JPH063685Y2 - 車輌用のフロント硝子のモールデイング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は各種車輌のフロント部分の車輌パネルと硝子パ
ネルとの間に介在せしめるモールに関し、その目的とす
る所は、上下２段の雨水流出溝を設けた１種類のモール
を持って左右の側部モール部と上部モール部との両方の
役目を果たすための車輌用のフロント硝子のモールに関
するものである。

（従来の技術） 一般にこの種の車輌用のフロント硝子のモールは、車輌
パネルと硝子パネルとを接着剤を以て接合するもので
は、車輌パネルの開口縁と硝子パネルの外周縁との境界
とに生ずる隙間を閉塞する目的と外観を綺麗にするため
にモールを被嵌するものである。近年このモールは、フ
ロントの左右側部モール部には、硝子パネルの嵌合する
凹溝と、その凹溝の上部に雨水が運転中に飛散して運転
席に浸入するのを防止するための雨水受溝を設けたもの
が使用されている。然し、この上下数段の溝付きのモー
ルは、同じフロント硝子の上部モール部には使用できな
いため、別個の断面形状よりなるモールとコーナー継手
部材とを以て連接する構成となっている。そして、これ
等のフロントのモールは、左右の側部モール部と上部モ
ール部及びコーナー継手部の３種類の部品によって構成
される構造となっている。従って、この種のフロント硝
子に装着されているモールは、コーナー部分において
は、コーナー継手部によって外観が大変に不体裁となる
と共に、継手部分が容易に破損しやすい欠点と、３種類
の部品が必要となるため装置に手間と時間が係る欠点が
ある。

また、一般に前記雨水受講の溝巾は、車輌の種類と硝子
パネルの傾斜角度によって、該雨水受溝の溝巾寸法を大
きく調整する必要が生じている。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は上述の欠点を解決するもので、従来のフロント
硝子用のモールにおいて、硝子パネルの左右の側部モー
ル部と上方の上部モール部とが各々別個の断面形状で成
形されたモールを１種類のモールによって硝子パネルを
装着できれば大変に便利で作業性がよくなるばかりか、
綺麗に仕上げることができ、且つコーナー継手を不要と
することによって、体裁の優れた強固なモールを得るよ
うとする点と、左右の側部モール部における雨水流出溝
の巾を大小に調整を計れるようにした点にある。

（課題を解決するための手段） 本考案のモールは、上記の問題点をすべて解決するため
に、モール(1)の挿着脚部(3)の長手方向に沿った片側に
該モール頭部(2)と上部突出部(5)との間に上部雨水流出
溝(8)を形成する。この上部突出部(5)と中部突出部(6)
との間に下部雨水流出溝(9)を形成せしめる。また、該
中部突出部(6)と下方の下部突出部(7)との間に硝子嵌合
溝(10)を形成してある。更に、フロント硝子パネル(12)
の左右側部モール部(13)(13)では、中部突出部(6)と下
部突出部(7)との間に左右の硝子パネル(12)の端縁を挿
着し、上部モール部(14)には、該中部突出部(6)の基部
と該挿着脚部(3)の下部を切断部(15)(15)よつて切除
し、モール頭部(2)と上部突出部(5)との間に硝子パネル
(12)の上部縁部を挿着させることによって、上記目的の
達成を計っている。

（実施例） 次に、本考案の実施例を図面について説明すると、各種
の車輌の車輌パネル(16)とフロントの硝子パネル(12)と
の間に介装されるモール(1)は、合成樹脂を以て長手方
向の帯状に成形され、その上部には表面に露出するモー
ル頭部(2)と隙間に挿着する挿着脚部(3)とを一体に形成
してある。前記挿着脚部(3)には、長手方向に沿った片
方の側面に該モール頭部(2)の下部に上部突出部(5)を突
設して硝子パネル(12)の挿着と雨水流下を兼用する上部
雨水流出溝(8)を形成する。次に、該上部突出部(5)の下
部に中部突出部(6)を所定間隔を設けて突設することに
よって雨水の流下する量を多くする下部雨水流出溝(9)
を形成せしめてある。また、該中部突出部(6)の下部に
は、下部突出部(7)を突設して、硝子パネル(12)の左右
側部が嵌着する硝子嵌合溝(10)を形成せしめてある。次
に、該挿着脚部(3)の長手方向の反対側の側壁には、一
条又は数条の保持条片(11)(11)を一体に突設せしめてあ
る。符号(15)は、第２図に示す如く、中部突出部(6)の
基部と、挿着脚部(3)の下方の適宜位置を示す切除する
切断部を示し、この切断部(15)(15)の切除した状態で第
３図に示す如く、上部モール部(14)とコーナーモール部
(18)(18)とを形成し、第５図に示す如く、該硝子パネル
(12)をモール頭部(2)と上部突出部(5)との間に装着する
ものである。符号(13)は左右の側部に位置する側部モー
ル部を示し、第４図に示す如く、モール(1)をそのまま
の状態で使用するものである。(17)は、車輌パネル(16)
と硝子パネル(12)とその間のモール(1)との３者を一体
的に接着する接着剤を示すものである。

（作用） 本考案は上記の如き構成からなり、このモールの使用法
を説明すると、第１図に示す如く車輌パネル(16)とフロ
ントの硝子パネル(12)との間にモール(1)を接着剤(17)
を以て接着するものであるが、予め硝子パネル(12)の左
右の側部及び上部の外周にモール(1)を嵌合してから車
輌パネル(16)に嵌装する。この時に、このモール(1)
は、第３図及び第４図に示す如く、硝子パネル(12)の左
右側部モール部(13)(13)では、硝子パネル(12)は該上部
雨水流出溝(8)と下部雨水流出溝(9)の下段の硝子嵌合溝
(10)に嵌合させるものである。次に、コーナーモール部
(18)から上部モール部(14)では、第５図に示す如く、中
部突出部(6)と挿着脚部(3)の下方とを各々切断部(15)で
切り取りした状態で、該硝子パネル(12)の上端縁をモー
ル頭部(2)と上部突出部(5)との間に挿着して固定するも
のである。なお、左右の側部モール部(13)(13)において
車輌と硝子パネルの傾斜角度とによって雨水流出溝の溝
巾を大きく必要とする場合には、該上部突出部(5)を切
除して上部雨水流出溝(8)と下部雨水流出溝(9)とを一体
として有効に使用するとが可能となるものである。

（考案の効果） 以上説明した如く、本考案のモールによると、１種類の
断面形状よりなるモールを以て左右の雨水流出溝付きの
側部モール部と、上方の雨水流出溝の無い上部モール部
とを容易に構成して硝子パネルを張着できる優れた効果
と、左右の側部モール部の上部雨水流出溝が硝子パネル
の厚さ寸法の溝巾では小さい場合でも下部雨水流出溝が
排水の役目を果たすため、各種のフロントの雨水流出溝
付きのモールとしても利用できる多機能を有する効果が
ある。また、従来のモールの様にコーナー継手を使用す
る必要がない効果と表面が大変に綺麗に仕上がる効果も
ある。そして、フロントの硝子パネルの上部モール部で
は、中部突出部の切断と挿着脚部の下方の切断部からの
切断によって、硝子パネルの上部外周縁を安定して受け
止めでき、且つコーナーモール部から上部モール部の屈
曲も極めて容易に曲げられてコーナー部分が大変に綺麗
に仕上がる効果がある。また、モール頭部と中部突出部
との間に設けた上部突出部によって上部雨水流出溝と下
部雨水流出溝との溝巾方法を容易に形成できると共に、
上部雨水流出溝によって硝子パネルの上端縁を強固に嵌
着できる便利な効果がある。更に、本考案によれば、従
来のモールの様に左右の側部モール部と上方の上部モー
ル部及びコーナー継手部との３種類の部品を製造する必
要が無く、且つ１種類のモールを以て硝子パネルを確実
に張着できる効果と、作業が大変に容易で美しく安価に
提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を車輌のフロントに張着した場合の正面
図、第２図はモールの斜面図、第３図は左右側部モール
部と上部モール部とを示す斜面図、第４図は第１図Ｂ−
Ｂ線の断面図、第５図は第１図Ａ−Ａ線の断面図であ
る。 符号(1)はモール、(2)はモール頭部、(3)は挿着脚部、
(5)は上部突出部、(6)は中部突出部、(7)は下部突出
部、(8)は上部雨水流出溝、(9)は下部雨水流出溝、(10)
は硝子嵌合溝、(12)は硝子パネル、(13)は側部モール
部、(14)は上部モール部、(18)はコーナーモールであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】合成樹脂製よりなるモールは、上部のモー
   ル頭部と下方の挿着脚部とで成形され、前記挿着脚部に
   は長手方向に沿った片側に該モール頭部と上部突出部と
   の間に上部雨水流出溝を形成し、該上部突出部と中部突
   出部との間に下部雨水流出溝を形成し、該中部突出部と
   下方の下部突出部との間に硝子嵌合溝を形成し、前記モ
   ールはフロント硝子パネルの左右側部モール部では、該
   中部突出部と下部突出部との間に硝子パネルを挿着し、
   且つ該フロント硝子パネルの上部モール部では該中部突
   出部の基部と該挿着脚部の下部とを切断部より切除し、
   該モール頭部と該上部突出部との間に硝子パネルの上部
   縁部を挿着した事を特徴とする車輌用のフロント硝子の
   モール。