JPH07285209A - 大版平版印刷版 - Google Patents

大版平版印刷版

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JPH07285209A
JPH07285209A JP8185194A JP8185194A JPH07285209A JP H07285209 A JPH07285209 A JP H07285209A JP 8185194 A JP8185194 A JP 8185194A JP 8185194 A JP8185194 A JP 8185194A JP H07285209 A JPH07285209 A JP H07285209A
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JP
Japan
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lithographic printing
plate
film
printing plate
printing
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JP8185194A
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English (en)
Inventor
Takeshi Matsui
武司 松井
Yoshiki Murakami
良樹 村上
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07285209A publication Critical patent/JPH07285209A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエチレンテレフタレートを主たる繰り返
し単位とするポリエステル系樹脂を主成分とするフィル
ムよりなる平版印刷原版の表面に画像を形成し、画像形
成された該平版印刷版を辺縁部で2枚以上突き合わせ接
合することによって大版化する。 【効果】 大規模な製版機や画像形成設備等を全く要す
ることなく、汎用の小型製版機を用いて任意の大きさの
大版平版印刷版を容易且つ安価に作成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル系フィル
ムを主たる構成素材とする平版印刷原版を使用し、該原
版に画像処理を施した後その辺縁部で2枚以上突き合わ
せ接合して大版化してなる大版平版印刷版に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在軽印刷分野で使用されている代表的
な平版印刷版としては、支持体上に画像受理層として親
水性層を設けた直描型、導電性支持体上に画像受理層と
して光導電層を設けた電子写真型、支持体上に画像受理
層としてジアゾ感光層を設けたPS版等が挙げられる。
これら平版印刷版の特性としては、印刷画像の鮮明性か
らすると、PS版が最良であって写真画像等の印刷にも
適したものであり、これに電子写真型が続き、直描型は
鮮明性において最も劣るものであって写真画像の印刷に
は不適当であり、主として文字印刷に用いられている。
一方、版のコストや画像形成の簡便性等においては直描
型が最も良好であり、電子写真型がこれに続き、PS版
は最も高価で画像形成コストも高い、といった利害得失
があり、求められる印刷画像の鮮明性とコストの兼ね合
いを考慮して適宜最適の印刷版が選択使用されている。
【0003】一方、これら印刷版用のベースとしては主
としてアルミニウム版および耐水加工紙が1枚物として
使用されており、これらベースの表面に画像形成層を設
けた後その表面に印刷画像形成処理を施し、印刷に当た
っては湿し水処理を施すことによってインキ非付着部へ
の印刷インキの付着を防止し、鮮明な印刷が行なえる様
にしている。
【0004】ところで1枚物の印刷版は、露光・現像処
理などを含めた画像形成処理を小型製版機によって簡単
に行なうことができるが、広い面積の大版印刷版になる
と、上記の様な画像形成処理に大型の製版機が必要とな
り、設備費が高騰するばかりでなく設備の専有面積も広
くなり、製版コストは急騰してくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目し、大版の平版印刷版を、大型の製版機を使用
することなく小型の製版機で簡単に製造することはでき
ないかと考え、その手段として小版の平版印刷原版に画
像形成処理を施した後、これを幅方向に複数枚突き合わ
せてやれば大版の平版印刷版が簡単に得られると考え、
その線に沿って実験を進めてきた。
【0006】ところが、従来のアルミニウム版や耐水加
工紙をベースとする従来の平版印刷版では、以下に示す
様な致命的な欠陥が発生し、上記の考えを実現すること
はできないことを知った。即ち、アルミニウム版ベース
の印刷版では、裁断を手軽に行なうことができないの
で、裁断部で反りを生じたり複数枚の印刷版のつき合わ
せが困難であるばかりでなく、突き合わせ接合した後の
大版は折れ曲がり等の変形を起こし易く、所謂ペコと称
される凹凸や波打ちを起こして印刷時にインキ汚れの原
因となる。一方耐水加工紙ベースの平版印刷版では、上
記の様な波打ち等を生じることは少なく且つ裁断や突き
合わせ接合等も比較的容易に行なうことができるが、耐
水性が必ずしも十分なものではないので、印刷工程で施
される湿し水が内部へ侵入して寸法変化を起こしたりズ
レを生じ、比較的少ない印刷枚数で突き合わせ部で印刷
汚れを起こすため、実用に耐えない。
【0007】本発明者らは上記の様な知見のもとで、ア
ルミニウム版や耐水加工紙を用いた時に生じる前記の様
な問題点を克服し、裁断が容易で大版化後の変形等を生
じにくく且つ湿し水による印刷時の変形を無くすことが
できれば、小版印刷版の突き合わせによる大版化が達成
できると考え、その線に沿って更に研究を進めてきた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記研究の結果
達成されたものであって、その構成は、ポリエチレンテ
レフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル
系樹脂を主成分とするフィルムよりなる平版印刷原版の
表面に画像を形成し、画像形成された該平版印刷版を辺
縁部で2枚以上突き合わせ接合して大版化したものであ
るところに要旨を有するものである。
【0009】上記大版印刷版において平版印刷原版とし
ては、ポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィル
ム、あるいはポリエチレンテレフタレートを主たる繰り
返し単位とするポリエステル系樹脂中に、該ポリエステ
ル系樹脂に非相溶性の熱可塑性樹脂が混合されてなる空
洞含有ポリエステル系フィルムからなり、フィルム密度
が1.05〜1.3g/cm3 であるものが好ましく、
また画像形成された該平版印刷版を、支持体上において
辺縁部で2枚以上突き合せ接合することによって、耐印
刷枚数や取扱い性の一層優れた大版平版印刷版を得るこ
とができる。尚、上記支持体の素材としても、ポリエチ
レンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエ
ステル系樹脂中に、該ポリエステル系樹脂に非相溶性の
熱可塑性樹脂が混合されてなり、密度が1.05〜1.
3g/cm3 の空洞含有ポリエステル系フィルムを有利
に使用することができる。そして、上記の画像形成され
た該平版印刷版の前記突き合わせ接合に当たっては、突
き合わせ線が、印刷の流れ方向に平行に形成することに
よって、突き合わせ接合線に表われることのある印刷汚
れを抑えることができる。
【0010】また、突き合わせ接合の具体的手段として
は、画像形成された平版印刷版を片面粘着テープを用い
て突き合わせ接合する方法、支持体を使用する場合は接
着剤や両面粘着テープで接合する方法などを採用するこ
とができ、また該突き合わせ接合線を平版印刷版用のコ
ート法消去ペンによって消去してやれば、突き合わせ線
に表われることのある印刷汚れを皆無にすることができ
るので好ましい。
【0011】
【作用】上記の様に本発明では、ポリエチレンテレフタ
レートを主たる繰り返し単位とするポリエステル系樹脂
を主成分とするフィルムをベースとし、その表面に画像
形成層が形成された平版印刷原版の表面に画像を形成
し、画像形成された該平版印刷版を辺縁部で2枚以上突
き合わせ接合して大版化したものであり、ベースとなる
ポリエステル系樹脂フィルムは裁断が容易で且つペコや
皺などを生じにくく、しかも耐水性の非常に優れたもの
であって湿し水の吸収等によって寸法変化等を起こすこ
ともない。従って、該ポリエステル系樹脂をベースと
し、その表面に画像形成された小版の平版印刷版を辺縁
部で2枚以上突き合わせ接合することによって得られる
大版印刷版は、取扱いが容易で且つ印刷時の湿し水処理
による前述の様な障害を起こすこともなく、小版1枚物
の平版印刷版と実質的に同様の耐印刷枚数性を発揮す
る。その結果、製版は従来の小型製版機を使用して小版
印刷版を作成し、これを複数枚突き合わせ接合すること
によって任意の大きさの大版平版印刷版を得ることが可
能となる。
【0012】尚本発明では、印刷版のベースとしてペコ
や皺などを生じにくく且つ裁断性及び耐水性の優れたポ
リエステル系樹脂フィルムを使用するものであり、その
表面に形成される画像形成層の構成については一切制限
がなく、先に示した様な従来の直描型、電子写真型ある
いはジアゾ感光型(PS版)のいずれを適用してもよ
く、また突き合わせ接合される小版印刷版としては、画
線部の親インキ性および非画線部の親水性(撥インキ
性)を考慮すると同種の画像形成層が設けられたものを
組み合わせるのが最も一般的であるが、同一のインキと
湿し水で印刷可能なものであれば異種の画像形成層が設
けられた2種以上の小版印刷版を突き合わせて接合する
ことも勿論可能である。また、組み合わせて使用する小
版印刷版の厚さは、段差を無くすため同一であることが
好ましいが、多少の相違は許容される。
【0013】突き合わせ接合に当たっては、例えば図1
(A)に示す如く、接合される小版印刷版1a,1bに
おける辺縁部を重ね合わせて同時に裁断すれば、接合線
を画像に合わせて正確に裁断できると共に、図1(B)
に示す如く接合部を隙間なく突き合わせることができる
ので好ましい。突き合わせ接合法としては、図2に示す
如く突き合わせ線の裏面側に片面粘着テープ2を添えて
接合する方法、図3に示す如く支持体3上に接着剤(あ
るいは粘着剤や両面粘着テープ)4を用いて貼りつけて
接合する方法等を採用できるが、好ましいのは、支持体
3上に接着剤(あるいは両面粘着テープ)4で貼りつけ
て接合する後者の方法であり、この方法であれば接合線
の裏面側に段差ができず、しかも支持体が補強層として
の機能も果たして取り扱い性も高められるので好まし
い。
【0014】このとき、突き合わせ線は印刷方向に対し
て平行にするのがよく、直行方向に接合線を形成した場
合は、印刷時に接合線に隙間ができてインキが侵入し印
刷汚れを生じることがある。また、突き合わせ接合の
後、該接合線を平版印刷版用のコート法消去ペンでなぞ
って該線を消去してやれば、接合部へのインキの侵入が
一層確実に阻止され、インキ汚れの可能性を皆無にする
ことができるので好ましい。
【0015】ところで本発明で版ベースとして使用され
るポリエステル系樹脂フィルムにおけるポリエステルと
は、ジカルボン酸、好ましくは芳香族のジカルボン酸ま
たはそのエステルとグリコールとを重縮合させることに
よって製造されるポリエステルであり、代表的なものと
してはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等が
例示され、これらのポリエステルを主成分とするフィル
ムは、裁断性、耐折れ曲がり性、耐水性等に優れたもの
であって、本発明に係る平版印刷版の基材として好適に
使用することができる。
【0016】しかしながら基材フィルムとして特に好ま
しいのは、上記の様なポリエステル系樹脂に、該ポリエ
ステル系樹脂と非相溶の熱可塑性樹脂が混入され、縦・
横方向に延伸されて内部に微細な空洞が無数に形成され
た、密度が1.05〜1.3g/cm3 の空洞含有ポリ
エステル系フィルムである。
【0017】即ち、前述の様なポリエステル系樹脂に、
該樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、
セルロース系樹脂等)を微細に分散せしめ、このシート
を例えば50〜140℃程度で縦方向に2〜5倍程度延
伸し、次いで60〜150℃程度の温度で横方向に2〜
5倍程度延伸すると、該延伸工程でポリエステル系樹脂
と熱可塑性樹脂の微細分散体の界面で剥離が生じて微細
な空洞ができ、軽量・柔軟で且つ厚み方向にクッション
性を有するフィルムが得られるが、このフィルムを基材
として使用すると、厚み方向のクッション性が平版印刷
原版としての機能を高めると共に各ロールとの馴染みを
良くする作用も果たし、更には前記突き合わせ接合部を
密に圧着させる効果を発揮する等、大版印刷版としての
性能を一段と優れたものにすることができる。
【0018】尚、該空洞含有ポリエステル系フィルムの
空洞が多くなり過ぎると印刷原版としての強度が不足気
味になり、一方空洞が少な過ぎると前述の様なクッショ
ン性等の特徴が効果的に発揮されにくくなる傾向がある
ので、上記の様な効果をより効果的に発揮させる上でよ
り好ましいのは、フィルム密度1.05〜1.3g/c
3 の範囲のものを使用するのがよい。この様な好適密
度の空洞含有ポリエステル系フィルムは、平版印刷原版
として優れた機能を果たす他、前記図3に示した様な支
持体4として使用しても優れた効果を発揮するので好ま
しい。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0020】(空洞含有ポリエステルフィルムの製造)
フィルム原料として、固有粘度0.62のポリエチレン
テレフタレート樹脂80重量部、アナターゼ型二酸化チ
タン(隠蔽用顔料)5重量部、メルトフローインデック
ス3.0g/10分のポリスチレン15重量部を、2軸
スクリュー押出機でT−ダイから285℃で溶融押し出
しし、静電気的に冷却回転ロールに圧着させて固化した
後、引き続いてロール圧延機により80℃で3.0倍縦
延伸を行ない、更に引き続いてテンターにより130℃
で3.2倍横延伸し、220で熱固定して125μm厚
さの空洞含有白色ポリエステルフィルムを得た。該フィ
ルムの密度は1.11g/cm3 であった。
【0021】(ポリエチレンテレフタレート2軸延伸フ
ィルムの製法)固有粘度0.62のポリエチレンテレフ
タレート樹脂を使用し、これをスクリュー押出し機で2
90℃でフィルム状に溶融押出しし、冷却ロールに静電
気的に密着させることによって冷却固化して未延伸シー
トを得た。この未延伸シートをロール延伸機により83
℃で3.5倍に縦延伸し、引き続いてテンターで140
℃で3.5倍に横延伸した後、235℃で4%緩和させ
ながら熱処理することによってポリエチレンテレフタレ
ート2軸延伸フィルム(PET2軸延伸フィルム)を得
た。
【0022】(平版印刷原版の作成−1)上記で得た空
洞含有白色ポリエステルフィルムを基材として使用し、
その表面に下記の方法で画像形成層を設けることによ
り、直描型平版印刷原版(以下、LBP原版aと記す、
厚さ110μm)、電子写真型平版印刷原版(以下、ピ
ンク原版と記す、厚さ140μm)およびジアゾ感光型
平版印刷原版(PS原版、厚さ150μm)を作成し
た。
【0023】(平版印刷原版の作成−2)上記で得たP
ET2軸延伸フィルムを基材として使用し、その表面に
下記の方法で画像形成層を設けることにより、直描型平
版印刷原版(以下、LBP原版bと記す、厚さ110μ
m)を作成した。
【0024】(直描型平版印刷用原版:LBP原版の製
法)上記で得たフィルム基材上に酸化亜鉛(堺化学社
製:SAZEX#2000)39重量部、水分散系ポリ
エステル樹脂(東洋紡績社製:バイロナール)の30%
水溶液を6重量部、エマルジョン性樹脂(日本触媒化学
社製:アクリセット270E)の40%溶液を10重量
部、水を27重量部、イソプロピルアルコールを18重
量部からなる塗布液をワイヤバー(#20)でコート
し、160℃で60秒間乾燥し、平均塗布量19g/m
2 の画像受理層を有する直描型平版印刷用原版(LBP
原版a,b)を作成した。
【0025】(電子写真式平版印刷用原版:ピンク版の
製法)上記で得たフィルム基材上にカーボンブラック含
有アクリル樹脂を塗布し、導電性中間層を形成した。更
にこの上に、光導電性酸化亜鉛(堺化学社製、「SAZ
EX#4000)とアクリル樹脂LR333(三菱レー
ヨン社製)及びアクリリック44−179(大日本イン
キ社製)を63/7/3の比率で混合し、更にローズベ
ンガル(増感剤)を0.1重量部、トルエンを90重量
部加え、ボールミルで約1時間半攪拌して分散したもの
を、ワイヤバー(#20)で塗布し、160℃で1分間
乾燥し、固形分厚み13μmの光導電層を形成した。
更に基材フィルムの反対面側には、以下に示す組成の誘
電性バックコート層を設けた。まず、常法によりメチル
メタクリレート/エチルアクリレート/2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリ
レート4級化物を重量組成比で50/5/15/30の
割合で共重合して、共重合体溶液を得た。この共重合体
水溶液に、ブロックイソシアネート化合物としてエラス
トロンMF−9(第一工業社製、ポリアルキレンオキサ
イドタイプ)を共重合体の固形分に対して20重量%添
加し、更に架橋硬化剤としてCat64(第一工業社
製)を前記ブロックイソシアネートに対して5.0重量
%添加混合して固形分7重量%の塗膜形成用組成物水溶
液を得た。この水溶液をワイヤバーで塗布し、160℃
で2分間乾燥し、固形分厚み1μmの誘電性バックコー
ト層を形成し、電子写真式平版印刷用原版(ピンク版)
を得た。
【0026】(ジアゾ感光型平版印刷用原版:PS版の
製法)上記フィルム基材上に、ブロック型イソシアネー
ト基を有する樹脂(第一工業製薬社製:エラスロンH−
3(20%溶液))を6重量部、エラスロンH−3の架
橋剤(第一工業製薬社製:エラストロンCat32(5
%溶液)を0.5重量部、分岐したグリコールを構成成
分として含有する共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績社
製:MD16(30%溶液))を4重量部、コロイダル
シリカ(日産化学社製:スノーテックスOL(20%溶
液))を0.3重量部、水45重量部、イソプロピルア
ルコール44.2重量部からなる塗布液をワイヤバー
(#5)でコートし、160℃で1分間乾燥し、平均塗
布量0.2g/m2 の下引き層を形成する。
【0027】次に、上記下引き層上に、酸化亜鉛(堺化
学社製:SAZEX#2000)12重量部、PVA
(日本合成社製:ゴーセノールNL−05)の15%水
溶液を32重量部、メラミン樹脂(住友化学社製:スミ
テックスレジンM3)80%溶液を2重量部、有機アミ
ン塩(住友化学社製:アクセレーターACX)35%溶
液を1重量部(結着剤固形分に対し6%)、水34重量
部、イソプロピルアルコールを20重量部からなる塗布
液をワイヤバー(#10)でコートし、160℃で1分
間乾燥し、平均塗布量7g/m2 の湿し水適性付与層を
有する平版印刷用原版を作成する。次いで春日電機社製
のH.F.GENERATOR HFSS−201を用
いて間隔1mmで250〜300wの条件で湿し水適性
付与層表面をコロナ処理しこの上に市販のポジ型感光液
を塗布し、乾燥して平均塗布量3g/m2 のシゾ感光型
平版印刷用原版(PS版)を作成した。
【0028】(小版印刷版の作成)LBP印刷版の作成: 上記で得たLBP原版a,bまた
は市販の耐水加工紙をベースとする平版印刷版を使用
し、その表面に、東芝製の東芝レーザープリンター「T
N−7270PS1」を用いて画像を形成し、幅295
mm、長さ420mmの3種の小版印刷版を作成した。
原版として上記LBP原版a,bを用いたもの(実施
例)をLBP版(実a,b)、市販の耐水加工紙を用い
たもの(比較例)をLBP版(比)と記す。
【0029】ピンク版の作成:上記で得たピンク原版を
使用し、その表面に岩崎通信社製の電子写真式製版機
「エレファックス IP−541R」を用いて画像を形
成し、幅310mm、長さ475mmの小版印刷版を作
成した。これをピンク版(実)と記す。また比較のた
め、耐水加工紙を基材とする市販の平版印刷原版(岩崎
通信社製「レギュラーマスターペーパー」、厚み140
μm)を使用し、上記と同様にして小版平版印刷版を作
成した。これをピンク版(比)と記す。
【0030】PS版の作成:上記で得たPS原版を使用
し、その表面に市販の焼き付け・現像機を用いて写真印
刷画像を形成し、幅310mm、長さ475mmの小版
印刷版を作成した。これをPS版(実)と記す。また比
較のため、原版としてアルミニウムベースの「富士写真
フィルム社製PS原版」(厚さ150μm)を使用した
以外は上記と同様にして写真印刷画像を形成し、同サイ
ズの小版印刷版を作成した。これをPS版(比)と記
す。上記で得たLBP版a,b、ピンク版、PS版を使
用し、それらを下記の組み合わせで辺縁部で突き合わせ
接合して大版印刷版とした。
【0031】実施例1 上記で得たピンク版(実)の辺縁部を重ね合わせて幅2
55mm、長さ410mmにカットし、これを2枚組み
合わせ、裏面側に片面粘着テープを添えて突き合わせ接
合(図2参照)し、幅510mm、長さ410mmの大
版ピンク版(実)とした。
【0032】比較例1 上記で得たピンク版(実)とピンク版(比)の辺縁部を
重ね合わせて幅255mm、長さ410mmにカット
し、これらの裏面側に片面粘着テープを添えて突き合わ
せ接合(図2参照)し、幅510mm、長さ410mm
の大版ピンク版(比)とした。
【0033】実施例2 上記で得たピンク版(実)とLBP版(実a)の辺縁部
を重ね合わせて幅255mm、長さ410mmにカット
し、これらを、前記空洞含有ポリエステルフィルム(但
し、画像形成層が形成されていないもの)よりなる支持
層上に両面粘着テープを用いて突き合わせ接合(図3参
照)し、幅510mm、長さ410mmの大版ピンク−
LBP版(実a)とした。
【0034】実施例3 上記で得たピンク版(実)とLBP版(実b)の辺縁部
を重ね合わせて幅255mm、長さ410mmにカット
し、これらを、前記空洞含有ポリエステルフィルム(但
し、画像形成層が形成されていないもの)よりなる支持
層上に両面粘着テープを用いて突き合わせ接合(図3参
照)し、幅510mm、長さ410mmの大版ピンク−
LBP版(実b)とした。
【0035】比較例2 上記で得たピンク版(実)とLBP版(比)を使用した
以外は上記実施例2,3と全く同様にして、これらを、
前記空洞含有ポリエステルフィルムよりなる支持層上で
両面粘着テープを用いて突き合わせ接合(図3参照)
し、幅510mm、長さ410mmの大版ピンク−LB
P版(比)とした。
【0036】実施例4 上記で得たピンク版(実)とPS版(実)を組み合わせ
て使用し、これらを空洞含有ポリエステルフィルムより
なる支持層上で接着剤を用いて突き合わせ接合した以外
は上記と全く同様にして、幅510mm、長さ410m
mの大版ピンク−PS版(実)とした。
【0037】比較例3 上記で得たピンク版(実)とピンク版(比)を組み合わ
せて使用し、これらを空洞含有ポリエステルフィルムよ
りなる支持層上で接着剤を用いて突き合わせ接合した以
外は上記と全く同様にして、幅510mm、長さ410
mmの大版ピンク−ピンク版(比)とした。
【0038】比較例4 上記で得たピンク版(比)を2枚使用し、これらを空洞
含有ポリエステルフィルムよりなる支持層上で接着剤を
用いて突き合わせ接合した以外は上記と全く同様にし
て、幅510mm、長さ410mmの大版ピンク−ピン
ク版(比)とした。
【0039】比較例5 上記で得たピンク版(実)とPS版(比)を組み合わせ
て使用し、これらを空洞含有ポリエステルフィルムより
なる支持層上で接着剤を用いて突き合わせ接合した以外
は上記と全く同様にして、幅510mm、長さ410m
mの大版ピンク−PS版(比)とした。
【0040】(印刷性能試験)上記実施例1〜4及び比
較例1〜5で得た各大版印刷版における突き合わせ接合
線を、日研化学研究所製のコートタイプの消去ペン「ア
ストロマスター修正ペン」でなぞって接合線を消去した
後、各印刷版を篠原鉄工所製の片面印刷機「SINOH
ARA52」にかけ、印刷インキとして都インキ社製の
「墨インキ」、湿し水として日研化学研究所社製の「P
Pクリーンエッチ」希釈液を用いて8000枚/時間の
速度で5000枚の連続印刷を行なった。このときの、
印刷機への装着性等を含めた取り扱い性、連続印刷時に
おけるインキ汚れの有無などを調べた。結果を表1に一
括して示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1からも明らかである様に、ポリエステ
ル樹脂系フィルムをベースとする平版印刷原版のみを使
用したものでは、取り扱い性が良好で且つ印刷時に突き
合わせ接合線に沿ってインキ汚れが生じるといった欠点
は全く認められず、小版印刷版を用いたのと実質的に変
わらない操作性と印刷鮮明性を得ることができる。
【0043】これに対し、耐水加工紙を用いた印刷版で
は、突き合わせ接合線からの湿し水の侵入とそれに伴う
基材の寸法変化によって接合部に線状のインキ汚れが発
生し、またベースとしてアルミニウム版を用いたもので
は裁断作業が困難であり、印刷機の版胴へ装着するまで
の取り扱い工程でペコや折れ傷が起こり易く、慎重に取
り扱ったにもかかわらず印刷の初期からインキ汚れを起
こし、また突き合わせ接合部にも裁断時の反りに伴う線
状のインキ汚れを起こし、実用性を欠くものであった。
【0044】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、ポ
リエステル系フィルムを主たる構成素材とする平版印刷
原版を使用し、該原版に画像処理を施した後その辺縁部
で2枚以上突き合わせ接合して大版化する方法を採用す
ることによって、平版印刷版を簡単に大版化することが
でき、大規模な製版機や画像形成設備等を全く要するこ
となく、汎用の小型製版機を用いて任意の大きさの大版
平版印刷版を容易且つ安価に作成し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で組み合わせて用いられる小版印刷版の
辺縁部の裁断例を示す説明図である。
【図2】小版印刷版の接合法を例示する説明図である。
【図3】小版印刷版の他の接合法を示す説明図である。
【符号の説明】
1a,1b 小版印刷版 2 片面粘着テープ 3 支持体 4 接着剤(または粘着剤や両面粘着テープ)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを主たる繰
    り返し単位とするポリエステル系樹脂を主成分とするフ
    ィルムよりなる平版印刷原版の表面に画像を形成し、画
    像形成された該平版印刷版を辺縁部で2枚以上突き合わ
    せ接合したものであることを特徴とする大版平版印刷
    版。
  2. 【請求項2】 平版印刷原版が、ポリエチレンテレフタ
    レートの2軸延伸フィルムからなるものである請求項1
    に記載の大版平版印刷版。
  3. 【請求項3】 平版印刷原版が、ポリエチレンテレフタ
    レートを主たる繰り返し単位とするポリエステル系樹脂
    中に、該ポリエステル系樹脂に非相溶性の熱可塑性樹脂
    が混合されてなる空洞含有ポリエステル系フィルムから
    なり、フィルム密度が1.05〜1.3g/cm3 であ
    る請求項1に記載の大版平版印刷版。
  4. 【請求項4】 画像形成された該平版印刷版を、支持体
    上において辺縁部で2枚以上突き合せ接合したものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の大版平版印刷版。
  5. 【請求項5】 支持体が、ポリエチレンテレフタレート
    の2軸延伸フィルムからなるものである請求項1〜4の
    いずれかに記載の大版平版印刷版。
  6. 【請求項6】 支持体が、ポリエチレンテレフタレート
    を主たる繰り返し単位とするポリエステル系樹脂中に、
    該ポリエステル系樹脂に非相溶性の熱可塑性樹脂が混合
    されてなり、密度が1.05〜1.3g/cm3 の空洞
    含有ポリエステル系フィルムである請求項1〜4に記載
    の大版平版印刷版。
  7. 【請求項7】 画像形成された該平版印刷版の前記突き
    合わせ線が、印刷の流れ方向に平行に形成されたもので
    ある請求項1〜6のいずれかに記載の大版平版印刷版。
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Cited By (3)

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