JPH0728262A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH0728262A
JPH0728262A JP19385093A JP19385093A JPH0728262A JP H0728262 A JPH0728262 A JP H0728262A JP 19385093 A JP19385093 A JP 19385093A JP 19385093 A JP19385093 A JP 19385093A JP H0728262 A JPH0728262 A JP H0728262A
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JP
Japan
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photosensitive member
electrophotographic photosensitive
conductive substrate
gas
photoconductive layer
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JP19385093A
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English (en)
Inventor
Goji Ota
剛司 大田
Shigeru Yagi
茂 八木
Masahito Ono
雅人 小野
Taketoshi Azuma
武敏 東
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長寿命で高品質画像の得られる電子写真感光
体の製造方法を提供する。 【構成】 表面粗さがRmax :0.01〜2.0μmに
研磨されたステンレス鋼導電性基体を、水素、ヘリウ
ム、ネオン、アルゴン、クリプトンおよびキセノンから
選択された少なくとも一種のガスを含む雰囲気中で高周
波電界にてグロー放電をさせて表面処理を行った後、ア
モルファスシリコンを主体とする光導電層を形成させ
る。 【効果】 光導電層の剥離がなく、画像欠陥のコピーが
長期間得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法に使用され
る感光体の製造方法、特に導電性基体としてステンレス
鋼を使用した長寿命で高品質の画像が得られる電子写真
感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真感光体には、その複写工
程中、つまり帯電、露光、現像、転写、除電、クリーニ
ングの各工程中に各種の傷や摩耗が発生する。これは、
電子写真感光体の寿命を決定する最大の要因である。し
たがって、長寿命の電子写真感光体を得るためには、そ
の感光体表面に保護層を設けたり、または硬度の高いア
モルファスシリコン感光体を用いることが提案されてい
る。ところが、従来提案されている電子写真感光体を複
写機やプリンターに装着した場合、複写工程中の紙づま
りにより発生するトナー、キャリア、またはその他の異
物との摺動による傷の発生を避けることがでない。した
がって、電子写真感光体の長寿命化を図るためには、上
記のような事故に十分耐えることが必要である。事故に
より発生した傷は、例えば、クラック、ひび割れ等が光
導電層のみならず、導電性基体まで達する場合もある。
これら傷の発生機構は十分明らかにされていないが、光
導電層の強度不足や導電性基体として用いられているア
ルミニウム製基体の強度不足が原因となっている場合が
多い(特開昭61−159544号公報、特開昭61−
9547号公報および特開昭62−142740号公報
参照)。
【0003】したがって、その改善策として、アルミニ
ウム製基体の代わりに、硬度の高いステンレス鋼からな
る導電性基体上に高硬度なアモルファスシリコンを主体
とする光導電層を形成する方法が考えられる。しかしな
がら、実際にステンレス鋼からなる導電性基体上にアモ
ルファスシリコンを主体とする光導電層を形成すると、
厚さ3〜10μm程度を境として、前記アモルファスシ
リコンを主体とする光導電層が剥離するという問題があ
った。また、特開昭57−201769号公報および特
開昭61−26051号公報には、導電性基体表面をプ
ラズマエッチングすることが記載されているが、この場
合、導電性基体表面の凹凸に起因して画像欠陥が発生す
る場合があるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題点を解消し、ステンレス鋼か
らなる導電性基体上にアモルファスシリコンを主体とす
る光導電層を安定に形成する製造方法を提供し、長寿命
化を達成できる電子写真感光体を提供することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者等は試行錯誤の実験を繰り返した結果、ア
モルファスシリコンを主体とする光導電層の安定な形成
は、ステンレス鋼からなる導電性基体の表面状態に依存
することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、具体的には、前記光導電層が表面状態の良い研磨し
たステンレス鋼からなる導電性基体上では剥離するが、
表面が凸凹なステンレス鋼からなる導電性基体には安定
に着膜し、そしてその場合、導電性基体の表面粗さが、
画像欠陥の発生に関係することを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0006】本発明の電子写真感光体の製造方法は、表
面粗さがRmax :0.01〜2.0μmで研磨されたス
テンレス鋼からなる導電性基体を真空反応槽内に収容
し、この導電性基体上にアモルファスシリコンを主体と
する光導電層を形成するに際して、該光導電層の形成に
先立って、真空反応槽内に水素、ヘリウム、ネオン、ア
ルゴン、クリプトンおよびキセノンから選択された少な
くとも一種のガスを導入し、高周波電界によりグロー放
電を発生させて、前記基体表面をプラズマ処理すること
を特徴とする。
【0007】本発明の構成と作用を図面を参照しながら
詳細に説明する。図1〜図3は、本発明の電子写真感光
体の層構成を説明するための模式的断面図である。図1
は、ステンレス鋼からなる導電性基体1上にアモルファ
スシリコンを主体とする光導電層2および表面層3を積
層した層構成を有するものを示す。図2は、ステンレス
鋼からなる導電性基体1とアモルファスシリコンを主体
とする光導電層2の間に中間層4を挿入し、表面層3が
設けられた層構成を有するものを示す。図3は、ステン
レス鋼からなる導電性基体1と中間層4との間に補助層
5が挿入され、光導電層上には電荷捕獲層6を設け、表
面保護層3が積層された層構成を有するものを示す。
【0008】図4は、本発明を実施するために使用する
プラズマCVD装置の概略図である。図中、11は真空
反応槽であり、その中に、モーター18により回転する
円筒状の感光体ドラム保持部材12を配置し、一方、複
数のガス噴出孔16を設けた剛性の金属からなる中空対
向電極13を感光体ドラム保持部材上のドラム状基体に
対向して、それを取り囲むように設置する。中空対向電
極13は高周波電源19によって高周波電圧が印加され
ている。真空反応槽内部は、排気系17aおよび17b
により真空に排気され、原料ガスがその供給源14から
ガス導入管15により導入され、ガス噴出孔から噴出す
るように構成されている。なお、17aは初期排気およ
びエッチングガス用の排気系であり、17bはグロー放
電処理に際しての実ガス用の排気系である。20はCF
4 +酸素ガス供給源である。
【0009】本発明において、導電性基体はステンレス
鋼により構成される。一般にステンレス鋼はクロムを約
12%以上含有する合金鋼の総称で、組織上からマルテ
ンサイト系、フェライト系、オーステナイト系に大別さ
れる。中でも加工性に富むオーステナイト系ステンレス
鋼からなる基体が好ましい。導電性基体は、磁性であっ
ても、非磁性であってもよい。また、その表面に少なく
ともモリブデン、クロム、マンガン、タングステン、ま
たはチタンを主成分とする導電層が形成されたものも使
用できる。これらステンレス鋼からなる導電性基体の表
面は、バーチカル研磨等で研磨されていてもよい。本発
明においては、上記導電性基体は、その表面粗さが、R
max :0.01〜2.0μmの範囲にあることが必要で
あるが、Rmax :0.02〜1.0μm程度が好まし
く、特にRmax :0.03〜0.10μm程度が好まし
い。表面粗さがRmax :0.01μm未満の場合は、光
導電層の接着性が十分でなく剥離が発生し易くなる。ま
た、Rmax :2.0μmを超えると、画像に影響が出て
くることになる。
【0010】本発明では、光導電層の形成に先立って、
上記のステンレス鋼からなる導電性基体を、高周波グロ
ー放電下でプラズマ処理し、表面状態の改善を行う。使
用するガスとしては、水素、ヘリウム、ネオン、アルゴ
ン、クリプトン、キセノン等を挙げることができる。こ
れらのガスは、単独でも、また2種以上混合して用いて
もよい。作業時の取扱い易さから水素およびアルゴンが
好ましい。グロー放電の条件として、例えば、周波数5
0〜40MHz、高周波電力10〜1000W、基体表
面温度30〜300℃、圧力1.3〜1333Pa(1
-2〜10torr)の範囲が採用できる。
【0011】次いで、上記のように処理された導電性基
体の上に、光導電層が形成される。本発明において、光
導電層は、アモルファスシリコンを主体し、水素または
ハロゲン原子を含有し、第III 族元素、第V族元素、窒
素および酸素から選択した少なくとも1種を含有する。
この光導電層の形成にはけい素原子を含む主原料ガス
と、必要な添加原子を含む原料ガスとの混合ガスを用い
る。場合によって、この混合ガス中に、水素ガスまたは
不活性ガス等のキャリアガスを混合してもよい。けい素
原子供給用の主原料ガスとしては、SiH4 、Si2
6 またはSi3 8 等の水素化けい素、SiF4 、Si
2 6 またはSiCl4 等のハロゲン化けい素等を挙げ
ることができる。必要な添加物原子を含む原料として
は、常温でボロンを含む気体、液体または固体、典型的
にはB2 6 や、常温で燐を含む気体、液体または固
体、典型的にはPH3 等を挙げることができ、液状また
は固状のものは気化して使用する。光導電層の膜厚は1
0〜60μmの範囲が望ましい。
【0012】本発明の電子写真感光体においては、中間
層を設けてもよいが、中間層は水素またはハロゲンを含
有し、第III 族元素、第V族元素、窒素、炭素および酸
素から選択された少なくとも1種を含有するアモルファ
スシリコンを主体とするa−SiN、a−SiC
a−SiO等より形成することができる。x、y、z
はそれぞれ0.01<x<0.5、0.01<y<0.
5、0.01<z<0.5の範囲が望ましい。a−Si
を形成するには、けい素原子を含む原料ガスと窒素
原子を含む原料ガスの混合ガスが用いられる。場合によ
っては、この混合ガス中に水素ガスまたは不活性ガス等
のキャリアガスを混合してもよい。けい素原子供給用の
原料ガスとして、SiH4 、Si2 6 またはSi3
8 等の水素化けい素、SiF4、Si2 6 またはSi
Cl4 等のハロゲン化けい素等を挙げることができる。
窒素原子供給用原料ガスとしては、N2 、NH3 等を代
表として挙げることができる。また、第III 族または第
V族の原子を含む原料ガスを上記混合ガス中に混合して
もよい。第III 族の原子を添加する場合、常温でボロン
を含む気体、液体または固体、典型的にはB2 6 を挙
げることができる。第V族の原子を添加する場合、常温
で燐を含む気体、液体または固体、典型的にはPH3
を挙げることができる。液状または固状のものは気化し
て使用する。
【0013】a−SiCを形成するには、けい素原子
を含む原料ガスと炭素原子を含む原料ガスの混合ガスが
用いられる。場合によって、この混合ガス中に、第III
族または第V族元素を含む原料ガスや水素ガスまたは不
活性ガス等のキャリアガスを少なくとも一つ混合しても
よい。けい素原子供給用の主原料ガスとしては、SiH
4 、Si2 6 またはSi3 8 等の水素化けい素、S
iF4 、Si2 6 またはSiCl4 等のハロゲン化け
い素等を挙げることができる。炭素原子の原料として
は、CF4 等の炭化フッ素、メタン等のパラフィン系炭
化水素、エチレン等のオレフィン系炭化水素、アセチレ
ン等のアセチレン系炭化水素等の脂肪族炭化水素、シク
ロプロパン等の脂肪族環式炭化水素、ベンゼン等の芳香
族炭化水素、またはそれらの置換体が挙げられる。これ
らの炭化水素化合物は、枝分かれ構造であってもよく、
また、ハロゲン置換体であってもよい。これら原料は、
常温で気体、液体または固体のいずれの場合でもよい。
液状、固状のものは、気化して用いる。第III 族の原子
を添加する場合、常温でボロンを含む気体、液体または
固体、典型的にはB2 6 を挙げることができる。第V
族の原子を添加する場合、常温で燐を含む気体、液体ま
たは固体、典型的にはPH3 等を挙げることができる。
液状または固状のものは気化して使用する。
【0014】a−SiOを形成するには、けい素原子
を含む原料ガスと酸素原子を含む原料ガスの混合ガスが
用いられる。場合によっては、この混合ガス中に水素ガ
スまたは不活性ガス等のキャリアガスを混合してもよ
い。けい素原子供給用の原料ガスとして、SiH4 、S
2 6 またはSi3 8 等の水素化けい素、Si
4、Si2 6 またはSiCl4 等のハロゲン化けい
素等を挙げることができる。酸素原子供給用の原料ガス
としては、O2 、O3 、CO、CO2 、NO、NO2
を代表として挙げることができる。また、第III 族また
は第V族の原子を含む原料ガスを上記混合ガス中に混合
してもよい。第III 族の原子を添加する場合、常温でボ
ロンを含む気体、液体または固体、典型的にはB2 6
を挙げることができる。第V族の原子を添加する場合、
常温で燐を含む気体、液体または固体、典型的にはPH
3 等を挙げることができる。液状または固状のものは気
化して使用する。
【0015】また、水素またはハロゲンを含有し、第II
I 族または第V族元素を含有するアモルファスカーボン
よりなる中間層を形成してもよい。アモルファスカーボ
ン膜を形成するには、炭素原子を含む原料ガスの中に水
素ガスまたは不活性ガス等のキャリアガスを少なくとも
一つ以上混合してもよい。場合によって、第III 族また
は第V族元素、窒素、酸素を含有する原料ガスを少なく
とも一つ以上添加してもよい。炭素原子供給用原料とし
ては、CF4 等の炭化フッ素、メタン等のパラフィン系
炭化水素、エチレン等のオレフィン系炭化水素、アセチ
レン等のアセチレン系炭化水素等の脂肪族炭化水素、シ
クロプロパン等の脂肪族環式炭化水素、ベンゼン等の芳
香族炭化水素、またはそれらの置換体が挙げられる。こ
れらの炭化水素化合物は、枝分かれ構造であってもよ
く、また、ハロゲン置換体であってもよい。これら原料
は、常温で気体、液体または固体のいずれの場合でもよ
い。液状、固状のものは、気化して用いる。第III 族の
原子を添加する場合、常温でボロンを含む気体、液体ま
たは固体、典型的にはB2 6 を挙げることができる。
第V族の原子を添加する場合、常温で燐を含む気体、液
体または固体、典型的にはPH3 等を挙げることができ
る。これらは液状または固状のものは気化して使用す
る。窒素、酸素を添加する場合、窒素原子供給用原料ガ
スとしては、N2、NH3 等を代表として挙げることが
でき、酸素原子の原料ガスとしては、O2、O3 、C
O、CO2 、NO、NO2 等を代表として挙げることが
できる。以上のような中間層を形成する際の条件は、周
波数50Hz〜40MHz、反応器内圧力1.3〜13
33Pa(10-2〜10torr)、放電電力10〜1
000W、また基体温度は30〜300℃の範囲が好ま
しい。成膜時間は、成膜速度により適度に調整すること
ができ、膜厚0.01〜3μmの範囲になるようにする
のが好ましい。
【0016】本発明の電子写真感光体においては、表面
層を形成してもよい。表面層は、水素またはハロゲンを
含有し、第III 族または第V族元素、窒素、酸素および
炭素から選択された少なくとも一種を含有するアモルフ
ァスシリコンを主体とするa−SiN、a−Si
、a−SiO等より構成させることができる。
x、y、zはそれぞれ0.01<x<0.7、0.01
<y<0.7、0.01<z<0.7の範囲が望まし
い。これら層は単層であっても、幾層にも積層されたも
のであってもかまわない。また、これらは純水の水滴に
よる接触角が60゜以上であるのが好ましく、特に80
゜以上であるのがより好ましい。表面硬度は、ビッカー
ス硬度で500kg/mm2 以上であるのが望ましく、
1000kg/mm2 以上であるのがより望ましい。
【0017】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。 実施例1 非磁性のオーステナイトステンレス鋼からなる導電性基
体(Rmax :0.03μm)上に中間層、光導電層、表
面層の3層からなる負帯電性電子写真感光体を作製し
た。すなわち、フロン溶剤で洗浄処理した円筒状ステン
レス鋼基体を容量結合型高周波(13.56MHz)プ
ラズマCVD装置の真空反応槽にセットした後、真空に
排気する。続いて、N2 をガス流量100cm3 /mi
nの速度で導入し、円筒状ステンレス鋼基体を250℃
に加熱した。この時、真空反応槽内は66.7Pa
(0.5torr)に保持した。続いて、真空反応槽を
1.3×10-4Pa(10-6torr)まで排気した
後、水素をガス流量100cm3 /minの速度で導入
し、高周波電力500Wで30分間グロー放電によるプ
ラズマ処理を行った。この際、真空反応槽内は66.7
Pa(0.5torr)に保持した。上記のように処理
した円筒状ステンレス鋼基体の表面粗さはRmax :0.
03μmであった。この円筒状ステンレス鋼基体上に、
常法により、膜厚約0.5μmの中間層、膜厚約20μ
mのアモルファスシリコンを主体とする光導電層および
膜厚約0.3μmの表面層を形成した。この時の作製条
件は表1に示す通りであった。
【0018】
【表1】 上記のようにして作製された電子写真感光体は、成膜中
に剥離するようなことはなく、形成された各層は、安定
に着膜していた。28℃/85%RHの環境下で50,
000枚のコピーを行って画像評価を行ったところ、コ
ピー画像上には画像欠陥等は認められなかった。
【0019】実施例2 非磁性のオーステナイトステンレス鋼からなる基体(R
max :0.03μm)上に、補助層、中間層、光導電
層、電荷捕獲層、表面層(3層の積層)の計7層からな
る正帯電電子写真感光体を作製した。すなわち、フロン
溶剤で洗浄処理した円筒状ステンレス鋼基体を、容量結
合型高周波(13.56MHz)プラズマCVD装置の
真空反応槽にセットした後、真空に排気した。続いて、
2 をガス流量100cm3 /minの速度で導入し、
円筒状ステンレス鋼基体を250℃に加熱した。この
時、真空反応槽内は66.7Pa(0.5torr)に
保持した。続いて、真空反応槽を1.3×10-4Pa
(10-6torr)まで排気した後、水素をガス流量1
00cm3 /minの速度で導入し、高周波電力500
Wで30分間グロー放電によるプラズマ処理を行った。
この時、真空反応槽内は66.7Pa(0.5tor
r)に保持した。上記のように処理した円筒状ステンレ
ス鋼基体の表面粗さはRmax :0.03μmであった。
この円筒状ステンレス鋼基体上に、常法により、膜厚約
0.5μmの補助層、膜厚約4μmの中間層、膜厚約2
0μmのアモルファスシリコンを主体とする光導電層、
膜厚約1μmの電荷捕獲層、膜厚0.1μmの第1表面
層、膜厚0.3μmの第2表面層および膜厚約0.2μ
mの第3表面層を形成した。この時の作製条件は表2に
示す通りであった。
【0020】
【表2】 上記のようにして作製された感光体は、成膜中に剥離す
るようなことはなく、形成された各層は、安定に着膜し
た。28℃/85%RHの環境下で50,000枚のコ
ピーを行って画像評価を行ったところ、コピー画像上に
は画像欠陥等は認められなかった。
【0021】比較例 水素プラズマによる基体表面処理の有無による着膜性に
ついて、実施例1および2と同一条件で、表面粗さのみ
異なる条件、つまりRmax :0.03、0.5、および
1.0μmの非磁性オーステナイトステンレス鋼からな
る導電性基体を使用して実験を行った。その結果、感光
体の層構成には全く関係なく、表3に示す結果が得られ
た。
【0022】
【表3】 以上の結果より、アモルファスシリコンを主体とする被
膜の着膜には、ステンレス鋼からなる導電性基体の表面
状態が関係することが分かった。そして、画像欠陥を生
じない程度に、前記導電性基体の表面粗さを改善するた
めには水素のプラズマ処理が有効であることが分かっ
た。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、アモル
ファスシリコンを主体とする光導電層を形成する前に、
特定の表面粗さを有するステンレス鋼からなる導電性基
体表面を、水素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプ
トンおよびキセノンから選択された少なくとも一種のガ
スを含む雰囲気内でプラズマ処理することにより、上記
導電性基体上にアモルファスシリコンを主体とする光導
電層を安定に形成でき、また、得られた電子写真感光体
は、長期間コピー操作を繰り返しても黒点等の画像欠陥
を生じることのない高品質なものであり、産業上極めて
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で製造された電子写真感光体の一実施
例の模式的断面図である。
【図2】 本発明で製造された電子写真感光体の他の実
施例の模式的断面図である。
【図3】 本発明で製造された電子写真感光体のさらに
他の実施例の模式的断面図である。
【図4】 本発明の実施に使用したプラズマCVD装置
の概略図である。
【符号の説明】
1…ステンレス鋼からなる導電性基体、2…光導電層、
3…表面層、4……中間層、5…補助層、6……電荷捕
獲層、11…真空反応槽、12…感光体ドラム保持部
材、13…中空対向電極、14…原料ガス供給源、15
…ガス導入管、16…ガス噴出孔、17a、17b…排
気系、18…モーター、19…高周波電源、20…CF
4 +酸素ガス供給源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 武敏 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面粗さがRmax :0.01〜2.0μ
    mのステンレス鋼からなる導電性基体を真空反応槽内に
    収容し、該導電性基体上にアモルファスシリコンを主体
    とする光導電層を形成するに際して、該光導電層の形成
    に先立って、真空反応槽内に水素、ヘリウム、ネオン、
    アルゴン、クリプトンおよびキセノンから選択された少
    なくとも一種のガスを導入し、高周波電界によりグロー
    放電を発生させて、前記基体表面をプラズマ処理するこ
    とを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性基体が、その表面に少なくともモ
    リブデン、クロム、マンガン、タングステン、またはチ
    タンを主成分とする導電層を有する請求項1記載の電子
    写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 導電性基体がオーステナイト系ステンレ
    ス鋼からなるものである請求項1または2に記載の電子
    写真感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 光導電層が水素またはハロゲン原子を含
    有し、第III 族元素、第V族元素、窒素および酸素から
    選択された少なくとも1種を含有する請求項1ないし3
    のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 導電性基体と光導電層の間に中間層が設
    けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の電子
    写真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 中間層が水素またはハロゲンを含有し、
    第III 族元素、第V族元素、窒素、酸素および炭素から
    選択された少なくとも1種を含有するアモルファスシリ
    コンを主体とする層からなる請求項5記載の電子写真感
    光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 中間層が水素またはハロゲンを含有し、
    第III 族元素、第V族元素、窒素および酸素から選択さ
    れた少なくとも1種を含有するアモルファスカーボンか
    らなる請求項5記載の電子写真感光体の製造方法。
JP19385093A 1993-07-12 1993-07-12 電子写真感光体の製造方法 Pending JPH0728262A (ja)

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