JP2006341483A - 平版印刷版材料及びそれを用いた印刷方法 - Google Patents

平版印刷版材料及びそれを用いた印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 感度、機上現像性を低下させることなく、ブロッキングパウダーを使用した両面印刷や高い印圧での印刷条件で良好な耐刷性が得られ、かつ現像前の非画像部の耐圧力カブリ性に優れた印刷版材料を実現し、機上現像性、耐刷性、耐傷性、に優れた印刷版材料、及びそれを用いた印刷方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に親水性層と感熱画像形成層を積層して成る機上現像型の平版印刷版材料において、該親水性層中に、感熱画像形成層積層後の塗膜面から0.5〜10μm突出するマット材を含有し、該マット材の含有量が1600〜4800個/mm2であり、かつ隣接する該マット材間中心距離の標準偏差が20μm以下であることを特徴とする平版印刷版材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、画像書き込み後、印刷機上で現像される平版印刷版材料及びそれを用いた印刷方法に関する。
近年、印刷データのデジタル化に伴い、画像データを直接印刷版に記録するコンピューター・トゥー・プレート(CTP)方式が普及してきた。
一般に、CTPに使用される印刷版材料は、従来のPS版と同様にアルミ支持体を使用するタイプとフィルム基材上に印刷版としての各種機能層を設けたフレキシブルタイプがある。
近年、商業印刷分野においては、印刷の少量多品種化の傾向が進み、市場では高品質で、かつ低価格な印刷版材料への要望が強まってきている。従来のフレキシブルタイプの印刷版材料としては、例えば、特開平5−66564号公報に開示されるフィルム基材上に銀塩拡散転写方式の感光層を設けたもの、あるいは特開平8−507727号、同6−186750号、同6−199064号、同7−314934号、同10−58636号、同10−244773号の各公報に開示されるようなフィルム基材上に親水性層と親油性層とをいずれかの層を表層として積層し、表層をレーザー露光でアブレーションさせて印刷版を形成するように構成されたもの、あるいは特開2001−96710号公報に開示されるようなフィルム基材上に親水性層と熱溶融性感熱画像形成層を設け、レーザー露光により親水性層あるいは感熱画像形成層を画像様に発熱させることで感熱画像形成層を親水性層上に溶融固着させるもの等が挙げられる。
一方、印刷用の画像形成方法として、環境適性等の観点より画像データ書き込み(画像様露光)後の印刷版を、直接オフセット印刷機に装着して印刷する方法も採られている。この場合、湿し水で非画像部の感熱画像形成層のみ膨潤、溶解して印刷初期の印刷紙(損紙)上に転写除去する所謂印刷機上で現像を行う方法となる(特許文献1及び2参照)。
これらの機上現像可能な印刷版材料は、鮮鋭なドット形状、高精細な画像が得られ、又露光後の現像プロセスを必要とせず、環境適性にも優れている。
しかしながら、これらの上記印刷版材料は、感熱画像形成層自身の膜強度が弱いため、耐刷性が不足であったり、現像前の非画像部の耐傷性が低いといった問題があった。特に逐次両面印刷を行う場合、片面印刷時にインク裏写り防止用のブロッキングパウダーを散布することが多い。その場合、反対面を印刷する際に、紙表面のブロッキングパウダーが印刷機のブランケット胴上に付着堆積し、版材面にダメージを与えることが観察されている。
これらの課題に対し、感熱画像形成層に水溶性樹脂や熱可塑性樹脂を添加し改善する努力がなされている(特許文献3)。しかし、20μm以上の大粒子経ブロッキングパウダーを使用した両面印刷、あるいは印刷品質を高めるために印刷圧力を高める等の厳しい印刷条件では、耐刷性や耐傷性が十分でなく、また溶融粘度の高い樹脂の添加は、機上現像性の低下や画像形成に必要なエネルギーが増加して(感度低下)、生産性が低下するという新たな課題を引き起こしている。
特開平9−123387号公報 特開平9−123388号公報 特開2000−238451号公報
本発明の目的は、感度、機上現像性を低下させることなく、ブロッキングパウダーを使用した両面印刷や高い印圧での印刷条件で良好な耐刷性が得られ、かつ現像前の非画像部の耐圧力カブリ性に優れた印刷版材料を実現し、機上現像性、耐刷性、耐傷性、に優れた印刷版材料、及びそれを用いた印刷方法を提供することである。
本発明の目的を達成するために、本発明者等は上記の課題に対し鋭意検討した結果、塗布層中に特定条件のマット材を含有せしめることで、感度、機上現像性を低下させることなく、ブロッキングパウダーを使用した両面印刷や高い印圧での印刷条件で良好な耐刷性が得られ、かつ現像前の非画像部の耐圧力カブリ性に優れた印刷版材料が実現できることを見出した。
すなわち本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成されることがわかった。
(請求項1)
支持体上に親水性層と感熱画像形成層を積層して成る機上現像型の平版印刷版材料において、該親水性層中に、感熱画像形成層積層後の塗膜面から0.5〜10μm突出するマット材を含有し、該マット材の含有量が1600〜4800個/mm2であり、かつ隣接する該マット材間中心距離の標準偏差が20μm以下であることを特徴とする平版印刷版材料。
(請求項2)
該マット材が平均粒子経2.0〜12.0μmの球形マット材であり、かつ長径aと短径bの粒径比b/aで表現されるマット材の真球度が0.8以上であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版材料。
(請求項3)
請求項1又は2に記載の平版印刷版材料に、サーマルヘッドまたはサーマルレーザーを用いて画像書き込みを行った後、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インキにより非画像部の感熱画像形成層を除去する機上現像を行い、印刷を開始することを特徴とする印刷方法。
本発明により、感度、機上現像性を低下させることなく、ブロッキングパウダーを使用した両面印刷や高い印圧での印刷条件で良好な耐刷性が得られ、かつ現像前の非画像部の耐圧力カブリ性に優れた印刷版材料を実現し、機上現像性、耐刷性及び耐傷性に優れた印刷版材料、及びそれを用いた印刷方法を提供することができる。
本発明の印刷版材料は、支持体上に、親水性層及び感熱画像形成層をこの順に積層塗工して形成される。本発明の親水性層中には、感熱画像形成層積層後の塗膜面から0.5〜10μm突出するマット材を含有し、該マット材の含有量が1600〜4800個/mm2であり、かつ隣接する該マット材間中心距離の標準偏差が20μm以下であることを特徴とする。
本発明に用いられる化合物、平版印刷版材料の構成、及び作製方法につき以下更に説明する。
〔支持体〕
本発明に係る支持体としては、プラスチックフィルム支持体が用いられるが、プラスチックフィルムと金属板(例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムなど)やポリエチレンで被覆した紙などの材料(複合基材ともいう)を適宜貼り合わせた複合支持体を用いることもできる。これらの複合基材は、塗布層を形成する前に貼り合わせても良く、また、塗布層を形成した後に貼り合わせても良く、印刷機に取り付ける直前に貼り合わせても良い。
本発明においては、プラスチック支持体と親水性層間に下引層を設置することが好ましい。下引層の構成としては、2層構成が好ましく、プラスチック支持体側(下引下層)にはプラスチック支持体に接着性を考慮した素材を使用し、親水性層側には下引下層と親水性層との接着性を考慮した素材を使用することが好ましい。
下引下層で使用する素材としてはビニル系ポリマー、ポリエステル、スチレンージオレフィン等があげられ、特にビニル系ポリマー、ポリエステルが好ましく、これらの組み合わせまたは変性されていることが好ましい。
一方、下引上層で使用できる素材としては、親水性層との接着性を向上させる意味で、水溶性ポリマーを含有することが好ましく、特にゼラチン、ポリビニルアルコールユニットを主成分とする水性ポリマーが好ましい。これらは下引下層との接着性、親水性層との接着性を考慮する点で、下引下層で使用される素材と上記水溶性ポリマーを混合することが好ましい。
本発明の下引層には、以下のような無機粒子を用いることができる。
シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、チタニア、酸化スズ、酸化インジウム、タルクのような無機物が挙げられる。これらの微粒子の形状は特に制限がなく、針状でも、球形でも、板状でも破砕状でも用いることができる。好ましい大きさは0.1〜15μm、より好ましくは0.2〜10μm、さらに好ましくは0.3〜7μmである。粒子の添加量は片面1m2当たり0.1〜50mg、より好ましくは0.2〜30mg、さらに好ましくは0.3〜20mgである。
本発明の下引層は、透明性や塗布ムラ(干渉ムラ)の点から、0.05〜0.50μmが好ましい。より好ましくは0.10〜0.30μmである。0.05μm未満であると所望の接着性が得られず、機上現像性、見当ズレおよび耐刷性が劣化する懸念がある。また0.50μm以上では干渉ムラが強く、商品価値上好ましくないこともある。
本発明の下引層に帯電防止層を設置することが好ましく、帯電防止層は、通常帯電防止剤とバインダーから構成されている。
帯電防止剤としては、金属酸化物を用いることが好ましい。
金属酸化物の例としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO2、V25等、あるいはこれらの複合酸化物が好ましく、特にバインダーとの混和性、導電性、透明性等の点から、SnO2(酸化スズ)が好ましい。異元素を含む例としてはSnO2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等を添加することができる。これらの異元素の添加量は0.01〜25mol%の範囲が好ましく、0.1〜15mol%の範囲が特に好ましい。
本発明に用いられる金属酸化物の一次粒子の平均粒径は、0.001〜0.5μm、特に0.001〜0.2μmが好ましい。本発明に用いられる金属酸化物の固型分付量は1m2当たり0.05〜2g、特に0.1〜1gが好ましい。また本発明における帯電防止層における金属酸化物の体積分率は、8〜40vol%、好ましくは10〜35vol%がよい。上記範囲は金属酸化物微粒子の色、形態、組成等により変化するが、透明性及び導電性の点から、上記範囲が最も好ましい。
一方、バインダーはポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、セルロースエステル及びゼラチン等が好ましい。
〔親水性層〕
本発明の印刷版材料の親水性層は、主として層を形成する親水性マトリックス成分、表面形状を制御する微粒子成分、本発明で規定するマット材とを必須成分として構成される。
親水性マトリックスを形成する素材としては金属酸化物が好ましく、更に好ましくは金属酸化物微粒子を含むことが好ましい。
例えばコロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられ、金属酸化物の形態としては、球状、羽毛状その他のいずれの形態でもよく、平均粒径としては3〜100nmであることが好ましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物微粒子を併用することもできる。また、粒子表面に表面処理がなされていてもよい。
上記金属酸化物粒子はその造膜性を利用して結合剤としての使用が可能である。有機の結合剤を用いるよりも親水性の低下が少なく、親水性層への使用に適している。
本発明には、上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。コロイダルシリカは比較的低温の乾燥条件であっても造膜性が高いという利点が有り、良好な強度を得ることが出来る。
上記コロイダルシリカとしては、1次粒子径がnmのオーダーである球形シリカが結合したネックレス状コロイダルシリカ、平均粒径20nm以下の微粒子コロイダルシリカを含む事が好ましく、さらに、コロイダルシリカはコロイド溶液としてアルカリ性を呈することが好ましい。
ネックレス状のコロイダルシリカとしては具体的には日産化学工業社製の「スノーテックス−PS」シリーズなどが挙げられる。
平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカは前述のネックレス状コロイダルシリカと併用することで、層の多孔質性を維持しながら、強度をさらに向上させることが可能となり、特に好ましい。
平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカ/ネックレス状コロイダルシリカの比率は95/5〜5/95が好ましく、70/30〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が更に好ましい。
本発明の親水性層マトリックスの多孔質化材として粒径が1μm未満の多孔質金属酸化物粒子を含有することが出来る。多孔質金属酸化物粒子としては、後述する多孔質シリカまたは多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることが出来る。
粒子の多孔性としては細孔容積で0.5ml/g以上であることが好ましく、0.8ml/g以上であることがより好ましく、1.0〜2.5ml/g以下であることが更に好ましい。
細孔容積は塗膜の保水性と密接に関連しており、細孔容積が大きいほど保水性が良好となって印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなるが、2.5ml/gよりも大きくなると粒子自体が非常に脆くなるため塗膜の耐久性が低下する。細孔容積が0.5ml/g未満の場合には、保水性が低下して印刷時にが汚れが発生し易くなる。
本発明の多孔質化材としてはゼオライトも使用できる。ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩であり、細孔径が0.3〜1nmの規則正しい三次元網目構造の空隙を有する多孔質体である。天然及び合成ゼオライトを合わせた一般式は、次のように表される。
(M1、M2 1/2m(AlmSin2(m+n))・xH2
ここで、M1、M2は交換性のカチオンであって、M1はLi+、Na+、K+、Tl+、Me4+(TMA)、Et4+(TEA)、Pr4+(TPA)、C7152 +、C816+等であり、M2はCa2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、C8182 2+等である。又、n≧mであり、m/nの値つまりはAl/Si比率は1以下となる。Al/Si比率が高いほど交換性カチオンの量が多く含まれるため極性が高く、従って親水性も高い。好ましいAl/Si比率は0.4〜1.0であり、更に好ましくは0.8〜1.0である。xは整数を表す。
本発明で使用するゼオライト粒子としては、Al/Si比率が安定しており、又粒径分布も比較的シャープである合成ゼオライトが好ましく、例えばゼオライトA:Na12(Al12Si1248)・27H2O;Al/Si比率1.0、ゼオライトX:Na86(Al86Si106384)・264H2O;Al/Si比率0.811、ゼオライトY:Na56(Al56Si136384)・250H2O;Al/Si比率0.412等が挙げられる。
親水性層の表面は、PS版のアルミ砂目のように0.1〜20μmピッチの凹凸構造を有することが好ましく、この凹凸により保水性や画像部の保持性が向上する。
このような凹凸構造は、親水性層マトリクスに適切な粒径のフィラーを適切な量含有させて形成することも可能であるが、親水性層の塗布液に前述のアルカリ性コロイダルシリカと前述の水溶性多糖類とを含有させ、親水性層を塗布、乾燥させる際に相分離を生じさせて形成することがより良好な印刷適性を有する構造を得ることができ好ましい。
凹凸構造の形態(ピッチ及び表面粗さなど)はアルカリ性コロイダルシリカの種類及び添加量、水溶性多糖類の種類及び添加量、その他添加材の種類及び添加量、塗布液の固形分濃度、ウエット膜厚、乾燥条件等で適宜コントロールすることが可能である。
本発明で親水性マトリクスに添加される水溶性樹脂は、少なくともその一部が水溶性の状態のまま、水に溶出可能な状態で存在することが好ましい。水溶性の素材であっても、架橋剤等によって架橋し、水に不溶の状態になると、その親水性は低下して印刷適性を劣化させる懸念があるためである。
又、さらにカチオン性樹脂を含有しても良く、カチオン性樹脂としては、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン等のようなポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。カチオン性樹脂は微粒子状の形態で添加しても良い。これは、例えば特開平6−161101号に記載のカチオン性マイクロゲルが挙げられる。
また、本発明の親水性層の塗布液には、塗布性改善等の目的で水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
また、本発明の親水性層はリン酸塩を含むことができる。本発明では親水性層の塗布液がアルカリ性であることが好ましいため、リン酸塩としてはリン酸三ナトリウムやリン酸水素二ナトリウムとして添加することが好ましい。リン酸塩を添加することで、印刷時の網の目開きを改善する効果が得られる。リン酸塩の添加量としては、水和物を除いた有効量として、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。
本発明では、以下の条件を満足するような、マット材を少なくとも1種含有する。マット材は、感熱画像形成層積層後の塗膜面から0.5〜10.0μm突出しており、かつ該マット材の含有量が1,600〜4,800個/mm2であり、かつ隣接する該マット材間中心距離の標準偏差が20μm以下に存在することが必要である。
マット材の材質としては、多孔質、無孔質、有機樹脂粒子、無機微粒子を問わず用いても良く、無機マット材としてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、カーボンブラック、グラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、MgO、SnO2、Al23、α−Fe23、α−FeOOH、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、BC、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等、有機フィラーとしてはポリエチレン微粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等を挙げることが出来る。また無機被服フィラーとしてはたとえばPMMAやポリスチレン、メラミンといった有機粒子の芯剤を芯剤粒子よりも粒径の小さな無機粒子で被覆した粒子が挙げられる。無機粒子の粒径としては芯材粒子の1/10〜1/100程度であることが好ましい。また、無機粒子としては、同様にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど公知の金属酸化物粒子を用いることができる。被覆方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、ハイブリダイザのような空気中で芯材粒子と被覆材粒子とを高速に衝突させて芯材粒子表面に被覆材粒子を食い込ませて固定、被覆する乾式の被覆方法を好ましく用いることができる。
本発明の条件を満たすものであれば、マット材の種類、粒子経は2種以上の異なるものを併用できる。
粒径は、感熱画像形成層積層後の塗膜面から0.5〜10.0μm突出するような条件で選択すればよいが、一般的には2.0〜10.0μmが好ましく、4.0〜10μmがより好ましい。
突出量は、塗工膜厚とマット材の粒子径、あるいは塗工液とマット材の比重を調整することで制御することができる。
突出量が、10.0μmを超えると画像形成の解像度の低下や、ブランケット汚れの劣化が生じる。突出量が0.5μm未満では、耐刷性、耐傷性に十分な効果が得られない。
本発明で規定する突出量は、拡大光学系と3次元画像取り込み機能、画像解析機能を有する装置で測定可能である。具体的には、ビーコインスツルメンツ社製のWYKO NT−1100、株式会社キーエンス社製 VHX−200を用いて塗布面を直接観察することで測定することができる。本発明では、ビーコインスツルメンツ社製のWYKO NT−1100を用いて版材表面における任意のマット材10個の突出量の測定を行い、最大値と最小値を除く8点の平均をその印刷版材料のマット材突出量と定義する。
突出したマット材は、塗工面を垂直に観察した状態で、1,600〜4,800個/mm2となるよう、親水性層中に含有していることが必要である。
添加量が1,600個/mm2未満では、耐刷性、耐傷性に十分な効果を発現することができず、4,800個/mm2を超えると細線画像の再現と機上現像性が劣化する。
添加量の測定は、塗工膜を垂直に(株)キーエンス社製 VHX−200で拡大観察してマット材の個数を計測する。具体的には、塗工膜の100μm×100μm領域を1000倍に拡大し、その中に観察される突出したマット材の個数を計測し、その数値を100倍する。同様の測定を任意の10点について行い、最大値と最小値を除く8点の平均をその印刷版材料のマット材個数を定義する。
突出したマット材は、親水性層中で、隣接する該マット材間中心距離の標準偏差が20μm以下になるよう分散されている必要がある。標準偏差が20μm以下であると、耐傷性、耐刷性に十分な効果を上げることができる。
本発明の親水性層塗工液においては、塗布前(30分以内、好ましくは10分以内)に再分散を行うことで、マット材が均一に分散された印刷版を得ることができる。再分散は、分散メディアを用いない分散方式が好ましく、具体的には、間隙分散型のホモミキサー(日本精機社製 ウルトラホモミキサー)、内部剪断型分散機(エム・テクニック社製 クレアミックス)、超音波ホモジナオザー(日本精機社製 超音波ホモジナイザー)等が挙げられる。
中心距離の測定は、塗工膜を垂直に(株)キーエンス社製 VHX−200で拡大観察してマット材の個数を計測する。具体的には、塗工膜の100μm×100μm領域を1000倍に拡大し、隣接するマット材の中心間距離を測定し標準偏差を算出する。
同様の測定を任意の5視野で行い、最大値と最小値を除く3点の平均をその印刷版材料におけるマット材中心間距離の標準偏差と定義する。
また、突出したマット材は長径aと短径bの粒径比b/aで表されるマット材の真球度が0.8以上であることがより好ましい。この範囲であると、耐傷性、耐刷性、印刷画像品質に優れた印刷版を得ることができる。
本発明の形態として、親水性層と支持体との間に親水性の下層を設けてもよい。親水性の下層に用いる素材としては、前述の親水性層と同様の素材を用いることができる。本発明のマット材は、親水性層、親水性の下層の一方に添加されてもよいし、両層に添加されていても良い。
本発明の平版印刷版材料をレーザで画像書き込みする場合は、親水性層に光熱変換素材を添加することができる。光熱変換材は、画像形成用のレーザ光を吸収して熱に変化することのできるものであれば公知の材料を使用することが可能であるが、好ましい化合物としては、カーボンブラック、グラファイト、コロイド銀、黒色酸化鉄(Fe34)や、二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物、及び赤外線吸収色素が挙げられる。
黒色複合金属酸化物としては、例えばSbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn23(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)などが挙げられる。又、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al23・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したものも使用することができる。これらの粒径は、0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。
これらの光熱変換素材のうち、二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物がより好ましい素材として挙げられる。
具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Ba、から選ばれる二種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、特開平9−25126号公報、特開平9−237570号公報、特開平9−241529号公報、特開平10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
本発明に用いる複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−273393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。これらの複合金属酸化物は添加量に対する着色、つまり、光熱変換効率が良好である。
これらの複合金属酸化物は平均1次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均1次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。
ただし、添加量に対する光熱変換能は、粒子の分散度にも大きく影響を受け、分散が良好であるほど良好となる。したがって、これらの複合金属酸化物粒子は、層の塗布液に添加する前に、別途公知の方法により分散して、分散液(ペースト)としておくことが好ましい。平均1次粒子径が0.01未満となると分散が困難となるため好ましくない。分散には適宜分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は複合金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
これらの複合金属酸化物の添加量としては、親水性層全固形分に対して20%以上、40%未満であり25%以上、39%未満がより好ましく、さらに好ましくは25%以上30%未満の範囲である。添加量が20%未満であると、十分な感度がでず、また40%以上であると、アブレートによるアブレーションカスが発生する可能性がある。
光熱変換素材として赤外線吸収色素を使用する場合、具体的には以下の化合物を挙げることができる。
一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの赤外吸収染料の添加量としては、0.1%以上20%未満であり0.5%以上15%未満がより好ましい。添加量が0.1%未満であると、十分な感度がでず、また20%以上であると、露光部が局所的に高温になり、層が飛散することがある。
〔感熱画像形成層〕
感熱画像形成層は、熱により機上現像性(印刷機上に於いて、湿し水と印刷インキにより親水性層から剥離除去する性質)が減少する特性を有している。この特性を発現させるためには、熱により感熱画像形成層を融着造膜する、あるいは感熱画像形成層の溶融部が親水性層表面に浸透固着する、等の機能を付与することが好ましい。
感熱画像形成層は、50〜150℃の温度範囲で相変化する熱溶融性化合物、あるいは熱軟化性化合物を含有する。これらの化合物の一部は、未融着の熱融着性粒子の状態で層中に存在することが好ましい。
熱溶融性化合物とは、熱可塑性素材の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類される素材が好ましい。物性としては、融点が60℃〜100℃であることが好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が100℃よりも高い場合は印刷品質が低下する懸念がある。
更に、熱溶融性化合物は常温では硬質であることが好ましく、JIS K2207に規格化されており25℃のおける針入度が5未満のものが好ましい。5以上になると、耐刷性、耐圧力カブリを低下させる。
使用可能な素材としては、カルナウバワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられる。
熱軟化性化合物との相溶性改善、媒質への分散性を高めるために、これらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。
また、溶融温度や溶融粘度を調整するためにこれらのワックスにステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。
これらの中でもカルナウバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸の何れかを含有することが好ましい。特にカルナウバワックスは、融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行うことができる。
熱軟化性化合物は、軟化温度が70〜150℃であり、前述の熱溶融性化合物と相溶性を有するものが使用できる。
具体例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−ブリツアクリレート共重合体、脂環族飽和炭化水素樹脂、ロジンエステル樹脂、アルキルフェノール樹脂、等が好ましく用いられる。特に好ましくは、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、脂環族飽和炭化水素樹脂、ロジンエステル樹脂、アルキルフェノール樹脂、である。
本発明ではこれらの化合物を適当な分散媒に分散して添加することが好ましい。分散媒はとしては、水、又は有機溶剤、あるいは両者の混合物が適宜用いられる。本発明においては、水を50%以上含有することが好ましい。
分散媒中には必要に応じて分散剤を添加することができる。分散剤の具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、アルキルベンゼンスルフォン酸ソーダ、等の界面活性剤、ポリビニルアルコール樹脂等の水溶性樹脂、を挙げることができる。分散剤の添加量は0.5〜10%、好ましくは1〜5%である。
更に、ワックス、樹脂の酸化部分を中和して親水基にすることにより、分散・乳化製を高めるために、分散安定化剤として水酸化カリウム、モルホリン、トリエタノールアミン等のアルカリ剤を添加することができる。
アルカリ剤の添加量は分散質の性質により適宜決定されるが、本発明において、分散液のpHとしては、7。5〜11の範囲にあることが好ましい。
分散媒への分散は、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア分散法、溶融滴下撹拌法等、公知の分散技術を使用することができる。粒子経分布の均一な粒子を得るためには、分散液温度を溶融温度以下に制御しながらボールミルで分散する方法、加熱溶融状態の熱溶融性化合物と熱軟化性化合物の混合物を、温度を制御して分散媒中に撹拌しながら滴下することで分散状態を形成する溶融滴下撹拌法が特に好ましい。
熱融着性粒子の平均粒子経は、0.1〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.3〜0.7μmである。
上述のように形成した熱融着性粒子は、感熱画像形成層の10質量%以上含有さしめることが好ましい。10質量%以上添加することで、熱融着性粒子の機能を発現することができる。
本発明の感熱画像形成層は、上述の熱融着性粒子以外に、機能を損なわない範囲で、公知の熱溶融性化合物粒子、熱可塑性化合物粒子、を含有することができる。
感熱画像形成層にはさらに水溶性素材を含有することができる。水溶性素材を含有することにより、印刷機上で湿し水やインクを用いて未露光部の画像形成機能層を除去する際に、その除去性を向上させることができる。
水溶性素材としては、親水性層に含有可能な素材として挙げた水溶性樹脂を用いることもできる。本発明の画像形成機能層で使用できる水溶性樹脂は、親水性の天然高分子及び合成高分子から選ばれる。本発明に好ましく用いられる水溶性樹脂の具体例としては、天然高分子では、アラビアガム、水溶性大豆多糖類、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等、合成高分子では、ポリビニルアルコール(好ましくは鹸化度70モル%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ビニルアルコール/アクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩またはアミン塩等を挙げることができる。また、目的に応じて、これらを二種以上混合して用いることもできる。しかし、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
感熱画像形成層中の水溶性樹脂の含有量としては、層全体の1〜50質量%が好ましく、2〜10質量%がさらに好ましい。
〔その他の層〕
本発明においては、取り扱い性及び保管時の物性変化防止のために、支持体の画像形成機能層の反対側に少なくとも1層の裏塗り層を有することが好ましい。裏塗り層としては、親水性結合剤を含有していることが好ましく、特に印刷版材料表面が疎水性であれば、特開2002−258469号公報の段落0033〜0038に記載されている水分散系樹脂(ポリマーラテックス)から得られたものでもよい。
親水性結合剤としては、親水性のものなら特に限定はされないが、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂であるポリビニルアルコール(PVA)、セルロース系樹脂(メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等)、キチン類、及びデンプン;エーテル結合を有する樹脂であるポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリビニルエーテル(PVE);アミド基又はアミド結合を有する樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)及びポリビニルピロリドン(PVP)等を挙げることができる。又、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩及びゼラチン類;スルホン基を有するポリスチレンスルホン酸塩;アミノ基、イミノ基、第3アミン及び第4級アンモニウム塩を有するポリアリルアミン(PAA)、ポリエチレンイミン(PEI)、エポキシ化ポリアミド(EPAm)、ポリビニルピリジン及びゼラチン類を挙げることができる。
疎水性結合剤は、結合剤として疎水性のものなら特に限定されないが、例えばα、β−エチレン性不飽和化合物に由来するポリマー、例えばポリ塩化ビニル、後−塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、ポリ酢酸ビニル及び部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、出発材料としてポリビニルアルコールから作られ、繰り返しビニルアルコール単位の一部のみがアルデヒドと反応していることができるポリビニルアセタール、好ましくはポリビニルブチラール、アクリロニトリルとアクリルアミドのコポリマー、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン及びポリエチレン又はそれらの混合物等が挙げられる。
本発明においては、印刷機への取り付け易さ、及び、印刷中における印刷版の位置ズレによるカラー印刷での色ズレを防止するために、裏塗り層にはマット剤を含有することが好ましい。含有するマット剤は多孔質、無孔質、有機樹脂粒子、無機微粒子を問わず用いても良く、無機マット剤としてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、カーボンブラック、グラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、MgO、SnO2、Al23、α−Fe23、α−FeOOH、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、BC、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等、有機マット剤としてはポリエチレン微粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等を挙げることが出来る。また無機被服マット剤としてはたとえばPMMAやポリスチレン、メラミンといった有機粒子の芯剤を芯剤粒子よりも中継の小さな無機粒子で被覆した粒子が挙げられる。無機粒子の粒径としては芯材粒子の1/10〜1/100程度であることが好ましい。また、無機粒子としては、同様にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど公知の金属酸化物粒子を用いることができる。被覆方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、ハイブリダイザのような空気中で芯材粒子と被覆材粒子とを高速に衝突させて芯材粒子表面に被覆材粒子を食い込ませて固定、被覆する乾式の被覆方法を好ましく用いることができる。
本発明においては、本発明の範囲を満たすマット剤であれば特に制限無く効果が発揮できるが、特にロール状に巻回された製品形態での場合、バックコーティング層のマット剤が、感熱画像形成層へのキズを抑制するため、有機樹脂粒子を用いるのが好ましい。
なお、本発明おけるマット剤の平均粒径は電子顕微鏡を用い、投影面積から円相当軽を算出して求められる。
粒径は1〜12μmが好ましく、1.5〜8μmがより好ましく、2〜7μmがさらに好ましい。粒径が12μmを超えると、感熱画像形成層へのキズが生じやすくなり、逆に1μmの粒子では、版胴上で版浮きが発生してしまう。
マット剤の添加量としては、バックコーティング層全体の0.2〜10質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
さらに、レーザー記録装置あるいはプロセスレス印刷機には、装置内部において印刷版の搬送を制御するためのセンサーを有しており、これらの制御を滞りなく行うために、本発明において、該構成層には、色素及び顔料を含有させることが好ましい。色素及び顔料としては、前述の光熱変換素材に用いられる赤外吸収色素及びカーボンブラック等の黒色顔料が好ましく用いられる。又、更に、該構成層には公知の界面活性剤を含有させることができる。
〔画像形成方法〕
本発明のひとつの態様の印刷版材料の画像形成は熱により行うことができるが、特に赤外線レーザーによる露光によって画像形成を行うことが好ましい。本発明に関する露光に関し、より具体的には、赤外および/または近赤外領域で発光する、すなわち700〜1500nmの波長範囲で発光するレーザーを使用した走査露光が好ましい。レーザーとしてはガスレーザーを用いてもよいが、近赤外領域で発光する半導体レーザーを使用することが特に好ましい。
本発明の走査露光に好適な装置としては、該半導体レーザーを用いてコンピュータからの画像信号に応じて印刷版材料表面に画像を形成可能な装置であればどのような方式の装置であってもよい。
一般的には、
(1)平板状保持機構に保持された印刷版材料に一本もしくは複数本のレーザービームを用いて2次元的な走査を行って印刷版材料全面を露光する方式、
(2)固定された円筒状の保持機構の内側に、円筒面に沿って保持された印刷版材料に、円筒内部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いて円筒の周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式、
(3)回転体としての軸を中心に回転する円筒状ドラム表面に保持された印刷版材料に、円筒外部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いてドラムの回転によって周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式があげられる。
本発明に関しては特に(3)の走査露光方式が好ましく、特に印刷装置上で露光を行う装置においては、(3)の露光方式が用いられる。
〔印刷方法〕
このようにして画像形成がなされた印刷版材料は、特に湿式の現像処理を行うことなく印刷工程に適用できる。
画像露光後の印刷版材料をそのまま印刷機の版胴に取り付けるか、あるいは印刷版材料を印刷機の版胴に取り付けた後に、版胴を回転させながら水供給ローラー及び/またはインク供給ローラーを印刷版材料に接触させることで画像形成機能層の非画像部を除去することが可能である。
印刷機上での画像形成機能層の非画像部(未露光部)の除去は、版胴を回転させながら水付けローラーやインクローラーを接触させて行うことができるが、下記に挙げる例のような、もしくは、それ以外の種々のシークエンスによって行うことができる。また、その際には、印刷時に必要な湿し水水量に対して、水量を増加させたり、減少させたりといった水量調整を行ってもよく、水量調整を多段階に分けて、もしくは、無段階に変化させて行ってもよい。
(1)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転させ、次いで、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(2)印刷開始のシークエンスとして、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転させ、次いで、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転させ、次いで、印刷を開始する。
(3)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーとインクローラーとを実質的に同時に接触させて版胴を1回転〜数十回転させ、次いで、印刷を開始する。
印刷に用いられる印刷機としては、一般に公知の、湿し水及び平版印刷インキを用いる平版オフセット印刷機が使用できる。
本発明に係る平版印刷版材料は、上記のように画像様露光した後に、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インキにより現像を行い、印刷版とした後印刷に供せられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、無論、本発明の態様はこれらに限定されない。
〔支持体〕
(支持体の作製)
PET樹脂
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール65質量部にエステル交換触媒として酢酸マグネシウム水和物0.05質量部を添加し、常法に従ってエステル交換を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモン0.05質量部、リン酸トリメチルエステル0.03質量部を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、280℃、66.7Paで重合を行い、固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を得た。
(二軸延伸PETフィルム)
以上のようにして得られたPET樹脂を用いて、以下のようにして二軸延伸PETフィルムを作製した。
PET樹脂をペレット化したものを150℃で8時間真空乾燥した後、285℃でTダイから層状に溶融押しだし、30℃の冷却ドラム上で静電印加しながら密着させ、冷却固化させ、未延伸フィルムを得た。この未延伸シートをロール式縦延伸機を用いて、80℃で縦方向に3.3倍延伸した。得られた一軸延伸フィルムに引き続き、テンター式横延伸機を用いて、第一延伸ゾーン90℃で総横延伸倍率の50%延伸し、さらに第二延伸ゾーン100℃で総横延伸倍率3.3倍になるように延伸した。
次いで、70℃2秒間、前熱処理し、さらに第一固定ゾーン150℃で5秒間熱固定し、第二固定ゾーン220℃で15秒間熱固定した。次いで160℃で横(幅手)方向に5%弛緩処理し、テンターを出た後に、室温まで60秒かけて冷却し、フィルムをクリップから解放、スリットし、それぞれ巻き取り、厚さ175μmの二軸延伸PETフィルムを得た。この二軸延伸PETフィルムのTgは79℃であった。なお、得られた支持体の厚み分布は2%であった。
二軸延伸PETフィルムの画像形成機能層上に表面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、下引塗布液a−1を乾燥膜厚が0.8μmとなるよう塗布し、123℃で乾燥し、親水性側に下引層A−1を設けた。
又、反対側の面、表面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、裏塗り層下引層として、下引塗布液b−1を乾燥膜厚が0.1μmとなるよう23℃で塗布し、123℃で乾燥し、帯電防止機能を持つ下引層B−1を設けた。
この後、下引層A−1、B−1の上表面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、下引層A−1の上には下引塗布液a−2を乾燥膜厚が0.1μmとなるよう塗布し、123℃で乾燥して下引層A−2を設け、又、下引層B−1の上には下引塗布液b−2を乾燥膜厚が0.2μmとなるよう塗布し、123℃で乾燥して下引層B−2を設け、更に140℃で2分間熱処理し、下引層形成済みの試料を得た。
(下引塗布液a−1)
《下引き塗布液a》
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=60/39/1の3元系共重合ラテックス(Tg=75℃)(固形分濃度30%) 250g
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス(Tg=20℃)(固形分濃度30%) 25g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 30g
水で1kgに仕上げた。
Figure 2006341483
(下引塗布液b−1)
金属酸化物(SnO2)(8.3%) 109.5g
スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシメタクリレート=27/45/28の3元系共重合ラテックス(Tg=45℃)(固形分濃度30%) 3.8g
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス(Tg=20℃)(固形分濃度30%) 15g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 25g
以上に蒸留水を加えて1kgとした。
(下引塗布液a−2)
変性水性ポリエステルL−4溶液(23質量%) 31g
クラレ社製エクセバール(ポリビニルアルコールとエチレンの共重合体)RS−2117の5%水溶液 58g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 6g
硬膜剤H−1(0.5%) 100g
真球状シリカマット剤(日本触媒社製シーホスターKE−P50)2%分散液10g
以上に蒸留水を加えて1000mlとした。
(下引塗布液b−2)
変性水性ポリエステルL−3溶液(18質量%) 150g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 6g
真球状シリカマット剤(日本触媒社のシーホスターKE−P50)2%分散液10g
以上に蒸留水を加えて1000mlとした。
(水性ポリエステル溶液の調製)
テレフタル酸ジメチル35.4質量部、イソフタル酸ジメチル33.63質量部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92質量部、エチレングリコール62質量部、酢酸カルシウム一水塩0.065質量部、酢酸マンガン四水塩0.022質量部を、窒素気流下において170〜220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.04質量部、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.04質量部、及び1、4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8質量部を加え、220〜235℃の反応温度でほぼ理論量の水を留去しエステル化を行った。その後、更に反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し、最終的に280℃、133Pa以下で約1時間重縮合を行い、水性ポリエステルA−1を作製した。得られた水性ポリエステルA−1の固有粘度は0.33であった。
次いで、撹拌翼、還流冷却管、温度計を伏した2Lの三口フラスコに、純水850mlを入れ、撹拌翼を回転させながら水性ポリエステルA−1を150g徐々に添加した。室温でこのまま30分間撹拌した後、1.5時間かけて内温が98℃になるよう加熱し、この温度で3時間加熱溶解した。加熱終了後、1時間かけて室温まで冷却し、一夜放置し、15質量%の水性ポリエステルを調製した。
(変性ポリエステルLx−3溶液の調製)
撹拌翼、還流冷却管、温度計、滴下ロートを伏した3Lの四口フラスコに、前記15質量%の水性ポリエステル溶液1900mlを入れ、撹拌翼を回転させながら内温が80℃になるよう加熱する。この中に、過酸化アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、モノマー混合液(アクリル酸エチル35.7g、メタクリル酸メチル35.7g)を30分間かけて滴下し、更に3時間反応を続ける。この後、30℃以下まで冷却、濾過して、固形分濃度が18質量%の変性水性ポリエステルLx−3溶液を調製した。(水性ポリエステル溶液の調製)テレフタル酸ジメチル35.4質量部、イソフタル酸ジメチル33.63質量部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92質量部、エチレングリコール62質量部、酢酸カルシウム一水塩0.065質量部、酢酸マンガン四水塩0。022質量部を、窒素気流下において、170〜220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.04質量部、重縮合触媒とし三酸化アンチモン0.04質量部及び1、4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8質量部を加え、220〜235℃の反応温度で、ほぼ理論量の水を留去しエステル化を行った。
その後、更に反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し最終的に280℃、133Pa以下で約1時間重縮合を行い、水性ポリエステルを作製した。得られた水性ポリエステル固有粘度は0.33(100ml/g)であった。また、Mw=80,000〜100,000であった。
次いで、撹拌翼、環流冷却管、温度計を付した2Lの3つ口フラスコに、純水850mlを入れ、撹拌翼を回転させながら、水性ポリエステルを150g徐々に添加した。室温でこのまま30分間撹拌した後、1.5時間かけて内温が98℃になるように加熱し、この温度で3時間加熱溶解した。加熱終了後、1時間かけて室温まで冷却し、一夜放置して、15質量%の水性ポリエステル溶液を調製した。
(変性水性ポリエステル溶液の調製)
撹拌翼、環流冷却管、温度計、滴下ロートを付した3Lの4つ口フラスコに、前記15質量%の水性ポリエステルA−1溶液1900mlを入れ、撹拌翼を回転させながら、内温度を80℃まで加熱する。この中に、過酸化アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、モノマー混合液(メタクリル酸グリシジル28.5g、アクリル酸エチル21.4g、メタクリル酸メチル21.4g)を30分間かけて滴下し、さらに3時間反応を続ける。その後、30℃以下まで冷却、濾過して、固形分濃度が18質量%の変性水性ポリエステルB−1溶液(ビニル系成分変性比率20質量%)を調製した。またビニル系成分変性比率5質量%にしたものを変性水性ポリエステルL−4とした。
(裏塗り(バックコーティング)層の調液)
下記の組成物をホモジナイザを用いて十分に撹拌混合した後、濾過してバックコーティング層塗布液を作製した。
Figure 2006341483
(バックコーティング層の塗布)
バックコーティング層の塗布液を上記支持体下引き面B側にワイヤーバー#6を用いて下引き済みサンプルに塗布し15mの長さの120℃に設定押された乾燥ゾーンを搬送スピード50m/分の速度で通過させた。バックコーティング層の付量は1.8g/m2であった。
(親水性層塗布液の調液)
下記組成をホモジナイザを用いて十分に撹拌混合した後、濾過して親水性層塗布液1〜5を作製した。
Figure 2006341483
親水性層に添加するマット材A、B、Cは以下の化合物を使用した。
A−1:シルトンJC−40
(水澤化学社製、多孔質シリカアルミナ、平均粒径4.0μm b/a=0.65)
A−2:STM−3500S
(日産化学社製、シリカ被覆メラミン樹脂粒子、平均粒径3.5μm b/a=0.93)
B−1:STM−6500S
(日産化学社製、シリカ被覆メラミン樹脂粒子、平均粒径6.5μm b/a=0.95)
B−2:STM−10500S
(日産化学社製、シリカ被覆メラミン樹脂粒子、平均粒径10.5μm b/a=0.92)
B−3:ハイプレシカFQ
(宇部日東化学社製、球状シリカ、平均粒径6.0μm b/a=0.98)
C−1:シルトン JC−70
(水澤化学社製、多孔質シリカアルミナ、平均粒径7.0μm b/a=0.55)
C−2:サンスフェア H−121
(洞海化学工業製、多孔質シリカ、平均粒径12.0μm b/a=0.85)
(親水性層の塗布)
塗布前10分以内に、親水性層塗布液を周波数17,000Hzの超音波ホモジナイザーで10分間処理し、上記バックコート層を塗布済みの支持体の裏面(下引き塗布面A)にワイヤーバー#5を用いて塗布し15mの長さの120℃に設定押された乾燥ゾーンを搬送スピード40m/分の速度で通過させた。親水性層の付量は3.0g/m2、塗布後のサンプルは60℃で48時間の熱処理を行なった。
(感熱画像形成層の調液)
下記表3の組成になるよう、感熱画像形成層塗工液を調製し(塗工液の固形分濃度は10質量%)、上記で作製した表4に示す親水性層の上にワイヤーバー#5を用いて塗布し、30mの長さの70℃に設定された乾燥ゾーンを搬送スピード50m/分の速度で通過させ、感熱画像形成層を形成した。感熱画像形成層の付量は0.5g/m2であった。塗布後のサンプルは50℃で24時間の熱処理を行った。
Figure 2006341483
Figure 2006341483
(マット材の突出量測定)
ビーコインスツルメンツ社製のWYKO NT−1100を用いて版材表面における任意のマット材10個の突出量の測定を行い、最大値と最小値を除く8点の平均をその印刷版材料のマット材突出量と定義した。
(マット材個数の測定)
マット材個数の測定は、塗工膜を垂直に(株)キーエンス社製 VHX−200を用い、塗工膜の100μm×100μm領域を1000倍に拡大し、その中に観察される突出したマット材の個数を計測し、その数値を100倍して規定する。同様の測定を任意の10点について行い、最大値と最小値を除く8点の平均をその印刷版材料のマット材個数を定義した。
(マット材中心間距離測定)
中心距離の測定は、塗工膜を垂直に(株)キーエンス社製 VHX−200を用い、塗工膜の100μm×100μm領域を1000倍に拡大し、隣接するマット材の中心間距離を測定し標準偏差を算出した。同様の測定を任意の5視野で行い、最大値と最小値を除く3点の平均をその印刷版材料におけるマット材中心間距離の標準偏差と定義した。
(印刷評価用材料の作製)
上記平版印刷版材料を730mm幅に断裁し、外径76mmの紙コアに30m巻回し、ロール状平版印刷版材料を得た。
(画像形成)
画像形成は、半導体レーザ光源を搭載したプレートセッター(SS−830:コニカミノルタエムジー社製)を使用し、250mJ/cm2の露光エネルギーで175線相当の各種網点画像を露光した。
(印刷)
印刷機として三菱重工業社製DAIYAF−1を用い、ミューコート紙に湿し水としてアストロマーク3(日研化学研究所社製)2質量%、及びインクとしてトーヨーTK ハイユニティーM紅 (東洋インキ社製)を用いて、印刷を行った。印刷は表面印刷、裏面印刷の順に行い、表面印刷時にはパウダー(商品名:ニッカリコM ニッカ社製)を印刷装置のパウダー目盛10に設定して噴霧した。
この印刷物を観察して以下の印刷版材料の特性評価を行った。
(機上現像性評価)
刷り出し時、良好なS/N比(非画像部に地汚れが無く、すなわち、感熱画像形成層の非画像部が印刷機上で除去され、かつ、画像部の濃度が適正範囲となっている)を有した印刷物が得られるまでの印刷枚数を評価した。損紙の枚数が少ないほど優れている。40枚以上では実用上問題がある。
(耐刷性評価)
裏面印刷画像の3%の小点の欠落、または、ベタ部の濃度低下のいずれかが確認された段階で耐刷終点とし、その枚数を求めた。
(耐傷性評価)
露光前の印刷版表面を、荷重200gをのせた0.5mm径のサファイア針でこすり、印刷100枚目の非画像部のインキの付着度合いを下記ランクで評価した。
○:インキが付着してない
△:少しインキが付着している
×:インキが付着している。
(ブランケット汚れ/非画線部汚れ)
一万枚連続印刷後のブランケット胴表面の汚れ(インクの付着量)を下記ランクで評価した。
又、印刷物の非画線部と紙白との色差を、Gretag Macbeth社製色彩計SPM−100を使用して測定した。
○:版の画像部/非画像部が接触した部分で差がなく、インク付着量も少ない(ΔE<0.2)
△:版非画像部に接触した部分のインク付着量が多いが、印刷への影響はない(0.2≦ΔE≦0.5)
×:印刷物の非画線部に汚れが確認できる(紙白部からの色差ΔE>0.5)
Figure 2006341483
上記結果より明かように、支持体上に親水性層と感熱画像形成層を積層して成る機上現像型平版印刷版材料において、親水性層に特定条件のマット材を含有せしめることで、感度、機上現像性を低下させることなく、ブロッキングパウダーを使用した両面印刷や高い印圧での印刷条件で良好な耐刷性が得られ、かつ現像前の非画像部の耐圧力カブリ性に優れた印刷版材料が実現できる。

Claims (3)

  1. 支持体上に親水性層と感熱画像形成層を積層して成る機上現像型の平版印刷版材料において、該親水性層中に、感熱画像形成層積層後の塗膜面から0.5〜10μm突出するマット材を含有し、該マット材の含有量が1600〜4800個/mm2であり、かつ隣接する該マット材間中心距離の標準偏差が20μm以下であることを特徴とする平版印刷版材料。
  2. 該マット材が平均粒子経2.0〜12.0μmの球形マット材であり、かつ長径aと短径bの粒径比b/aで表現されるマット材の真球度が0.8以上であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版材料。
  3. 請求項1又は2に記載の平版印刷版材料に、サーマルヘッドまたはサーマルレーザーを用いて画像書き込みを行った後、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インキにより非画像部の感熱画像形成層を除去する機上現像を行い、印刷を開始することを特徴とする印刷方法。
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