JPH07281436A - 光重合剤及び/又は光架橋剤に対する可視光増感剤、感光性組成物及びホログラム記録媒体 - Google Patents

光重合剤及び/又は光架橋剤に対する可視光増感剤、感光性組成物及びホログラム記録媒体

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JPH07281436A
JPH07281436A JP8727194A JP8727194A JPH07281436A JP H07281436 A JPH07281436 A JP H07281436A JP 8727194 A JP8727194 A JP 8727194A JP 8727194 A JP8727194 A JP 8727194A JP H07281436 A JPH07281436 A JP H07281436A
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JP
Japan
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photosensitive composition
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hologram recording
sensitizer
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JP8727194A
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English (en)
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Yoko Yoshinaga
曜子 吉永
Tatsu Kobayashi
辰 小林
Takasato Taniguchi
尚郷 谷口
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光重合剤或いは光架橋剤に対する光増感剤と
して用いることが出来る赤色領域で高い吸収感度を有す
るチオバルビツル酸誘導体に、二重結合を導入すること
により高感度の光増感剤とし、更に優れた特性の感光性
組成物、ホログラム記録媒体を提供すること。 【構成】 下記式等で表わされるチオバルビツル酸誘導
体化合物からなることを特徴とする光重合剤及び/又は
光架橋剤に対する可視光増感剤等。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光重合性或いは光架橋
性の感光性組成物用のバルビツル酸系の可視光による新
規な光増感剤に関し、更に、バルビツル酸誘導体化合物
が添加された、バルビツル酸誘導体化合物の働きにより
増感される優れた特性を有する光重合性及び/又は光架
橋性の感光性組成物に関する。更には、該感光性組成物
を用いた再現性に優れたホログラム記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、これまで以下の構造式で
示される様な、クマリン誘導体及びピラン誘導体の二重
結合を延ばし、或いはその二重結合を固定することによ
り、吸収極大を長波長側に延ばし且つ優れた光増感性が
示される光重合開始剤用或いは光架橋剤用の増感剤につ
いて種々検討してきた(特願平5−144423号明細
書、特願平5−132482号明細書)。
【0003】
【化3】
【0004】上記の様な化合物は、二重結合を延ばすこ
とにより吸収波長を長波長に延ばすことが可能であり、
更に、ジアリールハロニウム塩、ハロメチル−S−トリ
アジン、ハロゲン化合物及び有機過酸化物等の重合剤或
いは架橋剤に対して増感作用を示す為、感光性組成物及
び感光性樹脂組成物の形成材料として用いることが出来
た。一方、チオバルビツル酸誘導体色素はこれまで、分
析試薬として金或いは銀等の検出に用いられた報告はあ
ったが、この色素が増感色素として用いられたことはな
く、又、二重結合の延長による増感領域の長波長化も検
討されたことはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】従って、本発明
の目的は、光重合剤及び/又は光架橋剤に対する光増感
剤として用いることが出来る赤色領域で高い吸収感度を
有するチオバルビツル酸誘導体に、二重結合を導入し、
これを延長することによって高感度の色素を提供するこ
と、又、それらのチオバルビツル酸誘導体を光増感剤と
して用いる優れた特性の光重合性或いは光架橋性の感光
性組成物、更にはホログラム記録媒体を提供することに
ある。
【0006】
【問題点を解決する為の手段】上記の目的は以下の本発
明により達成される。即ち本発明は、下記のいずれかの
式により表わされるチオバルビツル酸誘導体化合物から
なることを特徴とする光重合剤及び/又は光架橋剤に対
する可視光増感剤、重合性及び/又は架橋性の感光性組
成物、及び該感光性組成物を用いたホログラム記録媒
体。
【0007】
【化4】
【0008】
【作用】本発明者等は、上記従来技術の問題点を解決す
べく鋭意研究の結果、チオバルビツル酸誘導体化合物に
二重結合を導入すれば、高感度の色素とすることが出
来、且つ二重結合の延長により増感領域の長波長化が図
られ、光重合剤或いは光架橋剤に対する優れた増感性が
示される為、これを用いた感光性組成物、更に該感光性
組成物を主成分とするホログラム記録媒体は、優れた特
性を有することを知見して本発明に至った。
【0009】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明にかかる可視光増感
剤は、下記のいずれかの式により表わされるチオバルビ
ツル酸誘導体化合物からなることを特徴とする。
【化5】
【0010】本発明にかかる可視光増感剤を構成するチ
オバルビツル酸誘導体は、チオバビルツル酸と対応する
アルデビドとによって得られるが、その合成は、下記に
示す様な方法によって合成される。
【0011】
【化6】
【0012】又、この際に用いられる各アルデヒトは、
下記に示す代表的な合成経路によって合成される。
【化7】 二重結合の数を更に延長する場合には、上記した[3]
で得られる化合物に対し、[1]及び[2]の反応を繰
り返すことにより合成される。アミノ基がジュロリジン
基の様な閉環構造を採る場合も、上記と同様の合成方法
を用いることが出来るが、この場合には、反応収率を上
げる為に各段階での精製が必要である。
【0013】上記の様にして得られたチオバルビツル酸
誘導体化合物は、吸収極大が長波長側に延び、且つ優れ
た光増感性を示し、光重合剤或いは光架橋剤に対する優
れた増感剤となることが明らかとなった。かかる化合物
の吸収波長及び増感波長域は、成膜される媒体或いは塗
布の為の感光溶液の溶媒の種類に応じて、その吸収波長
域が異なり、吸収極大が700nmに達する場合もあ
る。特に、n=3以上の化合物は、塗布溶媒の影響を大
きく受け、例えば、通常の色素及びn=2の化合物で
は、その溶媒によるシフト量は数10nm程度であるの
に対し、n=3以上の化合物の溶液では、溶媒の極性に
応じて100nm程度変化し、且つその溶媒に応じて成
膜した結果、70nm程度まで波長シフトした膜が得ら
れた。
【0014】上記した様な本発明で使用するチオバルビ
ツル酸誘導体化合物は、種々の重合開始剤或いは架橋剤
に対する光増感剤(増感色素)として用いることが可能
である。本発明で使用するチオバルビツル酸色素が増感
可能な重合開始剤或いは架橋剤としては、具体的には、
ジアリールハロニウム誘導体、ビスイミダゾール誘導
体、トリアジン誘導体、ハロゲン化合物及び過酸化物等
が挙げられる。その中でも特にハロゲン化合物とは高い
反応性を示す。その原因について詳細は不明であるが、
基底状態においてハロゲン化合物と強い相互作用を示す
ことが、他の化合物とよりも反応性を上げている一因で
あると考えられる。又、これらの重合開始剤或いは架橋
剤とチオバルビツル酸色素との反応機構については、増
感される重合開始剤等が電子受容性基を有することか
ら、三重項若しくは一重項からの電子又はエネルギー移
動によるものと考えられる。
【0015】上記の様なチオバルビツル酸誘導体化合物
は、少なくともチオバルビツル酸誘導体化合物、重合開
始剤及びモノマー等の重合性化合物とを必須の成分とし
て、本発明にかかる光重合性の感光性組成物を形成す
る。又、少なくともチオバルビツル酸誘導体化合物、架
橋剤及びポリマーとを必須の成分として、本発明にかか
る光架橋性の感光性組成物を構成する。尚、これらの場
合、条件に応じ感光性組成物中に、活性助剤、バインダ
ーポリマー及び可塑剤を適宜添加させることが出来る。
【0016】又、上記のうち、チオバルビツル酸誘導体
化合物、架橋剤、更には、カルバゾールを主体とするポ
リマーとからなる系の感光性樹脂組成物は、特に、体積
位相ホログラム記録媒体として好ましく用いられる。こ
の場合、本発明のチオバルビツル酸誘導体化合物の使用
量は、体積位相ホログラム記録媒体の膜厚、露光波長に
応じて濃度を調整し、感光溶液に対して、10-5〜10
-2wt%、好ましくは10-4〜10-3wt%の範囲で用
いればよい。
【0017】下記に重合開始剤或いは架橋剤として用い
られるジアリールハロニウム塩誘導体等について以下に
具体的に説明する。
【0018】・ジアリールハアロニウム塩誘導体
【化8】 Xはアルキル基又はハロゲン原子を、YはI、Br又は
Clを、ZはPF6、CF3COO、ClO4、SbF6
はAsF6 を表わす。
【0019】ビスイミダゾール誘導体
【化9】 φはアリール基を表わす。
【0020】ハロゲン化合物、 CI、CHI、CBrCl等、
【0021】ハロメチル−S−トリアジン
【化10】 Xはハロゲン原子、好ましくは塩素原子を、YはC
、NH、NHR、OR、SR(R;アルキル基又
はアリール基)、アルキル基又はアリール基を、R
トリハロメチル基、アルキル基又はアリール基を表わ
す。
【0022】有機過酸化物
【化11】
【化12】
【0023】以上の様なの重合開始剤或いは架橋剤は、
感光溶液に対して好ましくは10-4〜10-1wt%の範
囲で、更に好ましくは、10-3〜10-2wt%の範囲で
用いられる。
【0024】本発明にかかる重合性の感光性組成物に用
いられる重合性化合物としては、少なくとも一個の二重
結合を含む化合物であり、モノマー、プレポリマー、例
えば、ダイマー、オリゴマー、これらの混合物が考えら
れる。具体的には、例えば、1,5−ペンタンジオール
ジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジ
アクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレー
ト、デカメチレングリコールジアクリレート、デカメチ
レングリコールジメタアクリレート、1,4−シクロヘ
キサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロール
プロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレー
ト、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセ
ロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ポリオキシエチレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート又はトリメタアクリレート、及び米国特
許第3,380,831号明細書中で述べられたのと類
似の化合物、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチ
レングリコールジメタアクリレート、ポリオキシプロピ
ルトリメチロールプロパントリアクリレート(46
2)、エチレングリコールジメタアクリレート、ブチレ
ングリコールジメタアクリレート、1,3−プロパンジ
オールジメタアクリレート、1,2,4−ブタントリオ
ールトリメタアクリレート、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオールジメタアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタアクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラメタアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタアクリレート、1,5−ペンタンジオールジ
メタアクリレート、ジアルリルフマレート等が挙げられ
る。
【0025】更に、スチレン、2−クロロスチレン、フ
ェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレー
ト、2,2´−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパン
ジアクリレート及びメタクリレート、1,4−ベンゼン
ジアクリレート、及びメタクリレート、1,4−ジイソ
プロペニルベンゼン、1,3,5−トリイソプロペニル
ベンゼン等も挙げられる。但し、本発明で使用されるモ
ノマーとしては、上記のラジカル重合性のモノマーに限
定されるわけではない。
【0026】本発明にかかる光架橋性の感光性樹脂組成
物の主体を成すポリマーとは、具体的には、例えば、ポ
リビニルカルバゾール、ポリ−3−クロロビニルカルバ
ゾール、ポリ−3−ブロモビニルカルバゾール、ポリ−
3−ヨードビニルカルバゾール、ポリ−3−メチルビニ
ルカルバゾール、ポリ−3−エチルビニルカルバゾー
ル、クロロ化ポリビニルカルバゾール、ブロモ化ポリビ
ニルカルバゾール等が挙げられる。又、上記の他の光架
橋性を示すポリマーとしては、p−位にハロゲン(C
l、Br、I)、アミノ基、ジメチルアミノ基、メトキ
シ基を有するポリスチレン、ポリ(N−ビニルインドー
ル)、ポリ(N−ビニルピロール)、ポリ(N−ビニル
フェノチアジン)、ポリ(イソプロペニルフェノー
ル)、ポリ[4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニ
ルメチルメタクリレート]等が挙げられる。
【0027】更に上記のビニルカルバゾール系ポリマー
は、例えば、フイルムとした際の強度や柔軟性等の特性
の制御の為、必要に応じて他のモノマーとコポリマー化
又は他のポリマーとブレンドポリマー化したものが用い
られる。例えば、上記のビニルカルバゾール類に加え
て、オレフィン、酢酸ビニル等のビニルエステル、メタ
クリル酸メチル等のアクリル酸、メタクリル酸のエステ
ル、スチレン、アクリロニトリル等をコポリマー化及び
ブレンドポリマー化したものが用いられる。
【0028】又、例えば、ポリスチレン、スチレン−ブ
タジエンコポリマー、スチレン−水素化ブタジエンコポ
リマー、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルアセテート等の他のポリマー
をブレンドして用いることも出来る。尚、これらのモノ
マー、ポリマーは、所望の特性が得られる様にその添加
割合を調節して用いられる。
【0029】本発明にかかる光架橋性の感光性樹脂組成
物は、上記の必要成分を一度に、又は順次、適当な溶媒
に溶解させることによって得られる。この際に使用され
る好ましい有機溶剤としては、芳香族を側鎖に有するポ
リマー、増感剤或いは架橋剤の溶解性及び溶剤の沸点等
を考慮すると、ベンゼン、キシレン、クロルベンゼン、
クロロホルム、ジクロルエタン、ジクロロエチレン、ト
リクロロエチレン、ピリジン、ジオキサン、テトロヒド
ロフラン或いはこれらの混合物が特に好ましく用いられ
る。p位に−OHを有するスチレン等の親水性基を有す
るポリマーを使用する場合には、メタノール、エタノー
ル等が好ましく用いられる。
【0030】又、この様にして得られる本発明にかかる
光架橋性の感光性樹脂組成物は、用いられるポリマーの
濃度や分子量等により変化するが、得られる溶液の粘度
を、20℃で50〜5,000cps、好ましくは30
0〜2,000cpsの範囲とするのが好適である。
【0031】使用されるポリマーの溶解方法としては、
ポリマーを有機溶剤中に入れて必要に応じて加熱し、濾
過して不溶分を除き、放置して気泡を除去する等の通常
の溶解操作でよく、特に限定されない。尚、以上の如く
して得られる本発明にかかる光架橋性樹脂組成物は、可
視光領域に感度を有している。従って、保存の際は暗所
に保存することが好ましい。
【0032】次に、本発明にかかるホログラム記録用の
感光性媒体について説明する。かかるホログラム記録媒
体は、上記した様な本発明にかかる感光性組成物を用
い、ガラス板やプラスチックフイルムの如き適当な基材
上に塗膜を形成することによって得られる。更に、かか
るホログラム記録媒体を使用し、可干渉性の光で露光
し、干渉縞を記録することにより優れたホログラムが作
製される。
【0033】以下、光架橋性樹脂組成物を用いたホログ
ラム記録媒体を使用した場合を例にとって、本発明にか
かるホログラム作製方法について述べる。先ず、以上の
如くして形成されたホログラム記録用の感光性記録媒体
に、使用した本発明にかかるチオバルビツル誘導体から
なる光増感剤の感光領域に応じたコヒーレントな可視光
である、物体光と参照光の2光束の可干渉性レーザーを
用い露光して、体積位相型ホログラムの潜像を形成す
る。
【0034】その後、溶媒による膨潤及び収縮現象を利
用した下記に述べる現像工程を経ることによって、高解
像度及び高回折効率の体積位相型ホログラムを形成する
ことが出来る。即ち、上記の露光工程に続いて、ホログ
ラム記録媒体を、かかる記録媒体組成中に使用されてい
るポリマーは勿論のこと、光反応により生成されるポリ
マー架橋物を殆ど溶出させることのない溶媒(第一の溶
媒)中に浸漬して、記録媒体中から増感剤及び未反応及
び分解した架橋剤のみをほぼ完全に溶出除去して着色を
除く。尚、この工程は下記の膨潤工程を兼ねることが出
来る。
【0035】次いで行う現像工程は、下記の様な膨潤工
程及び収縮工程の2ステップからなる。即ち、ホログラ
ム記録媒体の膨潤工程においては、上記した露光工程に
よりホログラム潜像が形成され、続いて上記の膨潤工程
により増感剤と及び未反応及び分解した架橋剤が除去さ
れた記録媒体を、上記した第一の溶媒を用いた膨潤液で
処理し、形成されたホログラムパターンに応じた膨潤を
引き起こさせる。その後、第二の溶媒を使用する収縮処
理によって、上記の膨潤状態のホログラム記録媒体を収
縮させて、ホログラムの増幅及び固定化を行う。
【0036】上記したホログラム現像工程に使用される
第一の溶媒である膨潤液としては、具体的には例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン(オルト体、メタ体、パ
ラ体及びそれらの混合物)、エチルベンゼン、n−プロ
ピルベンゼン、クメン、フェノール、クレゾール、クロ
ルベンゼン、ジクロルベンゼン、ニトロベンゼン、ベン
ジルアルコール、ベンジルクロライド、ベンジルブロマ
イド、α−メチルナフタリン、α−クロルナフタリン等
のベンゼン及びナフタリンの誘導体、ジクロルメタン、
クロロホルム、トリクロルエチレン、トリクロルエタ
ン、ジクロルエタン、ブロモホルム等のハロゲン置換の
飽和又は不飽和の炭化水素、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類、酢酸エチル、蟻酸エチル等のエステル類、そ
の他のアミン類、アミド類等が挙げられる。
【0037】特に、ポリビニルカルバゾール及びその誘
導体をポリマーとして用いる際には、膨潤液としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン(オルト体、メタ体、パ
ラ体及びそれらの混合物)、エチルベンゼン、n−プロ
ピルベンゼン、クメン、フェノール、クレゾール、クロ
ルベンゼン、ジクロルベンゼン、ニトロベンゼン、ベン
ジルアルコール、ベンジルクロライド、ベンジルブロマ
イド、α−メチルナフタリン、α−クロルナフタリン等
のベンゼン及びナフタリンの誘導体を用いるのが望まし
い。
【0038】又、第二の溶媒である収縮液としては、ホ
ログラム記録媒体に対して膨潤又は溶解作用を有せず、
且つ上記に挙げた様な膨潤液と相溶性のある溶媒は全て
使用することが可能であるが、例えば、n−ペンタン、
n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオク
タン、シクロヘキサン等のアルカン、シクロアルカン
類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミルア
ルコール、イソアミルアルコール等のアルコール類、ジ
エチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル等のエーテル類等が好ましく使用される。
【0039】中でも炭素数5〜7の飽和炭化水素は収縮
効果に優れ、単独或は相互の混合、或は他の溶媒との混
合溶媒として、収縮工程に用いるのが好適である。又、
夫々の工程における温度や時間等の処理条件は、夫々使
用する記録媒体の種類及び溶媒の種類等によって変化す
る為、一概には規定することは出来ないが、一般的には
いずれの工程も、10℃〜70℃程度の温度で数秒間〜
数分間の処理で十分な効果を挙げることが出来る。
【0040】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。 実施例1〜実施例47−(p−ジエチルアミノフェニル)−2,4,6−ヘ
プタトリユナールの合成 DMF(10.8g)を10℃以下に冷却し、POCl
3 (10.8g)を10℃以下に保ち滴下し、次いで0
℃で30分間冷却した。その後、6−(p−ジエチルア
ミノフェニル)−2−ヒドロキシ−3,5−ヘキサジエ
ン(14g)/DMF(27g)を0℃で、2時間かけ
て滴下した。次いで、50℃にて2時間反応させた。反
応後、反応物を0℃に冷却し、酢酸ナトリウム(32
g)/水(77ml)を10℃以下で滴下し、滴下後、
室温で一時間撹拌した。その後、水を200〜300m
l加え、エーテル500mlで洗浄した水相を、10℃
以下で水酸化ナトリウム希薄溶液を添加し、アルカリ性
とした。この際に、折出した結晶を減圧濾過し、水洗
後、CHCl3 で抽出し、MgSO4 で乾燥後、カラム
精製して、7−(p−ジエチルアミノフェニル)−2,
4,6−ヘプタトリユナールを合成した。この際の収率
は18.5%であった。
【0041】得られた合成物をプロトンNMRにて同定
したところ、下記の表1の結果が得られ、合成物は以下
の構造を有する化合物であることが確認された。
【0042】
【化13】
【表1】
【0043】上記の反応を繰り返して、n=4のアルデ
ヒドを得た。又、各反応段階での精製を十分に行いなが
ら、上記と同様の合成方法を用いてアミノ基がジュロリ
ジン基であるn=3のアルデヒドを得た。
【0044】次に、上記で得られた0.0100mol
の各アルデヒト、0.0100molのチオバビルツー
ル酸、及び3cm3 のエタノールの混合溶液を75℃で
2時間加熱した。析出した固体を濾別し、アセトン系か
ら再結晶して各々青色固体を得た。得られた化合物を
H−NMRにて同定したところ、下記の表2及び表3の
結果が得られ、表4に示す構造を有することが確認され
た。得られた色素についての吸収極大値も表4に示し
た。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】実施例5〜実施例7 実施例2で得られた増感剤(n=4、ジエチルアミノ)
(5×10−6M)のクロロホルム溶液に、各重合剤或
いは架橋剤である10-2M〜10-3 Mのヨードホル
ム、トリアジン及びフェニルヨードニウムを加え、64
7nmの光を照射し、色素の退色変化を測定した。その
結果、分解速度は、ヨードホルム>トリアジン>フェニ
ルヨードニウムの順であることが確認された。
【0049】実施例8 PVCz3g、実施例1で得られた増感剤(n=3、ジ
エチルアミノ)0.01gを、30mlのクロロベンゼ
ン又はクロロホルムに溶解し、本発明の感光性樹脂組成
物を得た。得られた溶液を、硝子基板上にに膜厚が5μ
になる様に塗布し乾燥した。この結果、n=3、ジエチ
ルアミノの系の増感剤においては、芳香族系の溶媒であ
るクロロベンゼンを使用した場合には、600nmに吸
収極大を有した膜が得られた。一方、クロロホルムを溶
媒として使用した場合には、670nmに吸収極大を有
する膜が得られた。
【0050】実施例9 PVCz3g、ヨードホルム0.1g及び以下の式であ
らわされる増感剤0.01gを30nmのクロロベンゼ
ンに溶解し、本発明にかかる感光性樹脂組成物を得た。
この溶液を硝子基板に膜厚が10μmになる様に塗布乾
燥して、本発明にかかるホログラム記録媒体を得た。次
にこの様にして得られたホログラム記録媒体に、クリプ
トンレーザー(647.1nm)を用い、100mJ/
cmの露光を行った。この結果、図1に示す様に色素
の退色が速やかに起こった。
【0051】
【化15】
【0052】実施例10 ポリビニルカルバゾール3g、オニウム塩0.1g、増
感剤として実施例 で得られた化合物0.01gを30
molのクロロベンゼンに溶解し、感光性樹脂組成物を
得た。又、上記で得られた溶液を、硝子基板に膜厚が2
μmになる様に塗布し、乾燥して、本発明にかかる記録
媒体を得た。次に、この様にして得られたホログラム記
録媒体にクリプトンレーザー(647.1nm)を用
い、100mJ/cmの露光を行い、更に、約120
℃で1分加熱し、ジクロロメタンで現像し、未露光部分
を除去してレリーフパターンを得た。この結果得られた
レリーフパターンにはマスクのネガ像がよく再現されて
いた。
【0053】実施例11 実施例10で使用したポリビニルカルバゾールをポリ−
p−クロルスチレンに代えた以外は実施例10と同様に
して、本実施例の感光性樹脂組成物及びホログラム記録
媒体を得た。又、得られたホログラム記録媒体を使用
し、レリーフパターンを作製したところ、実施例10と
同様に、レリーフパターンにはマスクのネガ像がよく再
現されていた。
【0054】実施例12 実施例10で使用したポリビニルカルバゾールをポリ−
p−メトキシスチレンに代えた以外は実施例10と同様
にして、本実施例の感光性樹脂組成物及びホログラム記
録媒体を得た。又、得られたホログラム記録媒体を使用
し、レリーフパターンを作製したところ、実施例10と
同様に、レリーフパターンにはマスクのネガ像がよく再
現されていた。
【0055】実施例13 PVCz3g、ヨードホルム0.1gと、次に示す増感
剤を0.01g、30mlのクロロベンゼンに溶解し、
本発明にかかる感光性樹脂組成物を得た。これらの得ら
れた溶液を、硝子基板に膜厚が2μになる様に塗布し、
乾燥して、本発明にかかるホログラム記録媒体を得た。
次に、上記の様にして得られた記録媒体に、488nm
のレーザー波長で100mJ/cmの露光を行い、更
に約120℃で1分加熱しジクロロメタンで現像し、未
露光部分を除去してレリーフパターンを得た。この結
果、レリーフパターンはマスクのネガ像をよく再現し
た。
【0056】
【化16】
【0057】実施例14 増感剤を下記に示す化合物に代え、且つホログラム記録
媒体への露光の際に、514.5nmのレーザー波長を
用いる以外は、実施例13と同様にしてホログラム記録
媒体上にレリーフパターンを得た。この結果、レリーフ
パターンは実施例13と同様に、マスクのネガ像をよく
再現した。
【0057】
【化17】
【0058】実施例15 増感剤を下記に示す化合物に代え、且つホログラム記録
媒体への露光の際に、633nmのレーザー波長を用い
る以外は、実施例13と同様にしてホログラム記録媒体
上にレリーフパターンを得た。この結果、レリーフパタ
ーンは実施例13と同様に、マスクのネガ像をよく再現
した。
【0059】
【化18】
【0060】実施例16 増感剤を下記に示す化合物に代え、且つホログラム記録
媒体への露光の際に、647nmのレーザー波長を用い
る以外は、実施例13と同様にしてホログラム記録媒体
上にレリーフパターンを得た。この結果、レリーフパタ
ーンは実施例13と同様に、マスクのネガ像をよく再現
した。
【0061】
【化19】
【0062】実施例16 0.01gの下記式で示される色素、5.0gのポリビ
ニルカルバゾール、0.5gのビス(t−ブチルフェニ
ル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート及び
0.1gのヨードホルムを60cmのトルエンに溶解
し、本発明にかかる体積位相型ホログラム記録媒体用の
感光液を得た。この溶液をガラス基板上にスピンコート
し、膜厚10μmのホログラム記録媒体を得た。
【0063】
【化20】 得られたホログラム記録媒体をヘリウムネオンレーザー
光(632.8nm)を用いて2光束干渉露光した。露
光量は100mJ/cm2 であった。この露光したホロ
グラム記録媒体をキシレン及びヘキサンで現像すること
により、反射型の体積位相型ホログラムを得た。得られ
たホログラムの回折効率は約75%であった。
【0064】
【効果】以上説明した様に、本発明によれば、可視領域
の青から赤色にまで高い吸収感度を有し、優れた増感性
を示す可視光増感剤が提供される。又、これらの可視光
増感剤をかかる増感剤が増感可能な重合開始剤及び架橋
剤と共に用いることにより、優れた特性の感光性組成
物、及び該感光性組成物を主体として用いる優れた特性
のホログラム記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例9で得られた感光性樹脂組成物を使用し
た感光膜の色素の退色状況を示すスペクトル。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のいずれかの式により表わされるチ
    オバルビツル酸誘導体化合物からなることを特徴とする
    光重合剤及び/又は光架橋剤に対する可視光増感剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 少なくとも下記式で表わされる化合物
    と、活性線照射により活性化される重合開始剤及び活性
    線照射により活性化される架橋剤から選ばれる少なくと
    も1種の重合開始剤或いは架橋剤を含有することを特徴
    とする重合性及び/又は架橋性の感光性組成物。 【化2】 (式中、R〜Rは1〜6個の炭素原子を有するアル
    キル基を表わし、RとR、RとRは夫々、5員
    環、6員環、又は7員環よりなるヘテロ環を形成する為
    に結合することが出来る。R及びRは、夫々独立
    に、水素原子、メチル基又はフェニル基を示し、nは0
    〜3の整数を表わす)
  3. 【請求項3】 活性線照射により活性化される重合開始
    剤若しくは架橋剤が、電子受容性基を有する化合物であ
    る感光性組成物。
  4. 【請求項4】 重合開始剤若しくは架橋剤が、ジアリー
    ルハロニウム塩、ハロメチル−S−トリアジン、ハロゲ
    ン化合物、ビスイミダゾール誘導体及び有機過酸化物か
    ら選ばれる請求項2に記載の感光性組成物。
  5. 【請求項5】 感光波長領域を感光性組成物中に添加さ
    せた塗布溶媒を変えることにより変化させた請求項2に
    記載の感光性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の感光性組成物を主成分
    とすることを特徴とするホログラム記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5618856A (en) * 1994-06-20 1997-04-08 Canon Kabushiki Kaisha Visible light sensitizer for photopolymerizing initiator and/or photocrosslinking agent, photosensitive composition, and hologram recording medium
US9349965B2 (en) 2010-09-08 2016-05-24 Fujifilm Corporation Photoelectric conversion material, film containing the material, photoelectric conversion device, method for preparing photoelectric conversion device, method for using photoelectric conversion device, photosensor and imaging device

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