JPH07283162A - 縦型熱処理炉用ウェーハボート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウェーハの出し入れが容易で、かつ、スリッ
プ発生を抑止した縦型のウェーハボートを提供する。 【構成】 縦型熱処理炉に装入されるウェーハボート１
１であって、３本の支柱１３が円周方向で等間隔位置に
配設されている。１本の支柱１３は円周溝１６にガイド
されて移動自在に構成されている。ウェーハのボートへ
の出し入れ時は、支柱１３を動かして出し入れ部を作
り、炉への装入時は等間隔位置でウェーハを支持する。
平均して荷重を支持することができ、スリップ発生を抑
止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は縦型熱処理炉用ウェーハ
ボート、詳しくはその支柱構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】縦型熱処理炉用のウェーハボートは、熱
処理炉内に立装されるもので、４本の鉛直支柱、天板お
よび底板で構成されている。各支柱にはウェーハ保持溝
が多数刻設され、このウェーハ保持溝にウェーハの端部
が挿入、係止されることにより、多数のウェーハが炉内
で水平状態で支持される。そして、２本の支柱は円周方
向にて略１８０度離間して配設され、これらの支柱の間
からウェーハを実装し、取り出していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のウェーハボートでは、支柱の溝と接触してい
るウェーハ外周部ではウェーハ自重による負荷が大き
く、その接触点を起点として熱応力によるスリップが発
生していた。

【０００４】そこで、本発明は、ウェーハのスリップ発
生を防止した縦型熱処理炉用ウェーハボートを提供する
ことを、その目的としている。また、ウェーハの装入、
取り出しを容易にしたウェーハボートを提供すること
を、その目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載した発明
は、縦型の熱処理炉内に装入された状態で鉛直方向に延
びる３本の支柱と、これらの支柱を支持する支持部材と
を備え、各支柱に、ウェーハの端部が係合する溝が、支
柱の長さ方向に沿って複数形成された縦型熱処理炉用ウ
ェーハボートであって、上記３本の支柱のうちの少なく
とも１本を残りの支柱に対して移動自在に構成した縦型
熱処理炉用ウェーハボートである。

【０００６】請求項２に記載した発明は、上記３本の支
柱は同一の円周上にて等角度間隔で配設された請求項１
に記載の縦型熱処理炉用ウェーハボートである。

【０００７】

【作用】本発明に係る縦型熱処理炉用ウェーハボートに
あっては、ウェーハ端部と支柱の溝壁との接触は、３箇
所でなされている。この結果、支柱の溝壁との接触点が
少なく、この接触部分を起点にした熱応力によるスリッ
プ発生を抑制することができる。同時に、１本の支柱は
移動することができるため、ウェーハの出し入れが自由
となっている。さらに、３本の支柱はウェーハを支持す
る場合、等間隔に配設されており、平均してウェーハの
荷重を支持することができる。よって、スリップの発生
も抑制されることとなる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１〜図２は、本発明の一実施例を示している。

【０００９】これらの図において示すように、ウェーハ
ボート１１は、その外形は全体として大略円筒状に構成
されている。このウェーハボート１１は、各種の材質の
ものがあり、例えば石英、シリコン（多結晶、単結
晶）、ＳｉＣ、ＳｉＣを被覆したもの等により製造され
ている。ウェーハボート１１は、熱処理炉内で水平に保
持される円形の下側支持板（底板）１２と、この底板１
２に立設された３本の支柱１３と、これらの支柱１３の
上端部同士を連結する円形の上側連結板（天板）１４
と、を有している。

【００１０】これらの３本の支柱１３は、底板１２およ
び天板１４に対してその同一円周上で円周方向に１２０
度の等間隔で離れた位置に配設されている。そして、こ
のウェーハボート１１において支柱１３の一つは円周方
向に沿って所定角度だけ移動自在に構成されている。す
なわち、底板１２および天板１４と１本の支柱１３との
連結、支持部分には、円周方向に延びる湾曲した円弧溝
１５がそれぞれ形成されている。この円弧溝１５に沿っ
てこの支柱１３は円周方向に移動自在に構成され、ウェ
ーハのチャージ時は支柱１３，１３間の間隔を大きく広
げることができる。また、ウェーハのチャージ後は支柱
１３，１３の間隔を元の位置、すなわち３本の支柱が等
間隔となる位置に配される。

【００１１】また、これらの支柱１３には、その長手方
向に沿って多数のウェーハ保持用の溝１６が形成されて
いる。これらの溝１６は断面がコの字形状または三角形
状であって、その底壁にウェーハの端部裏面が当接する
こととなる。これらの溝１６にウェーハ端部が係止され
ることにより、ウェーハは支柱１３に水平に保持される
こととなる。

【００１２】この結果、熱処理中のウェーハの支持は、
広い範囲の面接触あるいは線接触になり、ウェーハ自重
の応力を均一に分散することができ、スリップが発生す
ることはない。なお、上記実施例では３本の支柱を有す
るウェーハボートについて説明したが、本発明に係るウ
ェーハボートは４本以上の支柱を有するボートについて
も適用することが可能である。４本乃至それ以上の数の
支柱の場合は１〜２本の支柱を移動可能としてウェーハ
の出し入れ部を構成するとよい。また、これらの複数の
支柱はウェーハ支持は等間隔で行うように構成している
点は、上記実施例と同じである。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、熱処理中のウェーハに
自重によるスリップ発生を防止することができる。ま
た、ウェーハのボートへの出し入れも簡単に行うことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るウェーハボートを示す
斜視図である。

【図２】本発明の一実施例に係るウェーハボートの底板
を示す底面図である。

【符号の説明】

１１ ウェーハボート １２ 底板 １３ 支柱 １４ 天板 １５ 円弧溝 １６ 溝

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦型の熱処理炉内に装入された状態で鉛
   直方向に延びる３本の支柱と、これらの支柱を支持する
   支持部材とを備え、各支柱に、ウェーハの端部が係合す
   る溝が、支柱の長さ方向に沿って複数形成された縦型熱
   処理炉用ウェーハボートであって、 上記３本の支柱のうちの少なくとも１本を残りの支柱に
   対して移動自在に構成した縦型熱処理炉用ウェーハボー
   ト。
2. 【請求項２】 上記３本の支柱は同一の円周上にて等角
   度間隔で配設された請求項１に記載の縦型熱処理炉用ウ
   ェーハボート。