JPH0728224U - プロペラシャフトのセンターベアリング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 雰囲気温度の変化にかかわらず、常時安定し
た振動吸収特性を得る。 【構成】 プロペラシャフトを支持する玉軸受２をゴム
弾性体３を介して車体に取り付ける。玉軸受２の外輪２
ａにリテーナ５を介して金属製梁部材７を取り付け、金
属製梁部材７に質量体８を固着する。金属製梁部材７と
質量体８とによってダイナミックダンパ４を構成する。
金属製梁部材７は温度変化の影響を受けにくいため、ダ
イナミックダンパ４の振動吸収特性は雰囲気温度が変化
してもほとんど変動しない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プロペラシャフトの略中央部を自動車の車体側に支持させるセンタ ーベアリングに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、３継手形、乃至、４継手形のプロペラシャフトは、回転に伴う中間軸 部分の振動を抑えるために、その略中央部がセンターベアリングを介して車体側 に支持されている。

【０００３】 ところで、このセンターベアリングは、振動し易いプロペラシャフトの略中央 部を車体側に支持させるものであるため、振動低減のための機構を持たせて可及 的に車体側への振動入力を抑える必要がある。このため、これに対処するものと して、従来、例えば実開平４−２５０２６号公報に示されるようなものが案出さ れている。

【０００４】 このセンターベアリングは、玉軸受等から成るベアリング本体が車体側にゴム 弾性体を介して弾性的に取り付けられると共に、ベアリング本体の外輪に、ダイ ナミックダンパを構成するゴム弾性体と環状の質量体とが設けられ、プロペラシ ャフトの所定周波数域の振動をダイナミックダンパの動的吸振作用によって低減 するようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記従来のセンターベアリングは、ダイナミックダンパを構成する 弾性体がゴム製であるため、雰囲気温度の変化によってばね定数が変化し、それ に伴って振動吸収特性が変動し易いという不具合がある。

【０００６】 そこで本考案は、雰囲気温度の変化の影響を受けることなく常時ほぼ安定した 振動低減効果を得ることのできるプロペラシャフトのセンターベアリングを提供 しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上述した課題を解決するための手段として、プロペラシャフトを回転 可能に支持するベアリング本体が車体に支持されると共に、前記ベアリング本体 の外輪に、ダイナミックダンパを構成する弾性体と質量体とが設けられて成るプ ロペラシャフトのセンターベアリングにおいて、前記弾性体を金属製梁部材によ って構成するようにした。

【０００８】

【作用】

金属製梁部材の特性上、弾性体のばね定数は温度変化による影響を受けにくい 。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の一実施例を図１，図２に基づいて説明する。

【００１０】 図面において、１は、本考案にかかるセンターベアリングである。このセンタ ーベアリング１は、プロペラシャフト（図示せず。）に嵌着されるベアリング本 体としての玉軸受２と、車体取付用ブラケット（図示せず。）とこの玉軸受２の 外輪２ａ側とを弾性的に連結するゴム弾性体３と、プロペラシャフトの所定周波 数域の上下振動を吸収するダイナミックダンパ４とを備えている。ゴム弾性体３ は、径方向に沿ってＵ字状に湾曲する断面形状に形成されており、その径方向内 側と外側の各端部には夫々環状のリテーナ５，６が加硫接着されていて、内側の リテーナ５は玉軸受２の外輪２ａに、外側のリテーナ６は車体取付用ブラケット に夫々嵌着固定されている。

【００１１】 また、前記内側のリテーナ５には、プロペラシャフトの軸方向に延びる延出部 ５ａが形成されていて、この延出部５ａの外周の略上半部に所定弾性を持つ金属 製梁部材７が接合されている。この金属製梁部材７の両端は略水平方向に延出し 、この略水平部７ａ，７ｂの先端下面に質量体８が固着されている。金属製梁部 材７は質量体８を玉軸受２の外輪２ａに弾性的に支持させる弾性体であって、質 量体８と共に本考案におけるダイナミックダンパ４を構成している。このダイナ ミックダンパ４はダンパ系の固有振動数をプロペラシャフトの吸収対象とする振 動周波数に合致させてある。

【００１２】 ここで、このダンパ系の固有振動数ｆ_nは下式によって表すことができるため 、この式を基に質量体８の質量ｍと金属製梁部材７の寸法及び材質を適宜設定す れば良い。

【００１３】

【数１】

【００１４】 このセンターベアリング１は以上のような構成であるため、プロペラシャフト から車体に伝達される振動をゴム弾性体３の吸振減衰作用によって低減し、プロ ペラシャフトの所定周波数域の振動をダイナミックダンパ４の動的吸振作用によ って低減する。

【００１５】 このセンターベアリング１においては、ダイナミックダンパ４の弾性体を温度 による特性変化の少ない金属製梁部材７によって構成しているため、排気熱によ る温度上昇や寒冷地での使用等によって雰囲気温度が大きく変化しても、ダイナ ミックダンパ４の振動吸収特性が変動することがない。したがって、このセンタ ーベアリング１を採用した場合には、常時安定した振動低減効果を得ることがで きる。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案は、ダイナミックダンパの弾性体を金属製梁部材によって 構成して、弾性体のばね定数が温度変化の影響をほとんど受けないようにしたた め、雰囲気温度の変化にかかわらず常時安定した振動低減効果を得ることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す半断面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図。

【符号の説明】

２…ベアリング本体、 ２ａ…外輪、 ４…ダイナミックダンパ、 ７…金属製梁部材（弾性体）、 ８…質量体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プロペラシャフトを回転可能に支持する
   ベアリング本体が車体に支持されると共に、前記ベアリ
   ング本体の外輪に、ダイナミックダンパを構成する弾性
   体と質量体とが設けられて成るプロペラシャフトのセン
   ターベアリングにおいて、前記弾性体を金属製梁部材に
   よって構成したことを特徴とするプロペラシャフトのセ
   ンターベアリング。