JPH07286070A - 天然ゴム用恒粘度剤、恒粘度天然ゴム組成物及びその製造方法、並びに、天然ゴムの粘度上昇抑制方法 - Google Patents

天然ゴム用恒粘度剤、恒粘度天然ゴム組成物及びその製造方法、並びに、天然ゴムの粘度上昇抑制方法

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JPH07286070A
JPH07286070A JP8043894A JP8043894A JPH07286070A JP H07286070 A JPH07286070 A JP H07286070A JP 8043894 A JP8043894 A JP 8043894A JP 8043894 A JP8043894 A JP 8043894A JP H07286070 A JPH07286070 A JP H07286070A
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Michio Ito
道雄 伊藤
Hiroshi Uchida
洋 内田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然ゴム用恒粘度剤、恒粘度天然ゴム組成物
及びその製造方法、並びに、天然ゴムの粘度の上昇を抑
制する天然ゴムの粘度上昇抑制方法を提供する。 【構成】 酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩よりなる天然ゴム
用恒粘度剤。天然ゴム100重量部に対して、酸化亜鉛
を0.05重量部配合した恒粘度天然ゴム組成物。天然
ゴムの製造時に、天然ゴム100重量部に対して、ステ
アリン酸亜鉛を0.5重量部添加して恒粘度天然ゴム組
成物を製造する恒粘度天然ゴム組成物の製造方法。天然
ゴムの製造時に、天然ゴム100重量部に対して、ラウ
リン酸亜鉛を1.0重量部添加して天然ゴムの粘度の上
昇を抑制する天然ゴムの粘度上昇抑制方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然ゴム用恒粘度剤、
その恒粘度剤が配合された恒粘度天然ゴム組成物及びそ
の製造方法、並びに、その恒粘度剤を用いて天然ゴムの
粘度の上昇を抑制する天然ゴムの粘度上昇抑制方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、天然ゴムは、タイ・マレーシア
・インドネシアなどの熱帯諸国で産出されている。天然
ゴムは、その優れた物理的性質のため、ゴム産業、タイ
ヤ産業界において幅広く、かつ、大量に使用されてい
る。産出された直後の天然ゴムは、粘度が60〜70と
低いが、日本などへ貯蔵・輸送される場合は、時間の経
過と共に粘度が90〜100近くまで上昇してしまう。
【0003】この現象をゲル化(貯蔵硬化)と呼び、一
般には、天然ゴムのイソプレイン鎖中のアルデヒド基な
どが天然ゴム中のタンパク質、アミノ酸と反応しゲル化
が生じるとされているが、そのメカニズムは未だはっき
りと解明されていない。産出地での天然ゴムのゲル化
は、ゴム製品の製造の際の加工性を悪化させることとな
るので、防止する必要がある。
【0004】このゲル化を防ぐためにマレーシアゴム研
究所(RRM)では、天然ゴムラテックスを0.08%
〜0.30%程度の硫酸ヒドロキシルアミン〔(NH2
OH)2・H2SO4〕で処理して恒粘度天然ゴム組成物
としている。また、同じ硫酸ヒドロキシルアミンを用い
て、乾燥後の天然ゴムにその溶液を混入するタイプ(S
MR−GP)も開発されている。
【0005】しかしながら、硫酸ヒドロキシルアミンを
用いてなる恒粘度天然ゴム組成物は、下記の問題点を有
している。 (1) 硫酸ヒドロキシルアミンは日本では劇物指定のため
使用することが困難である。 (2) 貯蔵初期では粘度上昇が認められる。 (3) 過酷な状態(60℃程度のオーブン中)では恒粘度
効果が低い。 (4) ゴムとの相溶性が悪く分散性が悪い懸念がある。 (5) 分解温度が低く、高温での練りではその効果を十分
得ることができない。
【0006】一方、恒粘度効果を有する天然ゴム用添加
剤のスクリーニングの結果を示した文献(B.C.Sekhar,
J. PolymerScience,Vol.XLVIII, 133(1960))には、セ
ミカルバジド(NH2NHCONH2)が記載されてい
る。また、恒粘度効果のありそうな天然ゴム用添加剤と
しては、ヒドロキシルアミン、セミカルバジド、ジメド
ン(1,1−ジメチルシクロヘキサン−3,5−ジオン)
が開示されている。
【0007】しかしながら、各化合物とも下限より少な
い量だとバラツキはあるものの基本的には恒粘度効果が
初期から低いか、ある期間から粘度上昇することが確認
されている。この原因としては、2つのことが考えられ
る。 a) 少量添加のため十分分散性がとれない場合。 b) ゲル化を引き起こすとされているアルデヒド基等を
ブロックするためにある程度の量が必要のため。
【0008】他方、酸化亜鉛は、亜鉛華として、ゴムの
加硫促進助剤、或いは、ゴムの白色顔料として添加され
ていることは、周知であり、また、ステアリン酸、ステ
アリン酸の金属セッケンもゴムの滑剤として用いられて
いることも周知である。しかしながら、これらの酸化亜
鉛、ステアリン酸の金属セッケン等が天然ゴムのゲル化
(貯蔵硬化)を防止すること、すなわち、恒粘度効果が
あることは全く知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題点を解決しようとするものであり、安全に取
り扱うことができ、しかも、低コストであり、恒粘度効
果が大きく、かつ、長期間に亘ってその恒粘度効果が持
続する天然ゴム用恒粘度剤、その恒粘度剤が配合された
恒粘度天然ゴム組成物及びその製造方法、並びに、その
恒粘度剤を用いて天然ゴムの粘度の上昇を抑制する天然
ゴムの粘度上昇抑制方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、既にゴム等の
工業用添加剤と使用され、安全性が確認されている特定
の化合物に恒粘度効果があることが判明し、さらに研究
を続けた結果、目的の天然ゴム用恒粘度剤、恒粘度天然
ゴム組成物、その製造方法及び天然ゴムの粘度上昇抑制
方法を得ることに成功し、本発明を完成するに至ったの
である。
【0011】すなわち、本発明の天然ゴム用恒粘度剤
は、酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩よりなることを特徴とす
る。本発明の恒粘度天然ゴム組成物は、天然ゴムに酸化
亜鉛又は脂肪酸金属塩が配合されたものである。本発明
の恒粘度天然ゴム組成物の製造方法は、天然ゴムの製造
時に、天然ゴムに酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩を天然ゴム
に添加して恒粘度天然ゴム組成物を製造するものであ
る。本発明の天然ゴムの粘度上昇抑制方法は、天然ゴム
の製造時に、酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩を添加して天然
ゴムの粘度の上昇を抑制するものである。酸化亜鉛又は
脂肪酸金属塩は、天然ゴム100重量部に対して0.0
1重量部以上混入することが好ましい。脂肪酸金属塩
は、炭素数5〜20の脂肪酸であり、金属が亜鉛、カル
シウムであることが好ましい。
【0012】
【作用】本発明の天然ゴム用恒粘度剤が何故恒粘度性を
有するかは以下のように推定される。すなわち、酸化亜
鉛又は脂肪酸金属塩を天然ゴムに用いると、イソプレイ
ン鎖中のアルデヒド基などに反応してブロックすること
によって天然ゴム中のタンパク質等とのゲル化反応を阻
害し、その結果、ゲル化による粘度上昇を抑制し、天然
ゴムに恒粘度性をもたらすものと考えられる(この点に
関しては、更に後述する実施例において詳しく説明す
る)。
【0013】従って、本発明の恒粘度天然ゴム組成物で
は、天然ゴムに上記恒粘度性を有する酸化亜鉛又は脂肪
酸金属塩が配合されているので、天然ゴムのゲル化が防
止されて長期間に亘って天然ゴムの粘度の上昇が抑制さ
れることとなる。また、本発明の恒粘度天然ゴム組成物
の製造方法では、天然ゴムの製造時に、天然ゴムに上記
恒粘度性を有する酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩を添加する
だけで、天然ゴムのゲル化が防止されて長期間に亘って
天然ゴムの粘度の上昇が抑制される恒粘度天然ゴム組成
物を製造することができる。さらに、本発明の天然ゴム
の粘度上昇抑制方法は、天然ゴムの製造時に、上記恒粘
度性を有する酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩を天然ゴムに添
加するだけで、天然ゴムのゲル化を防止するので天然ゴ
ムの粘度の上昇を抑制することができる。
【0014】以下、本発明の内容を説明する。本発明の
天然ゴム用恒粘度剤は、酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩より
なるものである。この酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩は、上
述の従来技術の項で説明したとおり、既に公知物質であ
り、その製法等は知られているが、天然ゴムに対して、
恒粘度効果を発揮することは、今まで全く知られておら
ず、本発明者らによって新たにその属性が発見されたも
のであって、安全に取り扱うことができ、しかも、低コ
ストで、かつ、後述の実施例から明らかなように天然ゴ
ムに使用した場合には、添加した時点から恒粘度効果を
発揮し、しかも長期間に亘ってその恒粘度効果が持続す
るものである。
【0015】また、酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩の恒粘度
剤としての適用範囲は、従来の加硫促進助剤、滑剤等と
して使用される適用範囲と明確に区別できるものであ
る。すなわち、従来の加硫促進助剤としての酸化亜鉛、
滑剤としてのステアリン酸亜鉛等は、ゴム製品を製造す
る際の加硫成形前の配合ゴム工程中等で添加するもので
あるのに対して、本発明の恒粘度剤としての酸化亜鉛又
は脂肪酸金属塩は、産出された天然ゴムラテックス等を
処理して原料ゴムとしての天然ゴムを製造する時等に添
加するものであり、従って、両用途の適用場所、適用時
期等の適用範囲は明確に区別でき、恒粘度剤としての範
囲内では上記格別顕著な効果を発揮するものである。
【0016】本発明の恒粘度天然ゴム組成物は、天然ゴ
ムの製造時に、すなわち、タッピング−天然ゴムラテッ
クス−凝固−洗浄(水洗い)−脱水−乾燥−パッキング
の順で生産されている天然ゴムの製造工程において、天
然ゴムラテックス時に及び/又は乾燥後の天然ゴムに、
酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩を添加してミキサー、押出機
等により混練りすることにより製造される。また、本発
明の天然ゴムの粘度上昇抑制方法は、上記天然ゴムの製
造時に、酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩を天然ゴムに添加し
て天然ゴムの粘度の上昇を抑制するものである。乾燥後
の天然ゴムに添加する場合は、室温放置でもゲル化(貯
蔵硬化等)が進行するため、乾燥処理された天然ゴムに
はできるだけ早く添加処理する必要がある。
【0017】本発明で用いる酸化亜鉛(ZnO)は、通
常ゴム工業に用いられているものが使用できる。本発明
で用いる脂肪酸金属塩は、式で示すとRXMで表され
る。Rは、CH3(CH)nCOOで示される飽和脂肪酸
又はこの不飽和脂肪酸であり、x及びn は、正の整数
であり、Mは金属であり、例えば、Mg、Ca、Zn、
Cu、Pb、Al、Fe、Co、Cr、Mnなどの金属
が挙げられる。好ましくは、炭素数5〜20の飽和脂肪
酸又は不飽和脂肪酸、例えば、ラウリン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸であり、金属が亜鉛、カ
ルシウムであることが望ましい。特に、好ましい脂肪酸
金属塩としては、例えば、ラウリン酸亜鉛、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウ
ムである。酸化亜鉛、各種脂肪酸金属塩は、単独に、又
は併用して上記天然ゴムの製造時に添加される。
【0018】酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩は、天然ゴム1
00重量部に対して、0.01重量部以上、好ましく
は、0.1重量部〜10.0重量部混入する。この酸化
亜鉛又は脂肪酸金属塩が0.01重量部未満であると、
恒粘度効果を達成することができない。なお、10.0
重量部を越えて混入しても恒粘度効果は一定となり、コ
ストアップとなる。使用する(産出される)天然ゴムの
種類・グレード及び使用する酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩
の種類により上記混入量は、上記範囲で若干変動する。
また、同量の天然ゴムに対して添加した場合の恒粘度効
果は、脂肪酸金属塩よりも酸化亜鉛の方が少量でも効果
が大である。酸化亜鉛の特に好ましい範囲は、天然ゴム
100重量部に対して、0.1〜1.0重量部であり、
各種の脂肪酸金属塩の特に好ましい範囲は、1.0〜
5.0重量部である。
【0019】
【実施例】次に、実施例、比較例により、本発明を更に
具体的かつ詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されものではない。 (実施例1〜7、比較例1〜3)天然ゴム(RSS#
4)100重量部に対して、下記表1に示される割合で
恒粘度効果を有する種々の化合物等を添加しバンバリー
ミキサーを用いて高温(130℃)練り込みし、各天然
ゴム組成物を調製した。この各天然ゴム組成物のムーニ
ー粘度の経時変化を測定し、恒粘度効果を評価した。そ
の結果を下記表1に示す。
【0020】(実施例8〜12、比較例4〜5)天然ゴ
ム(RSS#4)100重量部に対して、下記表2に示
される割合で恒粘度効果を有する種々の化合物等を添加
しロールを用いて低温(70℃)練り込みし、各天然ゴ
ム組成物を調製した。この各天然ゴム組成物のムーニー
粘度の経時変化を測定し、恒粘度効果を評価した。その
結果を下記表2に示す。
【0021】(実施例13〜16、比較例6)天然ゴム
ラテックス(商品名「ガスリーラテックス」)100重
量部に対して、下記表3に示される割合で恒粘度効果を
有する種々の化合物等を混入しギ酸を添加して硬化させ
乾燥後、各天然ゴムラテックスのムーニー粘度の経時変
化を測定し、恒粘度効果を評価した。その結果を下記表
3に示す。
【0022】ムーニー粘度の測定方法は下記のとおりで
ある。恒粘度化しているか検討するために60℃オーブ
ン中に上記実施例1〜16、比較例1〜6の各天然ゴム
組成物又は各天然ゴムラテックスを放置して硬化促進状
態にして、ムーニー粘度(60℃測定)の経時変化を測
定した。
【0023】
【表1】
【0024】〔表1の考察〕表1(実施例1〜7、比較
例1〜3)は、天然ゴム(RSS#4)と恒粘度効果を
有する種々の化合物等とを高温(130℃)で練り込み
した場合の各天然ゴム組成物の評価である。実施例1〜
7は、本発明の範囲であり、実施例1〜3は、本発明の
酸化亜鉛の添加量(0.05重量部,0.1重量部、
1.0重量部)を変えたものであり、実施例4は、ラウ
リン酸亜鉛(1.0重量部)、実施例5はステアリン酸
亜鉛(0.5重量部)、実施例6はステアリン酸カルシ
ウム(2.0重量部)、実施例7はオレイン酸カルシウ
ム(0.5重量部)を添加した場合である。これに対し
て、比較例1〜3は、本発明の範囲外となるものであ
り、比較例1はしゃく解剤(0.1重量部)であり、比
較例2は硫酸ヒドロキシルアミン(0.1重量部)、比
較例3は、ブランクである。上記表1から明らかなよう
に、高温(130℃)で処理した場合の実施例1〜7
は、比較例1〜3に較べてムーニー粘度の経時変化がな
く、長期間に亘って恒粘度効果を有することが判明し
た。特に、比較例2は、上述した(〔従来の技術〕の項
で開示した)恒粘度効果があるとされる従来の天然ゴム
用恒粘度剤(硫酸ヒドロキシルアミン)であるが、本発
明(実施例1〜7)は、これらのものよりも優れている
ことが判った。
【0025】
【表2】
【0026】〔表2の考察〕表2(実施例8〜12、比
較例4〜5)は、天然ゴム(RSS#4)と恒粘度効果
を有する種々の化合物等とを低温(70℃)で練り込み
した場合の各天然ゴム組成物の評価である。実施例8〜
12は、本発明の範囲であり、実施例8〜10は、本発
明の酸化亜鉛の添加量(0.05重量部,0.1重量
部、1.0重量部)を変えたものであり、実施例11
は、ステアリン酸亜鉛(2.0重量部)、実施例12は
ステアリン酸カルシウム(0.5重量部)を添加した場
合である。これに対して、比較例4〜5は、本発明の範
囲外となるものであり、比較例4はしゃく解剤(0.1
重量部)であり、比較例5は、ブランクである。上記表
2から明らかなように、低温(70℃)で処理した場合
でも実施例8〜12は、比較例4〜5に較べてムーニー
粘度の経時変化がなく、長期間に亘って恒粘度効果を有
することが判明した。
【0027】
【表3】
【0028】〔表3の考察〕表3(実施例13〜16、
比較例6)は、天然ゴムラテックスと恒粘度効果を有す
る種々の化合物等とを混入しギ酸を添加して硬化させた
乾燥後の各天然ゴムラテックスの評価である。実施例1
3〜16は、本発明の範囲であり、実施例13〜14
は、本発明の酸化亜鉛の添加量(0.01重量部、1.
0重量部)を変えたものであり、実施例15は、ステア
リン酸亜鉛(1.0重量部)、実施例16はステアリン
酸カルシウム(2.0重量部)を添加した場合である。
これに対して、比較例6は、本発明の範囲外となるもの
であり、ブランクである。上記表3から明らかなよう
に、天然ゴムラテックスの場合でも実施例13〜16
は、比較例6に較べてムーニー粘度の経時変化がなく、
長期間に亘って恒粘度効果を有することが判明した。
【0029】
【発明の効果】本発明の天然ゴム用恒粘度剤は、従来か
らゴム工業に用いられている化合物を恒粘度剤とするも
のであるので、安全に取り扱うことができると共に、天
然ゴムの製造時に使用した場合には、従来の課題であっ
た天然ゴム中のゲル化反応を阻害して粘度上昇を長期間
に亘ってを抑制することができる。また、その恒粘度効
果は、温度(高温又は低温)による影響はなく、天然ゴ
ムの製造時に使用した時点から発揮する。本発明の恒粘
度天然ゴム組成物は、長期間に亘って優れた恒粘度効果
を発揮するので、使用時に素練り等の処理が不要とな
り、それによって生産効率を大幅に向上させることがで
き、しかも、従来からゴム工業に用いられているものを
恒粘度剤として配合したものであるので、加硫後のゴム
物性に何らの影響を与えることがない。本発明の恒粘度
天然ゴム組成物の製造方法は、天然ゴム製造時に従来か
らゴム工業に用いられている化合物を恒粘度剤として天
然ゴムに配合するだけであるので、従来の天然ゴム製造
工程に格別の変更を必要としない。本発明の天然ゴムの
粘度上昇抑制方法は、天然ゴム製造時に従来からゴム工
業に用いられている化合物を恒粘度剤として天然ゴムに
配合するだけであるので、安全に取り扱うことができる
と共に、長期間に亘って天然ゴムの粘度上昇を抑制する
ことができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩よりなる天然
    ゴム用恒粘度剤。
  2. 【請求項2】 脂肪酸金属塩は、炭素数5〜20の脂肪
    酸であり、金属が亜鉛、カルシウムである請求項1記載
    の天然ゴム用恒粘度剤。
  3. 【請求項3】 天然ゴムに酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩が
    配合された恒粘度天然ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩は、天然ゴム
    100重量部に対して0.01重量部以上配合されてな
    る請求項3記載の恒粘度天然ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 脂肪酸金属塩は、炭素数5〜20の脂肪
    酸であり、金属が亜鉛、カルシウムである請求項3又は
    4記載の恒粘度天然ゴム組成物。
  6. 【請求項6】 天然ゴムの製造時に、酸化亜鉛又は脂肪
    酸金属塩を天然ゴムに添加して恒粘度天然ゴム組成物を
    製造する恒粘度天然ゴム組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩は、天然ゴム
    100重量部に対して0.01重量部以上添加してなる
    請求項6記載の恒粘度天然ゴム組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 脂肪酸金属塩は、炭素数5〜20の脂肪
    酸であり、金属が亜鉛、カルシウムである請求項6又は
    7記載の恒粘度天然ゴム組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 天然ゴムの製造時に、酸化亜鉛又は脂肪
    酸金属塩を天然ゴムに添加して天然ゴムの粘度の上昇を
    抑制する天然ゴムの粘度上昇抑制方法。
  10. 【請求項10】 酸化亜鉛又は脂肪酸金属塩は、天然ゴ
    ム100重量部に対して0.01重量部以上添加してな
    る請求項9記載の天然ゴムの粘度上昇抑制方法。
  11. 【請求項11】 脂肪酸金属塩は、炭素数5〜20の脂
    肪酸であり、金属が亜鉛、カルシウムである請求項9又
    は10記載の天然ゴムの粘度上昇抑制方法。
JP8043894A 1994-04-19 1994-04-19 天然ゴム用恒粘度剤、恒粘度天然ゴム組成物及びその製造方法、並びに、天然ゴムの粘度上昇抑制方法 Pending JPH07286070A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010514865A (ja) * 2006-12-28 2010-05-06 ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン 亜鉛含量の非常に低いゴム組成物
US8258224B2 (en) 2007-06-08 2012-09-04 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition for tire, and tire

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