JPH0728360Y2 - 車両ロツク装置におけるラチエツトの異音防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両ロック装置におけるラチェットの異音防
止装置に係るものである。

（従来技術） 従来、ボディの表側に形成した凹部内に、車体側に固定
されているストライカの係合する係合溝とハーフ係合段
部とフル係合段部を形成したラッチと、前記各係合段部
に係合してラッチの逆転を防止するラチェットを軸着し
た車両ロック装置において、前記ラチェットの表側にゴ
ム状カバーを被せ、前記ラチェットの爪部と反対側の外
側縁が対峙する前記凹部の内側壁に、前記カバーとは独
立の弾性衝突緩和突部を設けた車両ロック装置は公知で
ある。

車両ロック装置は、ラチェットの爪部がラッチのフル係
合段部から外れると、ラッチがバネの弾力で逆転するよ
うに付勢されている関係と、扉自体が車体との間に設け
られている強力な緩衝体により勢いよく開く関係で、ラ
ッチは強く逆転することから、ラチェットがはじかれる
ように回転して、ラチェットの外側縁が凹部の内側壁と
衝突する。前記弾性衝突緩和突部は、前記衝突の衝撃を
吸収して不快音の発生を防止するものである。

（考案が解決しようとする課題） しかし、公知のものは、衝突緩和突部を別に形成してい
たので、組立工程が１つ多く必要とし、コスト高とな
る。

（課題を解決するための手段） よって本考案は、ボディ１の表側に形成した凹部２内
に、車体側に固定されているストライカ５の係合する係
合溝６とハーフ係合段部７とフル係合段部８を形成した
ラッチ４と、前記係合段部７、８に係合してラッチ４の
逆転を防止するラチェット９を軸着した車両ロック装置
において、前記ラチェット９の表側にゴム状カバー13を
設け、該ゴム状カバー13には前記ラチェット９の爪部17
と反対側の外側縁23と、該外側縁23が対峙する凹部２の
内側壁22との間に介在する衝突緩和突部12を一体的に形
成した車両ロック装置におけるラチェットの異音防止装
置としたものである。

（実施例） 本考案の一実施例を図面により説明すると、１は合成樹
脂製ボディで、該ボディ１の表側には凹部２が形成さ
れ、該凹部２内には軸３によりラッチ４が軸装される。
ラッチ４の外周縁には、車体側に固定されているストラ
イカ５が係合する係合溝６並びにハーフ係合段部７とフ
ル係合段部８とが形成される。前記凹部２内には前記係
合段部７、８と係合してラッチ４の逆転を防止するラチ
ェット９を軸10により軸着する。11は前記ストライカ５
の進入溝である。

前記ラチェット９は第２図のように全体が金属板の打抜
板金加工により形成され、その外面にはゴム状カバー13
を、インサート成形等の所望の方法により取付ける。

即ち、前記ラチェット９は基部14側に前記軸10に嵌合す
る透孔15を形成し、先端16側に前記ハーフ係合段部７及
びフル係合段部８に係合する爪部17を形成し、又、先端
16側にボディ１に形成されている貫通孔18から裏側に突
き出る係合ピン19を形成し、ラチェット９の表側に、該
ラチェット９が振動して表側の金属製カバープレートと
衝突しても不快音を生じないように、ラチェット９の表
側をあらかた包囲する板状部20を有するゴム状カバー13
を被せる。板状部20には前記透孔15内に嵌合する筒部21
を一体的に形成する。筒部21は、軸10と透孔15の間に介
在して、ラチェット９の振動発生と不快音を防止する。

前記ゴム状カバー13には、前記ラチェット９の爪部17の
反対側外側縁23と、該外側縁23が対峙する凹部２の内側
壁22との間に介在する衝突緩和突部12を一体形成する。
該衝突緩和突部12の形状は任意である。

（作用） 次に作用を述べる。

閉扉すると、扉側のロック本体と車体側のストライカ５
が係合し、ストライカ５はラッチ４の係合溝６と係合し
てラッチ４をバネ24の弾力に抗して回転させ、ラチェッ
ト９の爪部17はラッチ４のフル係合段部８に係合してラ
ッチ４のバネ24の弾力による逆転と、扉と車体との間に
設けた緩衝体の弾力によるラッチの逆転を防止する。

しかして、開扉のため、アウター又はインナーハンドル
を操作すると、オープンレバーを介して係合ピン19を押
し上げるので、ラチェット９の爪部17とラッチ４のフル
係合段部８の係合が外れ、バネ24の弾力と、扉と車体と
の間に設けた緩衝体により扉を開扉しようとする弾力と
により、ラッチ４を強く逆転させ、ストライカ５と係合
溝６の係合を外す。

したがって、フル係合段部８と爪部17との係合が解除さ
れると、ラチェット９にはこじれ現象が生じて、はじけ
るように強く回転し、その外側縁23は、凹部２の内側壁
22に激突する。このとき、本考案は、衝突緩和突部12が
ラチェット９の外側縁23で、凹部２の内側壁22と対峙す
る位置に設けられているので、衝撃を吸収して不快音の
発生を防止する。

しかして、本考案では、衝突緩和突部12がゴム状カバー
13に一体的に設けられているので、衝突緩和突部12の製
造コストは、公知のものに比して格段に低くなり、ま
た、衝突緩和突部12だけの組立工程を省くことができる
ので、更にコストを低くすることができる。

（効果） 公知の車両ロック装置は、ラチェットの爪部がラッチの
フル係合段部から外れたとき、ラッチがバネの弾力で逆
転するように付勢されている関係と、扉自体が車体との
間に設けられている強力な緩衝体により扉が勢いよく開
く関係で、ラッチが強く逆転することから、ラチェット
は、はじかれるように回転して、ラチェットの外側縁が
凹部の内側壁に衝突し、相当に大きな音を発生させる。
これを防止するために、前記凹部の前記ラチェットと衝
突する部分には独立した弾性衝突緩和突部を取付けてい
る。しかし、公知のものは、衝突緩和突部を別に形成し
ていたので、コスト高になった。

しかるに、本考案は、ボディ１の表側に形成した凹部２
内に、車体側に固定されているストライカ５の係合する
係合溝６とハーフ係合段部７とフル係合段部８を形成し
たラッチ４と、前記係合段部７、８に係合してラッチ４
の逆転を防止するラチェット９を軸着した車両ロック装
置において、前記ラチェット９の表側にゴム状カバー13
を設け、該ゴム状カバー13には前記ラチェット９の爪部
17と反対側の外側縁23と、該外側縁23が対峙する凹部２
の内側壁22との間に介在する衝突緩和突部12を一体的に
形成した車両ロック装置におけるラチェットの異音防止
装置とし、衝突緩和突部12がゴム状カバー13に一体的に
設けられているので、衝突緩和突部12の製造コストは、
公知のものに比して格段に低くなり、また、衝突緩和突
部12だけの組立工程を省くことができるので、更にコス
トを低くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部の縦断面図、第２図はラチェットの斜視
図、第３図はゴム状カバーの斜視図、第４図はラチェッ
トが外れる瞬間の状態図、第５図はインサート成形した
ラチェットの説明図、第６図は第５図のＡ−Ａ断面図、
第７図は第５図のＢ−Ｂ断面図である。 符号の説明 １……ボディ、２……凹部、３……軸、４……ラッチ、
５……ストライカ、６……係合溝、７……ハーフ係合段
部、８……フル係合段部、９……ラチェット、10……
軸、11……進入溝、12……衝突緩和突部、13……ゴム状
カバー、14……基部、15……透孔、16……先端、17……
爪部、18……貫通孔、19……係合ピン、20……板状部、
21……筒部、22……内側壁、23……外側縁、24……バ
ネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボディ１の表側に形成した凹部２内に、車
   体側に固定されているストライカ５の係合する係合溝６
   とハーフ係合段部７とフル係合段部８を形成したラッチ
   ４と、前記係合段部７、８に係合してラッチ４の逆転を
   防止するラチェット９を軸着した車両ロック装置におい
   て、前記ラチェット９の表側にゴム状カバー13を設け、
   該ゴム状カバー13には前記ラチェット９の爪部17と反対
   側の外側縁23と、該外側縁23が対峙する凹部２の内側壁
   22との間に介在する衝突緩和突部12を一体的に形成した
   車両ロック装置におけるラチェットの異音防止装置。