作
用し、それぞれの使用量を減らすことができる。このた
め生化学検査値への悪影響も低減することが可能とな
り、良好なデータを得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を説明す
る。 (実施例1)プラスミン(シグマ社製、試薬グレード)
を生理食塩水に溶解し、2×104μg/mlのプラス
ミン溶液を調製した。この溶液の50μlを7ml容量
のポリエチレンテレフタレート(PET)製採血管の底
部に分注し、本発明の血液検査用容器を調製した。日本
白色種のウサギから採取した新鮮血4mlを上記容器に
分注し、静かに4回転倒混和してから約25℃の室内に
静置し、抗凝固状態を観察した。血中のプラスミン濃度
は2.5×102 μg/mlであった。採血6時間後に
1500Gで5分間、遠心分離し、容器壁面への血小板
付着、フィブリンの析出、溶血の有無により血漿分離性
を観察した。以上の結果を表1に示す。また血漿を分取
して、代表的な生化学検査項目について検査値への影響
を評価した。結果を表2に示す。
【0023】(比較例1)10ml容量の清浄な硬質ガ
ラス製採血管に、日本白色種のウサギから採取した新鮮
血4mlを分注し、静かに4回転倒混和してから約25
℃の室内に静置した。採血15分後には凝固が完了した
が、そのまま静置し、採血6時間後に1500Gで5分
間、遠心分離し、容器壁面への血小板付着、フィブリン
の析出、溶血の有無により血清分離性を観察した。結果
を表1に示す。また血清を分取して、代表的な生化学検
査項目について検査値への影響を評価した。結果を表2
に示す。
【0024】(比較例2)ヘパリンナトリウム溶液(ノ
ボ社製、静注グレード、1000単位/ml)の60μ
lを7ml容量のポリエチレンテレフタレート(PE
T)製採血管の底部に分注し、血液検査用容器を調製し
た。日本白色種のウサギから採取した新鮮血4mlを上
記容器に分注し、静かに4回転倒混和してから約25℃
の室内に静置し、抗凝固状態を観察した。血中のヘパリ
ン濃度は15単位/mlであった。採血6時間後に15
00Gで5分間、遠心分離し、容器壁面への血小板付
着、フィブリンの析出、溶血の有無により血漿分離性を
観察した。以上の結果を表1に示す。また血漿を分取し
て、代表的な生化学検査項目について検査値への影響を
評価した。結果を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】(実施例2)ストレプトキナーゼ(シグマ
社製、試薬グレード)を生理食塩水に溶解し、400μ
g/ml濃度のストレプトキナーゼ溶液を調製した。こ
の溶液の50μlを7ml容量のポリエチレンテレフタ
レート(PET)製採血管の底部に分注し、本発明の血
液検査用容器を調製した。健常人ボランティアから採取
した新鮮血4mlを上記容器に分注し、静かに4回転倒
混和してから約25℃の室内に静置し、抗凝固状態を観
察した。血中のストレプトキナーゼ濃度は5.0μg/
mlであった。採血12時間後に1500Gで5分間、
遠心分離し、実施例1と同様にして血漿分離性を観察し
た。その結果を表3に示す。また血漿を分取して、検査
値への影響を評価した。結果を表4に示す。
【0028】(実施例3)ウロキナーゼ(シグマ社製、
試薬グレード)を生理食塩水に溶解し、1.6×103
μg/ml濃度のウロキナーゼ溶液を調製した。この溶
液の50μlを7ml容量のポリエチレンテレフタレー
ト(PET)製採血管の底部に分注し、本発明の血液検
査用容器を調製した。健常人ボランティアから採取した
新鮮血4mlを上記容器に分注し、静かに4回転倒混和
してから約25℃の室内に静置し、抗凝固状態を観察し
た。血中のウロキナーゼ濃度は20μg/mlであっ
た。採血12時間後に1500Gで5分間、遠心分離
し、実施例1と同様にして血漿分離性を観察した。その
結果を表3に示す。また血漿を分取して、検査値への影
響を評価した。結果を表4に示す。
【0029】(実施例4)組織プラスミノーゲン活性化
因子(シグマ社製、試薬グレード)を生理食塩水に溶解
し、40μg/ml濃度の組織プラスミノーゲン活性化
因子溶液を調製した。この溶液の50μlを7ml容量
のポリエチレンテレフタレート(PET)製採血管の底
部に分注し、本発明の血液検査用容器を調製した。健常
人ボランティアから採取した新鮮血4mlを上記容器に
分注し、静かに4回転倒混和してから約25℃の室内に
静置し、抗凝固状態を観察した。血中の組織プラスミノ
ーゲン活性化因子濃度は0.5μg/mlであった。採
血12時間後に1500Gで5分間、遠心分離し、実施
例1と同様にして血漿分離性を観察した。その結果を表
3に示す。また血漿を分取して、検査値への影響を評価
した。結果を表4に示す。
【0030】(実施例5)ヘパリンリチウム(シグマ社
製、試薬グレード、180単位/mg)を生理食塩水に
溶解し、180単位/ml濃度のヘパリン溶液を調製し
た。この溶液の60μlを7ml容量のポリエチレンテ
レフタレート(PET)製採血管の内壁面にスプレー塗
布し、40℃で真空乾燥した。一方、プラスミン(シグ
マ社製、試薬グレード)を生理食塩水に溶解し、2×1
4 μg/mlのプラスミン溶液を調製した。この溶液
の50μlを先のヘパリン塗布PET容器に分注し、本
発明の血液検査用容器を調製した。健常人ボランティア
から採取した新鮮血4mlを上記容器に分注し、静かに
4回転倒混和してから約25℃の室内に静置し、抗凝固
状態を観察した。血中のヘパリン濃度は15μg/ml
(2.7単位/ml)、プラスミン濃度は2.5×10
2 μg/mlであった。採血12時間後に1500Gで
5分間、遠心分離し、実施例1と同様にして血漿分離性
を観察した。その結果を表3に示す。また血漿を分取し
て、検査値への影響を評価した。結果を表4に示す。
【0031】(比較例3)10ml容量の清浄な硬質ガ
ラス製採血管に、健常人ボランティアから採取した新鮮
血4mlを分注し、静かに4回転倒混和してから約25
℃の室内に静置した。採血18分後には凝固が完了した
が、そのまま静置し、採血12時間後に1500Gで5
分間、遠心分離し、容器壁面への血小板付着、フィブリ
ンの析出、溶血の有無により血清分離性を観察した。結
果を表3に示す。また血清を分取して、代表的な生化学
検査項目について検査値への影響を評価した。結果を表
4に示す。
【0032】(比較例4)ヘパリンナトリウム溶液(ノ
ボ社製、静注グレード、1000単位/ml)の60μ
lを7ml容量のポリエチレンテレフタレート(PE
T)製採血管の底部に分注し、血液検査用容器を調製し
た。健常人ボランティアから採取した新鮮血4mlを上
記容器に分注し、静かに4回転倒混和してから約25℃
の室内に静置し、抗凝固状態を観察した。血中のヘパリ
ン濃度は15単位/mlであった。採血12時間後に1
500Gで5分間、遠心分離し、容器壁面への血小板付
着、フィブリンの析出、溶血の有無により血漿分離性を
観察した。結果を表3に示す。また血漿を分取して、代
表的な生化学検査項目について検査値への影響を評価し
た。結果を表4に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】実施例1〜5によれば、十分な抗凝固状態
を維持でき、支障なく生化学検査を遂行できた。またヘ
パリンナトリウム抗凝固血で得られた血漿(比較例2、
4)の生化学検査では、LDH、TG、NEFAやGO
Tなどにおいてガラス製容器で得られた血清(比較例
1、3)での測定値と大きく乖離しているが、実施例1
〜5によれば血清の測定値と比較して遜色ない結果が得
られた。
【0036】
【発明の効果】本発明の血液検査用容器及び血液抗凝固
方法は、上述の通りであり、生化学、血清学検査値に悪
影響を与えることなく、検体の前処理時間を可能な限り
ゼロにすることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵
    素、該酵素の前駆体、並びに該酵素の前駆体の活性化因
    子からなる群より選ばれる少なくとも1種が収容されて
    いることを特徴とする血液検査用容器。
  2. 【請求項2】さらに、ヘパリン、トロンボモジュリン、
    ヘパリノイド、及びこれらの塩からなる群より選ばれる
    少なくとも1種が収容されていることを特徴とする請求
    項1記載の血液検査用容器。
  3. 【請求項3】フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵
    素が、プラスミン、ミニプラスミンからなる群より選ば
    れる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の血
    液検査用容器。
  4. 【請求項4】フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵
    素の前駆体の活性化因子が、ウロキナーゼ、ストレプト
    キナーゼ、及び組織又は血管壁プラスミノーゲン活性化
    因子からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の血液検査用容器。
  5. 【請求項5】抗凝固血を用いて臨床血液検査を行なうた
    めの血液抗凝固方法において、血液検査用容器に採取し
    た血液に、フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵
    素、該酵素の前駆体、並びに該酵素の前駆体の活性化因
    子からなる群より選ばれる少なくとも1種を添加し、血
    液の凝固を阻止することを特徴とする血液抗凝固方法。
  6. 【請求項6】さらに、ヘパリン、トロンボモジュリン、
    ヘパリノイド、及びこれらの塩からなる群より選ばれる
    少なくとも1種を併用することを特徴とする請求項5記
    載の血液抗凝固方法。
  7. 【請求項7】フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵
    素が、プラスミン、ミニプラスミンからなる群より選ば
    れる少なくとも1種である、請求項5又は6に記載の血
    液抗凝固方法。
  8. 【請求項8】フィブリノーゲン又はフィブリンの分解酵
    素の前駆体の活性化因子が、ウロキナーゼ、ストレプト
    キナーゼ、及び組織又は血管壁プラスミノーゲン活性化
    因子からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請
    求項5〜7のいずれか1項に記載の血液抗凝固方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006501477A (ja) * 2002-10-01 2006-01-12 ヒーモスコープ コーポレイション 止血及び血液処理のための方法及び装置

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