JPH07282796A - 電気化学素子 - Google Patents

電気化学素子

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JPH07282796A
JPH07282796A JP6065782A JP6578294A JPH07282796A JP H07282796 A JPH07282796 A JP H07282796A JP 6065782 A JP6065782 A JP 6065782A JP 6578294 A JP6578294 A JP 6578294A JP H07282796 A JPH07282796 A JP H07282796A
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oxynitride
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secondary battery
nitride
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Kazunori Takada
和典 高田
Yoshiaki Nitta
芳明 新田
Shigeo Kondo
繁雄 近藤
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作動サイクル特性に優れ、かつ高容量なリチ
ウム電池等の電気化学素子を得る。 【構成】 少なくとも一対の電極のうち一方の電極の活
物質として金属酸素族窒化物を用いるものであり、好ま
しくはリチウム酸窒化物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウム電池をはじめ
とする電気化学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気化学素子の電極を構成する材料とし
ては、例えばリチウム二次電池の正極にはLixCo
2、LixNiO2、LixMnO2等の遷移金属酸化物
が、負極には黒鉛等の各種層状構造をもつ材料の検討が
行われている。
【0003】これらの材料で電極を構成した場合、その
結晶構造が電気化学的な酸化還元サイクルに対して大き
な影響を及ぼす。例えば前記のLiNiO2等の遷移金
属酸化物の結晶構造は、遷移金属元素イオンに酸素イオ
ンが6配位あるいは4配位で結合した4面体あるいは8
面体が稜共有あるいは頂点共有により2次元に広がった
層状構造であり、この層間にリチウムがインターカレー
トした構造となっている。
【0004】このような層状構造をもつ物質に電気化学
的な分極を行うと、リチウムイオンが層間に出入りし、
電極活物質として作用する。
【0005】このような層状構造をもつ材料を電極構成
材料とした場合の電気化学反応は、結晶層間へのイオン
が出入りする、いわゆるトポケミカルな反応が中心とな
り、結晶構造に大きな変化が起こりにくいため、電気化
学的な酸化還元反応サイクルの繰り返しに対して高い可
逆性を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の遷移金属酸化物を電極構成材料とした場合には、以下
に述べる解決すべき課題を有している。
【0007】遷移金属酸化物や黒鉛の結晶は前記のよう
な2次元構造をもっているが、実際の材料は有限の大き
さであり、その材料表面は2次元構造が途切れており、
LiNiO2等の遷移金属酸化物の場合、酸素イオン
は、−OHや−OLi、あるいはその他の末端基でター
ミネートされた状態となる。
【0008】したがって、このような物質を電極活物質
として用いた場合、その電気化学反応は、層間へのLi
+イオンのインターカレート・デインターカレート反応
の他に、末端基のH+、Li+などに起因する反応が生じ
る。このような表面状態は電気化学素子の作動サイクル
あるいは保存中に変化し、その結果、Li+イオンのイ
ンターカレート・デインターカレート反応を阻害し、電
極/電解質界面でのインピーダンスを増加させるなど、
電気化学反応が円滑に進みにくく、電池を形成した場
合、充放電容量の低下などの性能劣化を生じさせる。
【0009】以上、層状構造をもつ物質として遷移金属
酸化物を例にとり説明を行ったが、同じくC6の6角形
が2次元状に広がった層状構造をもつ黒鉛の場合も、そ
の表面はキノン基、ハイドロキノン基、ケトン基、カル
ボキシル基等数々の末端基が結合した状態となってい
る。黒鉛の末端に形成されたこれらの末端基は、これを
除去する事は極めて困難である。近年、黒鉛材料はリチ
ウム二次電池の負極活物質として検討が進められている
が、黒鉛材料をリチウム二次電池の負極材料として用い
た場合も上記の遷移金属酸化物と同様に、充放電サイク
ルにより末端基に変化が生じ、電池の性能劣化が起こ
る。この性能劣化は、末端基の種類が黒鉛の履歴によっ
ても様々変化し、本来の充放電反応の他に起こる副反応
も様々に変化する。
【0010】その結果、例えば以下のような解決すべき
課題を呈する。一般に黒鉛表面の末端基は、電気化学的
な還元により還元されやすいものが多く、第1回目の初
期充電反応においては、末端基と電解液とが関係した電
気化学的還元に起因するガス発生が生じる。その結果、
初期充電時に電池内圧が上昇してしまうという課題を有
していた。
【0011】以上は遷移金属酸化物、黒鉛を例にとり説
明したが、層状構造を有する材料を電極活物質として電
気化学素子を構成した場合、その末端基が関与する反応
により性能劣化が生じるという課題がある。
【0012】本発明は、以上の課題を解決し、末端基の
反応に起因するサイクル特性の劣化等の課題を解決する
ことができ、さらに高容量密度の電気化学素子を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の主題は、金属酸
素族窒化物もしくは金属酸素族窒化物を主体としてなる
化合物を、電極構成材料として用いて電気化学素子を構
成することにある。
【0014】さらに、金属酸素族窒化物もしくは金属酸
素族窒化物を主体とした化合物としては、金属酸窒化物
もしくは金属酸窒化物を主体としてなる化合物を用いる
ものである。
【0015】さらに、金属酸窒化物もしくは金属酸窒化
物を主体とした化合物の金属としては、アルカリ金属も
しくはアルカリ土類金属を用い、具体的な金属酸窒化物
としては、リチウム酸窒化物を用いるものである。
【0016】さらにまた、電気化学素子の具体例とし
て、リチウム電池を構成したものである。
【0017】
【作用】本発明の作用について、金属酸素族窒化物とし
て、酸窒化リチウムを例にとり説明を行う。
【0018】本発明者等は、窒化リチウムを電極材料と
した電極をリチウム電池用電解質中で電気化学的に酸化
還元を行うことにより、種々のクラスター(例えばリチ
ウムイオンおよびリチウムイオンクラスター)が容易に
窒化物の層間あるいは表面に形成され、この窒化物に捕
捉されたクラスターが、電気化学的な可逆反応を示すこ
とを見い出した。
【0019】窒化リチウムはイオン結晶性の化合物と言
われ、その構造は窒素を中心とする六方両錘体が連続的
に連なった層状化合物であり、その層間を容易にリチウ
ムイオンが移動するため超イオン伝導性のリチウム固体
電解質として知られている。この窒化リチウムは水分に
触れると容易にアンモニアと水酸化リチウムに分解す
る。
【0020】したがって、原子的にみて他の−OH基や
HOH等がその末端に存在することは困難な構造となっ
ている。その結果、これを電気化学的素子の電極構成材
料として用いた場合、特にリチウム電池の負極構成材料
に応用すると、充放電サイクル特性などの作動サイクル
特性に優れ、ガス発生等の副反応による問題の少ない電
気化学素子を構成することができる。
【0021】発明者等は、この窒化リチウムの電極反応
を、次に示す機構により生じていると推察している。
【0022】窒化リチウム中の窒素イオンは、3つのリ
チウムイオンと結合しており、さらに最外殻に1組の孤
立電子対をもっている。そのため窒化リチウムは、その
孤立電子対にさらにリチウムイオンあるいはリチウム原
子が配位し、(化1)に示すように、いわゆる超アルカ
リイオンあるいは超アルカリと呼ばれる状態を形成す
る。
【0023】
【化1】 ここで、窒素イオン1個当たりの孤立電子対は1組であ
るが、酸素イオン1個当たりの孤立電子対は2組である
ことから、窒化リチウムの窒素の一部分を酸素で置換す
ることにより、(化2)に示すようにより多くのリチウ
ムを配位した超アルカリ状態が形成される。したがっ
て、金属窒化物に代えて金属窒化物を電極活物質として
用いることにより、より多くの量のリチウムイオンがク
ラスター形成に関与することとなり、その結果より容量
の大きな電気化学素子を得ることができる。
【0024】
【化2】 以上は、金属酸素族窒化物として、酸窒化リチウムを例
にとり説明を行ったが、硫黄あるいはセレンなど酸素族
元素も、金属窒化物の窒素イオンの位置に入ることによ
り同様の孤立電子対が2つ生じ、同様の効果を得ること
ができる。
【0025】さらに、金属酸素族窒化物の酸素族原子に
ついては、硫黄あるいはセレンに比べ、酸素が原子量の
小さな元素であることから、金属酸素族窒化物として
は、金属酸窒化物を用いた場合により高容量の電気化学
素子を得ることができる。
【0026】さらに、金属酸窒化物の金属原子について
は、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属、特にリチ
ウムが原子量の小さな元素であることから、同様に高容
量の電気化学素子を構成することができ、金属酸素族窒
化物としては、アルカリ金属酸窒化物、あるいはアルカ
リ土類金属酸窒化物、特にリチウム酸窒化物が好ましく
用いられる。
【0027】また、上記の効果は電気化学素子の作動の
繰り返しが多く、また高容量密度が必要とされた場合に
特に有益であり、リチウム電池にはこのような要請が強
く、上記の電極を用いてリチウム電池を構成した場合に
その効果は特に大きなものとなる。
【0028】
【実施例】以下、本発明について、実施例を用いて詳細
に説明する。
【0029】(実施例1)本実施例においては、金属酸
窒化物としてリチウム酸窒化物を負極構成材料として用
い、電気化学素子としてリチウム二次電池を構成した例
について説明を行う。
【0030】Li2.90.90.1で表される酸窒化リチ
ウムは、以下の方法で合成した。まず、Li3Nで表さ
れる窒化リチウムとLi2Oで表される酸化リチウムを
式量比で9:1の割合で混合した。この混合物をジルコ
ニア製坩堝中にいれ、窒素気流中950℃で3時間焼成
し、Li2.90.90.1で表される酸窒化リチウムを得
た。
【0031】このようにして得た酸窒化リチウムに、導
電材としてアセチレンブラックを5wt%混合し、さら
に結着剤としてフッ素樹脂(PTFE)1wt%を混合
し、これら混合物100mgを銅製のエクスパンデッド
ネット(集電体)が中心となるよう厚さ1mm、1cm
角の電極にプレス機を用いて加圧成形を行い、リチウム
二次電池の負極とした。
【0032】一方、正極の活物質としては、コバルト酸
リチウム(LiCoO2)を用いた。正極活物質である
コバルト酸リチウムは、酸化コバルトと、炭酸リチウム
を式量比で2:1の割合となるように混合し、大気中7
00℃で焼成することで合成した。
【0033】このようにして得たコバルト酸リチウム
に、上記と同様に導電材として繊維状黒鉛、結着剤とし
てPTFEを混合し、この正極混合物1000mgをハ
イクロムステンレスメッシュ(集電体)が中心となるよ
う厚さ1mm,1cm角の電極に加圧成形して正極とし
た。
【0034】電解質には、プロピレンカーボネート(P
C)にジメトキシエタン(DME)を容量比で1:1の
比率で混合した混合溶媒に6フッ化リチウムリン(Li
PF 6)を1.0Mの濃度となるよう溶解したものを用
いた。
【0035】これらの正極、負極および電解質を用い、
セパレータとしては厚さ50μmのポリプロピレン製ミ
クロ多孔質膜を用い、図1に示すような断面を持つリチ
ウム電池を構成した。
【0036】図1において、1は負極、2は集電体を兼
ね負極を保持するためのニッケルメッシュ、3はセパレ
ータ、4は電解液、5は正極、6は集電体を兼ね正極を
保持するためのハイクロムステンレスメッシュ、7、8
はステンレス鋼製のケースであり、ガスケット9を介し
て封口し、試験電池を作製した。
【0037】なおこの電池は、負極材料として窒化リチ
ウムの特性を評価するために極端な負極容量規制の構成
とした。
【0038】また、比較のために上記のLi2.90.9
0.1で表される酸窒化リチウムに代えて、Li3Nで表さ
れる窒化リチウムを用い、同様の方法によりリチウム二
次電池を構成した。
【0039】このようにして得たリチウム二次電池を用
いて、500μAの電流密度で充放電サイクル試験を行
った。その結果、いずれのリチウム二次電池においても
850サイクルまで行った充放電サイクル試験でも充放
電曲線に変化はほとんどみられなかった。
【0040】また、この充放電試験により得られた電池
の充放電曲線を図2に示す。なお図中、Li2.90.9
0.1を用いた電池の充放電曲線を実線、Li3Nを用いた
ものを破線で表している。Li3Nを用いたものに比
べ、本発明によるLi2.90.90.1を用いたものの方
が、大きな電池容量をもつことがわかる。
【0041】以上のように、本実施例によると充放電サ
イクル特性に優れ、かつ容量の大きなリチウム二次電池
が得られることがわかった。
【0042】(実施例2)本実施例においては、アルカ
リ金属酸素族窒化物として硫化窒化リチウムを負極構成
材料として用いた以外は実施例1と同様にして電池を構
成した。
【0043】硫化窒化リチウムは、酸化リチウムに代え
硫化リチウムを用いた以外は、実施例1と同様の方法で
合成した。
【0044】このようにして作成したリチウム二次電池
を実施例1と同様の充放電サイクル試験を行ったとこ
ろ、650サイクルまで行った充放電サイクル試験でも
充放電曲線に大きな変化はみられなかった。
【0045】以上のように、本実施例によると充放電サ
イクル特性に優れたリチウム二次電池が得られることが
わかった。
【0046】(実施例3)本実施例においては、アルカ
リ金属酸窒化物として酸窒化ナトリウムを負極構成材料
として用いた以外は実施例1と同様にして電池を構成し
た。
【0047】酸窒化ナトリウムは、酸化リチウムに代え
て酸化ナトリウムを用い、窒化リチウムに代えて窒化ナ
トリウムを用いた以外は、実施例1と同様の方法で合成
した。
【0048】このようにして作成したリチウム二次電池
を実施例1と同様の充放電サイクル試験を行ったとこ
ろ、650サイクルまで行った充放電サイクル試験でも
充放電曲線に大きな変化はみられなかった。
【0049】また、比較のために酸窒化ナトリウムに代
えて窒化ナトリウムを用い、同様にリチウム二次電池を
構成し、充放電サイクル試験を行いその放電容量を比較
したところ、酸窒化ナトリウムを用いたリチウム二次電
池の方が大きな電池容量を示した。
【0050】以上の例によると充放電サイクル特性に優
れ、かつ容量も大きなリチウム二次電池が得られること
がわかった。
【0051】(実施例4)本実施例においては、アルカ
リ土類金属窒化物として酸窒化マグネシウムを負極構成
材料として用いた以外は実施例1と同様にして電池を構
成した。
【0052】このようにして作成したリチウム二次電池
を実施例1と同様の充放電サイクル試験を行ったとこ
ろ、550サイクルまで行った充放電サイクル試験でも
充放電曲線に大きな変化はみられなかった。
【0053】また、比較のために酸窒化マグネシウムに
代えて窒化マグネシウムを用い、同様にリチウム二次電
池を構成し、充放電サイクル試験を行いその放電容量を
比較したところ、酸窒化マグネシウムを用いたリチウム
二次電池の方が大きな電池容量を示した。
【0054】以上の例によると充放電サイクル特性に優
れ、かつ容量の大きなリチウム二次電池が得られること
がわかった。
【0055】(実施例5)本実施例においては、アルカ
リ土類金属酸窒化物として酸窒化カルシウムを負極構成
材料として用いた以外は実施例1と同様にして電池を構
成した。
【0056】このようにして作成したリチウム二次電池
を実施例1と同様の充放電サイクル試験を行ったとこ
ろ、650サイクルまで行った充放電サイクル試験でも
充放電曲線に大きな変化はみられなかった。
【0057】また、比較のために酸窒化カルシウムに代
えて窒化カルシウムを用い、同様にリチウム二次電池を
構成し、充放電サイクル試験を行いその放電容量を比較
したところ、酸窒化カルシウムを用いたリチウム二次電
池の方が大きな電池容量を示した。
【0058】以上の例によると充放電サイクル特性に優
れ、かつ容量の大きなリチウム二次電池が得られること
がわかった。
【0059】(実施例6)本実施例においては、金属酸
窒化物として酸窒化銅を負極構成材料として用いた以外
は実施例1と同様にして電池を構成した。
【0060】このようにして作成したリチウム二次電池
を実施例1と同様の充放電サイクル試験を行ったとこ
ろ、650サイクルまで行った充放電サイクル試験でも
充放電曲線に大きな変化はみられなかった。
【0061】また、比較のために酸窒化銅に代えて窒化
銅を用い、同様にリチウム二次電池を構成して充放電サ
イクル試験を行いその放電容量を比較したところ、酸窒
化銅を用いたリチウム二次電池の方が大きな電池容量を
示した。
【0062】以上の例によると充放電サイクル特性に優
れ、かつ容量の大きなリチウム二次電池が得られること
がわかった。
【0063】(実施例7)本実施例においては、金属酸
窒化物として酸窒化亜鉛を負極構成材料として用いた以
外は実施例1と同様にして電池を構成した。
【0064】このようにして作成したリチウム二次電池
を実施例1と同様の充放電サイクル試験を行ったとこ
ろ、650サイクルまで行った充放電サイクル試験でも
充放電曲線に大きな変化はみられなかった。
【0065】また、比較のために酸窒化亜鉛に代えて窒
化亜鉛を用い、同様にリチウム二次電池を構成して充放
電サイクル試験を行いその放電容量を比較したところ、
酸窒化亜鉛を用いたリチウム二次電池の方が大きな電池
容量を示した。
【0066】以上の例によると充放電サイクル特性に優
れ、かつ容量の大きなリチウム二次電池が得られること
がわかった。
【0067】(実施例8)本実施例においては、実施例
1と同様の方法で合成したLi2.50.50.6で表され
る酸窒化リチウムを正極構成材料として用い、負極活物
質として厚さ0.1mmの金属リチウム箔を用いた以外
は、実施例1と同様にリチウム二次電池を構成した。な
おこの電池においては、酸窒化リチウムの特性を明らか
にするために、極端な正極容量規制の構成とした。
【0068】このようにして作成したリチウム二次電池
を充放電範囲を3V〜0Vとした以外は実施例1と同様
の充放電サイクル試験を行ったところ、650サイクル
まで行った充放電サイクル試験でも充放電曲線に大きな
変化はみられなかった。
【0069】また、比較のために酸窒化リチウムに代え
て窒化リチウムを用い、同様にリチウム二次電池を構成
して充放電サイクル試験を行いその放電容量を比較した
ところ、酸窒化ナトリウムを用いたリチウム二次電池の
方が大きな電池容量を示した。
【0070】以上の例によると充放電サイクル特性に優
れ、かつ容量の大きなリチウム二次電池が得られること
がわかった。
【0071】(実施例9)本実施例においては、正極材
料、負極材料ともに金属酸素族窒化物を用い、リチウム
二次電池を構成した例について説明する。
【0072】正極構成材料として実施例8で得た酸窒化
リチウムを用い、負極材料としては実施例1で得た酸窒
化リチウムを用いた。
【0073】このようにして作成したリチウム二次電池
を充放電範囲を3V〜0Vとした以外は実施例1と同様
の充放電サイクル試験を行ったところ、500サイクル
まで行った充放電サイクル試験でも充放電曲線に大きな
変化はみられなかった。
【0074】また、比較のために負極構成材料として酸
窒化リチウムに代えて窒化リチウムを用いて同様にリチ
ウム二次電池を構成し、充放電サイクル試験を行いその
放電容量を比較したところ、酸窒化ナトリウムを用いた
リチウム二次電池の方が大きな電池容量を示した。
【0075】以上のように、本実施例によると充放電サ
イクル特性に優れ、かつ容量の大きなリチウム二次電池
が得られることがわかった。
【0076】(実施例10)本実施例においては、実施
例1と同様にアルカリ金属酸窒化物として実施例1で得
た酸窒化リチウムを負極構成材料として用い、電解質と
してリチウムイオン導電性固体電解質を行い、電気化学
素子として全固体リチウム二次電池を構成した例につい
て説明を行う。
【0077】電解質としては、以下の方法で合成した非
晶質リチウムイオン導電性固体電解質を用いた。すなわ
ちLi2SとSiS2を式量比で3:2の割合に混合し、
Ar気流中で溶融した。この融液を液体窒素中に注ぎ込
んで急冷し、0.6Li2S−0.4SiS2で表される
非晶質リチウムイオン導電性固体電解質を合成した。
【0078】このようにして得た酸窒化リチウムに、導
電材として繊維状黒鉛を5wt%混合し、さらに上記で
得た固体電解質50wt%を加え、全固体リチウム二次
電池の負極材料とした。リチウム二次電池の正極活物質
としては下記に示す方法によりリチウムイオンをインタ
ーカレートした二硫化チタンを用いた。
【0079】シクロヘキサンにより希釈したn−ブチル
リチウムに、市販試薬特級の二硫化チタンを浸漬し、二
硫化チタンにLiTiS2の化学式となるようリチウム
イオンをインターカレートした。
【0080】このようにして得たリチウムイオンをイン
ターカレートした二硫化チタンと上記の固体電解質を重
量比で1:1となるよう混合し、全固体リチウム二次電
池の正極材料とした。
【0081】これらの正極、負極および電解質を用い、
図3に示す断面構造をもつ全固体リチウム二次電池を構
成した。但し、図3において、10は正極であり、上記
の正極材料1000mgにより構成した。また、11は
負極であり、上記の負極材料100mgにより構成し
た。12は固体電解質層であり、全体を一体に加圧圧接
した後、リード端子13、14をカーボンペースト15
により接着し、全体をエポキシ系樹脂16により封止し
た。
【0082】このようにして得た全固体リチウム二次電
池を用いて、100μAの定電流で充放電サイクル試験
を行った。その結果、300サイクルまで行った充放電
サイクル試験でも充放電曲線に大きな変化はあらわれな
かった。
【0083】また、比較のために酸窒化リチウムに代え
て窒化リチウムを用いて同様の方法で全固体リチウム二
次電池を構成し充放電サイクル試験を行ったところ、酸
窒化リチウムを用いたものの方が大きな電池容量を示し
た。
【0084】以上のように、本実施例によると充放電サ
イクル特性に優れ、かつ容量の大きなリチウム二次電池
が得られることがわかった。
【0085】(実施例11)本実施例においては、電気
化学素子として電気化学表示素子を構成した例について
説明を行う。
【0086】本実施例により構成した電気化学表示素子
の断面図を図4に示す。表示極としては、酸化タングス
テンを用いた。これは、ガラス基板17上に透明電極と
してITO層18を電子ビーム蒸着法により形成し、さ
らに酸化タングステン層19をEB蒸着法により形成し
た。
【0087】一方、リード端子20をガラス半田21で
取り付けたガラスケース22中に、実施例1で得た酸窒
化リチウムの10mgに導電材としてカーボン5mg、
結着材としてPTFEを加えた合剤をステンレスメッシ
ュ23を中心に加圧成形して作製した対極24を入れ、
光反射板として多孔性セラミック板25、電解質26と
してプロピレンカーボネートに1MのLiClO4を溶
解させたものを充填し、紫外線硬化樹脂27で封止し
た。
【0088】この電気化学表示素子を用いて、+3.5
V(200msec),+1.5V(200msec)
のパルス電圧印加による着色・消色の作動サイクル試験
を行った。その結果、1.3×105サイクルまで行っ
た着色・消色サイクルにおいても素子は安定に動作し
た。
【0089】以上の結果より、本発明によると作動サイ
クル特性に優れた電気化学表示素子が得られることがわ
かった。
【0090】(実施例12)本実施例においては、電気
化学素子として電気二重層コンデンサを構成した例につ
いて説明を行う。
【0091】電気二重層コンデンサには、両極に分極性
電極を用いた無極性のものと、一方の電極に分極性電極
を用い、他方には非分極性電極を用いた有極性のものが
ある。
【0092】本実施例においては、非分極性電極に酸窒
化リチウムを用いて有極性電気二重層コンデンサを構成
した。
【0093】非分極性電極に用いられる酸窒化リチウム
としては、実施例1で得たものを用いた。この窒化リチ
ウムに、実施例1と同様に導電材として繊維状黒鉛を5
wt%混合し、さらに結着材としてフッ素樹脂1wt%
を混合し、非分極性電極の電極材料とした。このように
して得た非分極性電極材料を100μmの厚みに圧延
し、18mmφの径に打ち抜いてハイクロムステンレス
メッシュに充填し、非分極性電極とした。
【0094】分極性電極には、高表面積な炭素材料を用
いた。高表面積炭素材料に結着材としてフッ素樹脂を3
wt%加えて混練後、1mmの厚みに圧延し、同様に1
8mmφの径に打ち抜いてハイクロムステンレスメッシ
ュに充填し、分極性電極とした。
【0095】上記で得た非分極性電極ならびに分極性電
極を用い、本実施例により構成した電気二重層コンデン
サの断面図を図5に示す。
【0096】図5において、28は非分極性電極、29
は集電体を兼ね非分極性電極を保持するためのハイクロ
ムステンレスメッシュ、30は厚さ100μmのセパレ
ータ、31は電解液、32は分極性電極、33は集電体
を兼ね分極性電極を保持するためのハイクロムステンレ
スメッシュ、34、35はステンレス鋼製のケースであ
り、ガスケット36を介して封口し、電気二重層コンデ
ンサを作製した。
【0097】このようにして得た電気二重層コンデンサ
を用い、10mAの電流値で0V〜+3Vの電圧範囲で
定電流充放電を行った。その結果、10000サイクル
経過後も充放電曲線に変化はみられなかった。
【0098】以上の結果より、本発明によると作動サイ
クル特性に優れた電気二重層コンデンサが得られること
がわかった。
【0099】なお、本発明の実施例においては、金属酸
素族窒化物を形成する金属元素としてLi,Na等のア
ルカリ金属あるいはCa,Mg等のアルカリ土類金属、
更に銅,亜鉛等の一般的な金属についてのみ説明を行っ
たが、実施例には挙げなかったV,Nb,Fe,Ti,
Cr,Ni等の金属元素の酸素族窒化物等を用いた場合
も同様の効果が得られることはいうまでもなく、本発明
は金属酸素族窒化物単独もしくはこれら材料を主体とし
た化合物に適用できる事は当然で、実施例に挙げたもの
に限定されるものではない。
【0100】また、本発明の実施例においては、リチウ
ム二次電池、全固体リチウム二次電池、電気化学表示素
子、電気二重層コンデンサのみについて説明を行った
が、その他イオンセンサ等の電気化学素子についても適
用でき、上記の各実施例に示した電気化学素子に限定さ
れるものではない。
【0101】また、電気化学表示素子、電気二重層コン
デンサについては、金属酸窒化物に対して用いられるも
う一方の電極、すなわち電気化学表示素子においては表
示極である酸化タングステン電極、電気二重層コンデン
サにおいては分極性電極である炭素電極の方が容量が小
さなものであるため、金属酸化物に対して金属酸窒化物
を用いた場合に、容量が大きくなる利点が顕著にはあら
われなかったが、本発明におけるリチウム二次電池を構
成した実施例より推量すると、電気化学表示素子におけ
る対極、電気二重層コンデンサにおける分極性電極が容
量の大きなものになっていることは明かである。
【0102】
【発明の効果】金属酸素族窒化物もしくは金属酸素族窒
化物を主体とした化合物を電極構成材料として用いるこ
とにより、作動の繰り返し特性に優れ、高容量の電気化
学素子を得ることができた。
【0103】さらに、金属酸素族窒化物もしくは金属酸
素族窒化物を主体とした化合物としては、金属酸窒化物
もしくは金属酸窒化物を主体としてなる化合物を用いる
のがよい。
【0104】さらに、金属酸窒化物もしくは金属酸窒化
物を主体としてなる化合物の金属としては、アルカリ金
属もしくはアルカリ土類金属を用いることにより、作動
の繰り返し特性に優れ、高容量の電気化学素子を得るこ
とができた。
【0105】さらにまた、金属酸窒化物としてリチウム
酸窒化物を用いることにより、作動の繰り返し特性に優
れ、高容量の電気化学素子を得ることができた。
【0106】また、電気化学素子としてリチウム電池を
構成することにより、サイクル特性に優れ、かつ高容量
のリチウム電池を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるリチウム二次電池の
断面図
【図2】本発明の一実施例にならびに比較例におけるリ
チウム二次電池の充放電曲線図
【図3】本発明の一実施例における全固体リチウム二次
電池の断面図
【図4】本発明の一実施例における電気化学表示素子の
断面図
【図5】本発明の一実施例における電気二重層コンデン
サの断面図
【符号の説明】
1 負極 2 負極集電体 3 セパレータ 4 電解液 5 正極 6 正極集電体 7 電槽 8 電槽 9 ガスケット 10 正極 11 負極 12 固体電解質層 13 リード端子 14 リード端子 15 カーボンペースト 16 樹脂封止 17 ガラス基板 18 透明電極 19 酸化タングステン層 20 リード端子 21 ガラス半田 22 ガラスケース 23 ステンレスメッシュ 24 対極 25 反射板 26 電解質 27 紫外線硬化樹脂封止 28 非分極性電極 29 集電体 30 セパレータ 31 電解液 32 分極性電極 33 集電体 34 電槽 35 電槽 36 ガスケット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一対の電極と、これらの電極に
    接触した電解質を備えた電気化学素子において、前記一
    対の電極の少なくとも一方の極には、金属酸素族窒化物
    もしくは金属酸素族窒化物を主体としてなる化合物を電
    極構成材料として用いたことを特徴とする電気化学素
    子。
  2. 【請求項2】金属酸素族窒化物もしくは金属酸素族窒化
    物を主体とした化合物が、金属酸窒化物もしくは金属酸
    窒化物を主体としてなる化合物である請求項1記載の電
    気化学素子。
  3. 【請求項3】金属酸窒化物もしくは金属酸窒化物を主体
    としてなる化合物の金属が、アルカリ金属もしくはアル
    カリ土類金属である請求項2記載の電気化学素子。
  4. 【請求項4】金属酸窒化物が、リチウム酸窒化物である
    請求項2または請求項3記載の電気化学素子。
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電
    気化学素子で構成されたリチウム電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007052959A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウムイオン二次電池用負極およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2014143194A (ja) * 2012-12-26 2014-08-07 Showa Denko Kk マグネシウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法並びにマグネシウムイオン二次電池
US11335949B2 (en) 2015-08-14 2022-05-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Battery including a sulfide barrier coating

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