JPH07279178A - オープンケーソン躯体の構造 - Google Patents

オープンケーソン躯体の構造

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JPH07279178A
JPH07279178A JP6068690A JP6869094A JPH07279178A JP H07279178 A JPH07279178 A JP H07279178A JP 6068690 A JP6068690 A JP 6068690A JP 6869094 A JP6869094 A JP 6869094A JP H07279178 A JPH07279178 A JP H07279178A
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Takao Matsumoto
隆夫 松本
Seiji Mizumoto
誠司 水元
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Toyo Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型のオープンケーソン躯体をプレキャスト
コンクリート(PC)製としても、容易に構築すること
ができるようにする。 【構成】 オープンケーソン躯体10を、複数の枠体1
1を積み重ねることにより構成するものとする。さら
に、各枠体11をその半径方向の分割面で複数に分割し
たブロック12からなるものとする。これらのブロック
12をPC製のものとし、各ブロック12の他のブロッ
ク12との接合面に接続部材を配置する。そして、これ
らの接続部材により、ブッロク12同士を接続してオー
プンケーソン躯体10を構築するものとする。また、左
右に隣接するブロック12同士を接合する際に、ブロッ
ク12の接続面の内周側と外周側との部分にそれぞれ接
続部材を配置する。接続面の外周側と内周側とに設けら
れた接続部材でブロック12同士を接続することにより
効率良くブロック12間で曲げモーメントが伝達でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、井筒(ウェル)等と称
され、構築物の基礎等に応用されるオープンケーソン躯
体の構造に係わり、特に、複数のプレキャストコンクリ
ート構造物から構成されるオープンケーソン躯体の構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、井戸掘りの原理を応用した基礎
として井筒が知られている。そして、上記井筒は、順次
上方に継ぎ足されて形成されるとともに、地中に沈下さ
せられた鉄筋コンクリート製の枠(以下、オープンケー
ソン躯体と称する)と、内部に充填されたコンクリート
や砂礫によって構成されるものである。
【0003】そして、上記井筒を形成する際には、ま
ず、1ロット(節)分のオープンケーソン躯体を、例え
ば、基礎を設けようとする場所においてコンクリートを
打設して形成する。この際にオープンケーソン躯体の下
面に、下方に向かって鋭角な刃口を備えておく。そし
て、オープンケーソン躯体の内部を掘削することによ
り、オープンケーソン躯体を自重により地中に沈下させ
る。
【0004】そして、沈下した、1ロット分のオープン
ケーソン躯体の上に次ロット分のオープンケーソン躯体
を継ぎ足すように形成し、再び、オープンケーソン内部
を掘削することにより、オープンケーソン躯体を自重に
よりさらに地中に沈下させる。そして、順次、沈下した
オープンケーソン躯体上に新たなロットのオープンケー
ソン躯体を継ぎ足して形成するとともに沈下させてい
く。そして、オープンケーソン躯体が必要な深さまで形
成された時点で、オープンケーソン躯体の内部にコンク
リートや砂礫等を充填して基礎とする。
【0005】また、近年、上記オープンケーソン躯体
を、例えば、図18に示すように、場所打ちの鉄筋コン
クリートではなく、円筒形状のプレキャストコンクリー
ト製(以下PC製と略す)オープンケーソン躯体(1ロ
ット分)1…とし、このPC製オープンケーソン躯体1
…を積み重ねていくとともに沈下させることで基礎を構
築する方法が行われる場合がある。
【0006】上述のようなPC製オープンケーソン躯体
1…を用いることにより、基礎の構築現場においてコン
クリートの打設及び養生を行う必要がなくなり、基礎構
築の作業性を向上することができる。さらに、PC製オ
ープンケーソン躯体1…を用いることにより、構築現場
においてコンクリートの養生期間を必要としないことか
ら、大幅な施工期間の短縮を図ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記井筒
は、例えば、河川に架設される橋の橋脚の基礎部分など
として用いられる。そして、市街地もしくは市街地の近
傍において、上記井筒を用いて橋脚の基礎部分が構築さ
れる場合もある。しかし、上記市街地等において、大型
のPC製オープンケーソン躯体を用いようとした場合に
は、以下のような問題点があった。
【0008】すなわち、市街地等では、PC製オープン
ケーソン躯体を生産現場から橋の構築位置まで搬送する
のに、市街地を走行可能な一般的な大型トラックを用い
ることになるが、該大型トラックにおいては被搬送物の
重量や寸法に制限があり、大型のPC製オープンケーソ
ン躯体を該オープンケーソン躯体の生産現場から橋の構
築現場に搬送することが困難である。
【0009】また、市街地等の橋の構築現場の近傍に、
上記PC製オープンケーソンを生産する場所を確保する
ことも難しい。すなわち、大型のPC製オープンケーソ
ンを生産するには、それに見合った広い敷地が必要とな
り、市街地の橋の構築現場の近傍にそのような広い敷地
を確保できるとは限らない。従って、橋の構築現場とP
C製オープンケーソン躯体の生産現場とを隣接させるこ
とが困難である。さらに、大型のPC製オープンケーソ
ン躯体を取り扱うための大型のクレーン等の搬送及び設
置も市街地においては困難である。
【0010】また、市街地でなくとも、大型トラックで
搬送できない大型のPC製オープンケーソンの搬送には
特殊な方法が必要となり、コスト等の面から考慮しても
PC製オープンケーソン躯体による基礎の構築の実施は
難しい。
【0011】従って、上記従来例の枠状のPC製オープ
ンケーソン躯体を用いた井筒は、井筒自体の径が小さ
く、大型トラックで搬送可能な大きさのPC製オープン
ケーソンを用いる場合か、橋の構築現場に隣接してPC
製のオープンケーソンを生産する場所を確保できたり、
船舶等により大型のオープンケーソンの搬送が可能な場
所などの特殊な環境の場合にしか使用できないのが現状
である。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、上記大型のオープンケーソン躯体をPC製構造
物からなるものとしても、上記PC製構造物の搬送等の
取り扱いを容易にして、どのような場所でもPC製構造
物からなるオープンケーソン躯体により大型の基礎、止
水壁、締切壁等を構築可能とすることができるオープン
ケーソン躯体の構造を提供することを目的とするもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
オープンケーソン躯体の構造は、複数の枠体を上下に連
接することにより筒状に構築されるものであり、上記各
枠体が、該枠体を略垂直な分割面で複数に分割した形状
のプレキャストコンクリート製ブロックを周方向に連接
することにより形成されてなることを上記課題の解決手
段とした。
【0014】また、上記構成に加えて請求項2記載の本
発明のオープンケーソン躯体の構造は、上記各ブロック
が、隣接するブロックと突き合わされる接続面にそれぞ
れ接続部材が備えられるとともに該接続部材により互い
に接合され、上記接続部材は、少なくとも上記各ブロッ
クの左右両端部の接続面の内周側部分と外周側部分との
両方に設けられていることを上記課題の解決手段とし
た。
【0015】さらに、上記構成に加えて請求項3記載の
本発明のオープンケーソン躯体の構造は、上記各ブロッ
クが、隣接するブロックと突き合わされる接続面にそれ
ぞれ接続部材が備えられるとともに該接続部材により互
いに接合され、上記接続部材は、互いに突き合わされた
二つの接続面のうちの一方の接続面に設けられる第一の
接続部材と、他方の接続面に上記第一の接続部材に対向
して設けられる第二の接続部材とに分けられ、上記第一
の接続部材は、ボルトが貫通する貫通孔を有する一側面
が上記接続面に露出した状態で埋設された箱状部材と、
該箱状部材から上記ブロック内部に埋設された状態で上
記箱状部材の外方に延出する延出部材とからなり、か
つ、上記箱状部材に、上記ブロックの側面に開口する開
口部が設けられ、上記第二の接続部材は、上記ボルトが
螺合するねじ孔を上記接続面に開口した状態で埋設され
た筒部と、該筒部から上記ブロック内部に埋設された状
態で上記筒部の外方に延出する延出部材とからなること
を上記課題の解決手段とした。
【0016】
【作用】上記請求項1記載の構成によれば、上記枠体を
複数に分割した形状のPC製ブロックを週方向に連接す
ることにより上記枠体が形成されているので、オープン
ケーソン躯体をPC製としたことにより、オープンケー
ソン躯体の搬送が困難になることがなく、上記PC製ブ
ロックの重さ及び大きさを通常のトラック等の搬送用車
両で搬送可能なものとすることにより、PC製部材の生
産現場からオープンケーソン躯体の設置現場にオープン
ケーソン躯体を容易に搬送することができる。
【0017】また、上述のようにオープンケーソン躯体
を構成するPC製ブロックの重さ及び大きさをトラック
で搬送可能なものとすることにより、上記PC製ブロッ
クを吊り上げるクレーンも一般的なクレーンを用いるこ
とができる。従って、オープンケーソン躯体をPC製と
しても特に特殊な車両や設備を必要とせずに、オープン
ケーソン躯体を設置することができる。
【0018】この場合に、上記請求項2記載の構成によ
れば、上記各PC製ブロック同士は、該PC製ブロック
の接続面に設けられた接続部材により接続される構成と
なっているとともに、上記枠体を構成する各PCブロッ
クの左右両端部の接続面の内周側と外周側とに接続部材
が設けられている。
【0019】そして、上記PCブロックからなる枠体の
曲げモーメントを見た場合に、PCブロック同士の接続
部分において、接続面の中央部分が中立軸となり、接続
面の外周側及び内周側に引っ張り応力もしくは圧縮応力
がかかる可能性が大きい。そして、上述のように、接続
面の外周側及び内周側に接続部材が配置されることか
ら、曲げ応力、特に引っ張り応力が上記接続部材により
ブロック間で確実に伝達されることになり、PC製ブロ
ックからなる枠体の強度を高めることができる。
【0020】また、この場合に請求項3記載の構成によ
れば、PC製ブロック同士をボルトで接合するものとし
ても、ボルト操作用の開口部は、第一の接続部材側だけ
に設けられることになり、一般的なPC製部材のボルト
接合で行われるように、接続される二つのPC製ブロッ
クの両方にボルト操作用の開口部が設けられないので、
PC製ブロックの接続部分にできる切り欠き部分のスペ
ースを減少させることができる。
【0021】すなわち、図19に示すようなシールド工
法において用いられるPC製セグメント2の接合部など
においては、接続される二つのPC製ブロックの両方に
ボルト3及びナット4の操作用の切り欠き部5、5が設
けられた形状となっており、曲げモーメントの伝達が困
難になるが、上述のように切り欠き部分のスペースを減
少させることにより、PC製ブロック同士の接合部分で
曲げモーメントの伝達が大幅に妨げれるのを防止するこ
とができる。
【0022】また、上記のように第一の接続部材に延出
部材が設けられるとともに、第二の接続部材が、ネジ孔
を有する筒部と該筒部から延出する延出部材とからなっ
ているので、第一の接続部材と第二の接続部材とが接続
された状態では、上記第一の接続部材の箱状部材を除け
ば、PCブロック同士の接続部分における接続された接
続部材の形状がコンクリート内に配置された鉄筋に近い
ものとなり、一体の鉄筋コンクリートにおける曲げモー
メントの伝達に近い状態で、PC製ブロック同士の接続
部分において曲げモーメントを伝達することができる。
【0023】
【実施例】以下に、本発明のオープンケーソン躯体の構
造の一実施例を図面を参照して説明する。図1ないし図
3は、この実施例のPC製ブロックから形成されるオー
プンケーソン躯体10の構造を示すものである。なお、
この実施例においては、オープンケーソン躯体を基礎と
しではなく、後述するように仮設止水壁として用いてい
る。
【0024】なお、図1のオープンケーソン躯体10の
左半分は図2のA−A断面を示し、右半分は図2のB−
B側面図を示し、図2のオープンケーソン躯体10の左
半分は図1のC−C断面を示し、右半分は図1のD−D
断面を示し、図3はオープンケーソン躯体10の展開図
を示すものである。図1ないし図3に示すように、この
実施例のオープンケーソン躯体10は円筒状に形成され
るものである。そして、オープンケーソン躯体10は、
該オープンケーソン躯体10を上下に複数に分割した形
状(平面視して環状)の複数の枠体11…から構成され
ている。さらに、上記枠体11…は、該枠体11…を半
径方向に沿った分割面で複数に分割した形状(平面視し
て円弧状)のPC製ブロック12…から構成されてい
る。
【0025】また、図1及び図3に示すように、上下に
隣接する枠体11…同士の間では、枠体11…を構成す
るPC製ブロック12…同士の接合部分の左右が互い違
いになるように(すなわち、上の枠体11のPCブロッ
ク12…同士の接合部と下の枠体11のPCブロック1
2…同士の接合部が一直線上にならばないように)PC
製ブロック12…が配置されている。
【0026】図4ないし図7は、上記PC製ブロック1
2を示す図面である。なお、図4のPC製ブロック12
の左半分は図5のE−E平面を示し、右半分はF−F断
面を示し、図5のPC製ブロックの左半分は図4のG−
G内面を示し、右半分の上側は図4のH−H断面を示
し、同じく右半分の下側は図4のI−I断面を示し、図
6は図4のJ−J側面を示し、図7は図4のK−K断面
を示すものである。
【0027】図4ないし図7に示すように、PC製ブロ
ック12は、円弧状に湾曲したPC製の板体である。そ
して、PC製ブロック12は、円筒状の上記枠体11を
半径方向に沿うとともに垂直な分割面で分割した形状と
なっており、円周方向に沿ってPC製ブロック12…を
接合することにより上記枠体11を形成できるようにな
っている。
【0028】また、各PC製ブロック12は、その重量
及び大きさが少なくとも一般的な大型トラックで搬送可
能なものとされている。また、上記PC製ブロック12
の左右両端面は、枠体11を形成する際のPC製ブロッ
ク12…同士の接合面13となっている。
【0029】さらに、上記PC製ブロック12の上下両
端面は、オープンケーソン躯体10を構築する際の枠体
11…同士の接合面14となっている。また、上記PC
製ブロック12の左右両端面(接続面13、13)に
は、上下方向に沿って凹部15、15が形成されてい
る。
【0030】そして、PC製ブロック12を円周方向に
沿って連接する場合には、PC製ブロック12の形状の
許容される誤差範囲を広くとるために、互いに接続され
るPC製ブロック12の一方の接続面13と他方の接続
面13との間に間隔をあけた状態で接合するようになっ
ている。
【0031】そして、上記接続面13、13同士の間隔
及び上記凹部15、15に無収縮モルタルやセメントミ
ルク等のグラウト材を充填して、後述する接続部材Sに
よる接続を補強するとともに、PC製ブロック12、1
2同士の接続部分の止水性を高めるようになっている。
【0032】そして、上記PC製ブロック12の上面に
は、内面よりの位置に円周方向(PC製ブロック12の
長さ方向)に沿って溝16が形成されている。そして、
該溝16内部には、図6のR部分の拡大図である図8に
示すように、溝16に沿ってゴム製の止水材17が取り
付けられるようになっている。そして、この止水材17
により、PC製ブロック12…から構成される枠体11
…間の接合部の止水性を高めるようになっている。
【0033】また、PC製ブロック12内には、図4、
図5及び図7に示すように、鉄筋18…がコンクリート
に埋設した状態で配設されとともに、PC製ブロック1
2の上下左右の端部に接続部材S…が埋設されている。
そして、図4に示すように、PC製ブロック12の左右
端部のうちの一方の端部(図4中において左側端部)に
左右接続用の第一の接続部材LR1…が配置され、他方
の端部(図4中において右側端部)に第二の接続部材L
R2…が配置されている。
【0034】また、図5に示すように、PC製ブロック
12の上下端部のうちの一方の端部(図5中において下
側端部)に上下接続用の第一の接続部材TU1が配置さ
れ、他方の端部(図5中において上側端部)に第二の接
続部材TU2が配置されている。また、図6に示すよう
にPC製ブロックの左右の接続面13、13において
は、四つの接続部材S…が配置されるとともに、これら
四つの接続部材S…のうちの二つの接続部材S、Sは、
接続面13、13の内周側の上下に配置され、残りの二
つの接続部材S、Sは、接続面13、13の外周側の上
下に配置されている。
【0035】すなわち、PC製ブロック12の左右の接
続面13、13においては、内周側の側縁部と外周側の
側縁部とに接続部材S…が配置されている。また、図9
は、枠体11の内周面を展開して描いたものであるが、
PC製ブロック12…の左右の接合部においては上下二
カ所の接続部材S、SでPC製ブロック12、12が接
続されるようになっている。
【0036】また、図9に示すように、PC製ブロック
12の上下の接続部においては、上側のPC製ブロック
12の左側の接続部材Sに下側のPC製ブロック12の
右側の接続部材Sが接続され、上側のPC製ブロック1
2の右側の接続部材Sに下側のPC製ブロック12の左
側の接続部材Sが接続され、上下の枠体11…間でPC
ブロック12…が互い違いに接続される用になってい
る。
【0037】図10ないし図12は、上下のPC製ブロ
ック12、12を接合するための上下接続用の接続部材
Sを示すものである。図11及び図12に示すように上
下用の接続部材Sは、接続される二つのPC製ブロック
12、12のうちの一方のPC製ブロック12に埋設さ
れる第一の接続部材TU1と、他方のPC製ブロックに
埋設される第二の接続部材TU2とに分けられる。
【0038】上記第一の接続部材TU1は、内部が空洞
となった直方体状の箱状部材20と、該箱状部材20の
左右側面にそれぞれ溶接されて箱状部材20の後方に延
出する二本の鉄筋(延出部材)21、21とからなるも
のである。
【0039】そして、上下用の接続部材Sにおいては、
上記第一の接続部材TU1の箱状部材20の一側面全体
が開口部22とされている。そして、上記第一の接続部
材TU1の箱状部材20をPC製ブロック12に埋設す
る際には、上記開口部22がPC製ブロック12の内面
に露出した状態、すなわち、上記開口部22により箱状
部材20内部とPC製ブロック12の外方が連通した状
態とされている。
【0040】そして、上記開口部22において、後述す
る接続用のボルト23の締結作業が行えるようになって
いる。また、上記箱状部材20の先端面は、PC製ブロ
ック12の下面とほぼ面一に配置されて露出されるよう
になっている。そして、箱状部材20の先端面を構成す
る先端側板材24の中央部には、ボルト23を貫通する
貫通孔(図示略)が形成されている。
【0041】そして、該貫通孔により箱状部材20内部
とPC製ブロック12の外方が連通した状態とされてい
る。上記二本の鉄筋21、21は、その後端部がそれぞ
れ外方に広がるように屈曲させられてL字状に形成され
ている。そして、該鉄筋21、21により第一の接続部
材TU1にかかる引き抜き応力に対する強度を高めると
ともにPC製ブロック12間において曲げモーメントを
円滑に伝達するようになっている。
【0042】また、上下用の接続部材Sの第二の接続部
材TU2は、アングル状の鋼材を短く切断した形状のフ
ランジ部25と、該フランジ部25の内面に垂直に溶接
され、かつ、内部にネジ孔を有する筒部26と、該筒部
26の後端部に螺合された鉄筋(延出部材)27とから
構成されている。
【0043】上記フランジ部25は、互いに直角な二つ
の板体から断面L字状に一体に形成され、一方の板体2
8に上記ボルト23が貫通する貫通孔(図示略)が形成
されている。そして、この板体28の貫通孔の周囲の部
分と上記筒部26の先端部分が溶接され、上記貫通孔と
筒部26のネジ孔とが連通した状態とされている。
【0044】そして、上記フランジ部25は、内面側に
筒部26が溶接された板体28の外面がPC製ブロック
12の接続面14とほぼ面一に露出されるようにPC製
ブロック12内に埋設されている。また、上記板体28
の貫通孔の位置は、上記PC製ブロック12の接続面1
4を他のPC製ブロック12の第一の接続部材TU1が
埋設された接続面14に突き合わせた際に、第一の接続
部材TU1の箱状部材20の貫通孔の位置と略一致する
ものとされている。
【0045】そして、上述のように二つのPC製ブロッ
ク12の接続面14を突き合わせた際に、第一の接続部
材TU1の箱状部材20の貫通孔と第二の接続部材TU
2のフランジ部25の貫通孔とに一本のボルト23が同
時に貫通できるようになっている。
【0046】上記筒部26は、上述のように内部にネジ
孔(図示略)を有するもので、該ネジ孔は、上記筒部2
6の上下端部を貫通して形成されている。上記鉄筋27
は、その先端部にネジ部が形成されて上記筒部の後端部
に螺合され、かつ、鉄筋27の後端部がL字状に屈曲さ
せられている。
【0047】そして、この第二の接続部材TU2の鉄筋
27は、第一の接続部材TU1の鉄筋21、21と同様
に、第二の接続部材TU2にかかる引き抜き応力に対す
る強度を高めるとともにPC製ブロック12、12間の
曲げ応力を円滑に伝達するようになっている。
【0048】そして、上述のように二つのPC製ブロッ
ク12、12の接続面14、14を突き合わせるととも
に、第一の接続部材TU1の箱状部材20の貫通孔と第
二の接続部材TU2のフランジ部25の貫通孔との位置
が合わせられた状態で、座金29を介してボルト23が
箱状部材20の板体24とフランジ部25の板体28を
貫通し、筒部26に螺合されることで、第一の接続部材
TU1と第二の接続部材TU2とがボルト23に締結さ
れて接合されている。
【0049】図13及び図14は、左右用の接続部材S
を示すものである。図13及び図14に示すように、こ
の左右用の接続部材Sは、上記上下用の接続部材Sと同
様に第一の接続部材LR1と第二の接続部材LR2とか
らなっている。左右用の接続部材Sの第一の接続部材L
R1は、内部が空洞となった直方体状の箱状部材20
と、該箱状部材20の左右側面にそれぞれ溶接されて箱
状部材20の後方に延出する鉄筋(延出部材)21、2
1とからなっている。なお、これら箱状部材20及び鉄
筋21は、上記上下用の接続部材Sのものと基本的に同
様の構成を有するので、図面上において同様の構成要素
に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0050】左右用の接続部材の第二の接続部材LR2
は、アングル状の鋼材を短く切断した形状のフランジ部
25と、該フランジ部25の内面に垂直に溶接され、か
つ、内部にネジ孔(図示略)を有する筒部26と、該筒
部26の後端部に螺合された鉄筋(延出部材)27とか
らなっている。なお、これらフランジ部25、筒部26
及び鉄筋27は、上記上下用の接続部材Sのものと基本
的に同様の構成を有するので、図面上において同様の構
成要素に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0051】図15ないし図17は、場所打ちオープン
ケーソン躯体(図15ないし図17に一部を図示)30
と、上記PC製ブロック12からなるオープンケーソン
躯体10を接合するための接合構造を示すものである。
【0052】この実施例においては、後述するように上
記PC製ブロック12…からなるオープンケーソン躯体
10を場所打ちオープンケーソン躯体30上に配置する
ようにしているので、場所打ちオープンケーソン躯体3
0と、PC製ブロック12からなるオープンケーソン躯
体10を接合する構造が必要である。
【0053】そして、場所打ちオープンケーソン躯体3
0とPC製ブロック12…からなるオープンケーソン躯
体10とを接合する構造が、図15ないし図17に示さ
れるものである。図15ないし図17において、PC製
ブロック12…側の第一の接続部材TU1は、上記図1
0ないし図12に示すものと同様のものでる。
【0054】そして、場所打ちオープンケーソン躯体3
0の上面には、PC製ブロック12…を載置した際に、
第一の接続部材TU1に対向する位置に、箱抜き部31
が形成されている。該箱抜き部31は、アンカーボルト
32を埋設するための凹部である。
【0055】そして、PC製ブロック12を場所打ちオ
ープンケーソン躯体30上に配置する際には、PC製ブ
ロック12の内面が場所打ちオープンケーソン躯体30
の内面より外側となっている。すなわち、PC製ブロッ
ク12の内面の下には、場所打ちオープンケーソン躯体
30の上面が露出した状態となっている。
【0056】そして、上記箱抜き部31は、上記第一の
接続部材TU1に対向した部分が鉛直に掘り下げられた
形状となっているとともに、その内面のうちの場所打ち
オープンケーソン躯体30の内面側に対応する面が上に
いくほど箱抜き部31が広がるような斜面33(図17
に図示)となっており、上記箱抜き部31の開口が、P
C製ブロック12の内面より内側に露出するようになっ
ている。
【0057】すなわち、場所打ちオープンケーソン躯体
30上にPC製ブロック12を載置した状態で、場所打
ちオープンケーソン躯体30の上面の箱抜き部31の開
口が、PC製ブロック12により完全に閉塞されずに、
一部開放された状態となっている。また、上記アンカー
ボルト32は、その上端部がネジ部とされるとともに、
下端部が屈曲して水平な状態となっている。
【0058】そして、上記構成の箱抜き部31において
は、場所打ちオープンケーソン躯体30上にPC製ブロ
ック12を載置した状態で、上記箱抜き部31内に、該
箱抜き部31の開放された部分から、アンカーボルト3
2を挿入し、該アンカーボルト32の上端部を第一の接
続部材TU1の箱状部材20の貫通孔に挿入するととも
に、上記アンカーボルト32の上端部に第一の接続部材
TU1のボルト操作用開口部22からナット34を挿入
して螺合し、アンカーボルト32を箱抜き部31内に略
垂直に配置するようになっている。
【0059】そして、この状態で箱抜き部31の上記開
放された部分から無収縮モルタルを充填することによ
り、アンカーボルト32を場所打ちオープンケーソン躯
体30に固定するとともに、該アンカーボルト32によ
り、場所打ちオープンケーソン躯体30とPC製ブロッ
ク12とが固定されるようになっている。
【0060】次に、以上のようなPC製ブロック12か
ら構成されるオープンケーソン躯体10の構造を用いて
仮設止水壁を構築する方法を説明する。なお、この実施
例では、河川35内の構築すべき橋の橋脚の基礎部分に
おいて、図1に示すように、矢板36により締切壁37
を設け、該締切壁37内に土砂38を充填し、該土砂3
8上において、従来の場所打ちのオープンケーソン躯体
30により、橋脚の基礎の構築を行うようになってい
る。
【0061】そして、上記場所打ちオープンケーソン躯
体30により設けられる基礎の上端は、上記河川35の
水面下とされ、上記水面下の基礎上に橋脚を設けるもの
としている。そして、この実施例においては、上記場所
打ちオープンケーソン躯体30の下端部を川床下の支持
層まで沈下させるとともに、基礎構築後、橋脚が完成す
るまで基礎上を止水させるための仮設止水壁に本発明の
オープンケーソン躯体10の構造を応用するようになっ
ている。
【0062】すなわち、上記従来の場所打ちオープンケ
ーソン躯体30を上記締切壁37内の土砂上面から所定
の深さ(上記支持層から完成した基礎の上端までの長さ
と同じ深さ)まで沈下させた後に、上記場所打ちのオー
プンケーソン躯体30上に上記PC製ブロック12から
なるオープンケーソン躯体10を順次積み上げるように
構築していくとともに、場所打ちオープンケーソン躯体
30を沈下させていく。そして、場所打ちオープンケー
ソン躯体30の下端が川床の支持層に達するまでPC製
ブロック12…からなるオープンケーソン躯体10を構
築していくようになっている。
【0063】なお、図1においては、場所打ちオープン
ケーソン躯体30上に構築されたこの実施例のオープン
ケーソン躯体10だけを図示している。そして、この実
施例のオープンケーソン躯体10を構築するには、ま
ず、PC製ブロック12…の生産現場において、PC製
ブロック12…を製造する。
【0064】そして、PC製ブロック12…を製造する
には、型枠内に鉄筋を配設するとともに、上下の接続面
14、14に上下用の第一及び第二の接続部材TU1、
TU2を配置し、左右の接続面13、13に左右用の第
一及び第二の接続部材LR1、LR2を配置する。
【0065】そして、型枠内にコンクリートを打設して
養生することによりPC製ブロック12…を完成する。
次に、製造されたPC製ブロック12…は、橋脚の構築
現場に搬送されることになるが、PC製ブロック12…
の重さ及び大きさは、上記オープンケーソン躯体10が
大きなものでもオープンケーソン躯体10の分割数を変
えることにより、ある程度自由に決めることができる。
【0066】従って、PC製ブロック12…をトラック
によって搬送可能な重さ及び大きさに形成することがで
きるので、PC製ブロック12…をトラックにより、橋
脚の構築現場まで容易に搬送することができる。
【0067】次に、上述のように形成された場所打ちオ
ープンケーソン躯体30上において、一つの枠体11分
のPC製ブロック12…を連接する。この際には、連接
するPC製ブロック12…同士の接合面13、13にお
いて、第一の接続部材LR1と第二の接続部材LR2が
互いに対向するようにPC製ブロック12…を配置する
とともに、各PC製ブロック12…は、その下部の第一
の接続部材TU1が、場所打ちオープンケーソン躯体3
0上面の上記箱抜き部31上に位置するようにする。
【0068】なお、この実施例においては、上述のよう
にPC製ブロック12…の形状の誤差の許容範囲を広く
するために、予め、左右に隣接するPC製ブロック12
…の接続部分に隙間があく設計となっている。従って、
PC製ブロック12…同士は、隙間をあけて配置すると
ともに、PC製ブロック12…の形状の誤差を、隣接す
るPC製ブロック12…同士の間隔を変えることにより
吸収する。
【0069】また、場所打ちオープンケーソン躯体30
上には、PC製ブロック12…を配置する際にコンクリ
ートを捨て打ちしておく。そして、場所打ちオープンケ
ーソン躯体30とPC製ブロック12…においては、場
所打ちオープンケーソン躯体30の箱抜き部31に、ア
ンカーボルト32を挿入し、該アンカーボルト32を第
一の接続部材TU1にナット34を用いて固定する。
【0070】そして、箱抜き部31内に無収縮モルタル
を充填することにより、場所打ちオープンケーソン躯体
30と、PC製ブロック12…とを固定する。そして、
隣接するPC製ブロック12、12のそれぞれの接合面
において対向配置された第一の接続部材LR1と第二の
接続部材LR2をボルト23により締結する。この際に
は、ボルト23を第一の接続部材LR1のボルト操作用
開口部22から箱状部材20内に挿入する。そして、ボ
ルト23に座金29を嵌挿しておく。次に、ボルト23
のネジ部の先端を第一の接続部材LR1の箱状部材20
の貫通孔に貫通させるとともに、第二の接続部材LR2
のフランジ部25の貫通孔を貫通させ、筒部26のネジ
孔に挿入し、ボルト23のネジ部を筒部26に螺合さ
せ、第一の接続部材LR1と第二の接続部材LR2とを
締結する。
【0071】また、左右用の接続部材Sは、外周側と内
周側の両方に設けられているので、枠体11に曲げモー
メントが作用した場合に中立軸となる接続面13、13
の中央部の両側が接合されていることになり、PC製ブ
ロック12、12間で曲げ応力を確実に伝達することが
でき、枠体11の外部から作用する力を枠体11全体に
分散することが可能なので、PC製ブロック12…から
オープンケーソン躯体10を構築するものとしても十分
な強度を保つことができる。
【0072】次に、左右に隣接するPC製ブロック12
…同士の間には、隙間があいているとともに、PC製ブ
ロック12…の左右の端面(接続面13、13)には、
上下に凹部15が形成されているので、この部分にグラ
ウト材を打設する。
【0073】上記作業を一つの枠体11を構成するPC
製ブロック12…間において行うことにより枠体11を
完成する。上記枠体11は、上述のようにPC製ブロッ
ク12…間にグラウト材が打設されているので、枠体1
1内部が止水された状態となる。
【0074】そして、場所打ちオープンケーソン躯体3
0内部をさらに掘削することにより、新たにPC製ブロ
ック12により形成された枠体11を場所打ちオープン
ケーソン躯体30ごと沈下させる。次に、上記沈下させ
られた枠体11上にさらに、枠体11を構築する。
【0075】この際には、上述のように枠体11を構成
するPC製ブロック12…を左右に接合するだけではな
く、上下用の接続部材Sを用いて、先に形成された枠体
11のPC製ブロック12…と後から形成する枠体11
のPC製ブロック12…とを接合する。さらに、この際
には、先に形成された枠体11のPC製ブロック12…
と後から形成される枠体11のPC製ブロック12…と
が、PC製ブロック12…の長さの半分だけずれて互い
違いになるように配置する。
【0076】以上のように配置することで、PC製ブロ
ック12…の接合部が上下の枠体11…で直線上に並ぶ
ことがなく、PC製ブロック12…からなるオープンケ
ーソン躯体10の強度に偏りができるのを防止し、オー
プンケーソン躯体10全体の強度を向上することができ
る。
【0077】そして、下側(先に形成された枠体11)
のPC製ブロック12…上面の第二の接続部材TU2
と、上側(後から形成される枠体11)のPC製ブロッ
ク12…下面の第一の接続部材TU1とが対向して配置
されるようにする。そして、上述の左右の接続部材Sの
第一の接続部材LR1と第二の接続部材LR2とを接合
する場合と同様に、上下の接続部材Sの第一の接続部材
TU1と第二の接続部材TU2とをボルト23により締
結する。
【0078】なお、上述のようにPC製ブロック12…
の上面には止水材17が配置されているので、上下のP
C製ブロック12…間でも漏水を防止することができ
る。そして、上述と同様に左右に隣接するPC製ブロッ
ク12…同士も接合することにより、先にPC製ブロッ
ク12…により形成された枠体11上に新たに枠体11
を構築することができる。
【0079】そして、再び、場所打ちオープンケーソン
躯体30内を掘削することにより、場所打ちオープンケ
ーソン躯体30とともに枠体11を沈下させる。そし
て、以上のような枠体11の構築と枠体11の沈下とを
繰り返すことにより、図1に示すように、仮設止水壁と
してのオープンケーソン躯体10を完成する。
【0080】次に、場所打ちのオープンケーソン躯体3
0内に、コンクリートの打設や砂礫の充填等を行うこと
により、場所打ちオープンケーソン躯体30を橋脚の基
礎とする。そして、PC製ブロック12…からなるオー
プンケーソン躯体10内で橋脚の構築作業を行う。
【0081】この際に、オープンケーソン躯体10内
は、上述のような上下左右のPC製ブロック12…の接
合により、完全に止水された状態となっているので、周
囲の矢板36内の土砂からの漏水がオープンケーソン躯
体10内に浸水することがない。
【0082】また、上記矢板36内の土砂及び矢板36
を除去しても、オープンケーソン躯体10内への漏水を
防止することができる。そして、橋脚が完成した時点
で、上記仮設止水壁としてのオープンケーソン躯体10
を撤去する。
【0083】この際には、ボルト23を取り外すことに
より、一体の場所打ちオープンケーソン躯体と比較して
容易にオープンケーソン躯体10を分解することがで
き、クレーン等による撤去作業を容易なものとすること
ができる。また、撤去されたオープンケーソン躯体10
のPC製ブロック12…は、撤去作業等による強度の低
下が認められなければ、再利用することも可能であり、
他の仮設止水壁やその他の用途に転用することができ、
コストの低減を図ることも可能である。
【0084】以上のように、この実施例のオープンケー
ソン躯体10の構造によれば、オープンケーソン躯体1
0を半径方向に分割した複数のブロックからなる構成と
することで、オープンケーソン躯体10をPC製として
も、オープンケーソン躯体19の搬送及び構築の作業性
が低下するのを防止することができる。
【0085】また、PC製ブロック12…により枠体1
1を構築する際に、枠体11の外周側と内周側とに接続
部材S…を配置して接合することで、上述のように曲げ
モーメントをPC製ブロック12…間で確実に伝達する
ことができ、PC製ブロック12…からなるオープンケ
ーソン躯体10の強度を高めることができる。
【0086】また、第一の接続部材LR1、TU1と第
二の接続部材LR2、TU2とからなるとともに、ボル
ト23により締結される構造である接続部材Sを用いて
も、ボルト操作用開口部22が第一の接続部材LR1、
TU1だけに設けられ、第二の接続部材LR2、TU2
に設けられない構成とすることで、PC製ブロック12
…間の接合部の切り欠き部分の容積を減少させ、より曲
げモーメント、特に圧縮応力を伝達しやすい構成とする
とともに、第一の接続部材LR1、TU1及び第二の接
続部材LR2、TU2の延出部材(鉄筋)により、第一
及び第二の接続部材LR1、TU1、LR2、TU2の
引き抜き強度を高めることができ、より曲げモーメン
ト、特に引っ張り応力を伝達しやすい構成とすることが
できる。
【0087】なお、上記実施例においては、PC製ブロ
ック12…からなるオープンケーソン躯体10を基礎
(井筒)とはせずに仮設止水壁としたが、PC製ブロッ
ク12…からなるオープンケーソン躯体10を基礎とし
て用いても良いのは言うまでもない。また、本発明のオ
ープンケーソン躯体10の構造を各種壁面の構築に用い
ることができる。また、PC製ブロック12の接続部材
Sとして、上述の接続部材S以外の継手金物等を用いて
も良いのは言うまでもない。
【0088】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請
求項1記載のオープンケーソン躯体の構造によれば、オ
ープンケーソンを、枠状のPC製構造物から構築するの
ではなく、枠体をさらに複数に分割した形状のPC製ブ
ロックから構築することにより、PC製構造物でオープ
ンケーソン躯体を構築する際に、特殊な大型のトラック
や特殊な大型のクレーンなどを用いる必要がなく、一般
的なトラック及びクレーンにより搬送及び吊り上げ作業
を行うことができる。
【0089】従って、市街地のように搬送手段等が制限
される地域においても、PC製の大型オープンケーソン
を用いた作業を行うことを可能とすることができるとと
もに、特殊な大型の重機を用いないので、そのコストを
低減することができる。
【0090】また、上記請求項2記載のオープンケーソ
ン躯体の構造によれば、上記各PC製ブロック同士は、
該PC製ブロックの接続面に設けられた接続部材により
接続されるとともに、上記枠体を構成する各PCブロッ
クの左右両端部の接続面においては、接続面の内周側と
外周側とに接続部材が設けられていることによって、曲
げモーメントをPC製ブロック間で確実に伝達すること
ができ、PC製ブロックからなる枠体及びオープンケー
ソン躯体の強度を高めることができる。
【0091】また、請求項3記載のオープンケーソン躯
体の構造によれば、PC製ブロック同士をボルトで接合
するものとしても、ボルト操作用の開口部は、第一の接
続部材側だけに設けられることになり、一般的なPC製
部材のボルト接合で行われるように、接続される二つの
PC製ブロックの両方にボルト操作用の開口部が設けら
れないので、PC製ブロックの接続部分にできる切り欠
き部分のスペースを減少させることができ、上記切り欠
き部分の補強を最小のものとしても、PC製ブロック間
において曲げモーメントを効率良く伝達することができ
る。
【0092】また、上記のように第一の接続部材に延出
部材が設けられるとともに、第二の接続部材は、ネジ孔
を有する筒状の筒部と該筒部から延出する延出部材とか
らなっている。従って、第一の接続部材と第二の接続部
材とが接続された状態では、上記第一の接続部材の箱状
部材を除けば、PCブロック同士の接続部分における接
続された接続部材の形状がコンクリート内に鉄筋を配置
した状態に近いものとなり、一体の鉄筋コンクリートに
おける曲げモーメントの伝達に近い状態で、PC製ブロ
ック同士の接続部分においても曲げモーメントを伝達す
ることができ、オープンケーソン躯体の強度を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のオープンケーソン躯体の構
造を説明するための矢板内部のPC製ブロックからなる
オープンケーソンを示す断面図である。
【図2】上記実施例のオープンケーソン躯体を示す断面
図である。
【図3】上記実施例のオープンケーソン躯体の展開図で
ある。
【図4】上記PC製ブロックを示す一部を破断した平面
図である。
【図5】上記PC製ブロックを示す一部を破断した正面
図である。
【図6】上記PC製ブロックを示す側面図である。
【図7】上記PC製ブロックを示す垂直断面図である。
【図8】上記PC製ブロックの上面に設けられる止水材
を示す、上記図8のDで示される部分の拡大図である。
【図9】上記PC製ブロックの接続位置を説明するため
の上記オープンケーソンの要部展開図である。
【図10】上記実施例のPC製ブロックの上下用の接続
部材を示す平面図である。
【図11】上記実施例の上下用の接続部材を示す正面図
である。
【図12】上記実施例の上下用の接続部材を示す側面図
である。
【図13】上記実施例の左右用の接続部材を示す側面図
である。
【図14】上記実施例の左右用の接続部材を示す正面図
である。
【図15】上記実施例の場所打ちオープンケーソン躯体
と第一の接続部材との接続構造を示す平面図である。
【図16】上記実施例の場所打ちオープンケーソン躯体
と第一の接続部材との接続構造を示す正面図である。
【図17】上記実施例の場所打ちオープンケーソン躯体
と第一の接続部材との接続構造を示す側面図である。
【図18】上記従来例のPC製構造物からなるオープン
ケーソンを示す斜視図である。
【図19】上記従来のPC構造物同士の接続構造を示す
要部断面図である。
【符号の説明】
10 オープンケーソン躯体 11 枠体 12 PC(プレキャストコンクリート)製ブロッ
ク 13 接続面 20 箱状部材 21 鉄筋(延出部材) 22 開口部 23 ボルト 26 筒部 27 鉄筋(延出部材) S 接続部材 LR1 第一の接続部材 LR2 第二の接続部材 TU1 第一の接続部材 TU2 第二の接続部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の枠体を上下に連接することにより
    筒状に構築されるオープンケーソン躯体の構造であっ
    て、 上記各枠体が、該枠体を略垂直な分割面で複数に分割し
    た形状のプレキャストコンクリート製ブロックを周方向
    に連接することにより形成されてなることを特徴とする
    オープンケーソン躯体の構造。
  2. 【請求項2】 上記各ブロックは、隣接するブロックと
    突き合わされる接続面にそれぞれ接続部材が備えられる
    とともに該接続部材により互いに接合され、 上記接続部材は、少なくとも上記各ブロックの左右両端
    部の接続面の内周側部分と外周側部分との両方に設けら
    れていることを特徴とする請求項1記載のオープンケー
    ソン躯体の構造。
  3. 【請求項3】 上記各ブロックは、隣接するブロックと
    突き合わされる接続面にそれぞれ接続部材が備えられる
    とともに該接続部材により互いに接合され、 上記接続部材は、互いに突き合わされた二つの接続面の
    うちの一方の接続面に設けられる第一の接続部材と、他
    方の接続面に上記第一の接続部材に対向して設けられる
    第二の接続部材とに分けられ、 上記第一の接続部材は、ボルトが貫通する貫通孔を有す
    る一側面が上記接続面に露出した状態で埋設された箱状
    部材と、該箱状部材から上記ブロック内部に埋設された
    状態で上記箱状部材の外方に延出する延出部材とからな
    り、かつ、上記箱状部材に、上記ブロックの側面に開口
    する開口部が設けられ、 上記第二の接続部材は、上記ボルトが螺合するねじ孔を
    上記接続面に開口した状態で埋設された筒部と、該筒部
    から上記ブロック内部に埋設された状態で上記筒部の外
    方に延出する延出部材とからなることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載のオープンケーソン躯体の構
    造。
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