JPH0728144B2 - 小型電子機器の製造方法 - Google Patents

小型電子機器の製造方法

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JPH0728144B2
JPH0728144B2 JP2234276A JP23427690A JPH0728144B2 JP H0728144 B2 JPH0728144 B2 JP H0728144B2 JP 2234276 A JP2234276 A JP 2234276A JP 23427690 A JP23427690 A JP 23427690A JP H0728144 B2 JPH0728144 B2 JP H0728144B2
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芳則 鈴木
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国際電気株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、防爆構造を有する小型電子機器の製造方法に
関するものである。
[従来の技術] 近年各種小型電子機器は、増々高機能化が図られ、マイ
クロコンピュータの採用と共に電気回路の高密度化、回
路の高電圧化がなされている。斯かる電子機器では、電
気回路で発生する火花、熱により引火性ガスを引火させ
る虞れがある。
特に小型電子機器が、携帯用無線機の様に、種々の環境
条件で使用されるもので、使用環境が引火性ガス雰囲
気、或は引火性ガス雰囲気となる可能性のある場所とな
るものについては、該機器の回路が発生する火花、熱に
より、周囲の引火性ガスに引火しない様な防爆構造であ
ることが要求される。
従来の防爆構造としては、ケースを完全な気密構造と
し、且ケースの内圧を若干高くしていた。
[発明が解決しようとする課題] 然し乍ら、ケースを完全な気密構造とする防爆構造は、
一般に大型で高級機器に採用される方法であり、携帯用
無線機等の様に小型、軽量化而も低コストが要求される
ものには不向きである。又、ケース内部の空間にエポキ
シ樹脂を充填することも考えられるが、エポキシ樹脂等
の合成樹脂は硬化時に縮小する性質があり、この為精密
な電子機器に用いた場合には配線を切断することが考え
られ、製品の信頼性を考慮すると用いることができな
い。
本発明は、斯かる実情に鑑み、簡便で而も安価な防爆構
造とした小型電子機器の製造方法を提供しようとするも
のである。
[課題を解決する為の手段] 本発明は、ケースが分割構造であり、各パネルを合体さ
せる前、各パネルそれぞれの空隙にシリコンゴムを充填
させ固化させ、次に各パネルを合体させた後、残る空隙
に低粘度の2液混合固化型シリコンゴムを自然落下によ
り注入充填することを特徴とするものである。
[作用] 各パネルを合体させる前、各パネルそれぞれの空隙に事
前にシリコンゴムを充填させ固化させ、次に各パネルを
合体させた後、残る空隙に低粘度の2液混合固化型シリ
コンゴムを自然落下により注入充填するので、狭小な隙
間にも充分に浸透し、而も低粘度で自然落下であるので
空気の封込みが避けられ、電子機器内部を完全にシリコ
ンゴムで充填でき、充分な防爆機能が発揮される。
[実施例] 以下、図面を参照しつつ本発明の一実施例を説明する。
第1図〜第5図は、本発明を携帯用小型無線機に実施し
た場合を示している。
この携帯用小型無線機のケース1は表パネル2、裏パネ
ル3の2分割構成であり、両パネル2,3にはそれぞれ、
電子部品が実装された配線基板4,5が取付けられてい
る。
表パネル2側の配線基板4には、プッシュスイッチユニ
ット6が取付けられ、該プッシュスイッチユニット6の
各プッシュ部7は前記表パネル2を貫通して突出してい
る。又、裏パネル3側の配線基板5にはシールドカバー
8が固着されている。
ケース1の上面には、アンテナ9、押釦スイッチ10、コ
ネクタ11が取付けられ、該コネクタ11は接続ユニット12
を介して表側配線基板4に接続されている。又、ケース
1の側面には、可変抵抗13の音量調整用のスライドスイ
ッチ14が設けられる。
本実施例の小型無線機では、防爆対策としてケース1内
の空間、隙間に液状シリコンゴム15,16,17,18を充填
し、その後固化させる。
斯かる充填に用いられるシリコンゴム15,16,17,18は、
固化時に体積変化のない2液混合固化型のものを使用
し、且狭小な隙間にも充分浸透してゆく様、低粘度(例
えば20poise)のものが採用される。
又、充填時に空気が、封込められにくい様、更に空気が
封込められた場合にも逃げ易い様、時間を掛けて充填
し、又充分な固化時間を与える。
ここで、充填の方法として好ましくは、ノズル等を用い
注入時に圧力を掛けることなく重力の自然落下によるも
のとする。自然落下による注入とすれば、注入された液
状シリコンゴムが浸透して行く速度と注入速度とのマッ
チングがとれ、完全に密な状態の充填が行える。
而して、シリコンゴムが固化した状態では、ケース1内
の空隙はシリコンゴムによって完全に充填され、外気と
電気回路の火花発生箇所、発熱部とが遮断され、外気が
引火性ガス雰囲気であっても、電気回路に起因して引火
することはない。
尚、発熱部の熱はシリコンゴムにより拡散されるが、熱
拡散をより効果的に行う為、熱伝導性に優れた酸化アル
ミナの粉等をシリコンゴムに混合してもよい。
前記した様に2液混合型のシリコンゴムは体積変化がな
いので、固化した状態で局部的な歪、該歪による残留応
力が発生することがなく、従って、微細な配線パター
ン、リード線等を切断することがない。更に、シリコン
ゴムは固化状態で高弾性であるので、例え歪を生じても
シリコンゴム自体の変形により吸収し、配線パターン、
リード線等の切断に到ることはない。
次に、第6図(A)〜(D)に於いて、シリコンゴムの
充填方法について説明する。
(1) 電子部品が実装された基板4,5について準備処
理を行う。
接点部があれば、導電性を損わないペースト状物、例え
ばシリコングリスを接点部に盛付け、又、シールトカバ
ー8の内部等、液状シリコンゴムの浸透し難い部分に、
予め液状シリコンゴム15を充填する(第6図(A))。
(2) 表パネル2にプッシュスイッチユニット6を取
付け、上記準備処理が完了し、シリコンゴムが固化した
配線基板4,5をそれぞれ、表パネル2、裏パネル3に固
着する。各パネル2,3にアンテナ9、押釦スイッチ10、
コネクタ11、スライドスイッチ14等の部品を取付け、各
部品の貫通部、可動部に充填する液状シリコンゴムが侵
入しない様、粘度の高いシリコンゴム(図示せず)を必
要箇所に塗布し固化させる。
(3) 次に、表パネル2、裏パネル3と配線基板4,5
との間に液状シリコンゴム16,17を充填させる(第6図
(B),第6図(C)。
この時の液状シリコンゴム16,17の充填状態は、前述し
た様に自由落下によるものとする。
(4) 表パネル2、裏パネル3に充填したシリコンゴ
ム16,17が固化したところで、表パネル2と裏パネル3
とを合体させる。
裏パネル3の底面にはシリコンゴム注入用の孔19が用意
されており、該孔19よりケース1の内部にシリコンゴム
18を注入する(第6図(D))。
完全にシリコンゴム18を充填すると、前記孔19を栓等所
要の手段で閉塞し、充分な時間を掛けて固化させる。
尚、完全に充填した後で固化時間を短縮したい場合は、
適宜加熱してもよい。
又、2液混合型の液状シリコンゴムは2液の化合反応に
より固化するものであり、本実施例の様に深部に注入し
た場合でも、シリコンゴムが固化しにくいということは
ない。
[発明の効果] 以上述べた如く、本発明によれば、電子機器内部にシリ
コンゴムを充填したという簡単な構造で、防爆性能を満
足させ得、而も充填時に電子機器の電気回路、電気配
線、電子部品等を損傷させることがないという優れた効
果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る携帯用小型無線機の正
面図、第2図は同前左側面図、第3図は同前平面図、第
4図は同前底面図、第5図は側断面図、第6図(A)〜
(D)はシリコンゴム充填手順を示す図である。 1はケース、2は表パネル、3は裏パネル、15,16,17,1
8はシリコンゴムを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケースが分割構造であり、各パネルを合体
    させる前、各パネルそれぞれの空隙にシリコンゴムを充
    填させ固化させ、次に各パネルを合体させた後、残る空
    隙に低粘度の2液混合固化型シリコンゴムを自然落下に
    より注入充填することを特徴とする小型電子機器の製造
    方法。
JP2234276A 1990-09-04 1990-09-04 小型電子機器の製造方法 Expired - Fee Related JPH0728144B2 (ja)

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