JPH0727904U - タイヤ用滑べり止めネットのスパイク金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スパイク金具における突部の耐摩耗性を向
上させることによりスパイク金具としての耐久性を高め
る共に、突部により得られるトラクション、制動性能の
向上を図ることを目的とする。 【構成】 金具本体１の両端部を折曲げて滑り止めネ
ット本体ｂの網目交差部ｂ１に止着するスパイク金具ａ
において、上記金具本体１の接地面４にネット幅方向へ
細長く延びる突部３を金具本体１と一体に突出形成した
ものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、タイヤ用滑べり止めネットのスパイク金具、詳しくは略コ形に屈曲 形成した金具本体の両端部を折曲げて滑り止めネット本体の網目交差部に止着す るスパイク金具であって、その接地面に突部を形成したものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種スパイク金具において、金具本体の接地面に滑べり止め用の凹凸 を形成したものには図７にて示すものがある。 このスパイク金具１００は、取付状態において略四角環状に屈曲される金具本体 １０１の接地面に金具全長（ネット幅方向）に延びる凹溝１０２を形成してある 。上記したように凹溝１０２を金具本体１０１の中央に沿って形成することによ って、接地面における前後両縁部に上記凹溝１０２に対して相対的に突出する２ 本の突部１０３が形成される。上記スパイク金具１００は、上記突部１０３が凍 結路面に喰い込むエッジ部となり、これによりグリップ性能を得ていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記したスパイク金具にあっては、前後突部１０３の前後縁部がアス ファルトとの接触等により比較的早く摩耗し、スパイクとして機能を長期にわた り維持することが難しい。 また、金具本体１０１に形成する凹溝１０２の深さと相対して突部１０３の突出 高さが決められることから、突部１０３の凹溝底面からの突出高さをあまり高く することができず、よって突部１０３により得られるトラクション、制動性能に も限界があった。

【０００４】 本考案は上記した問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするとことは 、上記した如きスパイク金具における突部の耐摩耗性を向上させることにより、 スパイク金具としての耐久性を高めると共に、突部によって得られるトラクショ ン、制動性能の向上を図ることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記した目的を達成するために本考案は、略コ形に屈曲形成した金具本体の両 端部を折曲げて滑り止めネット本体の網目交差部にネット幅方向へわたるように 止着するスパイク金具において、上記金具本体の接地面にネット幅方向へ細長く 延びる突部を金具本体と一体に突出形成したものである。

【０００６】

【作用】

以上の手段によれば、金具本体の接地面にはネット幅方向に細長く延びる突部 が突出形成される。 走行中において上記突部は、金具本体の接地面の縁と共に接地し、凍結面に喰い 込む。また、上記突部は金具本体の接地面の肉厚を接地面全長にわたり増加させ 、摩耗に対する耐久性を向上させる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１乃至図６は本考案スパイク金具ａを示している。スパイク金具は図２にて示 すように滑べり止めネットｂの編目交差部ｂ１に、略コ形に形成した金具本体１ を裏側から取り付けた後、同金具本体１両端部の折り曲げ片２，２を滑り止めネ ット本体ｂの表面側に折り曲げることにより、ネット幅方向にわたる形で止着し てある。 また、上記した滑り止めネット本体ｂは従来周知のものでよく、その網目形状も 図示せるように菱形状に限定されるものでなく、例えば三角形状，長方形状等の 種々の網目形状のものに変更してもよい。

【０００８】 スパイク金具ａは、例えば３００〜４５０ＨＶ程度の硬度を有する帯状鋼材を 略コ形に屈曲形成すると共に、金具ａ表面側の略中央に沿って金具長手方向全長 に細長く延びる突部３を金具本体１と一体に突出形成してある。 上記突部３は接地面４においてネット幅方向へ延びる細帯状の突出部であり、金 具本体１を製造する際に冷間圧延法等により成形する。尚、上記した突部３は接 地面４から断面半円形状に突出するように形成したが、突部３の突出形状はこれ に限定されるものではなく、その断面形状を四角形や三角形、台形にしてもよい ものである。さらに、突部３の表面に小さな凹凸を形成することも任意である。

【０００９】 また、上記金具本体１は、その前後縁部１ａ，１ｂを断面略直角あるいは直角 に近い形状として本体エッジ部としている。このエッジ部１ａ，１ｂは上記突部 ３と段違い平行状となっている。

【００１０】 即ち、上記金具本体１は接地面４に突部３を設けることにより断面が略凸形と なり、金具本体１を構成する平板から突部３が突出する分、金具本体１の肉厚を 増加させ、これにより金具本体１の強靭性を高めて耐摩耗性を向上させることが できる。 例えば、従来の金具のように金具本体１に凹溝を形成することにより相対的に突 部を形成していたものと比較すると、接地面４の中央には凹溝の代わりに突部３ による補強リブが構成されることになり、また、乾燥走行により摩耗し易い金具 本体１前後のエッジ部１ａ，１ｂが摩耗したとしても接地面４の中央に突出する 突部３により金具本体１の強度とグリップ性能を安定して維持することができる 。

【００１１】 また、上記した突部３は成形時において接地面４からの突部最高部までの突出 高さを自由に設定することが可能となる。よって、突部３の突出高さを十分に大 きくすることによりトラクション、制動性能を従来のものよりも大幅に向上させ ることができる。 尚、上記突部３の突出高さは特別限定されないが、細帯状に形成しているためあ まり高く設ける必要はない。具体的には接地面４から０．５〜１．５ｍｍ程度の 突出高さとする。

【００１２】 上記した金具本体１は両折曲げ片２をネット本体ｂの表側へ折り曲げることに より止着しているが、同本体１をネット本体ｂの表側から嵌着し、両折曲げ片２ をネット本体ｂの裏面側に折曲げて止着してもよい。

【００１３】 本実施例のスパイク金具ａ，ａ’を取付けたタイヤ用滑り止めネットＡをタイ ヤに装着して寒冷地区等のアイスバーン（凍結路面）を試験的に走行した。 その結果、ネット本体ｂの各部位に位置するスパイク金具ａ，ａ’が凍結路面等 への接地を開始すると、突部３が金具本体１のエッジ部１ａ，１ｂと共に接地し て幅広状に喰い込むため凍結面への引っ掛かりが強固となり、優れた制動効果が 得られた。 よって、本考案のスパイク金具ａの利用により、アイスバーン（凍結路面）での 制動力の良いタイヤ用滑り止めネットＡが提供でき、追突，スリップ事故等の減 少に寄与することがでる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は以上説明したように、金具本体の接地面にネット幅方向へ細長く延び る突部を金具本体と一体に突出形成したものであるから、例えばプレス成形や鍛 造成形等により簡単に成形することができると共に、金具本体の接地面にネット 幅方向に長く延びた状態で突出する突部により金具本体の肉厚を増大させること ができるので、従来のように金具本体に凹溝を形成することにより相対的に突部 を形成していたものと比較すると、金具本体が強靭となり耐摩耗性を向上させる ことができる。 また、接地面からの突部最高部までの突出高さを自由に設定することが可能とな るので、突部の突出高さを十分に大きくしてトラクション、制動性能をより向上 させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案スパイク金具の一実施例を示す斜視図

【図２】本考案スパイク金具を取り付けてなるタイヤ用
滑り止めネットの一実施例を示す展開平面図

【図３】図５のIII-III 線断面図

【図４】図５のIV-IV 線断面図

【図５】滑べり止めネット本体の編目交差部を示す正面
図

【図６】折り曲げ片を滑べり止めネット本体の裏面側に
折り曲げて装着するように構成したスパイク金具を示す
斜視図

【図７】従来のスパイク金具を示す斜視図

【符号の説明】

Ａ：タイヤ用滑り止めネット ａ：スパイク金具 １：金具本体 ２：折り曲げ片 ３：突部 ４：接地面 ｂ：滑り止めネット本体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略コ形に屈曲形成した金具本体の両端
   部を折曲げて滑り止めネット本体の網目交差部にネット
   幅方向へわたるように止着するスパイク金具において、
   上記金具本体の接地面にネット幅方向へ細長く延びる突
   部を金具本体と一体に突出形成したタイヤ用滑べり止め
   ネットのスパイク金具。