JPH07278133A - クマリン誘導体、光増感剤、感光性組成物、ホログラム記録媒体及びホログラム作製方法 - Google Patents

クマリン誘導体、光増感剤、感光性組成物、ホログラム記録媒体及びホログラム作製方法

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JPH07278133A
JPH07278133A JP9393094A JP9393094A JPH07278133A JP H07278133 A JPH07278133 A JP H07278133A JP 9393094 A JP9393094 A JP 9393094A JP 9393094 A JP9393094 A JP 9393094A JP H07278133 A JPH07278133 A JP H07278133A
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Yoko Yoshinaga
曜子 吉永
Tatsu Kobayashi
辰 小林
Takasato Taniguchi
尚郷 谷口
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重合開始剤及び架橋剤の光増感剤として用い
ることが出来る、600nm以上の長波長にまで高い吸
収感度を有するクマリン誘導体、該クマリン誘導体から
なる光増感剤、該光増感剤を含有する感光性組成物、該
感光性組成物からなるホログラム記録媒体、更にホログ
ラム作製方法を提供すること。 【構成】 下記一般式で示されることを特徴とするクマ
リン誘導体等。 (R1〜R8は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基又は水
素原子で、R1とR3、R2とR4、R5とR7及びR6とR8は、5〜7
員環よりなるヘテロ環形成の為に結合可。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なクマリン誘導体、
更には、可視光による光重合性及び光架橋性組成物用の
クマリン系新規増感剤、該クマリン誘導体により増感さ
れる重合開始剤又は架橋剤が含有された光重合性及び光
架橋性の感光性組成物、感光性組成物を主成分とするホ
ログラム記録媒体、及び該ホログラム記録媒体を用いた
ホログラム作製方法。
【0002】
【従来の技術】近年、色素レーザーの開発に伴い、種々
の新規な化合物がレーザー色素として合成されている。
その中でもクマリン類は、レーザー励起によって広い範
囲にわたり発光が可能であり、且つ高効率である為、色
素レーザー用の色素として開発が進められている。更
に、これらの色素は、電子写真用の感光材料、重合性感
光組成物等としても幅広く検討されてきている。
【0003】クマリン類の中で、従来よりアルゴンレー
ザーの488nmの波長光用の光増感色素として広く使
用されている化合物としては、下記構造のものが挙げら
れる。
【化2】
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記のクマリン化合物は、アルゴンレーザーの514.5
nmの波長光に対する感度は十分なものとは言えず、更
に、例えば、He−Neレーザーの632.8nm等の
600nm付近の長波長の波長光に対しては殆ど感度を
示さないという問題があった。これに対し、本発明者ら
は、ピラン類及びクマリン類を長波長光用の光増感剤と
して使用する為に、これまでに二重結合を延長すること
により吸収極大を長波長側に延ばす可能性について検討
してきた(特願平5−132482号明細書)。
【0005】ところで、銀塩の光増感剤においては、光
増感剤として有効な色素の特徴が既に明らかにされてお
り、それによれば、色素のクロモフォアがより平面構造
をとっていること、光増感ではない光異性化等を誘発し
易いねじれ構造を取りにくいものであること等が増感反
応に有利であることが指摘されている。しかしこれま
で、クマリン系色素については、この様な観点のもと合
成や反応性等が検討されたことはなかった。
【0006】従って、本発明の目的は、光重合性及び光
架橋性組成物中に含まれる重合開始剤及び架橋剤の光増
感剤として用いることが出来る、600nm以上の長波
長にまで高い吸収感度を有する高感度の色素であるクマ
リン誘導体、かかるクマリン誘導体からなる光増感剤、
該光増感剤を含有する感光性組成物、該感光性組成物か
らなるホログラム記録媒体、更には該ホログラム記録媒
体を使用したホログラム作製方法を提供することであ
る。
【0007】
【問題点を解決するための手段】上記目的は以下の本発
明により達成される。即ち、本発明は、下記一般式で示
されることを特徴とするクマリン誘導体、該クマリン誘
導体からなる光重合性及び光架橋性組成物用の光増感
剤、該光増感剤が含有された感光性組成物、該感光性組
成物を主成分とするホログラム記録媒体、及び該記録媒
体を用いたホログラム作製方法である。
【化3】 (式中、R〜Rは夫々独立に1〜6個の炭素原子を
有するアルキル基又は水素原子であり、RとR、R
とR、RとR及びRとRは夫々、5員環、
6員環、又は7員環よりなるヘテロ環を形成する為に結
合することが出来る。)
【0008】
【作用】本発明者らは、上記した従来技術の問題点を解
決すべく鋭意研究の結果、クマリン誘導体の二重結合を
延ばし、更にその二重結合を飽和炭化水素で固定すれ
ば、クマリン化合物の吸収極大を長波長側に延ばすこと
が出来、且つこの様なクマリン化合物が光重合剤及び光
架橋剤に対し優れた光増感性を有する為、光重合性及び
架橋性組成物用の優れた特性の光増感剤が得られること
を知見して本発明に至った。更に、かかる光増感剤を使
用すれば、優れた特性の感光性組成物、該感光性組成物
からなるホログラム記録媒体、更には該ホログラム記録
媒体を使用したホログラム作製方法が夫々提供される。
【0009】
【好ましい実施態様】以下、好ましい実施態様を挙げ
て、本発明を更に詳しく説明する。本発明にかかるクマ
リン誘導体は、下記一般式で示されることを特徴とす
る。
【化4】 上記のクマリン誘導体は、例えば、下記に示す合成ルー
トにより合成される。
【0010】
【化5】第一段階として、下記の工程により、アルデヒ
ド化合物を得る。
【0011】次に、上記の様にして得られたアルデヒド
化合物を使用して、本発明にかかるクマリン誘導体を合
成する。
【化6】
【0012】上記の合成ルート等により合成された本発
明にかかるクマリン誘導体は、種々の光重合開始剤或い
は光架橋剤の光増感剤として用いることが可能である。
本発明にかかるクマリン誘導体が光増感することが可能
な重合開始剤及び架橋剤としては、具体的には、例え
ば、ジアリールハロニウム誘導体、トリアジン誘導体、
ハロゲン化合物及び過酸化物等、従来、クマリン色素に
よって増感可能な重合開始剤或いは光架橋剤を挙げるこ
とが出来る。その増感機構については、上記に挙げた光
増感されるこれらの重合開始剤や架橋剤がいずれも電子
受容性基を有する化合物であることから、三重項若しく
は一重項からの電子又はエネルギー移動によるものと考
えられる。
【0013】本発明にかかるクマリン誘導体からなる光
増感剤は、該光増感剤により増感される重合開始剤及び
重合性化合物とともに光重合性組成物を、又、架橋剤及
び光架橋性のポリマーとともに光架橋性樹脂組成物、或
は光分解性組成物等の感光性組成物を構成する。これら
の組成物には、条件に応じ、更に活性助剤、バインダー
ポリマー或いは可塑剤等を添加してもよい。
【0014】この様な感光性組成物のうち、本発明にか
かるクマリン誘導体、重合開始剤、カルバゾールを主体
とするモノマー及びバインダーポリマーとからなる系、
又は、クマリン誘導体、架橋剤及びカルバゾールを主体
とするポリマーとからなる系は、特に、体積位相型ホロ
グラム記録媒体として好ましく用いられる。この場合、
組成物中に含有される上記本発明にかかるクマリン誘導
体の量は、体積位相型ホログラム記録媒体の膜厚、露光
波長に応じて濃度が調節される。例えば、感光性組成物
の溶液に対して、好ましくは10-3〜10wt%、より好
ましくは10-2〜10-1wt%程度加えられる。
【0015】本発明にかかる感光性組成物を構成する重
合開始剤及び架橋剤としては、例えば、下記に夫々示す
ジアリールハロニウム塩誘導体、ハロメチル−s−トリ
アジン誘導体、ハロゲン化合物及び有機過酸化物等が好
ましく用いられる。
【0016】ジアリールハロニウム塩誘導体
【化7】 X:アルキル基、ハロゲン原子 Y:I、Br、Cl Z:PF6、CF3COO、ClO4、SbF6、AsF6
【0017】ハロメチル−s−トリアジン誘導体
【化8】
【0018】ハロゲン化合物 CI4、CHI3、CBrCl3
【0019】有機過酸化物
【化9】
【0020】本発明にかかる重合性或いは架橋性の感光
性組成物に対する上記の様な重合開始剤及び架橋剤の含
有量としては、好ましくは10-2〜100wt%、より好
ましくは10-1〜10wt%までの範囲とする。
【0021】又、本発明にかかる重合性の感光性組成物
を構成する重合性化合物としては、少なくとも一個の二
重結合を含む化合物が挙げられ、モノマー、プレポリマ
ー、例えば、ダイマー、オリゴマー、更にそれらの混合
物が挙げられる。具体的には、例えば、1,5−ペンタ
ンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアク
リレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ヘキサメチレング
リコールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジ
アクリレート、デカメチレングリコールジアクリレー
ト、デカメチレングリコールジメタクリレート、1,4
−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジ
メチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジア
クリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、ポリオキシエチレートトリメチロールプロ
パントリアクリレート又はトリメタクリレート、及び合
衆国特許第3,380,831号明細書中で述べられた
ものと類似の化合物、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリオ
キシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート
(462)、エチレングリコールジメタクリレート、ブ
チレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパン
ジオールジメタクリレート、1,2,4−ブタントリオー
ルトリメタクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリ
トールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ
メタクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリ
レート、ジアルリルフマレート等が挙げられる。
【0022】更に、スチレン、2−クロロスチレン、フ
ェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレー
ト、2,2'−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ
アクリレート及びメタクリレート、1,4−ベンゼンジ
アクリレート及びメタクリレート、1,4−ジイソプロ
ペニルベンゼン、1,3,5−トリイソプロペニルベンゼ
ン等も挙げられる。但し、本発明で使用されるラジカル
重合性モノマーとしては上記モノマーに限定されるわけ
ではない。又下記に述べるポリマーと混合して用いても
よい。
【0023】又、本発明にかかる光架橋性の感光性樹脂
組成物の主体をなすポリマーとしては、具体的には、例
えば、ポリビニルカルバゾール、ポリ−3−クロロビニ
ルカルバゾール、ポリ−3−ブロモビニルカルバゾー
ル、ポリ−3−ヨードビニルカルバゾール、ポリ−3−
メチルビニルカルバゾール、ポリ−3−エチルビニルカ
ルバゾール、クロロ化ポリビニルカルバゾール、ブロモ
化ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。更に、上記
の他の光架橋性を示すポリマーとしては、p−位にハロ
ゲン(Cl、Br、I)、アミノ基、ジメチルアミノ基、メ
トキシ基を有するポリスチレン、ポリ(N−ビニルイン
ドール)、ポリ(N−ビニルピロール)、ポリ(N−ビ
ニルフェノチアジン)、ポリ(イソプロペニルフェノー
ル)、ポリ[4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニ
ルメチルメタクリレート]等が挙げられる。
【0024】更に、上記のビニルカルバゾール系ポリマ
ーは、例えば、フィルムとした際の強度や柔軟性等の特
性を制御する為、必要に応じて他のモノマーとコポリマ
ー化又は他のポリマーとブレンドポリマー化したものが
用いられる。具体的には、例えば、上記のビニルカルバ
ゾール類に加えて、オレフィン、酢酸ビニル等のビニル
エステル、メタクリル酸メチル等のアクリル酸、メタク
リル酸のエステル、スチレン、アクリロニトリル等をコ
ポリマー化及びブレンドポリマー化したものが用いられ
る。又、例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン
コポリマー、スチレン−水素化ブタジエンコポリマー、
ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルアセテート等の他のポリマーをブレド
して用いることも出来る。尚、これらのモノマー、ポリ
マーは所望の特性が得られる様にその添加割合を調節し
て用いられる。
【0025】本発明にかかる光重合性及び光架橋性の感
光性樹脂組成物は、上記の必要成分を一度に、又は順
次、適当な溶媒に溶解させることによって得られる。光
重合性の感光性樹脂組成物に使用される好ましい有機溶
剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、THF、
塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、或
いはこれらの混合物等が挙げられる。光架橋性の感光性
樹脂組成物に使用される好ましい有機溶剤としては、芳
香族を側鎖に有するポリマー、増感剤或いは架橋剤の溶
解性及び溶剤の沸点等を考慮すると、ベンゼン、キシレ
ン、クロルベンゼン、クロロホルム、ジクロルエタン、
ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、ピリジン、ジ
オキサン、テトロヒドロフラン、或いはこれらの混合物
等が挙げられる。p位に−OHを有するスチレン等の親
水性基を有するポリマーを使用する場合には、メタノー
ル、エタノール等が好ましく用いられる。
【0026】又、この様にして得られる本発明にかかる
光架橋性の感光性樹脂組成物は、用いられるポリマーの
濃度や分子量等により変化するが、得られる溶液の粘度
を、20℃で50〜5,000cps、好ましくは30
0〜2,000cpsの範囲とするのが好適である。
【0027】使用されるポリマーの溶解方法としては、
ポリマーを有機溶剤中に入れて必要に応じて加熱し、濾
過して不溶分を除き、放置して気泡を除去する等の通常
の溶解操作でよく、特に限定されない。尚、以上の如く
して得られる本発明にかかる光架橋性樹脂組成物は、可
視光領域に感度を有している。従って、保存の際は暗所
に保存することが好ましい。
【0028】次に、本発明にかかるホログラム記録用の
感光性媒体について説明する。かかるホログラム記録媒
体は、上記した様な本発明にかかる感光性組成物を用
い、ガラス板やプラスチックフイルムの如き適当な基材
上に塗膜を形成することによって得られる。更に、かか
るホログラム記録媒体を使用し、可干渉性の光で露光
し、干渉縞を記録することにより優れたホログラムが作
製される。
【0029】以下、光架橋性樹脂組成物を用いたホログ
ラム記録媒体を使用した場合を例にとって、本発明にか
かるホログラム作製方法について述べる。先ず、以上の
如くして形成されたホログラム記録用の感光性記録媒体
に、使用した本発明にかかるクマリン誘導体からなる光
増感剤の感光領域に応じたコヒーレントな可視光であ
る、物体光と参照光の2光束の可干渉性レーザーを用い
露光して、体積位相型ホログラムの潜像を形成する。
【0030】その後、溶媒による膨潤及び収縮現象を利
用した下記に述べる現像工程を経ることによって、高解
像度及び高回折効率の体積位相型ホログラムを形成する
ことが出来る。即ち、上記の露光工程に続いて、ホログ
ラム記録媒体を、かかる記録媒体組成中に使用されてい
るポリマーは勿論のこと、光反応により生成されるポリ
マー架橋物を殆ど溶出させることのない溶媒(第一の溶
媒)中に浸漬して、記録媒体中から増感剤及び未反応及
び分解した架橋剤のみをほぼ完全に溶出除去して着色を
除く。尚、この工程は下記の膨潤工程を兼ねることが出
来る。
【0031】次いで行う現像工程は、下記の様な膨潤工
程及び収縮工程の2ステップからなる。即ち、ホログラ
ム記録媒体の膨潤工程においては、上記した露光工程に
よりホログラム潜像が形成され、続いて上記の膨潤工程
により増感剤と及び未反応及び分解した架橋剤が除去さ
れた記録媒体を、上記した第一の溶媒を用いた膨潤液で
処理し、形成されたホログラムパターンに応じた膨潤を
引き起こさせる。その後、第二の溶媒を使用する収縮処
理によって、上記の膨潤状態のホログラム記録媒体を収
縮させて、ホログラムの増幅及び固定化を行う。
【0032】上記したホログラム現像工程に使用される
第一の溶媒である膨潤液としては、具体的には例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン(オルト体、メタ体、パ
ラ体及びそれらの混合物)、エチルベンゼン、n−プロ
ピルベンゼン、クメン、フェノール、クレゾール、クロ
ルベンゼン、ジクロルベンゼン、ニトロベンゼン、ベン
ジルアルコール、ベンジルクロライド、ベンジルブロマ
イド、α−メチルナフタリン、α−クロルナフタリン等
のベンゼン及びナフタリンの誘導体、ジクロルメタン、
クロロホルム、トリクロルエチレン、トリクロルエタ
ン、ジクロルエタン、ブロモホルム等のハロゲン置換の
飽和又は不飽和の炭化水素、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類、酢酸エチル、蟻酸エチル等のエステル類、そ
の他のアミン類、アミド類等が挙げられる。
【0033】特に、ポリビニルカルバゾール及びその誘
導体をポリマーとして用いる際には、膨潤液としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン(オルト体、メタ体、パ
ラ体及びそれらの混合物)、エチルベンゼン、n−プロ
ピルベンゼン、クメン、フェノール、クレゾール、クロ
ルベンゼン、ジクロルベンゼン、ニトロベンゼン、ベン
ジルアルコール、ベンジルクロライド、ベンジルブロマ
イド、α−メチルナフタリン、α−クロルナフタリン等
のベンゼン及びナフタリンの誘導体を用いるのが望まし
い。
【0034】又、第二の溶媒である収縮液としては、ホ
ログラム記録媒体に対して膨潤又は溶解作用を有せず、
且つ上記に挙げた様な膨潤液と相溶性のある溶媒は全て
使用することが可能であるが、例えば、n−ペンタン、
n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオク
タン、シクロヘキサン等のアルカン、シクロアルカン
類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミルア
ルコール、イソアミルアルコール等のアルコール類、ジ
エチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル等のエーテル類等が好ましく使用される。中
でも炭素数5〜7の飽和炭化水素は収縮効果に優れ、単
独或は相互の混合、或は他の溶媒との混合溶媒として、
収縮工程に用いるのが好適である。又、夫々の工程にお
ける温度や時間等の処理条件は、夫々使用する記録媒体
の種類及び溶媒の種類等によって変化する為、一概には
規定することは出来ないが、一般的にはいずれの工程
も、10℃〜70℃程度の温度で数秒間〜数分間の処理
で十分な効果を挙げることが出来る。
【0035】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1
【0036】先ず、本発明のクマリン誘導体の中間体で
ある下記構造式のアルデヒド化合物を下記の方法で合成
した。
【化10】
【0037】先ず、乾燥DMF35gにオキシ塩化リン
35gを0℃で滴下した後、30分間撹拌した。次に、
この中に下記構造式を有する化合物を50g含むDMF
100g溶液を0℃で滴下した。
【化11】
【0038】更に、0℃に保ちながら30分間撹拌した
後、氷水1リットル中に注入し、これに酢酸ナトリウム
を加えて、pH10に調整して、更に一時間撹拌した。
これを塩化メチレン2リットルで抽出し、濃縮してカラ
ム精製し(ヘキサン/IPE=1/1)、25gの粗結
晶を得た。
【0039】次に、これにクロロホルム5mlを加えて
溶かし、ヘキサン100mlを加えて冷却し、折出した
黄色結晶を濾取して目的物を得た。得られた化合物を1
H−NMRにて同定したところ、図1に示したスペクト
ル及び表1の結果が得られ、折出した黄色結晶は以下の
構造を有するアルデヒドであることが確認された。
【0040】
【化12】
【0041】上記で得られたアルデヒドを0.0100
mol、4,4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル
−4H−ピランを0.0100mol、ピペリジン0.
1g及びエタノール2.6cm3 からなる混合溶液を、
75℃で2時間加熱した。次に、折出した固体を濾別
し、クロロホルム−メタノール系から再結晶して紫色固
体を得た。得られた化合物を1H−NMRにて同定した
ところ、図2に示したスペクトル及び表1の結果が得ら
れ、以下の構造を有する本発明にかかるクマリン誘導体
であることが確認された。得られた色素の可視吸収スペ
クトルを図3に示す。
【0042】
【化13】
【0043】
【表1】表1 NMR測定結果
【0044】実施例2 ポリビニルカルバゾール3g、オニウム塩0.1g、増
感剤として実施例1で得られた化合物0.01gを30
molのクロロベンゼンに溶解し、感光性樹脂組成物を
得た。又、上記で得られた溶液を、硝子基板に膜厚が2
μmになる様に塗布し、乾燥して、本発明のホログラム
記録媒体を得た。次に、この様にして得た記録媒体にク
リプトンレーザー(647.1nm)で100mJ/cm2の露
光を行い、更に、約120℃で1分加熱し、ジクロロメ
タンで現像し、未露光部分を除去してレリーフパターン
を得た。この結果得られたレリーフパターンにはマスク
のネガ像がよく再現されていた。
【0045】実施例3 実施例2で使用したポリビニルカルバゾールをポリ−p
−クロルスチレンに代えた以外は実施例2と同様にし
て、本実施例の感光性樹脂組成物及びホログラム記録媒
体を得た。又、得られたホログラム記録媒体を使用し、
レリーフパターンを作製したところ、実施例2と同様
に、レリーフパターンにはマスクのネガ像がよく再現さ
れていた。
【0046】実施例4 実施例2で使用したポリビニルカルバゾールをポリ−p
−メトキシスチレンに代えた以外は実施例2と同様にし
て、本実施例の感光性樹脂組成物及びホログラム記録媒
体を得た。又、得られたホログラム記録媒体を使用し、
レリーフパターンを作製したところ、実施例2と同様
に、レリーフパターンにはマスクのネガ像がよく再現さ
れていた。
【0047】実施例5 実施例1で得られた0.01gのクマリン色素、5.0
gのポリビニルカルバゾール、0.5gのビス(t−ブ
チルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェ
ート、及び0.1gのヨードホルムを60cm3のトルエ
ンに溶解し、本発明の感光性組成物を得た。又、この溶
液をガラス基板上にスピンコートし、膜厚10μmのホ
ログラム記録媒体を得た。得られたホログラム記録媒体
をヘリウムネオンレーザー光(632.8nm)を用い
て露光した。露光量は100mJ/cm2であった。露光した
ホログラム記録媒体をキシレン及びヘキサンで現像する
ことにより、反射型の体積位相型ホログラムを得た。得
られたホログラムの回折効率は約75%であった。
【0048】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、可
視領域の青から赤色にまで高い吸収感度を有し、優れた
光増感性を示すクマリン誘導体が提供される。又、これ
らのクマリン誘導体を重合開始剤及び架橋剤の光増感剤
として用いることにより、優れた感光性組成物及びそれ
らを主体として用いるホログラム記録媒体、更には優れ
たホログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたアルデヒドの1H−NMR
のスペクトルである。
【図2】実施例1で得られたクマリン色素の1H−NM
Rのスペクトルである。
【図3】実施例2の溶液可視光吸収スペクトルである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/029 G03H 1/02 1/04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で示されることを特徴とする
    クマリン誘導体。 【化1】 (式中R1〜R8は夫々独立に、1〜6個の炭素原子を有
    するアルキル基又は水素原子であり、R1とR3、R2
    4、R5とR7及びR6とR8は夫々、5員環、6員環、
    又は7員環よりなるヘテロ環を形成する為に結合するこ
    とが出来る。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のクマリン誘導体からな
    ることを特徴とする光重合性及び光架橋性組成物用の光
    増感剤。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光増感剤と、活性線照
    射により活性化される重合開始剤及び活性線照射により
    活性化される架橋剤から選ばれるいずれか一種以上とが
    含有されていることを特徴とする感光性組成物。
  4. 【請求項4】 活性線照射により活性化される重合開始
    剤若しくは活性線照射により活性化される架橋剤が、電
    子受容性基を有する化合物である請求項3に記載の感光
    性組成物。
  5. 【請求項5】 活性線照射により活性化される重合開始
    剤若しくは活性線照射により活性化される架橋剤が、ジ
    アリールハロニウム塩、ハロメチル−s−トリアジン、
    ハロゲン化合物及び有機過酸化物からなる群から選ばれ
    る請求項3に記載の感光性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の感光性組成物を主成分
    とすることを特徴とするホログラム記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のホログラム記録媒体
    を、可干渉性の光で露光し、干渉縞を記録することを特
    徴とするホログラム作製方法。
JP9393094A 1994-04-08 1994-04-08 クマリン誘導体、光増感剤、感光性組成物、ホログラム記録媒体及びホログラム作製方法 Pending JPH07278133A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108610319A (zh) * 2018-06-07 2018-10-02 福建医科大学 一种用于检测Al3+的查尔酮香豆素类荧光探针的合成及应用

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CN108610319A (zh) * 2018-06-07 2018-10-02 福建医科大学 一种用于检测Al3+的查尔酮香豆素类荧光探针的合成及应用

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