JP2006130863A - ロール状印刷版材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロール状に巻回された機上現像型印刷版材料の版両端部の現像性の変動を抑え、現像性の向上を図ると共に、寸法精度の再現性の向上を図るロール状印刷版材料を提供する。
【解決手段】両端にフランジが装着された芯材にロール状に巻き上げられた形態で供給される印刷機上現像型印刷版材料であって、巻き上げられた印刷版材料の両端面と両フランジ面との距離が0.5mm以下であることを特徴とするロール状印刷版材料。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロール状に巻き上げられた形態で提供される機上現像型平版印刷版材料に関する。更に詳しくは、端部現像残りの発生がなく、寸法精度再現性の良好な機上現像型印刷版材料に関するものである。
印刷データのデジタル化に伴い、安価で、取り扱いが容易で、PS版と同等の印刷適性を有したCTP(コンピューター・トゥー・プレート)技術が求められている。
近年、地球環境への負荷の低減のために、特別な薬剤による湿式現像処理が不要な、いわゆるプロセスレスCTP印刷版への期待が高まっている。
プロセスレス印刷版の構成としては、PS版と同じアルミ砂目を用いる場合も考えられるが、その他に層構成の自由度やコストダウンの観点から、塗布形成された親水性層を用いた種々の方式のプロセスレスプレートが提案されている。
塗布形成される親水性層を大きく大別すると、1)親水性バインダーを架橋あるいは硬化して表面の親水性を利用するもの、2)親水性バインダーと親水性粒子とを混合して表面に制御された凹凸を形成し、その保水性を利用するもの、がある。特に2)の系は、原理的に従来のアルミ砂目に近い印刷適性が期待きる。
プロセスレス印刷版の画像形成方式の1つとして有力なのが、赤外線レーザー記録であり、大きくわけてアブレーションタイプ、熱溶融転写タイプ及び熱融着画像層機上現像タイプの3種の記録方式が存在する。中でも熱溶融性微粒子又は熱融着性微粒子を含有する画像層を有する熱融着画像層機上現像タイプは、露光でのアブレーションかすが発生しないため、今後主流になる方式であると考えられている(例えば、特許文献1,2参照。)。
印刷版材料の支持体としては、様々なものがあるがハンドリングや印刷版の持ち運びに便利なようにプラスチックフィルム支持体を用いた印刷版の技術が知られるようになった(例えば、特許文献3,4,5参照。)。プラスチックフィルムは金属に比較して熱伝導性が低く、画像形成の際のレーザー露光により感熱層において発生する熱を支持体へと拡散させることなく、効率よく画像形成に利用でき、更に、アルミニウム支持体に比較して安価であるという利点を有している。
プラスチックフィルム基材を使用する印刷版材料は、芯材に巻き付けたロール形態で提供されることが一般的である。更に、画像形成装置へ装填する際の取り扱い性改善、誤作業防止のために材料ロール両端にフランジを取り付けた形態での提供が好ましい。このような印刷版材料は、露光装置内で所定のサイズに断裁された後、レーザーによる画像露光が行われる。印刷機上現像型の印刷版材料は、露光済みの版を印刷機に取り付け、印刷開始時に印刷機上で非画像部が現像される。
従来、このような形態で機上現像型印刷版をこの形態で製造すると、版両端部の現像不良、寸法精度の再現性不良を生じることがあった。
この現象は特に、厚みが150〜250μm、かつ25℃/45%RHで測定したたわみ角を10度/押し込み量1mmのスティッフネスが0.5〜4Nの印刷版材料で、版端部の現像不良、寸法精度の再現性不良を発生することが多く問題となっていた。
特開平9−123387号公報 特開平9−123388号公報 特開平4−261539号公報 特開平5−257287号公報 特開2000−258899号公報
本発明は、ロール状に巻回された機上現像型印刷版材料の版両端部の現像性の変動を抑え、現像性の向上を図ると共に、寸法精度の再現性の向上を図ることを目的とする。
発明者らは検討の結果、ロール状に巻回された機上現像型印刷版材料の端面とフランジ面との関係を制御することで版端部の現像不良、寸法精度を改善できることを見いだし本発明の完成に至った。
特に、厚みが150〜250μm、かつ25℃/45%RHで測定したたわみ角を10度/押し込み量1mmのスティッフネスが0.5〜4Nの印刷版材料でこの効果が顕著に現れることが明らかになった。
スティッフネスは測定器としてスティッフネステスターUT−100−230(株)東洋精機製作所製を使用し、サンプルサイズを10cm×8cm(有効面積8cm×8cm)とし、たわみ角を10度、押し込み量を1mmとして測定した値である。
本発明の具体的な態様は、以下の通りである。
1)両端にフランジが装着された芯材にロール状に巻き上げられた形態で供給される印刷機上現像型印刷版材料であって、巻き上げられた印刷版材料の両端面と両フランジ面との距離が0.5mm以下であることを特徴とするロール状印刷版材料。
2)フランジの一部が芯材に嵌入しており、該フランジを芯材から分離するのに必要な力が200N以上であることを特徴とする請求項1に記載のロール状印刷版材料。
3)フランジの芯材に嵌入する面に滑り止め部材、又は粘着性部材を設けてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のロール状印刷版材料。
4)印刷版材料がプラスチック基材上に、親水性層及び熱により画像形成可能な層を設けた機上現像型印刷版材料であって、該印刷版材料の厚みが150〜250μm、かつ25℃/45%RHで測定したたわみ角を10度/押し込み量1mmのスティッフネスが0.5〜4Nであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のロール状印刷版材料。
版両端部の現像性の向上及び寸法精度の再現性の向上を図ることができた。
以下本発明を添付図に基づいて説明する。
図1に芯材とフランジの構成を、図2に製品ロールの断面図を示す。1は印刷版材料を巻き取る芯材、2は巻き取られた印刷版材料、3はフランジを示している。フランジ3は鍔部4と凸状嵌合部5からなっている。
芯材の材質、サイズは特に限定されるものではないが、一般には円筒で紙製の紙管(ボール芯ともいう。)やプラスチック製の樹脂管が使用される。紙管の表面にポリエチレンやポリウレタン樹脂を含浸させたものも好ましい。芯材の表面にクッション性を有する樹脂を貼り、巻芯の圧力を緩和するような加工をすることも好ましい態様である。
紙管の場合、湿度によって伸縮があるため、一般には含水率6%以下の状態で寸法を規定する。伸縮を極端に嫌う用途の場合は、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂管を使用する。
芯材の外径は用途により異なるが、通常は1インチ(25.4mm)〜4インチ(101.6mm)である。
前記芯材に所定サイズの印刷版材料を巻き付ける。一般的には、芯材の長さ(L1)と印刷版材料の幅(L2)とには、L1≦L2(L2−L1≦3mm)、の関係があり、かつ巻き上げられた印刷版材料の両端から芯材が突き出さないように巻き取られる。印刷版材料の巻長さは用途によって決められるが、版厚が200μm、芯材外径3インチの場合は、25〜65mが実用的な量である。
印刷版材料2を所定長巻き上げた芯材1の両端にフランジ3を取り付ける。芯材1は中空円筒状で、フランジ3は巻き上げられた印刷版材料の外径より大きな直径を有する円盤状の鍔部4と、その中心部に芯材の中空部に嵌合する凸状嵌合部5を有する。フランジは印刷版材料の巻出し位置を規制する機能を有する。
フランジの材質はステンレス、アルミニウム等の金属を加工したもの、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等のプラスチックを射出成形したもの等が用いられる。
フランジは芯材の両端に嵌合されており、印刷版材料の巻端面とそれに接するフランジ面との距離Dは0.5mm以内であることが必要である。0.5mmを越えると印刷版材料が巻出し時に蛇行をおこし、版端部に折れを発生したり、巻き出し抵抗の低下により、搬送精度が低下し、寸法異常を発生し、端部の現像不良や寸法精度の低下を引き起こす。
使用時に上記距離が変動しないよう、芯材から嵌合したフランジを引き抜く力は200N以上であることが好ましい。フランジの芯材との嵌合は通常は両側から均等な圧力をかけ、フランジ3の凸状嵌合部5を芯材に圧入する。
フランジが芯材から脱離することを防止するためにフランジ側の凸状嵌合部の最大直径を芯材の内径より大きくすることが好ましい。フランジの嵌合部に傾斜を持たせ、直径が徐々に変化するようにすることは、挿入時に芯材の端面に巻き込み等の悪影響を及ぼすことがないため好ましい態様である。
芯材が紙の場合は吸湿膨張を考慮して直径を決める。好ましくは、フランジ側嵌合部の最大径は、芯材の内径+0.2±1.5mm(25℃/80%RH時)である。
印刷版材料の幅が700mm以上と広い場合、紙芯材の湿度伸縮の影響を受けてフランジが芯材から抜けてしまう現象が起こり得るため、3図のようにフランジの芯材挿入面に滑り止め部材や粘着性部材6を貼付することも好ましい態様である。
以下、本発明で好ましく使用される機上現像型印刷版材料について詳述する。
機上現像型印刷版材料は、基材上に親水性層を形成し、更にその上に画像形成層を有する。親水性層及び画像形成層の少なくとも1つの層に、レーザー光を熱に変換する光熱変換材料を含有している。基材の親水性層側とは反対側にはバックコート層を必要に応じて設けることが可能である。
(基材)
機上現像型印刷版材料に用いることのできる基材としては、金属箔、紙、プラスチックフィルム、あるいはそれらの複合体である。取り扱い性の点からはプラスチックフィルムが特に好ましい。印刷版作製装置内での安定搬送性と印刷版としての取り扱い易さから基材の厚みとしては100〜300μmが好ましく、特に好ましくは150〜250μmである。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セルロースエステル類を挙げることができる。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムが好ましい。
〔帯電防止層〕
基材の親水性層側又は反対側、あるいは両側に、帯電防止層を設けるのが好ましい。帯電防止層を基材と親水性層との間に設けた場合には、親水性層との密着性向上にも寄与する。帯電防止層としては、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマー層が使用できる。帯電防止層に用いられる金属酸化物粒子の材料としては、SiO2、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、MgO、BaO、MoO3、V25及びこれらの複合酸化物、及び/又はこれらの金属酸化物に更に異種原子を含む金属酸化物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。好ましい金属酸化物としては、SiO2、ZnO、SnO2、Al23、TiO2、In23、MgOである。
帯電防止層の厚みは、0.01〜1μmであることが好ましい。
これらプラスチックフィルムの表面は、親水性層との密着性を確保するためにコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等が施されていてもよい。又、サンドブラスト、ブラシ研磨等により機械的に基材表面を粗面化することもできる。更に親水性官能基を有するラテックス、あるいは水溶性樹脂による下引き層を設けることも好ましい態様である。
〔親水性層〕
機上現像型印刷版材料の親水性層は、多孔質構造を有する親水性マトリックス構造体を含有する。親水性層マトリクスを形成する素材としては、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックスや、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネート又はアルミネートの加水分解、縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックス、金属酸化物等が好ましく用いられる。特に金属酸化物微粒子を含むことが好ましく、例えば、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられる。該金属酸化物微粒子の形態としては、球状、針状、羽毛状、その他の何れの形態でもよく、平均粒径としては、3〜100nmであることが好ましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物微粒子を併用することもできる。又、粒子表面に表面処理がなされていてもよい。
上記金属酸化物微粒子は、その造膜性を利用して結合剤としての使用が可能である。有機の結合剤を用いるよりも親水性の低下が少なく、親水性層への使用に適している。上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。コロイダルシリカは、比較的低温の乾燥条件であっても造膜性が高いという利点があり、良好な強度を得ることができる。本発明で用いることのできるコロイダルシリカとしては、後述するネックレス状コロイダルシリカ、平均粒径20nm以下の微粒子コロイダルシリカを含むことが好ましく、更に、コロイダルシリカはコロイド溶液としてアルカリ性を呈することが好ましい。
本発明において、親水性層マトリクス構造の多孔質化材として、粒径が1μm未満の多孔質金属酸化物粒子を含有することができる。多孔質金属酸化物粒子としては、以下に記載の多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることができる。
多孔質シリカ粒子は、一般に湿式法又は乾式法により製造される。湿式法では、ケイ酸塩水溶液を中和して得られるゲルを乾燥、粉砕するか、もしくは中和して析出した沈降物を粉砕することで得ることができる。乾式法では、四塩化珪素を水素と酸素と共に燃焼し、シリカを析出することで得られる。これらの粒子は製造条件の調整により、多孔性や粒径を制御することが可能である。多孔質シリカ粒子としては、湿式法のゲルから得られるものが特に好ましい。
粒子の多孔性としては、細孔容積で0.5ml/g以上であることが好ましく、0.8ml/g以上であることがより好ましく、1.0〜2.5ml/gであることが更に好ましい。細孔容積は、塗膜の保水性と密接に関連しており、細孔容積が大きいほど保水性が良好となって印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなるが、2.5ml/gよりも大きくなると粒子自体が非常に脆くなるため塗膜の耐久性が低下する。逆に、細孔容積が0.5ml/g未満の場合には、印刷性能が不十分となる場合がある。
ゼオライトは、結晶性のアルミノケイ酸塩であり、細孔径が0.3〜1nmの規則正しい三次元網目構造の空隙を有する多孔質体である。天然及び合成ゼオライトを合わせた一般式は、次のように表される。
(M1、(M2)0.5)m(AlmSinO2)(m+n)・xH2
ここで、M1、M2は交換性のカチオンであって、M1はLi+、Na+、K+、Tl+、Me4+(TMA)、Et4+(TEA)、Pr4+(TPA)、C7152 +、C816+等であり、M2はCa2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、C8182 2+等である。又、n≧mであり、m/nの値つまりはAl/Si比率は1以下となる。Al/Si比率が高いほど交換性カチオンの量が多く含まれるため極性が高く、従って親水性も高い。好ましいAl/Si比率は0.4〜1.0であり、更に好ましくは0.8〜1.0である。xは整数を表す。
本発明で使用するゼオライト粒子としては、Al/Si比率が安定しており、又粒径分布も比較的シャープである合成ゼオライトが好ましく、例えばゼオライトA:Na12(Al12Si1248)・27H2O;Al/Si比率1.0、ゼオライトX:Na86(Al86Si106384)・264H2O;Al/Si比率0.811、ゼオライトY:Na56(Al56Si136384)・250H2O;Al/Si比率0.412等が挙げられる。
Al/Si比率が0.4〜1.0である親水性の高い多孔質粒子を含有することで、親水性層自体の親水性も大きく向上し、印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなる。又、指紋跡の汚れも大きく改善される。Al/Si比率が0.4未満では親水性が不十充分であり、上記性能の改善効果が小さくなる。
又、本発明に係るロール状機上現像型印刷版材料の親水性層マトリクス構造は、層状粘土鉱物粒子を含有することができる。該層状鉱物粒子としては、例えば、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。特に、単位層(ユニットレイヤー)の電荷密度が高いほど極性が高く、親水性も高いと考えられる。好ましい電荷密度としては0.25以上、更に好ましくは0.6以上である。このような電荷密度を有する層状鉱物としては、スメクタイト(電荷密度0.25〜0.6;陰電荷)、バーミキュライト(電荷密度0.6〜0.9;陰電荷)等が挙げられる。特に、合成フッ素雲母は粒径等安定した品質のものを入手することができ好ましい。又、合成フッ素雲母の中でも、膨潤性であるものが好ましく、自由膨潤であるものが更に好ましい。
又、上記の層状鉱物のインターカレーション化合物(ピラードクリスタル等)や、イオン交換処理を施したもの、表面処理(シランカップリング処理、有機バインダーとの複合化処理等)を施したものも使用することができる。
平板状層状鉱物粒子のサイズとしては、層中に含有されている状態で(膨潤工程、分散剥離工程を経た場合も含めて)、平均粒径(粒子の最大長)が1μm未満であり、平均アスペクト比が50以上であることが好ましい。粒子サイズが上記範囲にある場合、薄層状粒子の特徴である平面方向の連続性及び柔軟性が塗膜に付与され、クラックが入りにくく乾燥状態で強靭な塗膜とすることができる。又、粒子物を多く含有する塗布液においては、層状粘土鉱物の増粘効果によって、粒子物の沈降を抑制することができる。粒子径が上記範囲より大きくなると、塗膜に不均一性が生じて、局所的に強度が弱くなる場合がある。又、アスペクト比が上記範囲以下である場合、添加量に対する平板状の粒子数が少なくなり、増粘性が不十分となり、粒子物の沈降を抑制する効果が低減する。
層状鉱物粒子の含有量としては、層全体の0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。特に膨潤性合成フッ素雲母やスメクタイトは少量の添加でも効果が見られるため好ましい。層状鉱物粒子は、塗布液に粉体で添加してもよいが、簡便な調液方法(メディア分散等の分散工程を必要としない)でも良好な分散度を得るために、層状鉱物粒子を単独で水に膨潤させたゲルを調製した後、塗布液に添加することが好ましい。
親水性層マトリクスにはその他の添加素材として、ケイ酸塩水溶液も使用することができる。ケイ酸Na、ケイ酸K、ケイ酸Liといったアルカリ金属ケイ酸塩が好ましく、そのSiO2/M2O比率はケイ酸塩を添加した際の塗布液全体のpHが13を超えない範囲となるように選択することが無機粒子の溶解を防止する上で好ましい。
又、金属アルコキシドを用いた、いわゆるゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーも使用することができる。ゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーの形成については、例えば、「ゾル−ゲル法の応用」(作花済夫著/アグネ承風社発行)に記載されているか、又は本書に引用されている文献に記載されている公知の方法を使用することができる。
又、本発明においては、親水性層中に水溶性樹脂を含有してもよい。水溶性樹脂としては、例えば、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられるが、本発明に用いられる水溶性樹脂としては、多糖類を用いることが好ましい。
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。これは、親水性層に多糖類を含有させることにより、親水性層の表面形状を好ましい状態形成する効果が得られるためである。
親水性層の表面は、PS版のアルミ砂目のように0.1〜20μmピッチの凹凸構造を有することが好ましく、この凹凸により保水性や画像部の保持性が向上する。このような凹凸構造は、親水性層マトリクスに適切な粒径のフィラーを適切な量含有させて形成することも可能であるが、親水性層の塗布液に前述のアルカリ性コロイダルシリカと前述の水溶性多糖類とを含有させ、親水性層を塗布、乾燥させる際に相分離を生じさせて形成することがより良好な印刷適性を有する構造を得ることができ、好ましい。
凹凸構造の形態(ピッチ及び表面粗さなど)は、アルカリ性コロイダルシリカの種類及び添加量、水溶性多糖類の種類及び添加量、その他添加材の種類及び添加量、塗布液の固形分濃度、ウエット膜厚、乾燥条件等で適宜コントロールすることが可能である。
機上現像型印刷版材料に用いられる無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど、公知の金属酸化物粒子を用いることができるが、塗布液中での沈降を抑制するために、多孔質な金属酸化物粒子を用いることが好ましい。多孔質な金属酸化物粒子としては、前述の多孔質シリカ粒子や多孔質アルミノシリケート粒子を好ましく用いることができる。
又、無機素材で被覆された粒子としては、例えば、ポリメチルメタアクリレートやポリスチレンといった有機粒子を芯材とし、芯材粒子よりも粒径の小さな無機粒子で被覆した粒子が挙げられる。無機粒子の粒径としては、芯材粒子の1/10〜1/100程度であることが好ましい。又、無機粒子としては、同様にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど、公知の金属酸化物粒子を用いることができる。被覆方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、ハイブリダイザのような空気中で芯材粒子と被覆材粒子とを高速に衝突させて芯材粒子表面に被覆材粒子を食い込ませて固定、被覆する乾式の被覆方法を好ましく用いることができる。
又、有機粒子の芯材を金属メッキした粒子も用いることができる。このような粒子としては、例えば、樹脂粒子に金メッキを施した積水化学工業社製の「ミクロパールAU」等が挙げられる。
粒径は1μm以上でかつ、親水性マトリクス構造の平均膜厚に対して本発明で規定する式(1)の関係を満足することが必要であるが、1〜10μmが好ましく、1.5〜8μmがより好ましく、2μm〜6μmが更に好ましい。粒径が10μmを超えると、画像形成の解像度の低下や、ブランケット汚れの劣化が生じる懸念がある。本発明では、粒径が1μm以上の粒子の添加量としては、本発明に係る表面形態パラメータを満足するように適宜調整されるが、親水性層全体の1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。親水性層全体としては、有機樹脂やカーボンブラック等の炭素を含有する素材の含有比率が低いことが親水性を向上させるために好ましく、これらの素材の合計が9質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
〔中間親水性層〕
基材と親水層の間に中間親水性層を設けることができる。中間親水性層に用いる素材としては、親水性層と同様の素材を用いることができる。ただし、中間親水性層は多孔質であることの利点が少なく、又、より無孔質である方が塗膜強度の観点から好ましい。親水性マトリクス構造を形成する多孔質化材の含有量は、親水性層よりも少ないことが好ましく、含有しないことがより好ましい。
中間親水性層全体としても親水性層と同様に、有機樹脂やカーボンブラック等の炭素を含有する素材の含有比率が低いことが親水性を向上させるために好ましく、これらの素材の合計が9質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
〔光熱変換素材〕
親水性層、中間親水性層及びその他に設けられる層には、光熱変換素材を含有することができる。光熱変換素材としては、赤外吸収色素、無機・有機顔料、金属、金属酸化物を用いることが好ましく、具体的には下記のような素材を挙げることができる。
赤外吸収色素としては、シアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料としては、カーボン、グラファイト、金属、金属酸化物等が挙げられる。カーボンとしては、特にファーネスブラックやアセチレンブラックの使用が好ましい。粒度(d50)は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。
グラファイトとしては、粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子を使用することができる。
金属としては、粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子であれば何れの金属であっても使用することができる。形状としては球状、片状、針状等何れの形状でもよい。特にコロイド状金属微粒子(Ag、Au等)が好ましい。
金属酸化物としては、可視光域で黒色を呈している素材、又は素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材を使用することができる。前者としては、黒色酸化鉄(Fe34)や、前述の2種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物が挙げられる。後者とては、例えば、SbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn23(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)などが挙げられる。又、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al23・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したもの、逆に金属酸化物粒子の表面を親水性化合物で被覆したものも使用することができる。これらの粒径は、0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。
これらの光熱変換素材のうち、金属酸化物である黒色酸化鉄(Fe34)、2種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物がより好ましい素材として挙げられる。複合酸化物の具体例を挙げれば、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Baから選ばれる2種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、同9−25126号公報、同9−237570号公報、同9−241529号公報、同10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系又はCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−27393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。これらの複合金属酸化物は添加量に対する着色、つまり、光熱変換効率が良好である。
これらの金属酸化物光熱変換素材は、平均一次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均一次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均一次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均一次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。ただし、添加量に対する光熱変換能は、粒子の分散度にも大きく影響を受け、分散が良好であるほど良好となる。従って、これらの金属酸化物光熱変換素材は、層の塗布液に添加する前に、別途公知の方法により分散して、分散液(ペースト)としておくことが好ましい。平均一次粒子径が0.01未満となると分散が困難となるため好ましくない。分散には適宜分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
これらの金属酸化物の添加量としては、親水性層や下層に対して0.1〜60質量%であり、3〜60質量%が好ましく、3〜45質量%がより好ましい。光熱変換材の添加量は親水性層と中間親水性層で異なっていてもよい。
〔画像形成機能層〕
機上現像型印刷版材料の画像形成機能層には熱溶融性及び/又は熱融着性微粒子を含有し、以下のような素材を含有させることができる。熱溶融性微粒子とは、熱可塑性素材の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類される素材で形成された微粒子である。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上100℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が300℃よりも高い場合はインク着肉感度が低下する。
使用可能な素材としては、例えば、パラフィンワックス、ポリオレフィン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられる。これらは分子量800から10000程度のものであり、又乳化し易くするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。更に、軟化点を下げて作業性を向上させるためにこれらのワックスに、例えば、ステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。又、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。
これらの中でも、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸の何れかを含有することが好ましい。これらの素材は融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行うことができる。又、これらの素材は潤滑性を有するため、機上現像型印刷版材料の表面に剪断力が加えられた際のダメージが低減し、擦りキズ等による印刷汚れ耐性が向上する。
又、熱溶融性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.01μmよりも小さい場合、熱溶融性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱溶融性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱溶融性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
又、熱溶融性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は、公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
構成層中での熱溶融性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%が更に好ましい。
本発明で用いることもできる熱融着性微粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体微粒子が挙げられ、該熱可塑性疎水性高分子重合体粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。又、高分子重合体の重量平均分子量(Mw)は10、000〜1、000、000の範囲であることが好ましい。
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用いられる。
高分子重合体微粒子は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法又は気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水又は水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。又、熱溶融性微粒子、熱融着性微粒子は、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。又、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等を含有させてもよい。
又、熱可塑性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.01μmよりも小さい場合、熱溶融性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱溶融性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱溶融性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
又、熱可塑性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
構成層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%が更に好ましい。
本発明に係る熱溶融性及び又は熱融着性微粒子を含有する画像形成機能層には、更に水溶性素材を含有することができる。水溶性素材を含有することにより、印刷機上で湿し水やインクを用いて未露光部の画像形成機能層を除去する際に、その除去性を向上させることができる。
水溶性素材としては、親水性層に含有可能な素材として挙げた水溶性樹脂を用いることもできるが、本発明の画像形成機能層としては、糖類を用いることが好ましく、特にオリゴ糖を用いることが好ましい。
オリゴ糖の中でもトレハロースは、比較的純度の高い状態のものが工業的に安価に入手可能可能であり、水への溶解度が高いにもかかわらず、吸湿性は非常に低く、機上現像性及び保存性共に非常に良好である。
又、オリゴ糖水和物を熱溶融させて水和水を除去した後に凝固させると(凝固後短時間のうちは)無水物の結晶となるが、トレハロースは水和物よりも無水物の融点が100℃以上も高いことが特徴的である。これは赤外線露光で熱溶融し、再凝固した直後は露光済部は高融点で溶融しにくい状態となることを意味し、バンディング等の露光時の画像欠陥を起こしにくくする効果がある。本発明の目的を達成するには、オリゴ糖の中でも特にトレハロースが好ましい。
構成層中のオリゴ糖の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、10〜80質量%が更に好ましい。
〔バックコート層〕
本機上現像型印刷版材料の裏面には、所望の平滑度と静摩擦係数を得るためにバックコート層が形成されていてもよい。バックコート層には、バインダー成分とマット材の他、表面滑性や導電性を付与する化合物を添加することが好ましい。バインダーとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルセルロース、芳香族ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセテート、ポリカーボネート、有機硼素化合物、芳香族エステル類、弗化ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、あるいはこれらのモノマーを主成分とする共重合体などの汎用ポリマーを使用することができる。
バインダーとして架橋可能なバインダーを用いることは、マット材の粉落ち防止やバックコートの耐傷性の向上に効果がある。又、保存時のブロッキングにも効果が大きい。この架橋手段は、用いる架橋剤の特性に応じて、熱、活性光線、圧力の何れか1つ又は組み合せなどを特に限定することなく採用することができる。場合によっては、基材への接着性を付与するため、基材のバックコート層を設ける側に任意の易接着層を設けてもよい。
バックコート層に好ましく添加されるマット材としては、有機又は無機の微粒子が使用できる。有機微粒子としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メラミン樹脂等の樹脂よりなる有機微粒子等が挙げられ、中でも、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂が好ましい。ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、その他のラジカル重合系ポリマーの微粒子、ポリエステル、ポリカーボネートなど縮合ポリマーの微粒子なども挙げられる。無機微粒子としては、酸化珪素、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸亜鉛等の無機微粒子が挙げられ、中でも、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化珪素が好ましい。
無機微粒子の平均粒径としては0.5〜10μmが好ましく、0.8〜5μmがより好ましい。平均粒径が0.5μm未満であると、バックコート層に十分な粗面化を施すことができずに均一な密着を得るために長時間の減圧が必要になる。10μmを超えると、バックコート層の粗面化が粗すぎてスムースター値が大きくなり、固定部材との安定した密着性が確保できなくなる。
プラスチックフィルム基材には、バックコート層は0.5〜3g/m2程度の付量で設けることが好ましい。0.5g/m2未満では塗布性が不安定で、マット材の粉落ち等の問題が生じ易い。又、3g/m2を大きく超えて塗布されると好適なマット材の粒径が非常に大きくなり、保存時にバックコート層による受像面へのエンボス化が生じ、記録画像の抜けやムラが生じ易くなる。なお、マット剤を添加しない場合のバックコート層の付き量は0.01〜1.0g/m2が好ましい。
前記微粒子の含有量としては、バックコート層の全固形分質量に対し、0.5〜80質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。含有量が0.5質量%未満であると、バックコート層表面に十分な粗面化を施すことができないことがあり、80質量%を超えるとバックコート層の粗面化が粗すぎてスムースター値が大きくなり、画質が低下することがある。
バックコート層には、表面滑性を調整する目的で、各種界面活性剤、シリコンオイル、フッ素系樹脂、ワックス類等を添加することも好ましい。
〔帯電防止剤〕
機上現像型印刷版材料が搬送路内で摩擦帯電による搬送異常や、帯電に起因する異物の付着を防止するために各構成層には帯電防止剤を添加することもできる。帯電防止剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子等が使用できる。中でも、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物の微粒子、有機半導体等の導電性微粒子が好ましく用いられる。特にカーボンブラック、グラファイト、特に金属酸化物の微粒子を用いることは、温度等の環境の影響によらず安定した帯電防止能が得られるため好ましい。
上記金属酸化物微粒子の材料としては、SiO2、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、MgO、BaO、MoO3、V25及びこれらの複合酸化物、及び/又はこれらの金属酸化物に更に異種原子を含む金属酸化物を挙げることができる。これらは単独で用いても、混合して用いてもよい。これらのうち好ましい金属酸化物としては、SiO2、ZnO、SnO2、Al23、TiO2、In23、MgOである。異種原子を少量含む例としては、ZnOに対してAlあるいはIn、SnO2に対してSb、Nbあるいはハロゲン元素、In23に対してSnなどの異種原子を30モル%以下、好ましくは10モル%以下の量をドープしたものを挙げることができる。
金属酸化物微粒子は、バックコート層中に10〜90質量%の範囲で含まれていることが好ましい。金属酸化物微粒子の粒子径は、平均粒子径が0.001〜0.5μmの範囲が好ましい。ここでいう平均粒子径とは、金属酸化物微粒子の一次粒子径だけでなく高次構造の粒子径も含んだ値である。
機上現像型印刷版材料は、相対湿度80%以下における表面比抵抗が108〜1012Ω/m2となる、層又は基材を有することがより好ましい。使用できる帯電防止剤としては、相対湿度80%以下における層の表面比抵抗が108〜1012Ω/m2となるように各種界面活性剤、導電剤の中から適宜使用することができる。とりわけ、層中にカーボンブラック、カーボングラファイト、及び金属酸化物の微粒子の少なくとも1種を含有することにより、表面比抵抗が108〜1012Ω/m2となるよう設計することが好ましい。
画像形成時にレーザー露光を行う場合、フォーカスがずれないようにするためには、プラスチックフィルム基材を固定するのに公知の方法と組み合わせて減圧密着を行うことが好ましい。ブロッキングの防止や良好な減圧密着性の付与の目的で、裏面が粗面化された基材あるいはバックコート層にマット剤を添加した場合の表面粗さ(Rz)は0.04〜5.00μmの範囲が好ましい。
機上現像型印刷版材料の裏面のスムースター値は0.06MP以下であることが好ましく、より好ましくは0.0003MP〜0.06MPの範囲である。0.0003MP以下の場合は固定部材への均一密着性が悪くなったり安定密着に必要な時間が増大したりする。0.06MPより大きい場合には固定部材上への固定が不十分になり安定した画像露光ができない。
機上現像型印刷版材料の裏面と固定部材面との静摩擦係数は0.2〜0.6であることが好ましい。0.2以下の場合でも0.6以上であっても固定部材上での固定位置精度が低下し好ましくない。
〔画像形成方法〕
以下に本発明における画像形成方法の一例を挙げる。本発明に係るロール状機上現像型印刷版材料における画像形成は、光を熱に変換することにより行うことができるが、特に赤外線レーザーによる露光によって画像形成を行うことが好ましい。
露光は、より具体的には、赤外及び/又は近赤外領域で発光する、即ち700〜1000nmの波長範囲で発光するレーザーを使用した走査露光が好ましい。レーザーとしてはガスレーザーを用いてもよいが、近赤外領域で発光する半導体レーザーを使用することが特に好ましい。
本発明において、走査露光に好適な装置としては、半導体レーザーを用いてコンピューターからの画像信号に応じて機上現像型印刷版材料表面に画像を形成可能な装置であればどのような方式の装置であってもよい。
一般的には、
(1)平板状保持機構に保持された機上現像型印刷版材料に1本もしくは複数本のレーザービームを用いて2次元的な走査を行って機上現像型印刷版材料全面を露光する方式、
(2)固定された円筒状の保持機構の内側に、円筒面に沿って保持された機上現像型印刷版材料に、円筒内部から1本もしくは複数本のレーザービームを用いて円筒の周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて機上現像型印刷版材料全面を露光する方式、
(3)回転体としての軸を中心に回転する円筒状ドラム表面に保持された印刷版材料に、円筒外部から1本もしくは複数本のレーザービームを用いてドラムの回転によって周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて機上現像型印刷版材料全面を露光する方式が挙げられる。
本発明に関しては、特に(3)項記載の走査露光方式が好ましく、特に印刷装置上で露光を行う装置においては、(3)項記載の露光方式が用いられる。
〔機上現像及び印刷〕
本発明に用いられる印刷方法では、画像情報に基づいてレーザー露光した後、現像処理を施さずに印刷することを特徴とする。即ち、露光済みの機上現像型印刷版材料を印刷機のシリンダーに装着し、シリンダーを回転しながら湿し水とインクを供給することによって、印刷版材料の画像形成層の未露光部を除去する方法であり、印刷版材料を露光後、そのまま印刷機に装着し、通常の印刷過程の中で現像処理が完了する方式である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中「部」は特に断りのないかぎり「質量部」を表す。
(支持体の作製)
厚み175μmのポリエチレンフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製テトロンHS−175)の両面に、8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、次いで、一方の面に下記下引き塗布液aを乾燥膜厚0.8μmになるように塗設後、コロナ放電処理(8W/m2・分)を行いながら下引き塗布液bを乾燥膜厚0.1μmになるように塗布し、各々180℃、4分間乾燥させた(下引き面A)。
又、反対側の面に、下記下引き塗布液c乾燥膜厚0.8μmになるように塗設後、コロナ放電処理(8W/m2・分)を行いながら下引き塗布液dを乾燥膜厚1.0μmになるように塗布し、各々180℃、4分間乾燥させた(下引き面B)。
《下引き塗布液a》
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=60/39/1の3元系共重合ラテックス(Tg=75℃)(固形分基準) 6.3部
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス(固形分基準) 1.6部
アニオン系界面活性剤S−1 0.1部
水 92.0部
《下引き塗布液b》
ゼラチン 1部
アニオン系界面活性剤S−1 0.05部
硬膜剤H−1 0.02部
マット剤(シリカ,平均粒径3.5μm) 0.02部
防黴剤F−1 0.01部
水 98.9部
Figure 2006130863
《下引き塗布液c》
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス(固形分基準) 0.4部
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート=39/40/20/1の4元系共重合ラテックス 7.6部
ポリ塩化ビニリデン樹脂 0.5部
アニオン系界面活性剤S−1 0.1部
水 91.4部
《下引き塗布液d》
成分d−11/成分d−12/成分d−13=66/31/1の導電性組成物
6.4部
硬膜剤H−2 0.7部
アニオン系界面活性剤S−1 0.07部
マット剤(シリカ,平均粒径3.5μm) 0.03部
水 93.4部
成分d−11;
スチレンスルホン酸ナトリウム/マレイン酸=50/50の共重合体からなるアニオン性高分子化合物
成分d−12;
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=40/40/20からなる3成分系共重合ラテックス
成分d−13;
スチレン/イソプレンスルホン酸ナトリウム=80/20からなる高分子活性剤
Figure 2006130863
《印刷版材料の作製》
親水性層1:
以下に示す親水性層塗布液1を、上記下引き済み支持体の各々のA面上に乾燥付き量が3.1g/m2になるようにワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分加熱乾燥した。
(親水性塗布液1)
スノーテックス−XS(日産化学社製コロイダルシリカ、20質量%) 56部
スノーテックス−ZL(日産化学社製コロイダルシリカ、40質量%) 2部
STM−6500(日産化学社製マット剤、20質量%に純水で分散) 17部
TM−3550ブラック粉体(大日精化工業社製Cu−Fe−Mn系黒色顔料、40質量%) 12部
ミネラルコロイドMO(Southern Clay Product社製層状鉱物粒子、5質量%の水膨潤ゲル) 5部
カルボキシメチルセルロース水溶液(4質量%) 3部
リン酸3ナトリウム水溶液(10質量%) 1部
シルトンJC−40(水澤化学社製多孔質金属酸化物粒子) 3部
FZ−2161(日本ユニカー製界面活性剤、20質量%) 5部
親水性層2:
下記に記載の各素材を、特殊機化工業株式会社製TKホモミクサーMARKIIを使用し、回転数20,000rpmで30分分散処理を施したものを、親水性層1上に乾燥付き量が、0.6g/m2になるようにワイヤーバーを用いて積層塗設して120℃で1分加熱乾燥した。更に下記の画像形成層用塗布液を用い乾燥付き量が0.5g/m2になるように画像形成層を形成し、裏面に下記のバックコート層用塗布液を用い乾燥付き量が1.6g/m2になるようにバックコート層を形成した。
(親水性層塗布液2)
スノーテックス−S(日産化学社製コロイダルシリカ、30質量%) 9部
スノーテックス−PSM 20.5部
(日産化学社製ネックレス状コロイダルシリカ、20質量%)MP4540M(日産化学工業社製マット剤、40質量%) 8部
TM−3550ブラック粉体(大日精化工業社製Cu−Fe−Mn系黒色顔料、40質量%) 5部
ミネラルコロイドMO(Southern Clay Product社製層状鉱物粒子、5質量%の水膨潤ゲル) 8.5部
カルボキシメチルセルロース水溶液(5質量%) 5部
リン酸3ナトリウム水溶液(10質量%) 1部
シルトンAMT08(水澤化学社製多孔質金属酸化物粒子、20質量%) 32部
シルトンJC−20(水澤化学社製多孔質金属酸化物粒子) 2部
純水 9部
画像形成層:
下記に記載の各素材を、ディゾルバーを用いて十分に攪拌混合した。
(画像形成層用塗布液)
カルナバワックスエマルジョンA118(岐阜セラック社製、5質量%に純水で希釈した分散液) 31部
Hi−disperA206(岐阜セラック社製、マイクロクリスタリンわワックス)
11部
アクアリックDL522(日本触媒製ポリアクリル酸ナトリウム水溶液、35質量%)
47部
純水 4部
(バックコート層用塗布液)
シルトンJC−50(水澤化学社製多孔質金属酸化物粒子) 20部
ラックスター3307B(大日本インキ化学工業(株)製SBRラテックス)
20部
純水 60部
作製した印刷版材料の厚みが185μm、かつ25℃/45%で測定したたわみ角を10度/押し込み量1mmのスティッフネスは2.2Nであった。
《ロール状印刷版材料の作製》
塗布乾燥した印刷版材料を、幅730mmにスリットしながら芯材に32.5m巻き付けた。芯材は、25℃/80%RHでの長さが728mm、内径71.9mm、外径76.5mmの紙管(ボール芯)を使用した。
更に、印刷版材料を巻き付けた芯材の両端にフランジをロールの両側から2000Nの力で圧入嵌合させ取り付けた。
フランジは、鍔部の直径140mm、厚み3mmであり、材質は射出整形されたポリエチレン樹脂である。
製造条件1:印刷版端面とフランジ面との距離
圧入嵌合の際にフランジと印刷版端面間に厚みの異なるスペーサーフィルムを挟み、フランジの鍔面と印刷版端面の距離を制御した。使用時スペーサーフィルムは除去した。
製造条件2:芯材とフランジとの分離に要する力
フランジの凸状嵌合部の直径を変化させたものと、フランジの凸状嵌合部に脱落防止の粘着テープを貼付したもの(図3参照)を作製して、フランジを芯材から引き抜くのに要する力を変化させた。
《露光》
上記によって得られたロール状平版印刷板材料を、コニカミノルタ社製CTPセッターSS−830に装填して画像露光を行った。露光解像度2400dpi(dpiは2.45cm当たりのドット数を表す。)、露光エネルギー250mJ/cm2、ドラム回転速度600rpmの条件で、175線70%相当のスクエアー網点画像を露光した。露光面積は、680mm×600mmとした。
実験条件を変更したロール状材料を各3本作製(約150版)し、全量を同じ条件で露光した。
《評価1:寸法精度》
露光済みの印刷版の寸法を測定して版材ロールの巻方向の寸法バラツキ(最大値と最小値の差)を測定した。これはロール状に巻かれた平版印刷版材料とフランジとの間隙による、繰り返し巻出し精度を評価したものである。
《評価2:機上現像性》
印刷機を三菱重工製DAIYA F−1、湿し水をアストロマーク3(日研化学研究所)の2質量%溶液、インクを東洋インク社製のトーヨーハイエコーM、用紙を上質紙(しらおい)、印刷開始のシークエンスを、水付けローラーとインクローラーとを実質的に同時に接触させて版胴を5回回転として、1,000枚印刷した。印刷開始から、非画線部が完全に現像されるまでに必要な印刷用紙枚数を測定した。これは平版印刷版の両端部がフランジにより圧力を受け、機上現像性が変化したことによるものである。
評価結果を表1に示す。
Figure 2006130863
試料6は使用中にフランジ抜けが3本中1本発生し、他の2本も版材端面とフランジとの距離が広がっていた。
芯材とフランジの構成を示す図である。 製品ロールの断面図である。 凸状嵌合部に粘着性部材を有するフランジを示す図である。
符号の説明
1 芯材
2 巻き取られた印刷版材料
3 フランジ
4 鍔部
5 凸状嵌合部
6 粘着性部材

Claims (4)

  1. 両端にフランジが装着された芯材にロール状に巻き上げられた形態で供給される印刷機上現像型印刷版材料であって、巻き上げられた印刷版材料の両端面と両フランジ面との距離が0.5mm以下であることを特徴とするロール状印刷版材料。
  2. フランジの一部が芯材に嵌入しており、該フランジを芯材から分離するのに必要な力が200N以上であることを特徴とする請求項1に記載のロール状印刷版材料。
  3. フランジの芯材に嵌入する面に滑り止め部材、又は粘着性部材を設けてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のロール状印刷版材料。
  4. 印刷版材料がプラスチック基材上に、親水性層及び熱により画像形成可能な層を設けた機上現像型印刷版材料であって、該印刷版材料の厚みが150〜250μm、かつ25℃/45%RHで測定したたわみ角を10度/押し込み量1mmのスティッフネスが0.5〜4Nであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のロール状印刷版材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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