JPH07285059A - 光学素子の加工方法およびその実施に用いる保持体 - Google Patents

光学素子の加工方法およびその実施に用いる保持体

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JPH07285059A
JPH07285059A JP10471794A JP10471794A JPH07285059A JP H07285059 A JPH07285059 A JP H07285059A JP 10471794 A JP10471794 A JP 10471794A JP 10471794 A JP10471794 A JP 10471794A JP H07285059 A JPH07285059 A JP H07285059A
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JP
Japan
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optical element
polishing
holder
lens
contact surface
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JP10471794A
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English (en)
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Junji Takashita
順治 高下
Nobuo Nakamura
宣夫 中村
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Canon Inc
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Canon Inc
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 研磨工具の研磨面と保持体の当接面との間で
光学素子を挟圧保持して研磨する際に、前記光学素子の
前記保持体と接触する面に傷が発生しないようにする。 【構成】 研磨工具2の研磨面2aと保持体5の当接面
6との間でレンズLを挟圧保持させた状態で、研磨工具
2を研磨工具用やとい3とともに強制回転させると同時
に、保持体5を保持体用やとい4とともに強制回転させ
てレンズLの被研磨面の研磨を行う。このときの保持体
5の回転速度は、予め実験的に求めた研磨工具の研磨面
と保持体の当接面との間でレンズを挟圧保持して前記研
磨工具を強制回転させるとともに前記保持体を自由回転
させたときの前記レンズの連れ回り速度とほぼ等しくす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンズ等の光学素子の
加工方法およびその実施に用いる保持体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、図6に示すように、回転軸101
に一体的に取付けられた研磨皿102の研磨面107
と、前記研磨面107の法線の方向の回転中心軸を有す
るように支承部材105にベアリング6を介して自由回
転自在に支承された押え部材104とでレンズ103を
挟圧保持し、前記法線と交差する前記研磨面107の他
の法線を中心にして前記研磨皿102を回転させて、そ
の研磨面107とレンズ103との当接部における摩擦
による回転モーメントによってレンズ103を押さえ部
材104とともに連れ回り回転させながら研磨する方法
が提案されている(特公平1−50550号公報参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では、研磨面とレンズとの接触部に発生する摩
擦力による回転モーメントが小さい場合や、押え部材を
自由回転自在に支持するベアリングに研磨剤等の異物が
侵入して回転摩擦抵抗が大きくなった場合には、レンズ
とともに連れ回り回転する押え部材の回転が不安定にな
り、その結果、レンズの真球度が損われて非対称形状に
なり易い。また、レンズと押え部材との接触部における
摩擦力が小さい場合には、レンズと押え部材とが一体に
回転せず、レンズだけが回転していわゆる押え部材によ
ってこすれが発生してレンズ裏面に傷がつくという問題
点があった。
【0004】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであって、研磨工具の研磨面と保
持体の当接面との間でレンス等の光学素子を挟圧保持
し、前記研磨工具を強制回転させて前記光学素子の被研
磨面を研磨する際に、前記光学素子と前記保持体とが一
体に回転して前記光学素子の保持体に接触する面にこす
れに起因する傷が発生しない光学素子の加工方法および
その実施に用いる加工工具を実現することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の光学素子の加工方法は、研磨工具の研磨面
と保持体の当接面との間で光学素子を挟圧保持し、前記
研磨工具を強制回転させるとともに、前記保持体を強制
回転させる光学素子の加工方法であって、前記保持体
を、前記光学素子の保持体の当接面と接触する面にこす
れが発生しない回転速度で強制回転させることを特徴と
するものである。
【0006】また、保持体の回転速度を、研磨工具の研
磨面と前記保持体の当接面との間で光学素子を挟圧保持
して前記研磨工具を強制回転させるとともに前記保持体
を自由回転させたときの前記光学素子の連れ回り速度と
ほぼ等しくすると効果的である。
【0007】本発明の光学素子の加工に用いる保持体
は、光学素子の被研磨面以外の部分に接触する当接面を
有し、該当接面と研磨工具の研磨面との間で前記光学素
子を挟圧保持するための保持体であって、前記当接面
が、ゴム硬度がショアA2:60以下の材料から構成さ
れたことを特徴とするもの、あるいは光学素子の被研磨
面以外の部分に接触する当接面を有し、該当接面と研磨
工具の研磨面との間で前記光学素子を挟圧保持するため
の保持体であって、前記当接面は、前記光学素子との摩
擦係数を増大させるための複数の溝を有することを特徴
とするものである。
【0008】
【作用】保持体の当接面と接触する光学素子の面にこす
れが発生しない回転速度で保持体を強制回転させるた
め、光学素子の回転速度が安定して高精度な研磨を行う
ことができ、光学素子の保持体の当接面と接触する面に
これすが発生しない。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0010】先ず、本発明の実施に用いる研磨装置につ
いて説明する。
【0011】図1に示すように、研磨装置1は、研磨面
2aを有する研磨工具2が固定される研磨工具用やとい
3と、当接面6を有する保持体5が固定される保持体用
やとい4を備えている。
【0012】研磨工具用やとい3は、図示しないベース
に回転自在に支持されており、図示しないモータ等の回
転駆動手段により強制回転されるように構成されてお
り、保持体用やとい4は、支持体7に軸受7aを介して
回転自在かつ軸方向に移動自在に支持され、図示上端側
に固定された歯車12にモータ8の回転軸14に固定さ
れた歯車13を噛合することにより強制回転されるとと
もに、その上端に設けたスラスト軸受11と支持体7に
固定されたカバー10との間に介在されたスプリング9
により常時白抜矢印の方向に付勢されている。
【0013】研磨装置1は上述のように構成されている
ため、研磨工具2の研磨面2aと保持体5の当接面6と
の間に光学素子であるレンズLを挟圧保持した状態で、
研磨工具2を研磨工具用やとい3とともに強制回転させ
ると同時に保持体5を保持体用やとい4とともに強制回
転させて、レンズLを研磨することができる。
【0014】次に、本発明の光学素子の加工方法の第1
実施例について説明する。
【0015】研磨工具2の研磨面2aと保持体5の当接
面6との間でレンズLを挟圧保持させた状態で、研磨工
具2を研磨工具用やとい3とともに矢印方向へ所定の回
転速度で強制回転させると同時に、保持体5を保持体用
やとい4とともに同方向へ後述する方法で求めたレンズ
Lの保持体5の当接面6と接触する面にこすれが発生し
ない回転速度で強制回転させ、レンズLの被研磨面の研
磨を行う。
【0016】ここで、レンズLの保持体5の当接面6と
接触する面にこすれが発生しない回転速度を求める方法
の一例について説明する。
【0017】保持体を上記従来の技術と同様に連れ回り
回転させた場合、図2に示すように、レンズLは研磨工
具2の矢印方向への回転によってレンズLの回転中心O
1 を通る仮想円Cの径方向内側の領域Aで図示時計回り
の回転モーメントMA を受け、前記仮想円Cの径方向外
側の領域Bで反時計回りの回転モーメントMB を受ける
ため、レンズLはMA −MB の正味のモーメントを受け
て連れ回りするが、各モーメントMA ,MB を計算で求
めることは困難である。
【0018】そこで、図3に示すように、質量をできる
だけ小さくした保持体24を球面軸受を有するやとい2
5によって自由回転自在に支持することによって摩擦モ
ーメントを小さくし、前記保持体24にレンズLを接着
し、研磨工具2の回転速度NtとレンズLの連れ回り回
転速度N1 との相関を実験的に求めた。その結果を図4
に示す。
【0019】図4からレンズLの連れ回り回転速度N1
と研磨工具2の回転速度Ntとの相関は次の(1)式で
表わすことができることが判明した。
【0020】 N1 =a・Nt1/2 ・・・・・(1)式 ここで、aは比例定数 なお、上記(1)式は一例であって、研磨条件が異なる
場合には異なることが予想されるので、実際の加工と同
様の研磨条件で実験することが肝要である。
【0021】本実施例において、保持体5はウレタンゴ
ム、フッ素ゴム、ニトリルゴム等耐摩耗性の良好なゴム
材料が望ましい。ウレタンゴムは、耐摩耗性が良好であ
って、水溶性研磨剤を使用する場合の耐久性が優れてい
る。フッ素ゴムは、耐油、耐酸、耐アルカリ性に優れて
おり、研削油を使用する場合に用いると効果的である。
ニトリルゴムは、耐摩耗性に優れ、安価であることから
低精度、低コストのレンズ等の光学素子を加工する場合
に用いるとよい。
【0022】本実施例に関し当接面のゴム硬度がショア
A2:40、50、60および70の保持体を準備し、
各保持体毎にLaSFo16、BK7、SF3の3種類
のガラス素材からなるレンズそれぞれに対して、研磨工
具の回転速度を1500rpm、保持体の回転速度78
0rpmに設定して1分間研磨したのち、各レンズの保
持体と当接する面の状態を視認した。その結果を表1に
示す。
【0023】
【表1】 (評価基準) ○:傷、部分研磨なし △:傷、部分研磨小、規格内 ×:傷、部分研磨大 表1から明らかなように、保持体の当接面のゴム硬度
は、ショアA2:60以下のものが望ましい。
【0024】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
【0025】図5は、第2実施例の保持体の当接面の平
面図である。
【0026】本実施例の保持体35は、保持体35の当
接面36に、その中心部から周縁部へ放射線状に延在す
る6本の溝35aを形成したものである。
【0027】なお、溝の数は6本に限らず、5本以下ま
たは7本以上とすることができ、その形状も図5に示し
たものに限らず、光学素子との摩擦係数を増大させるも
のであれば、いかなる形状でもよい。
【0028】本実施例の具体例と比較例との比較実験を
行ったので、その結果を次に説明する。 (第2実施例の具体例)硬度がショアA2:70のフッ
素樹脂製材料からなり、その当接面に6本の幅が1mm
の放射状の溝を形成した保持体を用い、研磨工具の回転
速度1000rpm、保持体の回転速度640rpm
で、BK7からなるレンズを1分間研磨したところ、レ
ンズの被研磨面にこすれに起因する傷は発生しなかっ
た。 (比較例)保持体の当接面に放射状の溝が形成されてい
ない以外は上記具体例と同一条件で研磨を行ったとこ
ろ、レンズの保持体との接触面にこすれによる傷の発生
がみられた。
【0029】本発明において、研磨工具の研磨面の形状
は加工される光学素子の被研磨面の形状に合わせて球面
または平面とすることができる。また、保持体の当接面
の形状を光学素子の保持体と当接する面にならう形状と
すると、両者が面接触となるため大きな摩擦力が発生
し、こすれに起因する傷の発生防止に効果的である。
【0030】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載するような効果を奏する。
【0031】光学素子の保持体の当接面と接触する面に
こすれに起因する傷が発生することがなく、しかも光学
素子の被研磨面を高精度に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる研磨装置の主要部の模式
一部断面図である。
【図2】保持体を連れ回り回転させたときに研磨工具の
研磨面上のレンズに加わる回転モーメントを示す説明図
である。
【図3】研磨工具の回転速度とレンズの連れ回り回転速
度との関係式を求めるための研磨装置の主要部の模式一
部断面図である。
【図4】図3に示す研磨装置を用いて計測した研磨工具
の回転速度とレンズの連れ回り回転速度との関係を示す
グラフである。
【図5】第2実施例の保持体の当接面の平面図である。
【図6】従来のレンズ研磨方法の実施に用いるレンズ研
磨装置の主要部の模式断面図である。
【符号の説明】
1 研磨装置 2 研磨工具 2a 研磨面 3 研磨工具用やとい 4 保持体用やとい 5,35 保持体 6,36 当接面 7 支持体 35a 溝 L レンズ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨工具の研磨面と保持体の当接面との
    間で光学素子を挟圧保持し、前記研磨工具を強制回転さ
    せるとともに、前記保持体を強制回転させる光学素子の
    加工方法であって、 前記保持体を、前記光学素子の保持体の当接面と接触す
    る面にこすれが発生しない回転速度で強制回転させるこ
    とを特徴とする光学素子の加工方法。
  2. 【請求項2】 保持体の回転速度を、研磨工具の研磨面
    と前記保持体の当接面との間で光学素子を挟圧保持して
    前記研磨工具を強制回転させるとともに前記保持体を自
    由回転させたときの前記光学素子の連れ回り速度とほぼ
    等しくしたことを特徴とする請求項1記載の光学素子の
    加工方法。
  3. 【請求項3】 光学素子の被研磨面以外の部分に接触す
    る当接面を有し、該当接面と研磨工具の研磨面との間で
    前記光学素子を挟圧保持するための保持体であって、 前記当接面が、ゴム硬度がショアA2:60以下の材料
    から構成されたことを特徴とする光学素子の加工に用い
    る保持体。
  4. 【請求項4】 光学素子の被研磨面以外の部分に接触す
    る当接面を有し、該当接面と研磨工具の研磨面との間で
    前記光学素子を挟圧保持するための保持体であって、 前記当接面は、前記光学素子との摩擦係数を増大させる
    ための複数の溝を有することを特徴とする光学素子の加
    工に用いる保持体。
  5. 【請求項5】 保持体の当接面は、光学素子の保持体と
    接触する面の形状にならう形状であることを特徴とする
    請求項3または4記載の光学素子の加工に用いる保持
    体。
JP10471794A 1994-04-19 1994-04-19 光学素子の加工方法およびその実施に用いる保持体 Pending JPH07285059A (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01295754A (ja) * 1988-05-20 1989-11-29 Olympus Optical Co Ltd 光学素子の洗浄方法と装置
JPH0639698A (ja) * 1992-07-24 1994-02-15 Olympus Optical Co Ltd ワーク保持装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH01295754A (ja) * 1988-05-20 1989-11-29 Olympus Optical Co Ltd 光学素子の洗浄方法と装置
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