JPH0727914U - モールディングを備えた車両用フロントガラス構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一つの長尺のモールディングを以てフロント
ガラスに装着し、コーナー部分の装着作業を良好とする
と共に、全体を美しく仕上げるようにし、且つコーナー
継手を不要とすることによって、体裁の優れた強固なモ
ールディングを備えたフロントガラス構造を提供するこ
と。 【構成】 フロントガラス１５の上縁部から左右両側部
にわたる長さを有しかつ頭部３と支脚４とを一体に備え
た長尺のモールディング１が形成される。モールディン
グ１は、その全長の一部において切除されるとともに、
同モールディング１の全長の一部には取付支持体２が組
付けられることで、フロントガラス１５の上縁部では、
モールディング１の頭部３がガラス面に接し、フロント
ガラス１５の左右両側部ではモールディング１の頭部３
がガラス面に離反して雨水受部２０を形成するように、
モールディング１がフロントガラス１５の上縁部から左
右両側部にわたって装着されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は各種の車輌におけるフロントに使用される車体パネルとフロントガ ラスとの間に介在するモールディングであって、その目的とする所は、一種類の モールディングを用いてフロントの両側部とフロントの上部との両方の役目を連 繁して果たすための車輌用フロントガラスの雨水受溝付モールディングに関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の車輌等のフロントガラスに使用するモールディングは、車輌パネ ルとフロントガラスとを接着剤を介して接着するものでは、車体パネルの開口縁 とガラスとの境界とに生ずる隙間を閉塞する目的と、外観を美しくするためにモ ールディングを被嵌するものである。そして、近年このモールディングはフロン トガラスの左右側部には、ガラスを嵌合する凹溝と、その凹溝の上部には、ガラ スを嵌合する凹溝と、その凹溝の上部に隣接して雨水が運行中に飛散して運転席 に侵入するのを防止するための雨水受溝を設けたものが使用されている。然し、 この上下二段の溝付のモールディングは、同じフロントガラスの上部のモールデ ィングとしては使用しないために、別個の断面形状に成形したモールディングと Ｌ型のコーナー継手を以て装着する構成となっている。従って、これ等のフロン トガラスのモールディングは、左右のモールディングと上部のモールディング及 びコーナー継手との三種類の部品によって装着する構造となっているため作業性 が悪いと共に高価となる欠点と、コーナー継手部分が大変に体裁が悪く、且つ破 損しやすい原因となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

フロントガラスのモールディングにおいては、フロントガラスの左右の側部と 上方とが別個の断面形成の二種類を以てガラスを張着したのを一種類のモールデ ィングを以てガラスを挟持させて、コーナー部分の作業を良好とすると共に、全 体を美しく仕上げるようにし、且つコーナー継手を不要とすることによって、体 裁の優れた強固なモールディングを得ようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案のモールディングは、頭部３と下方の支脚４とから成形され、該支脚 ４のフロントガラス側の側面には、上部支持片６を突設して上方に雨水受溝２０ を形成し、該上部支持片６の下方に下部支持片７を設けると共に、上部支持片６ と下部支持片７との間に各種形状の係合部８を形成し、フロントの左右の側面１ ３、１３では、上部支持片６と下部支持片７との間にフロントガラス１５の両端 縁を挿着する。また、フロントガラス１５の上部では、該上部支持片６と該支脚 ４の該係合部８の下方を切除させ、その係合部８に取付支持体２を係合させ、取 付支持体２と該頭部３との間にフロントガラス１５の上端縁を嵌合させることに よって上記目的を達成を計ったものである。

【０００５】

【実施例】

この考案の実施例を図面について説明すると、自動車等の各車輌における車体 パネル１６と、フロントガラス１５との間に嵌装するモールディング１は、合成 樹脂を以て長手方向に成形され、表面に露出する部分の頭部３と、隙間に挿着さ れる支脚４とを一体成形してある。この支脚４には、フロントガラス側の両側面 １３，１３には、該頭部３の下方に雨水受溝２０を設けて上部支持片６を水平方 向に突設する。次に、該上部支持片６の下方には、所要間隔を設けて下部支持片 ７を突設してある。この上部支持片６と下部支持片７との間には、凹条又は突条 等の係合部８を長手方向に形成してある。次に、該モールディング１がフロント ガラス１５の上方の上部１４部分では、前記上部支持片６の基部に位置する切断 部９によって上部支持片６を切除する。また、該上部支持片６と下部支持片７と の間の該係合部８の下方を切断部５を以て切断せしめる。この切除された支脚４ の該係合部８に係止される取付支持体２は、合成樹脂で帯状に成形され、先端に 膨出部１２を設けた押圧片１０と、基部に凹条又は突条等の係止部１１とを形成 せしめてある。フロントガラス１５の側面１３，１３は、第５図に示す如く、上 部支持片６と下部支持片７との間に設けた下部挿入溝１８にフロントガラス１５ の端縁を挿着するものである。また、フロントガラス１５の前記上部１４の部分 では、頭部３と該取付支持体２との間に設けた上部挿入溝１９にフロントガラス １５の上方の端縁を挿着するものである。符号１７は接着剤を示し、２２は車輌 を示すものである。

【０００６】

【作用】

この考案は上記の如き構成からなり、今この用法を図面について説明すると、 第１図に示す車輌２２の車体パネル１６とフロントガラス１５との間に第５図及 び第６図の様にモールディング１を接着剤１７を介在して接着するものであるが 、この考案のモールディング１は、フロントガラス１５の左右の側面１３，１３ では、第５図に示す如く上部支持片６と下部支持片７との間に第２図に示す如く コーナー部分までフロントガラス１５の両端縁を挿嵌し、上部に雨水受溝２０を 形成した状態で装着される。また、モールディング１は、コーナー部分を境とし て屈曲される上部１４の部分では、第６図に示す如く、上部支持片６の基部の切 断部９と支脚４の係合部８の下方の切断部５とを各切除された状態の該係合部８ に該取付支持体２の係止部１１を嵌合し、該頭部３と取付支持体２との間にフロ ントガラス１５の上方端縁を挿嵌して雨水受溝２０のないモールディングの上部 １４を構成するものである。

【０００７】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案のモールディングによれば、フロントガラスの 左右の雨水受溝付の側部と、上方の雨水受溝のない連続した上部とを簡単に構成 してフロントガラスを容易に張着できる効果と、前記モールディングの上部支持 片と支脚の下部とを切断し、取付支持体を係合するだけで雨水受溝のない上部モ ールディング部分にフロントガラスの上端を容易に挟持固定できると云う優れた 効果がある。また、従来のこの種のモールディングの様に、コーナー継手部を使 用する必要がなく大変に経済的であり、モールディングを屈曲して使用できるた め仕上がりが大変に美麗であると共に、著しく強固に装着できる効果がある。そ して、上部支持片と下部支持片との間に凹条又は突条等の係合部を形成したので 、取付支持体との係合を極めて簡単にでき、且つ上部支持片の基部を切除するこ とによって雨水受溝のないモールディングが容易に構成される便利な効果がある 。また、前記支脚の下部の切断部を切除することによって、支脚の高さ寸法を小 さくできるため、モールディングを著しく薄型に装着できる優れた効果がある。

【提出日】平成６年７月２６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正内容】 【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は各種の車両におけるフロントに使用される車体パネルとフロントガ ラスとの間に介在するモールディングが、フロントガラスの上縁部から左右両側 部にわたって装着され、左右両側部に雨水の横流れを防止するための雨水受部が 形成されたモールディングを備えた車両用フロントガラス構造に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、車両等のフロントガラスに使用するモールディングは、車両パネルとフ ロントガラスとを接着剤を介して接着するものでは、車体パネルの開口縁とガラ スとの境界とに生ずる隙間を閉塞する目的と、外観を美しくするためにモールデ ィングを被嵌するものである。そして、近年、このモールディングは、フロント ガラスの左右両側部には、フロントガラスの左右両側部に嵌込まれる凹溝と、そ の凹溝の前側に隣接して雨水受溝を設けたものが使用されている。然し、この前 後二段の溝付のモールディングは、同じフロントガラスの上縁部のモールディン グとしては使用しないために、別個の断面形状に成形したモールディングとＬ型 のコーナー継手を以て装着する構成となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記した従来のモールディングは、左右両側部のモールディングと 上縁部のモールディング及びコーナー継手との三種類の部品によってフロントガ ラスに装着する構造となっているため装着作業性が悪いと共に高価となる欠点が あるばかりでなく、コーナー継手部分が大変に体裁が悪く、且つ破損しやすい原 因となっている。

【０００４】 この考案の目的は、前記従来の問題点に鑑み、一つの長尺のモールディングを 以てフロントガラスに装着し、コーナー部分の装着作業を良好とすると共に、全 体を美しく仕上げるようにし、且つコーナー継手を不要とすることによって、体 裁の優れた強固なモールディングを備えたフロントガラス構造を提供することで ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、この考案は、左右両側部に雨水受部が形成されか つ上部は雨水受部がないモールディングを備えた車両用フロントガラス構造であ って、 前記フロントガラスの上縁部から左右両側部にわたる長さを有しかつ頭部と支 脚とを一体に備えた長尺のモールディングが形成され、 さらに、前記モールディングは、その全長の一部において切除されるとともに 、同モールディングの全長の一部には取付支持体が組付けられることで、前記フ ロントガラスの上縁部では、前記モールディングの頭部がガラス面に接し、前記 フロントガラスの左右両側部では前記モールディングの頭部がガラス面に離反し て雨水受部を形成するように、前記モールディングが前記ウインドガラスの上縁 部から左右両側部にわたって装着されている。

【０００６】

【作用】

前記したように構成されるこの考案に係るモールディングを備えた車両用フロ ントガラス構造において、フロントガラスの上縁部では雨水受部がなく、フロン トガラスの両側部では雨水受部をもつ構造のモールディングを、一つの長尺のモ ールディングを主体として構成し、そのモールディングをフロントガラスに装着 することで、上縁部のモールディングと左右両側部のモールディングとをそれぞ れ別個に形成して、これらモールディングをコーナー継手によって連結する必要 性が解消される。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図面にしたがって説明する。 図１と図２において、自動車等の各車両における車体パネル１６と、フロント ガラス１５との間に嵌装するモールディング１は、合成樹脂を以て長手方向に成 形され、表面に露出する部分の頭部３と、隙間に挿着される支脚４とを一体成形 してある。 前記モールディング１の全長のうち、フロントガラス１５の左右両側部に対応 する両側部１３，１３における支脚４の側面には頭部３の下方に雨水受部として の雨水受溝２０を設けて上部支持片６が水平方向に突設されている。 前記上部支持片６の下方には、所要間隔を設けて下部支持片７を突設してある 。 上部支持片６と下部支持片７との間には、凹条又は突条等の係合部８が長手方 向に形成されている。

【０００８】 前記モールディング１の全長のうち、フロントガラス１５の上縁部に対応する 上縁部１４の部分では、前記上部支持片６の基部に位置する切断部９によって上 部支持片６が切除されている。 また、図３に示すように、上部支持片６と下部支持片７との間の係合部８の下 方が切断部５を以て切断されている。この切除された部分における支脚４の係合 部８に係止される取付支持体２は、図４と図６に示すように、合成樹脂で帯状に 成形され、先端に膨出部１２を設けた押圧片１０と、基部に凹条又は突条等の係 止部１１とがそれぞれ形成されている。

【０００９】 そして、前記モールディング１は、その左右両側部１３，１３が図５に示すよ うに、上部支持片６と下部支持片７との間に設けられた下部挿入溝１８にフロン トガラス１５の左右両側部が挿着される。また、図６に示すように、モールディ ング１の上部１４の部分では、頭部３と該取付支持体２との間に設けられた上部 挿入溝１９にフロントガラス１５の上縁部が挿着される。なお、符号１７は接着 剤を示し、２２は車両を示すものである。

【００１０】 前記したように構成されるこの実施例において、図１に示す車両２２の車体パ ネル１６とフロントガラス１５との間に図５及び図６の様にモールディング１を 接着剤１７によって接着する前に、モールディング１の全長のうち、左右両側部 １３，１３は、図５に示す如く、上部支持片６と下部支持片７との間に図２に示 すようにコーナー部分までフロントガラス１５の左右両側部に挿嵌され、フロン トガラス１５の前側に雨水受溝２０を形成した状態で装着される。 また、モールディング１の全長のうち、コーナー部分を境として屈曲される上 縁部１４の部分では、図６に示すように、上部支持片６の基部の切断部９と支脚 ４の係合部８の下方の切断部５とが各切除された状態の係合部８に取付支持体２ の係止部１１が嵌合され、頭部３と取付支持体２との間にフロントガラス１５の 上縁部が挿嵌され、雨水受溝２０のないモールディングの上縁部１４を構成して フロントガラス１５に装着される。

【００１１】

【考案の効果】

以上述べたように、この考案によれば、フロントガラスの左右両側部では雨水受 部をもち、同フロントガラスの上縁部では雨水受部がない構造のモールディング を一つの長尺のモールディングを主体として構成し、フロントガラスに装着する ことで、コーナー継手部を使用する必要がなく大変に経済的であり、モールディ ングを屈曲して使用できるため仕上がりが大変に美麗であると共に、著しく強固 に装着できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案を使用した車輌の斜面図

【図２】モールディングとフロントガラスとの張着した
部分の一部欠除した斜面図

【図３】同じくモールディングの斜面図

【図４】取付支持体の斜面図

【図５】側部の断面図

【図６】第１図Ａ−Ａ線の縦断側面図

【符号の説明】

１ モールディング ２ 取付支持体 ３ 頭部 ４ 支脚 ５，９ 切断部 ６ 上部支持片 ７ 下部支持片 ８ 係合部 １１ 係止部 １３ 側部 １４ 上部 １５ フロントガラス １８ 下部挿入溝 １９ 上部挿入溝 ２０ 雨水受溝

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【手続補正書】

【提出日】平成６年７月２６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正内容】

【書類名】 明細書

【考案の名称】 モールディングを備えた車両用フロン
トガラス構造

【実用新案登録請求の範囲】

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例のモールディングを備えた
フロントガラス構造を使用した車両の斜面図である。

【図２】同じくモールディングとフロントガラスとの装
着部分を破断して示す斜面図である。

【図３】同じくモールディングを示す斜面図である。

【図４】同じく取付支持体を示す斜面図である。

【図５】同じくフロントガラスの側部を示す断面図であ
る。

【図６】同じく図１のＡ−Ａ線に基づく縦断側面図であ
る。

【符号の説明】 １ モールディング ２ 取付支持体 ３ 頭部 ４ 支脚 ５，９ 切断部 １３ モールディングの左右両側部 １４ モールディングの上縁部 １５ フロントガラス ２０ 雨水受溝（雨水受部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 各種車輌等のフロントガラスをモールデ
   ィングを以て張着する車輌用フロントガラスの雨水受溝
   付モールディングにおいて、該モールディングは、表面
   に露出する頭部と下方の支脚とから成形され、該支脚の
   フロントガラス側の側面には、該頭部の下方に雨水受溝
   を設けて上部支持片を突設し、該上部支持片の下方に
   は、下部支持片を形成すると共に、該上部支持片と該下
   部支持片との間に凹条又は突条等の係合部を形成し、フ
   ロントガラスの左右の側面では、該上部支持片と下部支
   持片との間にフロントガラスの両端縁を挿着し、フロン
   トガラスの上部では、該上部支持片の切除と該支脚の下
   方を切除し、該係合部には、基部に凹条又は突条等の係
   止部を設けた取付支持体を係着し、該取付支持体と該頭
   部との間にフロントガラスの上端縁を嵌合したことを特
   徴とする車輌用フロントガラスの雨水受溝付モールディ
   ング。