JPH07285630A - 搬送コンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベルトの損傷や座屈を防止することができる
搬送コンベアを提供することを目的とする。 【構成】 無端帯状のベルト１１を走行させてベルト上
に載置された運搬物を搬送する搬送コンベア１０におい
て、ベルトの下方に配置されベルトを裏面から支持する
第１のローラ１４と、この第１のローラに対してベルト
の走行方向に所定距離離間しかつ所定角度で傾斜した状
態で設けられ、ベルトの縁部を支持する第２のローラ１
５とを備え、この第２のローラが第１のローラの軸線方
向とほぼ平行に移動可能に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、無端帯状のベルトを走
行させてベルト上に載置された運搬物を搬送する搬送コ
ンベア、特に粒状物、粉状物等を搬送するために好適な
搬送コンベアに関する。

【０００２】

【従来の技術】かかる搬送コンベアとしては、図５に示
すようなものが知られている。このものは、無端帯状の
ベルト１の下方にベルト１を裏面から支持する複数の第
１のローラ２がベルト１の走行方向に所定距離離間して
設けられ、各第１のローラ２の側方にベルト１の縁部付
近１ａを支持する第２のローラ３が所定角度で傾斜して
設けられたもので、前記第２のローラの傾斜角度を、図
６に示すように、ベルトの走行方向下流に向かうに従っ
て漸次増大させて配置したものである。これにより、ベ
ルト１の縁部付近１ａを走行方向に沿って漸次起立さ
せ、この縁部付近１ａとベルト１の中央部１ｂとにより
ベルト１の断面を略コ字状として、このベルト１に囲ま
れた空間に粒状物や粉状物を充填して搬送できるように
している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
搬送コンベアでは、第１のローラ２の側方に配置された
第２のローラ３の傾斜角度を漸次増大させてベルト１の
縁部付近１ａを漸次起立させるようにしているので、傾
斜角度が大きい部分でベルトの許容伸びを越えてしまう
ことがあり、ベルト１の耳部にひきつりが生じ、ベルト
１の芯体の疲労や切断が生じたり、ベルト１の座屈によ
る中折れが生ずる場合があった。

【０００４】特に、図５及び図６に示した搬送コンベア
では、第１のローラ２と第２のローラ３の境界部付近４
に隙間を機構上形成しなければならないので、この境界
部付近４のベルト１の支持が不完全となり、ベルト１が
この部分で損傷しやすいといった問題もある。

【０００５】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ベルトの損傷や座屈を防止することができる搬送コ
ンベアを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
搬送コンベアは、無端帯状のベルトを走行させてベルト
上に載置された運搬物を搬送する搬送コンベアにおい
て、前記ベルトの下方に配置されベルトを裏面から支持
する第１のローラと、この第１のローラに対して前記ベ
ルトの走行方向に所定距離離間しかつ所定角度で傾斜し
た状態で設けられ、前記ベルトの縁部を支持する第２の
ローラとを備え、この第２のローラが前記第１のローラ
の軸線方向とほぼ平行に移動可能に設けられていること
を特徴とする。

【０００７】本発明の請求項２記載の搬送コンベアは、
請求項１記載の搬送コンベアにおいて、前記第２のロー
ラがその傾斜角度を変更可能になっていることを特徴と
する。

【０００８】

【作用】本発明の請求項１記載の搬送コンベアによれ
ば、第１のローラに対してベルトの走行方向に所定距離
離間しかつ所定角度で傾斜した状態で、ベルトの縁部を
支持する第２のローラが設けられ、この第２のローラが
第１のローラの軸線方向とほぼ平行に移動可能に設けら
れているので、第２のローラの傾斜角度がベルトの許容
伸びを越えない所定角度として、第１のローラの軸線と
平行に第２のローラを移動させて、第１のローラの端部
と第２のローラの端部とがオーバーラップした状態とし
て、このオーバーラップ代をベルトの走行方向上流側か
ら下流側に向けて漸次増大させることにより、ベルトの
縁部付近を漸次起立させてベルトを略コ字状にすること
ができる。したがって、ベルトの許容伸びを越えてしま
うことがなく、ベルトの耳部にひきつりが生じたり、ベ
ルトの芯体の疲労や切断が生じたり、ベルトの座屈によ
る中折れが生じたりするといったことがなく、しかも、
第１のローラと第２のローラの端部とがオーバーラッブ
しており、これらの境界部付近に隙間が形成されないの
で、この境界部付近のベルトの支持が完全となり、ベル
トの損傷が防止される。

【０００９】本発明の請求項２記載の搬送コンベアによ
れば、ベルトの許容伸びを越えない範囲でベルトの縁部
の傾斜を変更することができ、ベルトを搬送物に応じた
最適な形状とすることができる。

【００１０】

【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の一実施例
の搬送コンベアについて説明する。

【００１１】本実施例の搬送コンベア１０は、図１及び
図２に示すように、無端帯状のベルト１１を、所定距離
離間して配置されたドラム１２間に掛け渡して配置し、
ドラム１２を回転駆動することによりベルト１１を走行
させてベルト１１上に載置された運搬物を搬送するよう
にしたものである。図中１３はベルト１１に張力を発生
させるためのテンションローラである。

【００１２】さらに、上側を走行するベルト１１の下方
には、ベルト１１を裏面から支持する複数の第１のロー
ラ１４がベルト１１の走行方向に沿って所定間隔をおい
て配置されている。また、この第１のローラ１４に対し
てベルト１１の走行方向に所定距離離間して２個１組の
第２のローラ１５が複数組配置されている。この第２の
ローラ１５は、水平面から所定角度で傾斜した状態で設
けられており、前記ベルト１１の縁部１１ａを支持する
ようになっている。

【００１３】図３に示すように、前記第１のローラ１４
はベルト１１の走行方向とほぼ直角に交差する方向に配
置された基台１６に回転自在に取り付けられており、こ
の基台１６には移動台１７が基台１６の長さ方向に移動
可能に取り付けられており、この移動台１７上に前記第
２のローラ１５が取り付けられている。

【００１４】すなわち、移動台１７の上面には、対向し
て起立片２０が固定されており、この起立片２０には、
第２のローラ１５を回転自在に保持するブラケット２１
の一端がピン１９により回転自在に取り付けられてい
る。また、前記移動台１７の上面には、柱部材１８が立
設されており、この柱部材１８の上端には屈曲した屈曲
部２２が形成され、この屈曲部２２には長穴２３が貫通
して形成されている。そして、この長穴２３には前記ブ
ラケット２１の他端部に設けられたピン２４が摺動自在
に挿入されている。

【００１５】また、前記移動台１７の上面には、長穴２
５が形成されており、この長穴２５内にボルト２６等を
挿入して締め付けることにより、移動台１７をベルト１
１の走行方向と交差する方向の適宜の位置に固定するこ
とができるようになっている。

【００１６】次に、本実施例の搬送コンベア１０の作用
について説明する。

【００１７】図１及び図２に示すように、ベルト１１の
走行方向に沿った複数組の第２のローラ１５は、その傾
斜角度はほぼ同じであるが、第１のローラ１４に対する
相対位置が、ベルト１１の走行方向下流に向かって変化
させられている。

【００１８】すなわち、図４に示すように、ベルト１１
の走行方向上流側では、図４（ａ）のように第２のロー
ラ１５の下端が第１のローラ１４の端部に近接した配置
となっているが、ベルト１１の走行方向下流側では、図
４（ｂ）に示すように、第２のローラ１５の下端が第１
のローラ１４の端部よりも内側に位置するように配置さ
れたものである。これにより、ベルト１１の走行方向上
流側ではベルト１１の縁部１１ａの立ち上がり代は小さ
いが、その走行方向下流側ではベルト１１の縁部１１ａ
の立ち上がり代が大きくなっており、断面が略コ字状と
なっている。

【００１９】これにより、略コ字状となったベルト１１
の上部に、粒状物や粉状物を載置することにより、これ
らが周りに散逸することなく、安定して搬送することが
できる。

【００２０】ここで、前記第２のローラ１５が第１のロ
ーラ１４に対してベルト１１の走行方向に所定距離離間
しかつ所定角度で傾斜した状態で、ベルト１１の縁部１
１ａを支持するように設けられ、この第２のローラ１５
が第１のローラ１４の軸線方向とほぼ平行に移動可能に
設けられているので、第２のローラ１５の傾斜角度がベ
ルト１１の許容伸びを越えない所定角度として、第１の
ローラ１４の軸線と平行に第２のローラ１５を移動させ
て、しかも、第１のローラ１４の端部と第２のローラ１
５の端部とがオーバーラップした状態とすることがで
き、したがって、ベルトの許容伸びを越えてしまうこと
がなく、ベルト１１の耳部にひきつりが生じたり、ベル
ト１１の芯体の疲労や切断が生じたり、ベルト１１の座
屈による中折れが生じたりするといったことがなく、し
かも、第１ローラ１４と第２ローラ１５との境界部付近
のベルト１１の支持が完全となり、ベルト１１の損傷が
防止される。

【００２１】前記実施例では、複数組の第２のローラ１
５の傾斜角度をほぼ同一にしているが、第２のローラ１
５を保持するブラケット２１をピン１９の周りに回転さ
せることにり、複数組の第２のローラ１５の傾斜角度
を、ベルト１１の走行方向に沿って段階的に変更するよ
うにしてもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の搬送コン
ベアによれば、ベルトの下方に配置されベルトを裏面か
ら支持する第１のローラと、この第１のローラに対して
前記ベルトの走行方向に所定距離離間しかつ所定角度で
傾斜した状態で設けられ、前記ベルトの縁部を支持する
第２のローラとを備え、この第２のローラが前記第１の
ローラの軸線方向とほぼ平行に移動可能に設けられてい
るので、ベルトの許容伸びを越えてしまうことがなく、
ベルトの耳部にひきつりが生じたり、ベルトの芯体の疲
労や切断が生じたり、ベルトの座屈による中折れが生じ
たりするといったことがなく、しかも、第１のローラと
第２のローラの境界部付近のベルトの支持が完全とな
り、ベルトの損傷を防止することができる。

【００２３】本発明の請求項２記載の搬送コンベアは、
前記第２のローラがその傾斜角度を変更可能になってい
るので、ベルトの許容伸びを越えない範囲でベルトの縁
部の傾斜を変更することができ、ベルトを搬送物に応じ
た最適な形状とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の搬送コンベアを示す側面図
である。

【図２】図１の搬送コンベアの平面図である。

【図３】図１の搬送コンベアの要部を示す詳細図であ
る。

【図４】図１の搬送コンベアの作用を示す概略図であ
る。

【図５】従来の搬送コンベアを示す平面図である。

【図６】図５の搬送コンベアを示す側面図である。

【符号の説明】

１０ 搬送コンベア １１ ベルト １４ 第１のローラ １５ 第２のローラ １７ 移動台 ２１ ブラケット １９ ピン ２５ 長穴 ２６ ボルト

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端帯状のベルトを走行させてベルト上
   に載置された運搬物を搬送する搬送コンベアにおいて、
   前記ベルトの下方に配置されベルトを裏面から支持する
   第１のローラと、この第１のローラに対して前記ベルト
   の走行方向に所定距離離間しかつ所定角度で傾斜した状
   態で設けられ、前記ベルトの縁部を支持する第２のロー
   ラとを備え、この第２のローラが前記第１のローラの軸
   線方向とほぼ平行に移動可能に設けられていることを特
   徴とする搬送コンベア。
2. 【請求項２】 前記第２のローラがその傾斜角度を変更
   可能になっていることを特徴とする請求項１記載の搬送
   コンベア。