JPH0728663Y2 - 電磁接触器と過負荷継電器との結合構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電磁接触器と、この電磁接触器と組合わされ
る熱形過負荷継電器との結合構造に関する。

〔従来の技術〕

電磁接触器は、モータなどの始動・停止に用いられ、電
磁石に通電して可動鉄心を吸引し、または復帰ばねで可
動鉄心を釈放して可動接触子を駆動し、この可動接触子
に取付けられた主接点を開閉する。この主接点はリード
線で外部に導出され、第３図に示すように電磁接触器１
のケース２に設けられた隔離板３の間に取付けられた端
子４に接続されている。５は当て板であり、６は過負荷
継電器８と結合するための位置決め穴、７はこの電磁接
触器１の取付穴である。

このような電磁接触器１の端子４は図示しない主電気回
路に接続され、主接点の開閉により、モータなどの負荷
を始動・停止する。このような電磁接触器はモータなど
が過負荷になり、主電気回路に過電流が流れてもこれを
遮断する機能がないからモータなどを焼損するおそれが
ある。このため一般に電磁接触器は、熱形の過負荷継電
器と組合わせてモータなどの過負荷保護を行う。この熱
形過負荷継電器は抵抗体とバイメタルを備え、抵抗体に
主電気回路の電流を流し、またはこれに比例する電流を
流し、過電流による抵抗体の加熱でバイメタルが湾曲し
て補助接点を開き、電磁接触器の電磁石に通電していた
電流を遮断して電磁接触器を開きモータなどを停止す
る。このような熱形過負荷継電器８は第４図に示すよう
にケース９の外部に電磁接触器１の端子４に接続する接
続板10が突出し、この接続板10の反対側に隔離板11が設
けられ、この隔離板11の間に取付けられた図示しない端
子がモータなどの負荷に接続される。12は動作電流設定
ダイアル、13は復帰用押ボタン、14は位置決め用爪であ
る。

電磁接触器１と過負荷継電器８を結合するには、電磁接
触器１の位置決め用穴６に過負荷継電器８の爪14を挿入
し、各接続板10を各端子４に接続する。

モータなどの負荷電流は、第３図において左方の電源端
子から電磁接触器１の図示しない接点を経て、端子４か
ら過負荷継電器８の接続板10に移り、図示しない加熱用
抵抗体を経て、接続板10と反対側の端子からモータなど
に流れる。バイメタルが湾曲し、動作する電流値はダイ
アル12で設定し、過負荷継電器８が動作し電磁接触器１
が遮断されると、モータなどの過負荷原因を除いた後に
押ボタン13を押圧してバイメタルの接点を閉じ、電磁接
触器１の開閉を可能にする。

〔考案が解決しようとする課題〕

電磁接触器１と過負荷継電器８の従来の結合構造は、爪
14で位置決めし、端子ねじ４と接続板10との接続による
結合に頼っていた。したがって電磁接触器１の開閉によ
る振動は、端子ねじ４から接続板10に伝わり、電磁接触
器１と過負荷継電器８との結合に“がた”があるから、
この振動は拡大されて抵抗体に伝わり、接続板10や抵抗
体は繰り返し応力を受け、疲労破壊に至る場合があっ
た。また接続板10の曲げ強度が不足している場合は、曲
り易く、電磁接触器１との結合が不十分で過負荷継電器
８が固定されていないから配線作業のときにその作業が
し難いという欠点があった。

本考案の目的は、電磁接触器と過負荷継電器との外形を
大幅に変更することなく、電磁接触器と過負荷継電器と
の結合を十分にする結合構造を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上述の課題を解決するため本考案は、補助接点を閉じて
電磁石に通電し主電気回路を閉じる主接点から導出され
た端子がケースに設けられた隔離板の間に導出された電
磁接触器と、前記主電気回路の過電流で加熱されるバイ
メタルにより前記補助接点を開き前記電磁接触器の通電
を遮断する過負荷継電器との結合構造において、前記過
負荷継電器のケースに、前記電磁接触器側であってこの
電磁接触器の隔離板に対向する位置に突出して形成さ
れ、前記隔離板の一部に嵌合するＵ字状受け部を設けた
ことを特徴とする。

〔作用〕

この考案においては、電磁接触器にはそれぞれの主接点
から導出された端子を隔離する隔離板が形成されている
ことに着目し、この隔離板の一部に嵌合するＵ字状受け
部を過負荷継電器に設け、この過負荷継電器のＵ字状受
け部を電磁接触器の隔離板に嵌め込むことにより電磁接
触器と過負荷継電器とが結合され、過負荷継電器の接続
板を電磁接触器の端子にねじ止めする。

〔実施例〕

第１図，第２図は本考案による電磁接触器と過負荷継電
器との結合構造の一実施例を示し、第３図，第４図と同
一のものには第３図，第４図と同一の符号を付した。第
１図は電磁接触器１を示し、そのケース２、隔離板３、
端子４、位置決め用穴６、取付穴７など従来のものと全
く同様である。しかし電磁接触器１と過負荷継電器８を
より接近させるために当て板５が除去されている。第２
図は熱形過電流継電器８の外観を示し、ケース９、接続
板10、隔離板11、動作電流設定ダイアル12、復帰用ボタ
ン13、位置決め用爪14などは従来のものと全く同様であ
るが、３個の接続板10の間にそれぞれＵ字状の受け部15
が設けられている点が従来のものと異なる。

電磁接触器１と過負荷継電器８を結合するには過負荷継
電器８の爪14を電磁接触器１の穴６に挿入して位置決め
するとともに電磁接触器１の隔離板３の一部をＵ字状受
け部15に嵌合させ受け止めて接続板10を端子４に接続す
ればよい。

電磁接触器１や過負荷継電器８の動作は従来のものと全
く同様であるからこの説明は省略する。

〔考案の効果〕

本考案によれば、過負荷継電器のケースに、前記電磁接
触器側であってこの電磁接触器の隔離板に対向する位置
に突出して形成され、前記隔離板の一部に嵌合するＵ字
状受け部を設けるのみで、電磁接触器の主接点から導出
された端子を隔離する隔離板を利用し、この電磁接触器
の隔離板に過負荷継電器のＵ字状受け部を嵌め込むこと
により、電磁接触器と過負荷継電器とは“がた”なく強
固に結合され、電磁接触器の開閉による振動で抵抗体や
接続板の疲労破壊が起るようなことはない。また配線作
業がし易く、接続板の曲りなどによる線間距離の不平等
がなくなり、相間絶縁が平等になるなど信頼性が向上す
るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案による電磁接触器と熱形過
負荷継電器との結合構造の一実施例を示し、第１図は電
磁接触器の斜視図、第２図は過負荷継電器の斜視図、第
３図および第４図は従来の電磁接触器と過負荷継電器と
の結合構造を示し、第３図は電磁接触器の斜視図、第４
図は過負荷継電器の斜視図である。 1;電磁接触器、3;隔離板（凸部）、8;過負荷継電器、1
5;U字状受け部（凹部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】補助接点を閉じて電磁石に通電し主電気回
   路を閉じる主接点から導出された端子がケースに設けら
   れた隔離板の間に配置された電磁接触器と、前記主電気
   回路の過電流で加熱されるバイメタルにより前記補助接
   点を開き前記電磁接触器の通電を遮断する過負荷継電器
   との結合構造において、前記過負荷継電器のケースに、
   前記電磁接触器側であってこの電磁接触器の隔離板に対
   向する位置に突出して形成され、前記隔離板の一部に嵌
   合するＵ字状受け部を設けたことを特徴とする電磁接触
   器と過負荷継電器との結合構造。