JPH07277682A - クレーンの過負荷防止装置 - Google Patents

クレーンの過負荷防止装置

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JPH07277682A
JPH07277682A JP6824394A JP6824394A JPH07277682A JP H07277682 A JPH07277682 A JP H07277682A JP 6824394 A JP6824394 A JP 6824394A JP 6824394 A JP6824394 A JP 6824394A JP H07277682 A JPH07277682 A JP H07277682A
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Toshiaki Arakawa
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Tadano Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外気温等の使用環境によりクレーンの環境温
度が大きく変化する場合であっても確実に安全状態を確
保することのできるクレーンの過負荷防止装置を提供す
る。 【構成】 伸縮ブームに作用する実負荷を検出する実負
荷検出器25と、実負荷検出器25からの信号を受け入
れて所定の演算を行なう演算部13とを有し、前記演算
部13は伸縮ブームの作業姿勢に基づいて所要の演算を
行い、一定条件下で伸縮ブームの作動を制限あるいは警
報するクレーン車の過負荷防止装置11において、クレ
ーン車の環境温度を検出する温度検出器28を設置して
その出力を演算部13に入力させるとともに、演算部1
3は、許容負荷,または実負荷,あるいは許容負荷に関
して設定された基準のいずれかを、温度検出器28から
の温度検出値に応じて適宜補正し、その補正値に基づい
て所要の演算を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、クレーンの過負荷防
止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、一般にクレーンにおいては使
用すべき温度範囲が予め想定されており、その想定され
た温度範囲内においてクレーンは適正に使用されるべき
ものである。
【0003】そして、近時のクレーンには過負荷防止装
置が装備されているが、従来の過負荷防止装置は、クレ
ーンが前記温度範囲内で使用され、クレーンの強度部材
である金属材料が所要の強度を発揮することを前提とし
て作動するように設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のクレーンが前記温度範囲から逸脱した状態で使用
される場合には過負荷防止装置が想定された状態におい
てその機能を十分に発揮しないおそれを生じる。
【0005】すなわち、例えば寒冷地で冬期に使用され
る場合のように、クレーンが前記温度範囲より低温(例
えば、外気温が−20℃以下)で使用される場合には、
クレーンの強度部材である金属材料は低温脆性の影響に
よりその強度が低下する。
【0006】また、例えば製鉄所の高炉の近傍で使用さ
れる場合のように、クレーンの強度部材である主要構成
部材が前記温度範囲より高温(例えば、外気温が400
℃以上)で使用される場合には、クレーンのその強度部
材は高温クリープの影響によりその強度が低下すること
となる。
【0007】このような場合においては、前記強度部材
の強度低下に起因して許容される吊り荷重が減少するこ
ととなるので、所定の温度範囲内で十分に安全な状態で
機能する過負荷防止装置であっても、前記温度範囲内で
の場合と比べて危険側の状態で過負荷防止機能が作動す
ることとなり、過負荷防止装置の機能が十分に発揮され
ているとはいいがたい。
【0008】この発明は、このような事情に基づいてな
されたもので、外気温等の使用環境によりクレーンの環
境温度が大きく変化する場合であっても確実に安全状態
を確保することのできるクレーンの過負荷防止装置を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、基台に起伏可能に設置した
ブームを介して吊り荷の吊上げ作業を行なうクレーンで
あって、前記ブームに作用する実負荷を検出する実負荷
検出器と、この実負荷検出器からの信号を受け入れて所
定の演算を行なう演算部とを有し、前記演算部は、ブー
ムの作業姿勢に基づく許容負荷を算出する機能と、前記
実負荷検出器からの実負荷と算出された許容負荷とを比
較し、前記実負荷が許容負荷に関して設定された基準に
達した場合に、前記ブームの作動を制限あるいは警報を
発する信号を出力する機能とを有する過負荷防止装置に
おいて、クレーンの環境温度を検出する温度検出器を設
置してその出力を前記演算部に入力させるとともに、前
記演算部は、前記許容負荷,または実負荷,あるいは許
容負荷に関して設定された前記基準のいずれかを、温度
検出器からの温度検出値に応じて適宜補正し、その補正
値に基づいて所要の演算を行なうことを特徴とする。
【0010】また、請求項2記載の発明は、基台に起伏
可能に設置したブームを介して吊り荷の吊上げ作業を行
なうクレーンであって、前記ブームに作用する実負荷を
検出する実負荷検出器と、この実負荷検出器からの信号
を受け入れて所定の演算を行なう演算部とを有し、前記
演算部は、ブームの作業姿勢に基づく許容負荷を算出す
る機能と、前記実負荷検出器からの実負荷と算出された
許容負荷とを比較し、前記実負荷が許容負荷に関して設
定された基準に達した場合に、前記ブームの作動を制限
あるいは警報を発する信号を出力する機能とを有する過
負荷防止装置において、クレーンの環境温度に関連した
信号を手動入力する手動入力手段を設置してその出力を
前記演算部に入力させるとともに、前記演算部は、前記
許容負荷,または実負荷,あるいは許容負荷に関して設
定された前記基準のいずれかを、前記手動入力手段から
の入力信号に応じて適宜補正し、その補正値に基づいて
所要の演算を行なうことを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明によれば、この種のクレー
ンの過負荷防止装置において、クレーンの環境温度を検
出する温度検出器を設置してその出力を前記演算部に入
力させるとともに、演算部は、前記許容負荷,または実
負荷,あるいは許容負荷に関して設定された前記基準の
いずれかを、温度検出器からの温度検出値に応じて適宜
補正し、その補正値に基づいて所要の演算を行なうの
で、使用環境によりクレーンの温度が大きく変化する場
合であってもクレーンはその温度条件下において自動的
に適切な状態でブームの作動を制限あるいは警報を発す
ることができ、確実に安全状態を確保することができ
る。
【0012】また、請求項2記載の発明によれば、この
種のクレーンの過負荷防止装置において、クレーンの環
境温度に関連した信号を手動入力する手動入力手段を設
置してその出力を前記演算部に入力させるとともに、前
記演算部は、前記許容負荷,または実負荷,あるいは許
容負荷に関して設定された前記基準のいずれかを、前記
手動入力手段からの入力信号に応じて適宜補正し、その
補正値に基づいて所要の演算を行なうので、オペレータ
がクレーンの環境温度に応じて前記操作スイッチを操作
することにより、そのクレーンのおかれた環境下におい
て適切な状態でブームの作動を制限あるいは警報を発す
ることができ、確実に安全状態を確保することができ
る。
【0013】
【実施例】以下、図面に示すクレーン車の第1実施例に
よりこの発明を説明する。
【0014】まず、図4によりクレーン車の全体概略を
説明すると、1はクレーン車を示し、2は下部走行体と
しての車体である。
【0015】車体2は自走可能であって車体2の前後両
側にアウトリガ装置3を有するとともに、この車体2上
には旋回体4が旋回輪4aを介して旋回可能に装着され
ている。なお、車体2はこの発明の基台に該当するもの
である。
【0016】旋回体4は伸縮ブーム5とウインチ6とを
有し、伸縮ブーム5はいわゆる強度部材に該当するもの
で高張力鋼により形成されており、この伸縮ブーム5は
枢軸部5aにおいて旋回体4に対して枢支され、起伏用
油圧シリンダ5bの伸縮により適宜の起伏角となるよう
に駆動される。
【0017】また、伸縮ブーム5はその内部に内蔵され
た不図示の伸縮用油圧シリンダの伸縮により伸縮駆動さ
れ、そのブーム長さを適宜の長さにすることができる。
【0018】なお、垂直軸まわりにおける伸縮ブーム5
の方向は、前記旋回体4を前記旋回輪4aを介して車体
2に対して旋回駆動することにより適宜調整することが
できる。
【0019】旋回体4のウインチ6から延在されたワイ
ヤロープ7は、伸縮ブーム5の先端部に設置されたシー
ブ8を経由して垂下され、そのワイヤロープ7の先端部
には吊り荷を吊り下げるフック9が設置され所要のクレ
ーン作業が行えるように構成されている。
【0020】そして、このようなクレーン車1には、次
に説明する過負荷防止装置11が設置されている。
【0021】過負荷防止装置11は、図1に示すよう
に、各種の検出器群12と、演算部13とを有する。
【0022】演算部13はマイクロコンピュータからな
るもので、前記検出器群12からの信号を受け入れて所
要の演算を行い、その演算結果に応じて,伸縮ブーム5
の駆動手段であるアクチュエータの制御器14(例え
ば、起伏用油圧シリンダ5bへの油圧供給回路中に設置
された電磁弁からなる制御弁等)に向けて所要の信号を
出力して当該アクチュエータの駆動を制御するものであ
る。
【0023】なお、図1においては、1つの制御器14
のみを図示しているが、これは図面の煩雑を避けるため
であり、現実には各アクチュエータに対応する多数の制
御器が同様に接続されている。
【0024】この実施例において、前記検出器群12は
以下のように構成されている。
【0025】21はブーム長さ検出器、22は起伏角検
出器、23は旋回角検出器、24はアウトリガ装置3の
張り出し長さを検出するアウトリガ検出器であって、こ
れらはポテンショメータ等を用いて各情報をそれぞれ電
気的に検出するものである。なお、前記アウトリガ検出
器24は車体2の前後両側のそれぞれに設置された4つ
のアウトリガ装置3のそれぞれに対応して設置されてい
る。
【0026】また、25は伸縮ブーム5に作用する負荷
を検出する実負荷検出器であって、起伏用油圧シリンダ
5bのピストンロッドに設置された,ホイートストンブ
リッジ回路からなるロードセルによりその歪を電気的に
検出するものである。
【0027】さらに、26はジブ長さ検出器、27はジ
ブのチルト角を検出するジブチルト角検出器であり、前
記した各検出器と同様に電気的に所要の情報を検出する
ものである。
【0028】そして、この実施例は温度検出器28をも
有しており、この実施例においては3つの温度検出器2
8がクレーン車1の各所(例えば、伸縮ブーム5の最先
端部と中間部と基端部との3箇所)に設置されており、
これらの温度検出器28はその部位において環境温度を
電気的に検出するようになっている。
【0029】31は温度入力用操作スイッチであって、
本願の手動入力手段に相当するものである。
【0030】この温度入力用操作スイッチ31は温度検
出器28が設置されている場合にはその設置を省略して
もよく、また後述するように、前記温度検出器28に代
えて設置することとしてもよい。さらに、この温度入力
用操作スイッチ31として、入力信号を連続的に変化さ
せることのできる可変抵抗器等を用いることとしてもよ
い。
【0031】これらの各検出器はそれぞれ信号線を介し
て演算部13に接続されており、各検出器からの信号は
演算部13において記憶され、予め記憶されたデータを
参照しつつ所要のプログラムにしたがって演算処理され
る。
【0032】そして、その演算部13は、その演算結果
に応じた信号を適宜のアクチュエータの制御器14に向
けて出力することにより所要の過負荷防止機能を発揮す
る。
【0033】この演算部13による過負荷防止機能は、
伸縮ブーム5が許容吊上げ荷重(この発明の許容負荷に
該当するものであり、以下においては単に許容荷重とい
う。)を越える吊上げ作業を行なった場合に、クレーン
車1の転倒や損傷を未然に防止するために警報を発した
り危険側への伸縮ブームの作動を停止するものである。
【0034】そして、このような過負荷防止動作の基準
となる許容荷重は、クレーン車1のその作業姿勢でのブ
ーム長さ,起伏角,ジブの使用の有無やアウトリガの張
り出し長さ等により決定されるものである。
【0035】このような過負荷防止機能を例えば吊上げ
荷重と作業半径(ブーム長さ×COS(起伏角))との関
係で見てみると、図2のようである。
【0036】すなわち、図2において、曲線Aは伸縮ブ
ーム5等の機構部材の強度により定まる吊上げ荷重の限
界を示し、曲線Bはクレーン車1の安定度により定まる
吊上げ荷重の限界を示す。したがって、クレーン車1の
許容荷重としては、作業半径の小さい側から曲線Aを経
て交点Cに至り曲線Bに連なるものが性能曲線となる。
【0037】ところで、このような性能曲線のクレーン
車1を前記したように低温下あるいは高温下で使用する
場合には、強度部材である伸縮ブーム5等の金属材料の
強度が低下するものであるから、過負荷防止の観点から
その強度低下に見合うようにその温度下での許容荷重を
規定した性能曲線を設定することが必要である。
【0038】この場合、温度に起因しての金属材料の強
度を問題とするものであることから、前記性能曲線のう
ち曲線Aによる部分を、これより吊上げ荷重の小さい曲
線Dによるものに補正して、補正後の性能曲線は作業半
径の小さい側から曲線Dを経て交点Eに至り曲線Bに連
なるものとすればよいこととなる。
【0039】前記演算部13においては、このような性
能曲線の補正機能をも含む過負荷防止動作が行なわれ
る。
【0040】以下、図3のフロー図にしたがって、演算
部13による第1実施例の動作を説明する。なお、この
場合においては温度検出器28を有するが温度入力用操
作スイッチ31は有していない。
【0041】過負荷防止動作が開始すると、SA−1に
おいて、前記ブーム長さ検出器21,起伏角検出器2
2,旋回角検出器23,アウトリガ検出器24,ジブ長
さ検出器26およびジブチルト角検出器27からの各信
号が演算部に取り込まれ、その作業状態(以下、作業状
態A0という)が特定される。この作業状態A0の特定
は、演算部13に予め記憶された多数の作業状態のデー
タから合致するものを選択すること、あるいは各検出値
を用いて予め記憶された数式を演算するものであっても
よい。
【0042】この後、SA−2で温度検出器28からの
温度検出値Tを演算部13に取り込み、SA−3で予め
記憶したデータから荷重減少方程式を探し出す。なお、
荷重減少方程式は許容荷重を温度の関数として表した方
程式である。
【0043】SA−4においては、前記温度検出値Tを
前記荷重減少方程式に代入して環境温度が変化したこと
によって生じる許容荷重の減少荷重を算出し、この算出
した減少荷重と作業状態A0における標準温度での許容
荷重W0から、温度Tにおける作業状態A0での許容荷重
aを算出する。
【0044】次に、SA−5においては、前記実負荷検
出器25からの負荷検出値と作業状態A0とから実荷重
bを算出する。これは、前記実負荷検出器25が伸縮
ブーム5に加わる自重等を含むすべての荷重に応じたモ
ーメントとして検出するからである。
【0045】この後、SA−6においては、前記SA−
5で算出した実荷重Wbが前記SA−4で算出した許容
荷重Waより大きいか否かを判断する。
【0046】その判断がNOの場合には、実荷重Wb
温度を考慮した許容荷重Waより小さいことを意味する
ので過負荷状態でなく、スタートに戻る。
【0047】また、YESの場合には実荷重Wbが温度
を考慮した許容荷重Waを越えていることを意味し過負
荷状態であるので、SA−7にすすみ制御器14にスト
ップ信号を出力してアクチュエータの危険側への動作を
停止させ、この後スタートに戻る。
【0048】なお、このSA−7においてはアクチュエ
ータの動作を停止させるのみならず、アクチュエータの
動作の停止に先だってあるいは同時に警報を発するよう
にしてもよいことはいうまでもない。また、この実施例
においては、温度検出器28を用いているが、この温度
検出器28に代えて温度入力用操作スイッチ31を設
け、オペレータによるこの操作スイッチ31の操作から
クレーンの環境温度に対応した補正信号を演算部13に
与えることとしてもよい。
【0049】次に、第2実施例について主に図5および
図6により説明するが、この第2実施例の説明において
は、クレーン車1の構成や過負荷防止装置11の構成は
それぞれ前記実施例の図4および図1と概ね同様である
ので重複した説明を省略する(この点は以下の各実施例
においても同様である)。
【0050】なお、この第2実施例においては、温度検
出器28が設置されておらず、温度入力用操作スイッチ
31のみが設置されたものである。
【0051】この第2実施例においては、例えば、吊上
げ荷重と作業半径との関係データは図5に示すように記
憶されている。
【0052】すなわち、この第2実施例におけるデータ
の蓄積は、先に図2において説明した標準温度での性能
曲線ACBが演算部13に記憶されている他、この標準
温度とは異なる各温度に対応して補正された性能曲線と
してD11B,D22B,D33B,D44B,D55
Bの5種類のものがあわせて演算部13のROM(ReadOnl
y Memory)に予め記憶されている。
【0053】このような演算部13における過負荷防止
動作は図6に示すフロー図にしたがって行なわれる。
【0054】過負荷防止動作が開始すると、SB−1に
おいて、前記ブーム長さ検出器21,起伏角検出器2
2,旋回角検出器23,アウトリガ検出器24,ジブ長
さ検出器26およびジブチルト角検出器27からの各信
号が演算部13に取り込まれ、その作業状態A0を特定
する。
【0055】この後、SB−2でオペレータの温度入力
用操作スイッチ31の操作により温度Tを演算部13に
入力し、SB−3で予め記憶した各温度に対応した補正
性能としての性能曲線群から温度Tに対応するものを選
択し、その性能曲線を参照しつつ前記作業状態A0にお
ける許容荷重Waを得る。
【0056】SB−4においては、前記実負荷検出器2
5からの負荷検出値と作業状態A0とから実荷重Wbを算
出する。
【0057】そして、SB−5においては、前記SB−
4で算出した実荷重Wbが前記SB−3で得た許容荷重
aより大きいか否かを判断する。
【0058】その判断がNOの場合には、実荷重Wb
温度Tを考慮した許容荷重Waより小さいことを意味す
るので過負荷状態でなく、スタートに戻る。
【0059】また、YESの場合には実荷重Wbが温度
Tを考慮した許容荷重Waを越えて過負荷状態であるの
で、SB−6にすすみ制御器14にストップ信号を出力
してアクチュエータの危険側への動作を停止させ、この
後スタートに戻る。
【0060】なお、この実施例においては、温度入力用
操作スイッチ31を用いているが、前記実施例と同様に
温度検出器28を設置し、これにより得られる温度検出
値を演算部13に与えることとしてもよい。
【0061】以上説明した第1実施例および第2実施例
は、この発明でいう許容負荷についての補正を行なうも
のであるが、次に、この発明でいう実負荷についての補
正を行なう第3実施例を図7により説明する。
【0062】この第3実施例の場合は、前記第1実施例
と同様に温度検出器28を有するものであり温度入力操
作スイッチ31は有していないが、温度検出器28に代
えて温度入力操作スイッチ31を用いてもよいことも前
記第1実施例と同様である(これらの点は後述する第4
実施例においても同様である)。
【0063】この第3実施例の演算部13における過負
荷防止動作は図7に示すフロー図にしたがって行なわれ
る。
【0064】過負荷防止動作が開始すると、SC−1に
おいて、前記ブーム長さ検出器21,起伏角検出器2
2,旋回角検出器23,アウトリガ検出器24,ジブ長
さ検出器26およびジブチルト角検出器27からの各信
号が演算部13に取り込まれ、その作業状態A0が特定
される。
【0065】そして、SC−2で予め記憶した性能チャ
ートから前記作業状態A0における許容荷重Waを得る。
【0066】この後、SC−3においては、前記実負荷
検出器25からの負荷検出値と作業状態A0とから実荷
重Wbを算出する。
【0067】SC−4で温度検出器28からの温度検出
値Tを演算部13に取り込み、SC−5において予め温
度毎に記憶させていた割増し係数群からその温度Tに対
応する割増し係数αを探し出す。なお、割増し係数はい
ずれも1.0より大きい値である。
【0068】そして、SC−6においては、このように
して得られた割増し係数αとSC−3において算出され
た実荷重Wbとの積を算出して割増し実荷重Wb’を得
る。
【0069】この後、SC−7においては、前記SC−
6で算出した割増し実荷重Wb’が前記SC−2で得た
許容荷重Waより大きいか否かを判断する。
【0070】その判断がNOの場合には、実荷重Wb
ついて温度Tを考慮した割増し実荷重Wb’が許容荷重
aより小さいことを意味するので過負荷状態でなく、
スタートに戻る。
【0071】また、YESの場合には実荷重Wbについ
て温度Tを考慮した割増し実荷重Wb’が許容荷重Wa
越えていることを意味し過負荷状態であるので、SC−
8にすすみ制御器14にストップ信号を出力してアクチ
ュエータの危険側への動作を停止させ、この後スタート
に戻る。
【0072】次に、この発明でいう許容負荷に関して設
定された基準を補正する,第4実施例の過負荷防止装置
11の動作を図8のフロー図に沿って説明する。
【0073】過負荷防止動作が開始すると、SD−1に
おいて、前記ブーム長さ検出器21,起伏角検出器2
2,旋回角検出器23,アウトリガ検出器24,ジブ長
さ検出器26およびジブチルト角検出器27からの各信
号が演算部13に取り込まれ、その作業状態A0が特定
される。
【0074】そして、SD−2で演算部13に予め記憶
した性能チャートから前記作業状態A0における許容荷
重Waを得る。
【0075】この後、SD−3においては、前記実負荷
検出器25からの負荷検出値と作業状態A0とから実荷
重Wbを算出する。
【0076】SD−4で温度検出器28からの温度検出
値Tを演算部13に取り込む。
【0077】そして、SD−5においては、予め温度毎
に記憶させていた,許容荷重Waに対する実荷重Wbの比
(Wb/Wa=f,このfを以下において基準比という)
群から、その温度Tに対応する基準比faを性能チャー
トから探し出す。
【0078】この後、SD−6においては、SD−3で
得られた実荷重WbをSD−2で得られた許容荷重Wa
除して、その商がSD−5で得られた基準比faより大
きいか否かを判断する。
【0079】その判断がNOの場合には、実荷重Wb
温度Tを考慮した許容荷重fa・Waより小さいことを意
味するので過負荷状態でなく、スタートに戻る。
【0080】また、YESの場合には実荷重Wbが温度
Tを考慮した許容荷重fa・Waを越えていることを意味
し過負荷状態であるので、SD−7にすすみ制御器14
にストップ信号を出力してアクチュエータの危険側への
動作を停止させ、この後スタートに戻る。
【0081】以上説明した各実施例においては、いずれ
も許容荷重と実荷重とを比較することにより過負荷防止
を行なわせることとしたものであるが、本願発明はこれ
に限らず、許容モーメントと実モーメントとを概ね前記
と同様にして比較して過負荷防止を行なうことができる
のはいうまでもない。
【0082】また、以上説明した各実施例においては、
実荷重Wbを実負荷検出器25からの負荷検出値と作業
状態A0とから演算によって求め、この求めた実荷重Wb
と許容荷重Waとを比較することによって過負荷防止を
行なわせるようにしたものであるが、本願発明はこれに
限らず、演算部13に許容荷重Waとして各作業状態に
おける実負荷検出器25からの検出値そのものに対応す
るものを予め記憶させ、実負荷検出器25からの負荷検
出値と前記許容荷重Waとを直接比較して同様の過負荷
防止を行なうようにしてもよい。
【0083】さらに、前記においては、伸縮ブーム5を
高張力鋼により形成したものを説明したが、一般構造用
鋼等の他種の鋼材により形成したものであってもよく、
また鋼材に限らずアルミニウム合金等で形成したもので
あっても同様の過負荷防止装置が有用である。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、この種のクレーンの過負荷防止装置におい
て、クレーンの環境温度を検出する温度検出器を設置し
てその出力を前記演算部に入力させるとともに、演算部
は、前記許容負荷,または実負荷,あるいは許容負荷に
関して設定された前記基準のいずれかを、温度検出器か
らの温度検出値に応じて適宜補正し、その補正値に基づ
いて所要の演算を行なうので、使用環境によりクレーン
の温度が大きく変化する場合であってもクレーンはその
温度条件下において自動的に適切な状態でブームの作動
を制限あるいは警報を発することができ、確実に安全状
態を確保することができる。
【0085】また、請求項2記載の発明によれば、この
種のクレーンの過負荷防止装置において、クレーンの環
境温度に関連した信号を手動入力する手動入力手段を設
置してその出力を前記演算部に入力させるとともに、前
記演算部は、前記許容負荷,または実負荷,あるいは許
容負荷に関して設定された前記基準のいずれかを、前記
手動入力手段からの入力信号に応じて適宜補正し、その
補正値に基づいて所要の演算を行なうので、オペレータ
がクレーンの環境温度に応じて前記操作スイッチを操作
することにより、そのクレーンのおかれた環境下におい
て適切な状態でブームの作動を制限あるいは警報を発す
ることができ、確実に安全状態を確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】過負荷防止装置のブロック図である。
【図2】作業半径と吊上げ荷重との関係を示す性能図で
ある。
【図3】第1実施例のフロー図である。
【図4】クレーン車の全体側面図である。
【図5】第2実施例において演算部に記憶される補正性
能群を作業半径と吊上げ荷重との関係において示した性
能図である。
【図6】第2実施例のフロー図である。
【図7】第3実施例のフロー図である。
【図8】第4実施例のフロー図である。
【符号の説明】
1 クレーン車(クレーン) 2 車体(基台) 4 旋回体 5 伸縮ブーム(ブーム) 11 過負荷防止装置 13 演算部 25 実負荷検出器 28 温度検出器 31 温度入力用操作スイッチ(手動入力手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台に起伏可能に設置したブームを介し
    て吊り荷の吊上げ作業を行なうクレーンであって、前記
    ブームに作用する実負荷を検出する実負荷検出器と、こ
    の実負荷検出器からの信号を受け入れて所定の演算を行
    なう演算部とを有し、 前記演算部は、ブームの作業姿勢に基づく許容負荷を算
    出する機能と、 前記実負荷検出器からの実負荷と算出された許容負荷と
    を比較し、前記実負荷が許容負荷に関して設定された基
    準に達した場合に、前記ブームの作動を制限あるいは警
    報を発する信号を出力する機能とを有する過負荷防止装
    置において、 クレーンの環境温度を検出する温度検出器を設置してそ
    の出力を前記演算部に入力させるとともに、 前記演算部は、前記許容負荷,または実負荷,あるいは
    許容負荷に関して設定された前記基準のいずれかを、温
    度検出器からの温度検出値に応じて適宜補正し、その補
    正値に基づいて所要の演算を行なうことを特徴とするク
    レーンの過負荷防止装置。
  2. 【請求項2】 基台に起伏可能に設置したブームを介し
    て吊り荷の吊上げ作業を行なうクレーンであって、前記
    ブームに作用する実負荷を検出する実負荷検出器と、こ
    の実負荷検出器からの信号を受け入れて所定の演算を行
    なう演算部とを有し、 前記演算部は、ブームの作業姿勢に基づく許容負荷を算
    出する機能と、 前記実負荷検出器からの実負荷と算出された許容負荷と
    を比較し、前記実負荷が許容負荷に関して設定された基
    準に達した場合に、前記ブームの作動を制限あるいは警
    報を発する信号を出力する機能とを有する過負荷防止装
    置において、 クレーンの環境温度に関連した信号を手動入力する手動
    入力手段を設置してその出力を前記演算部に入力させる
    とともに、 前記演算部は、前記許容負荷,または実負荷,あるいは
    許容負荷に関して設定された前記基準のいずれかを、前
    記手動入力手段からの入力信号に応じて適宜補正し、そ
    の補正値に基づいて所要の演算を行なうことを特徴とす
    るクレーンの過負荷防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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