JPH0728195A - ハロゲン化銀感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀感光材料

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JPH0728195A
JPH0728195A JP17555993A JP17555993A JPH0728195A JP H0728195 A JPH0728195 A JP H0728195A JP 17555993 A JP17555993 A JP 17555993A JP 17555993 A JP17555993 A JP 17555993A JP H0728195 A JPH0728195 A JP H0728195A
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JP17555993A
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Masaru Iwagaki
賢 岩垣
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存での写真性能を劣化することなく、帯電
防止性能が優れ、しかも現像処理後のゴミ付着が少ない
ハロゲン化銀感光材料を提供する。 【構成】 透明支持体上に、少なくとも一層のハロゲン
化銀感光性層を含む写真構成層および導電性を示す層を
有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該導電性
を示す層の導電性素材がカチオン性ポリマーの少なくと
も一種であり、該写真構成層中の2価以上の多価金属イ
オン含有量が1000ppm以下であることを特徴とす
るハロゲン化銀感光材料であり、好ましくは該ハロゲン
化銀感光材料の表面電気抵抗が1012Ω/cm以下(2
5℃10%RH)であり、さらには写真構成層中にイオ
ン交換処理ゼラチンを含有するハロゲン化銀感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀感光材料に
関し、更に詳しくは、帯電防止性能および保存安定性を
改良したハロゲン化銀感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルム(ハロゲン化銀感光材料)
は静電気を帯びること、すなわち帯電することによって
様々の弊害を生ずる。第一にゴミの付着は貴重な写真画
像に欠陥を与え、第二にフィルムの搬送においてくっつ
きやジャミングを発生させ、第三に放電時の発光が不要
なカブリを引き起こす。特に最近、高度に電子化された
カメラ内において、写真フィルムの静電気がカメラ内の
IC等を誤作動させるトラブルも発生している。
【0003】帯電防止のために従来色々な工夫がされて
きており、最も効果的な方法として導電性素材を有する
層(帯電防止層)を設ける検討がされてきた。
【0004】導電性素材としては、特開昭56-143431、
同56-120519、同58-62647、同59-6235等に示される金属
酸化物粒子があるが、これらは帯電防止に充分な量を添
加すると透明性が損なわれるという欠点を有し、特に透
明支持体を有するハロゲン化銀感光材料においては問題
となる。一方、他の導電性素材として特公昭57-18175、
同57-18176、同57-56059、同58-56856、同59-106115、
同60-51693、特開昭54-159222、同55-7763、同55-6595
0、同55-67746等に示されるカチオン性ポリマーがあ
る。これらは上記金属酸化物粒子のような透明性を損な
うという欠点はないが、ハロゲン化銀感光材料を重ねて
あるいはロール状に巻いて密封され高温高湿下に保存さ
れた時に、写真感度の低下やカブリの増加が著しいとい
う欠点を有することが明かになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、保存での写真性能を劣化させることなく帯電防止
性にすぐれたハロゲン化銀感光材料を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下によ
り達成された。即ち、透明支持体上に、少なくとも一層
のハロゲン化銀感光性層を含む写真構成層および導電性
を示す層を有するハロゲン化銀カラー感光材料におい
て、該導電性を示す層の導電性素材がカチオン性ポリマ
ーの少なくとも一種であり、該写真構成層中の2価以上
の多価金属イオン含有量が1000ppm以下であるこ
とを特徴とするハロゲン化銀感光材料であり、好ましく
は該ハロゲン化銀感光材料の表面電気抵抗が1012Ω/
cm以下(25℃10%RH)であり、さらには写真構
成層中にイオン交換処理ゼラチンを含有するハロゲン化
銀感光材料である。
【0007】本発明においてカチオン性ポリマーは下記
一般式〔1〕から〔7〕で示されるものが好ましい。
【0008】
【化1】
【0009】式中R1は水素原子または低級アルキル基
(好ましくはメチル基,エチル基)を表し、R2,R3
4はそれぞれアルキル基(好ましくは、炭素数1から
8のアルキル基,シクロアルキル基)、好ましくはアラ
ルキル基(好ましくはベンジル基)、アルケニル基,ア
リル基を表す。R2,R3,R4はそれぞれ同じでも異な
っていても良い。R2,R3,R4の内の2つが連結して
窒素原子とともに5員環,6員環を形成しても良い。
【0010】L1は2価基を表す。例えば炭素数1から
6のアルキレン基,フェニレン基,アルケニレン基、炭
素数7から18のアラルキレン基,−COO−Y−,−CONR7
−Y−で表される基を表す。R7はアルキル基(好ましく
は炭素数1から6のアルキル基を表す。Yは炭素数7〜
18のアラルキレン基を表す。X1は陰イオンを表す。
1,y1,z1はモル分率を表し、x1は0〜20%、y1
は0〜70%、z1は30〜100%である。式中Aは共重合可
能なエチレン性不飽和基を少なくとも2つ有し、その少
なくとも1つを側鎖に含むような繰り返し単位を表し、
Bは共重合可能なエチレン性不飽和基を有する繰り返し
単位を表す。
【0011】
【化2】
【0012】式中R5は水素原子または低級アルキル基
を表し、R6はアルキル基,アルケニル基,アラルキル
基,アリル基を表す。Dは窒素原子を1つまたは2つ有
する5員環または6員環の複素環である。Dは置換基を
有していても良い。X2は陰イオンを表す。x2,y2
2はモル分率を表し、x2は0〜20%、y2は0〜70
%、z2は30〜100%である。式中Aは共重合可能なエチ
レン性不飽和基を少なくとも2つ有し、その少なくとも
1つを側鎖に含むような繰り返し単位を表し、Bは共重
合可能なエチレン性不飽和基を有する繰り返し単位を表
す。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】式中R8,R9,R10は、水素原子または低
級アルキル基を表す。L2はアイオネン鎖を有する2価
基を表し、L3は1価基を表す。Aは共重合可能なエチ
レン性不飽和基を少なくとも2つ有し、その少なくとも
1つを側鎖に含むような繰り返し単位を表し、Bは共重
合可能はエチレン性不飽和基を有する繰り返し単位を表
す。
【0016】x3,x4は0〜20モル%、y3,y4は0〜
70モル%、z3,z4は30〜100モル%を表す。
【0017】L2,L3としては、下記一般式〔5〕,
〔6〕,〔7〕で表される直鎖を少なくとも1種含むも
のが好ましい。
【0018】
【化5】
【0019】一般式〔5〕において、Z1,Z2は炭素数
1から7のアルキレン基を表し、R11,R12は炭素数1
〜10のアルキル基,アルケニル基,ベンジル基,アリル
基を表す。Z1,Z2,R11,R12はアルキル基,シクロ
アルキル基,ヒドロキシアルキル基,アルケニル基から
選ばれる少なくとも1つの置換基を有していても良い。
11,R12は連結して環を形成しても良い。W1は2価
基を表す。X3はアニオンを表す。n1は1〜100の整数
である。
【0020】一般式〔6〕において、Z3,Z4は窒素4
級カチオンを含み環を形成する炭素数3から10の原子群
を表す。Z3,Z4で芳香環を形成するときは、R13,R
14は必要としない。Z3,Z4で芳香環を形成しないとき
は、R13,R14は炭素数1〜10のアルキル基,アルケニ
ル基,ベンジル基を表し、アルキル基,シクロアルキル
基,ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置
換基を有していても良い。Q1,W2は2価基を表す。Q
1はアルキレン基,アルケニレン基,アラルキレン基を
表す。X4はアニオンを表す。n2は1から100の整数で
あるaは0または1である。
【0021】一般式〔7〕において、R15,R16は炭素
数1〜10のアルキル基,シクロアルキル基,ヒドロキシ
アルキル基,アルケニル基,ベンジル基,アリル基を表
し、炭素数1〜10のアルキル基,シクロアルキル基,ヒ
ドロキシアルキル基,アルケニル基からなる少くとも1
つの置換基を有していても良い。X5はアニオンを表
す。n3は1から100の整数である。
【0022】一般式〔5〕〜〔7〕において、W1
2,W3としては、炭素数1〜10アルキレン基、アルケ
ニレン基,アラルキレン基が好ましい。二つのX3,X4
はそれぞれ同じでも異なっていても良い。
【0023】実際のn1,n2,n3は分布をもつため好
ましい化合物例では平均値で示す。分布幅は化合物によ
って異なる。
【0024】式中Aとしては、ジビニルベンゼン,1,3-
ブチレンジアクリレート,ジエチレングリコールジメタ
クリレート,エチレンジアクリレート,1,6-ヘキサンジ
アクリレート,N,N′-メチレンビスアクリルアミド,ト
リエチレングリコールジアクリレート,エチレングリコ
ールジメタクリレート等を挙げることができる。
【0025】式中Bとしては、エチレン,ブタジエン等
のオレフィン,酢酸ビニル等のビニルエステル類,スチ
レン,α-メチルスチレン等のスチレン類,エチルアク
リレート,ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル
類,メチルメタクリレート,ブチルメタクリレート等の
メタクリル酸エステル類,イタコン酸,マレイン酸,ア
クリル酸,メタクリル酸等の酸類が挙げられる。
【0026】A,Bは2種以上であっても良い。
【0027】本発明の共重合体の製法としては、特公昭
60-51693号,同58-56853号,特開昭62-9346号,同55-67
746号,同55-65950号記載の方法を参考にすることがで
きる。
【0028】以下に本発明の共重合体(一般式〔1〕,
〔2〕)の具体例を挙げるがこれらに限定されるもので
はない。
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】本発明の共重合体(一般式〔3〕,
〔4〕)の具体例を挙げる。
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】これらのカチオン性ポリマーは導電性を示
す層(帯電防止層)に添加され、その含有量は0.00
5〜5g/m2、好ましくは0.01〜3g/m2、より
好ましくは0.02〜1g/m2である。帯電防止層の
バインダーとしてはセルロースエステル誘導体が好まし
く用いられ、その塗布量は0.005〜5g/m2、好
ましくは0.01〜3g/m2、より好ましくは0.0
1〜2g/m2である。カチオン性ポリマーを帯電防止
層のバインダー中に分散するには、溶剤に溶かしたセル
ロースエステル誘導体とカチオン性ポリマーとを混合し
てホモジナイザーやサンドミル等で分散する方法が好ま
しく用いられる。カチオン性ポリマーとバインダーの重
量比は、99:1〜10:90、好ましくは95:5〜
15:85、特に好ましくは90:10〜20:80で
ある。帯電防止層の形成は、支持体上に帯電防止層のド
ープを流延すればよいが、2層以上の共流延方法によっ
て支持体と同時に形成させることが好ましい。形成され
た帯電防止層の厚さは0.1〜3μm、好ましくは0.
2〜2μmである。
【0043】本発明のハロゲン化銀感光材料は、特にカ
ラー感光材料に適用したときに効を奏する。
【0044】本発明のカラー感光材料はフルカラーの感
光材料とすることができる。フルカラーの感光材料にお
いては、一般にシアンカプラーを含有する赤感性層、マ
ゼンタカプラーを含有する緑感性層及びイエローカプラ
ーを含有する青感性層からなる写真構成層を有してい
る。これら各感性層は1層であってもよいし、又、複数
層を有していてもよいし、複数の層からなるものであっ
てもよい。各感性層の積層順序は特に限定がなく、目的
に応じて種々の積層順序を採ることができる。例えば支
持体側から順に赤感性層、緑感性層、青感性層の順に積
層することができ、又、これとは逆に、支持体側から順
に青感性層、緑感性層、赤感性層の順に積層することが
できる。
【0045】又、同一の感色性を有する2層の感光層の
間に異なる感色性を有する感光層が挟まれたように設置
してもよい。又、色再現改良の目的で赤感性層、緑感性
層、青感性層の3層に加えて第4のあるいはそれ以上の
感色性の感光層を設けることもできる。第4のあるいは
それ以上の感色性の感光層を用いる層構成については、
特開昭61-34541号、同61-201245号、同61-198236号、同
62-160448号に記載されており、これを参考にすること
ができる。この場合は第4あるいはそれ以上の感色層の
感光層はいずれの積層位置に配置してもよい。又、第4
あるいはそれ以上の感色性の感光層は単独でも複数の層
から成っていてもよい。
【0046】上記各感性層の間及び最上層、最下層には
各種の非感光性層を設けてもよい。
【0047】これら非感光性層には、特開昭61-43748
号、同59-113438号、同59-113440号、同61-20037号、同
61-20038号公報に記載されるようなカプラー、DIR化
合物等が含まれていてもよく、通常用いられるように混
色防止剤を含んでいてもよい。又、これら非感光性層
は、リサーチ・ディスクロージャ(RDと称す)308119 1
002頁 VII−K項に記載されているフィルタ層や中間層
等の補助層であってもよい。
【0048】この発明の感光材料において採り得る層構
成としては、RDNo.308119 1002頁 VII−K項に記載され
ている順層、逆層、ユニット構成等を挙げることができ
る。
【0049】同一の感色性を有する感光層が2層ある場
合、これら感光層は同一のものであってもよく、又、西
独特許1,121,470号あるいは英国特許923,045号に記載さ
れるような高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層構造であ
ってもよい。この場合、通常は、支持体に向かって順次
感光度が低くなる様に配列するのが好ましく、又、各乳
剤層の間には非感光性層が設けられていてもよい。又、
特開昭57-112751号、同62-200350号、同62-206541号、6
2-206543号等に記載されているように支持体より離れた
側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を配
置してもよい。
【0050】具体例として、支持体から最も遠い側か
ら、低感度青感性層(BL)/高感度青感性層(BH)
/高感度緑感性層(GH)/低感度緑感性層(GL)/
高感度赤感性層(RH)/低感度赤感性層(RL)の
順、または、BH/BL/GL/GH/RH/RLの
順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの順に
設置することを挙げることができる。
【0051】又、特公昭55-34932号に記載されているよ
うに、支持体から最も遠い側から青感性層/GH/RH
/GL/RLの順に配列することもできる。又、特開昭
56-25738号、同62-63936号公報に記載されているよう
に、支持体から最も遠い側から青感性層/GL/RL/
GH/RHの順に配列することもできる。
【0052】又、特公昭49-15495号公報に記載されてい
るように感度の異なる同一の感色性を有する感光層を3
層用いることができる。これら3層は上層に高感度のハ
ロゲン化銀乳剤層、中層に中感度のハロゲン化銀乳剤
層、下層に低感度のハロゲン化銀乳剤層と配置される。
又、特開昭59-202464号公報に記載されているように、
支持体より離れた側から中感度のハロゲン化銀乳剤層、
高感度のハロゲン化銀乳剤層、低感度のハロゲン化銀乳
剤層の順に配置してもよい。このような感光度の異なる
3層から構成される場合、これら3層の積層順序は任意
であり、例えば積層順序としては、高感度のハロゲン化
銀乳剤層、低感度のハロゲン化銀乳剤層、中感度のハロ
ゲン化銀乳剤層の順、あるいは低感度のハロゲン化銀乳
剤層、中感度のハロゲン化銀乳剤層、高感度のハロゲン
化銀乳剤層などが挙げられる。又、同一の感色性を有す
る感光層を四層以上とすることもできる。この場合に
も、上記の如く配列は任意である。
【0053】上記のように、それぞれの感光材料の目的
に応じて種々の層構成・配列を選択することができる。
【0054】本発明においては、写真構成層中に存在す
る2価以上の多価金属イオンの含有量が1000ppm以下で
あり、好ましくは500ppm以下、特に好ましくは300ppm以
下であるのが重要である。
【0055】通常、ハロゲン化銀乳剤は、多価金属イオ
ンを含有している。含まれている該多価金属イオンは
鉄、マンガン、亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウムな
どであり、これらを写真構成層中において1000ppm以下
にするには、ハロゲン化銀乳剤の調製に多価金属イオン
を除去したゼラチンを用いたり、ハロゲン化銀乳剤の調
製過程での混入を防止したり、各種添加剤中の不純物と
しての多価金属イオンを除去したり、調製にイオン交換
水を用いたり、他層からの拡散、浸透を防止したりする
ことによって行われる。
【0056】特に、天然物を加工して用いるゼラチン中
の多価金属イオンを低減することが最も効果が大きい。
【0057】ゼラチンは一般にFe、Mn、Cu、Zn、Mg、Ca
の如き金属イオンを不純物として1000ppmを遥かに超え
て含んでいる。本発明でハロゲン化銀乳剤層と非感光性
層を調製するに用られるゼラチンはこれらの金属イオン
を500ppm以下になるように精製するのが望ましい。
【0058】このようなゼラチンはイオン交換等による
脱イオンによって得ることができる。例えば、ゼラチン
水溶液を加温し、攪拌下にイオン交換樹脂と接触させる
ことによって前記金属イオンの含有量を低下させること
ができる。
【0059】ゼラチン中の金属元素は通常陽イオンとな
っていることが多いので、これらはH+ 型陽イオン交換
樹脂の利用により除去することができるが、金属元素の
中には陰性の錯塩を形成している場合もあるので、この
ような場合にはOH- 型陰イオン交換樹脂を利用して除去
することができる。これらの方法については、日本化学
会編「実験化学講座2、基礎技術II」丸善(1956)、15
1〜202頁、日本化学会編「新実験化学講座1、基本操作
1」丸善(1975)、463〜497頁等に詳しく記載されてい
る。さらにこれだけでは不充分な場合には、キレート樹
脂の利用及び溶媒抽出や起泡分離等の手段により更に金
属不純物の含量を低減させることができる。これらの手
法については、例えば日本化学会編「実験化学講座
(続)分離と精製」(1967)等に記載されている。
【0060】一方、本発明における写真構成層中には種
々のハロゲン化銀乳剤を用いることができる。ハロゲン
化銀乳剤の製造方法及び製造において使用される添加剤
は、RDNo.17643、同No.18716及び同No.308119(それぞ
れ、以下RD17643、RD18716及びRD308119と略す)に記載
されている。RD308119についての記載内容と記載箇所を
示す。
【0061】 〔項 目〕 〔D308119の頁〕 沃度組成 993 I−A項 製造方法 993 I−A項 及び 994 E項 晶癖 正常晶 993 I−A項 双晶 993 I−A項 エピタキシャル 993 I−A項 ハロゲン組成 一様 993 I−B項 一様でない 993 I−B項 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 ハロゲン置換 994 I−C項 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 995 I−F項 潜像形成位置 表面 995 I−G項 内部 995 I−G項 適用感材ネガ 995 I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 995 I−H項 乳剤を混合して用いる 995 I−J項 脱塩 995 II−A項 本発明において用いるハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、
化学熟成及び分光増感を行うことができる。このような
工程で使用される添加剤は、RD17643、RD18716及びRD30
8119に記載されている。以下にその記載箇所を示す。
【0062】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 化学増感剤 996 III−A項 23 648 分光増感剤 996 IV−A-A,B,C,D,H,I,J項 23〜24 648〜9 強色増感剤 996 IV−A−E,J項 23〜24 648〜9 カブリ防止剤 998 VI 24〜25 649 安定剤 998 VI 24〜25 649 本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記リサーチ
・ディスクロージャに記載されている。以下にその関連
のある記載箇所を示す。
【0063】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 色濁り防止剤 1002 VII−I項 25 650 色素画像安定剤 1001 VII−J項 25 増白剤 998 V 24 紫外線吸収剤 1003 VIIIC,XIII−C項 25〜26 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルター染料 1003 VIII 25〜26 バインダー 1003 IX 26 651 スタチック防止剤 1006 XIII 27 650 硬膜剤 1004 X 26 651 可塑剤 1006 XII 27 650 潤滑剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助剤 1005 XI 26〜27 650 マット剤 1007 XVI 現像剤(感材中に含有) 1011 XXB項 本発明には種々のカプラーを使用することができ、その
具体例は下記RDに記載されている。以下にその関連ある
記載箇所を示す。
【0064】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 イエローカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 マゼンタカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 シアンカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 カラードカプラー 1002 VII−G項 VII G項 DIRカプラー 1001 VII−F項 VII F項 BARカプラー 1002 VII−F項 その他の有用残基 1001 VII−F項 放出カプラー アルカリ可溶カプラー 1001 VII−E項 本発明に使用する添加剤は、RD308119 1007頁 XIV項に
記載されている分散法などにより、添加することができ
る。
【0065】本発明においては、前述のRD17643 28頁、
RD18716 647〜8頁及びRD308119 1009頁 XIX項に記載さ
れている支持体を使用することができる。
【0066】本発明のカラー感光材料には、前述のRD30
8119 VII−K項に記載されているフィルタ層や中間層等
の補助層を設けることができる。
【0067】本発明のカラー感光材料は、RD308119 VII
−K項に記載されている順層、逆層、ユニット構成等の
様々な層構成をとることができる。
【0068】本発明のカラー感光材料は、一般用もしく
は映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテ
レビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラー
ポジフィルム、カラー反転ペーパーに代表される種々の
カラー感光材料に適用することができる。
【0069】本発明の感光材料を用いて色素画像を得る
には、露光後、通常知られているカラー現像処理を行う
ことができる。
【0070】本発明の感光材料は前述のRD17643 28〜29
頁、RD18716 647頁及びRD308119 XIXに記載された通常
の方法によって、現像処理することができる。
【0071】本発明の透明支持体の写真構成層を形成す
る表面には、必要に応じて、写真構成層の形成に先んじ
てコロナ放電等の表面活性化処理及び/又は下引層を塗
設することができる。
【0072】この下引層としては、例えば特開昭59-199
41号、同59-77439号、同59-224841号及び特公昭58-5302
9号に記載の下引層を好適例として挙げることができ
る。写真構成層とは反対側の透明支持体の表面に設けら
れる下引層はバック層とも称される。
【0073】
【実施例】以下に、本発明の具体的実施例を述べるが、
本発明の実施の態様はこれらに限定されるものではな
い。
【0074】実施例1 (支持体の作成)支持体用のポリエステル樹脂として、 S−1 市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度
0.65) S−2 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレング
リコール64重量部にエステル交換触媒として酢酸カルシ
ウムの水和物0.1重量部を添加し、常法によりエステル
交換反応を行った。得られた生成物に5-ナトリウムスル
ホ-ジ(β-ヒドロキシエチル)イソフタル酸(略称;SI
P)のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)28重量
部(5モル%/全エステル結合),ポリエチレングリコ
ール(略称:REG)(数平均分子量:4,000)11重量
部(8.5重量%/反応生成物の全重量),三酸化アンチ
モン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量
部,酸化防止剤としてイルガノックス1010(CIBA-GEIGY
社製)を生成物ポリマーに対して1重量%になるように
添加した。次いで徐々に昇温,減圧にし、280℃,0.5mm
Hgで重合を行い、共重合ポリエステルを得た(固有粘度
0.55)。
【0075】S−1及びS−2を各々150℃で真空乾燥
した後、3台の押出機のうち2台をS−2用に用い285
℃で溶融押出し、3層の膜厚比が、S−2:S−1:S
−2=1:2:3になるようにTダイ内で層状に接合
し、冷却ドラム状で急冷固化させ、積層未延伸フィルム
を得た。この時、各素材の押出量を調整し各層の厚さを
コントロールした。次いで85℃で縦延伸(3.4倍)後、
更に温度95℃にて横延伸(3.4倍)した後、210℃で熱固
定を行い、膜厚90μの二軸延伸フィルムを得た。
【0076】(感光材料の作成)このように作成した支
持体に以下のごとく下引き加工を施し、バック層及び乳
剤層を設けた。
【0077】支持体の両面に8W/(m2・min)のコロナ
放電処理を施し、該支持体の共重合ポリエステル層の薄
いほうの外層に下引塗布液B−1を乾燥膜厚0.8μmにな
るように塗布して下引層B−1を形成し、また支持体の
他方の面に下記下引塗布液B−2を乾燥膜厚0.8μmにな
るように塗布して下引層B−2を形成した。
【0078】 〈下引塗布液B−1〉 ブチルアクリレート30重量%,t-ブチルアクリレート20重量%,スチレン25重 量%,および2-ヒドロキシエチルアクリレート25重量%の共重合体ラテックス 液(固形分30%) 270g 化合物(UL−1) 0.6g ヘキサメチレン-1,6-ビス(エチレン尿素) 0.8g 水で仕上げる 1000ミリリットル 〈下引塗布液B−2〉 ブチルアクリレート40重量%,スチレン20重量%及びグリシジルアクリレート 40重量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g 化合物(UL−1) 0.6g ヘキサメチレン-1,6-ビス(エチレン尿素) 0.8g 水で仕上げる 1000ミリリットル 更に、下引層B−1および下引層B−2の上に8W/(m
2・min)のコロナ放電を施し、下引層B−1の上には、
下記塗布液B−3を乾燥膜厚0.1μmになるように塗布し
て下引層B−3を形成し、下引層B−2の上には、下記
塗布液B−4が乾燥膜厚0.1μmになるように塗布して帯
電防止機能を持つ下引層B−4を形成した。
【0079】 〈塗布液B−3〉 ゼラチン 10g 化合物(UL−1) 0.2g 化合物(UL−2) 0.2g 化合物(UL−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径:3μm) 0.1g 水で仕上げる 1000ミリリットル 〈下引塗布液B−4〉 本発明の化合物(表2に示す) 10g メタノール 600ml アセトン 400ml ジアセチルセルロース 5g 更に、下引層B−4の上に8W/(m2・min)のコロナ放
電を施し、下記塗布液MC−1を乾燥硬膜2μmになる
ように塗布した。
【0080】〈MC−1〉下記の成分を一緒にディゾル
バーで混和し、その後サンドミルで分散し、分散液とし
た。
【0081】 ニトロセルロース 35重量部 ポリウレタン樹脂 35重量部 ラウリル酸 1重量部 オレイン酸 1重量部 ブチルステアレート 1重量部 シクロヘキサノン 75重量部 メチルエチルケトン 150重量部 トルエン 150重量部 Co被着γ-Fe2O3(長軸0.2μm、短軸0.02μm、Hc=650エルステッド) 5重量部 更に、MC−1の塗布層の上に、下記塗布液OC−1を
10ml/m2になるように塗布した。
【0082】 〈OC−1〉 カルナバワックス 1g トルエン 700ml メチルエチルケトン 300ml 更に、前記下引層B−3の上に25W/(m2・min)のコロ
ナ放電を施し、下記の写真構成層を順次形成して、多層
カラー写真感光材料を作成した。
【0083】なお、以下に示した写真構成層における数
量の表示は特に記載のない限り1m2当たりの量で示した
ものである。
【0084】またハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算
して示した。
【0085】 〈写真構成層〉 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀 0.15g 紫外線吸収剤(UV−1) 0.20g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.02g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.20g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.20g ゼラチン 1.6g 第2層;中間層(IL−1) ゼラチン 1.3g 第3層;低感度赤感性乳剤層(R−L) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μm)(平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.4g 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm)(平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.3g 増感色素(S−1) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 3.2×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 0.50g シアンカプラー(C−2) 0.13g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07g DIR化合物(D−1) 0.006g DIR化合物(D−2) 0.01g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.55g ゼラチン 1.0g 第4層;高感度赤感性乳剤層(R−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm)(平均ヨウド含有量7.5モル%) 0.9g 増感色素(S−1) 1.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 1.6×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.1×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−2) 0.23g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03g DIR化合物(D−2) 0.02g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.25g ゼラチン 1.0g 第5層;中間層(IL−2) ゼラチン 0.8g 第6層;低感度緑感性乳剤層(G−L) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm)(平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.6g 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μm)(平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.2g 増感色素(S−4) 6.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−5) 0.8×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.17g マゼンタカプラー(M−2) 0.43g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 010g DIR化合物(D−3) 0.02g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.7g ゼラチン 1.0g 第7層;高感度緑感性乳剤層(G−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm)(平均ヨウド含有量7.5モル%) 0.9g 増感色素(S−6) 1.1×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−7) 2.0×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−8) 0.3×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.30g マゼンタカプラー(M−2) 0.13g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04g DIR化合物(D−3) 0.004g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.35g ゼラチン 1.0g 第8層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.1g 添加剤(HS−1) 0.07g 添加剤(HS−2) 0.07g 添加剤(SC−1) 0.12g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.15g ゼラチン 1.0g 第9層;低感度青感性乳剤層(B−L) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μm)(平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.25g 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm)(平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.25g 増感色素(S−9) 5.8×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.6g イエローカプラー(Y−2) 0.32g DIR化合物(D−1) 0.003g DIR化合物(D−2) 0.006g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18g ゼラチン 1.3g 第10層;高感度青感性乳剤層(B−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.8μm)(平均ヨウド含有量8.5モル%) 0.5g 増感色素(S−10) 3×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−11) 1.2×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.18g イエローカプラー(Y−2) 0.10g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.05g ゼラチン 1.0g 第11層;第1保護層(PRO−1) 沃臭化銀(平均粒径0.08μm) 0.3g 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07g 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10g 添加剤(HS−1) 0.2g 添加剤(HS−2) 0.1g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07g 高沸点溶媒(Oil−3) 0.07g ゼラチン 0.8g 第12層;第2保護層(PRP−2) 化合物A 0.04g 界面活性剤K−1:スルフォコハク酸-ジドデシルナトリウム 0.004g ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.02g ゼラチン 0.7g −沃臭化銀乳剤の調製− 第10層に使用した沃臭化銀乳剤は以下の方法で調整し
た。
【0086】平均粒径0.33μmの単分散沃臭化銀粒子
(沃臭化銀含有率2モル%)を種結晶として、沃臭化銀
乳剤をダブルジェット法により調製した。
【0087】下記組成の溶液(G−1)を温度70℃,pA
g7.8,pH7.0に保ち、よく撹拌しながら0.34モル相当の
種乳剤を添加した。
【0088】(内部高沃度相−コア相−の形成)その
後、下記組成の溶液(H−1)と下記組成の溶液(S−
1)とを1:1の流量比を保ちながら、加速された流量
(終了時の流量が初期流量の3.6倍)で86分かけて添加
した。
【0089】(外部高沃度相−シェル相−の形成)続い
て、pAg10.1,pH6.0に保ちながら、(H−2)と(S
−2)とを1:1の流量比で加速された流量(終了時の
流量が初期流量の5.2倍)で65分を要して添加した。
【0090】粒子形成中のpAgとpHとは、臭化カリウム
水溶液と56%酢酸水溶液とを用いて制御した。粒子形成
後に、常法のフロキュレーション法によって水洗処理を
施し、その後ゼラチンを加えて再分散し、40℃にてpH
及びpAgをそれぞれ5.8及び8.0に調整した。
【0091】得られた乳剤は、平均粒径0.80μm、分散
広さが12.4%、沃化銀含有率8.5モル%の八面体沃臭化
銀粒子を含む単分散乳剤であった。
【0092】 〈G−1〉溶液 オセインゼラチン 100.0g 下記化合物の−1の10重量%エタノール溶液 25.0ミリリットル 28%アンモニア水溶液 440.0ミリリットル 56%酢酸水溶液 660.0ミリリットル 水で仕上げる 5000.0ミリリットル 化合物−1:ポリイソプロピレンオキシ・ホリエチレンオキシ・ジこはく酸ナ トリウム 〈H−1〉溶液 オセインゼラチン 82.4g 臭化カリウム 151.6g 沃化カリウム 90.6g 水で仕上げる 1030.5ミリリットル 〈S−1〉溶液 硝酸銀 309.2g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 1030.5ミリリットル 〈H−2〉溶液 オセインゼラチン 302.1g 臭化カリウム 770.0g 沃化カリウム 33.2g 水で仕上げる 3776.8ミリリットル 〈S−2〉溶液 硝酸銀 1133.0g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 3776.8ミリリットル 第10層以外に使用される沃臭化銀乳剤についても、同様
の方法で、種結晶の平均粒径,温度,pAg,pH,流量,
添加時間及びハライド組成を変化させて、平均粒径及び
沃臭化銀含有率が異なる前記各乳剤を調製した。
【0093】いずれも分布の広さ20%以下のコア/シェ
ル型単分散乳剤であった。各乳剤は、チオ硫酸ナトリウ
ム,塩化金酸及びチオシアン酸アンモニウムの存在下に
最適な化学熟成を施し、増感色素、4-ヒドロキシ-6-メ
チル-1.3,3a,7-テトラザインデン,1-フェニル-5-メル
カプトテトラゾールを加えた。
【0094】尚、上述の感光材料は、さらに化合物SU
−1,SU−2,粘度調製剤,硬膜剤H−1,H−2,
安定剤ST−1,カブリ防止剤AF−1,AF−2(重
量平均分子量10,000のもの及び1,100,000のもの),染
料AI−1,AI−2及び化合物DI−1(9.4mg/
m2)を含有する。
【0095】(試料の作成に用いた各化合物の構造を以
下に示す。)
【0096】
【化18】
【0097】
【化19】
【0098】
【化20】
【0099】
【化21】
【0100】
【化22】
【0101】
【化23】
【0102】
【化24】
【0103】
【化25】
【0104】
【化26】
【0105】
【化27】
【0106】
【化28】
【0107】
【化29】
【0108】上記写真構成層第1層から第12層までのゼ
ラチン全てを表1に示すゼラチンA〜Fにそれぞれ置き
換えた。
【0109】
【表1】
【0110】表1に記載のゼラチン中の2価以上の多価
金属イオン含有量は、ゼラチン製造工程におけるイオン
交換処理の程度を調節することによって決定された。
【0111】更に、帯電防止層(B−4下引層)中のカ
チオン性ポリマーを表2のように用いて試料を作成し
た。
【0112】
【表2】
【0113】(帯電防止性テスト)試料101〜115の各試
料を25℃、20%RHの条件下で1日放置し、同一空調条件
暗室中において試料をネオプレンゴムローラーで摩擦し
た後、下記の処理を行ってスタチックマークの発生度を
調べ帯電防止性を評価した。
【0114】 A:スタチックマークの発生が全く認められない B:スタチックマークの発生が少し認められる C:スタチックマークの発生がかなり認められる D:スタチックマークの発生がほぼ全面に認められる。
【0115】(保存テスト)各試料を135サイズ24枚撮
の規格に裁断し、写真構成層を内側にしてロール状に巻
き、ポリプロピレン製のフィルム容器に23℃・55%RHの
条件下で密封した。各試料を容器ごと50℃・65%RHの雰
囲気下に3日間放置した後、ブランク試料と共にセンシ
トメトリー用露光を与え以下の現像処理を行った。
【0116】 処理工程 処理時間 処理温度(℃) 補充量*(ミリリットル) 発色現像 3分15秒 38±0.3 780 漂 白 6分30秒 38±2.0 150 水 洗 3分15秒 20±10 200 定 着 6分30秒 38±2.0 830 水 洗 3分15秒 20±10 200 安 定 1分30秒 38±5.0 830 乾 燥 2分 55±5.0 − 上記において、補充量は写真感光材料1m2当たりの値で
ある。
【0117】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は、下記のようにして調製されたものを使用
した。
【0118】 〈発色現像液〉 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N- (β-ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1リットルとし、pH10.1に調整した。
【0119】 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム塩 100g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 10ml 水を加えて1リットルとし、アンモニア水を用いてpH6.
0に調整した。
【0120】 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1リットルにし、酢酸を用いてpH6.0に調整
した。
【0121】 〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ〔株〕製) 7.5ml 水を加えて1リットルとした。
【0122】 〈発色現像補充液〉 水 800ml 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 5g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N- (β-ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 6.3g 水酸化カリウム 2g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウム又は20%硫
酸を用いてpH10.18に調整した。
【0123】 〈漂白補充液〉 水 700ml 1/3ジアミノプロパン四酢酸鉄 (III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.0に調整した後に
水を加えて1リットルにした。
【0124】 〈定着補充液〉 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニウム水又は氷酢酸を用いてpH6.5に調整した
後、水を加えて1リットルにした。
【0125】〈安定補充液〉安定液に同じ。
【0126】現像処理して得られた各試料の青感性層の
保存による減感率(ΔS)と保存によるカブリ増加分
(ΔFog)を調べた。
【0127】(ゴミ付着評価)また、各試料の現像処理
後のフィルムのうちランダムに選んだ1本を23℃、20%R
Hにおいて各試料1本づつ24コマ全てプリントを行い、
プリント上で目視で観測されるゴミの数を計測した。
【0128】以上の評価テストの結果を表3に示す。
【0129】
【表3】
【0130】表3から、本発明の試料は、保存での写真
性能を劣化することなく、帯電防止性能が優れたハロゲ
ン化銀感光材料であり、しかも現像処理後のゴミ付着が
少ないことが解る。
【0131】
【発明の効果】本発明により、保存での写真性能を劣化
することなく、帯電防止性能が優れ、しかも現像処理後
のゴミ付着が少ないハロゲン化銀感光材料が得られた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、少なくとも一層のハロ
    ゲン化銀感光性層を含む写真構成層および導電性を示す
    層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該導
    電性を示す層の導電性素材がカチオン性ポリマーの少な
    くとも一種であり、該写真構成層中の2価以上の多価金
    属イオン含有量が1000ppm以下であることを特徴
    とするハロゲン化銀感光材料。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン化銀感光材料の表面電気抵
    抗が1012Ω/cm以下(25℃10%RH)であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀感光材料。
  3. 【請求項3】 前記写真構成層中にイオン交換処理ゼラ
    チンを含有することを特徴とする請求項1または2記載
    のハロゲン化銀感光材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7482896B2 (en) 2005-08-23 2009-01-27 Fujitsu Media Devices Limited Surface acoustic wave apparatus
US7522021B2 (en) 2005-07-06 2009-04-21 Fujitsu Media Devices Limited Surface acoustic wave apparatus

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